試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2022年1月15日12時00分 KICK OFFNTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 SEASON リーグ戦

シャイニングアークス東京ベイ浦安シャイニングアークス東京ベイ浦安

vs

クボタスピアーズ船橋・東京ベイクボタスピアーズ船橋・東京ベイ

9vs19

前半6 - 10

後半3 - 9

聖地を彩ったアークスブルー。
ホスト初試合はロースコア熱戦も初黒星。
選手は再戦に意欲

試合写真

ついに開幕した「NTTリーグワン2022」。

最高峰ディビジョン1に所属し、開幕戦を劇的勝利で飾ったNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安。

連勝の懸かった第2節は、記念すべき初のホスト試合。アークスは1月15日(土)、秩父宮ラグビー場に、クボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎えた。

試合写真

試合写真

初のホスト開催を記念し、入場ゲートでは来場者全員にチーム特製「青はっぴ」をプレゼント。さっそく羽織る観客も多く、聖地のスタンドにはチームカラーの「青」が目立った。

もちろん観客席には「千葉ダービー」の好敵手、クボタスピアーズ船橋・東京ベイのチームカラーである「オレンジ」も。

大型の強力FWが大きな武器のひとつであるクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、開幕戦がコロナ禍で中止となり、この日が実質的な初戦。互いに負けられないダービーマッチに臨んだ。

試合写真

試合写真

試合開始直前、ピッチにはアークスのビッグ・フラッグ。そして大型ビジョンを使ったメンバー発表は、和太鼓の生演奏が付いた演出だ。

高揚感を高める演出と共に、まず開幕戦から3人の変更があったスタメン15人が発表された。

1人目は中島進護に代わり帝京大卒のLO(ロック)金嶺志。2人目は金曜日に急遽スタメン入りが発表され、公式戦初出場・初先発となったルーキーのHO(フッカー)藤村琉士。3人目は、同じく急遽リザーブから繰り上がった公式戦初出場・初先発のCTB(センター)本郷泰司だ。

リザーブには今季初登録の3人。三宮累と、昨年30日の練習試合で負傷交代していた目崎啓志、そしてビックヒッターである小泉将が出番を待つ。

試合写真

試合写真

試合写真

先制点の起点は、ルーキーHO藤村を2番に据えたスクラム。

互いの力量をはかる重要な「ファースト・スクラム」で強制ペナルティ。SO(スタンドオフ)オテレ・ブラックがペナルティゴールを決めて3点を先制した。

HO藤村は序盤から大型FWを一発で止める好タックルを連発。ルーキーらしからぬ存在感を発揮し、指揮官も「素晴らしいパフォーマンス」(ロブ・ペニー監督)と評価した。

アークスFWは相手の強力ラインアウトモールも防ぐなど一歩も引かず。序盤はキックゲームでも優勢で、No.8(ナンバーエイト)リアム・ギルは定評通りのジャッカルを披露。ダービーマッチにふさわしい好勝負を繰り広げる。

試合写真

試合写真

先制トライはクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。

3-3で迎えた前半18分、ドライビングモールからの縦突進でスコア。ゴール成功で7点ビハインド(3-10)となった。

アークスは敵陣チャンスでのミスに泣くが、前半20分には無人エリアに蹴り返されたキックに、CTBシェーン・ゲイツ主将、初出場のCTB本郷が猛スピードで帰って失点を防ぐ。

前半36分にはFB(フルバック)イズラエル・フォラウが右隅で突破して敵陣へ。No.8ギルのパスからPR(プロップ)平井将太郎が突破。ここで相手が反則を犯してPG成功。接戦模様のまま、相手リードの6-10で後半へ向かった。

試合写真

試合写真

試合写真

後半もスタートから一進一退。

SOブラックのPG成功(4分)で幸先良く3点追加。1点差(9-10)に迫るが、クボタスピアーズ船橋・東京ベイもPG加点で、ふたたびリードを4点(9-13)に。

あと一本のパスがつながれば、あと少し攻撃回数を重ねれば――。この日はそんな惜しいシーンがあった。

「アタックではフェーズを重ねれば確実にゲインラインを切れていたので、自分たちの展開ラグビーが通用していたところは良かったです。しかし、継続できず、ノックオンなどによるミスで終わることが多かったので、そこが課題です」(CTB本郷)

後半10分にはラインアウトのサインプレーからNo.8ギルが突破。しかし得点は生まれず、その後はラインアウトの反則にも苦しみ、チャンスを得点に変えられなかった。

トライラインまであと一歩、というHO藤村の突進もあった。敵陣22mに入り、WTB(ウィング)羽野の突破もあった。しかしハンドリングエラーなどで思うように得点を上積みできなかった。

試合写真

試合写真

一方のクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、アークスが反則を犯すと無理をしてトライを狙わず、着実に加点。勝利に徹した戦略で後半10、28分、そして終了間際の38分に各3点を追加した。

しかしアークスは随所で粘り強い防御、華麗なアタックを披露した。多くのパスをしたアークスだがハンドリングエラーは4回(相手は5回)という引き締まった内容。ペニー監督も悔しさを滲ませつつ「イーブンな拮抗した試合でした」と語った。

後半29分、相手SO岸岡智樹選手の独走に全速力で追いつき、ジャッカルまで決めた闘将、CTBゲイツ主将が、試合後に語った。

「アークスのスタイルを見せられる場面もありました。チャンスで決めきれない場面もありましたが、チームとしては良い方向へ成長していると思うので、そこについては満足しています」

最終スコアは9-19。両軍合わせて1トライのロースコアの熱戦だった。

試合写真

試合後に整列したアークスの姿は、敗戦はしたが美しき敗者だった。

「気をつけ、礼!」

かけ声でお辞儀をした選手たちに、温かい拍手が降り注いだ。同じカンファレンスAに所属するクボタスピアーズ船橋・東京ベイとの「千葉ダービー(東京ベイダービー)」は今季、もう一度やってくる。

「もう一度クボタスピアーズ船橋・東京ベイさんと対戦する機会があるので、前を向いてチーム一丸となって頑張っていきたいと思います」(SH湯本睦)

再戦は5月1日(第15節)。選手たちは早くも闘志を燃やしている。

試合写真

試合写真

ロブ・ペニー監督の声

ロブ・ペニー監督

――今日の試合を振り返ってください。

2つの良いチーム同士のぶつかり合いでした。最終的にはクボタスピアーズ船橋・東京ベイさんが勝ちました。アークスとしても良いプレーはしており、勝つパフォーマンスはできていました。イーブンな拮抗した試合でした。

――金曜日に急遽、HOのメンバー変更がありました。

外国人選手枠の関係もあり、フッカーの専門職をベンチに置かない、という方法を採りました。しかし調整は上手くいきました。そこで自分たちのプラン通りにいかなかったことはなかったです。藤村(琉士)がデビュー戦で素晴らしいパフォーマンスをしていたので、そこは満足です。

CTBシェーン・ゲイツ主将の声

CTBシェーン・ゲイツ主将

――先発した今日の試合を振り返ってください。

良いバトルで、拮抗していました。アークスのスタイルを見せられる場面もありました。チャンスで決めきれない場面もありましたが、チームとしては良い方向へ成長していると思うので、そこについては満足しています。

――2戦連続でFWが強い相手でした。

開幕戦と比べて、さほど差はありませんでした。細かい部分で自分たちのチャンスが思うように運ばなかった、ということだと思います。

――クボタスピアーズ船橋・東京ベイの接点、ブレイクダウンでの激しさはあった?

自分たちのラグビーはハイテンポ、スキルの生かしたスタイルです。相手は自分たちのテンポを出させないところが上手かったです。9番に球出しを乱される場面もありました。

――初のホストゲームでしたね。

素晴らしい雰囲気でした。最後に秩父宮でプレーしたのは1年前でした。戻ってこれて嬉しいです。ファンがポジティブな雰囲気を作ってくれました。僕たちもそうした雰囲気を作りたいと思っています。ファンの皆さんがワクワクして、ラグビーをプレーしたいと思うようなプレーをしたいです。そうした雰囲気の中でプレーできたことは素晴らしかったです。

――次週へ向けての意気込みをお願いします。

来週も大きなチャレンジになると思います。アタックでは良いチャンスを作れているので、成長し続けてチームの動きに磨きをかけ、決めきるところまで磨いていきたいと思います。

SH湯本睦選手の声

SH湯本睦選手

――先発した今日の試合を振り返ってください。

負けたことは残念でした。長いシーズンなので、もう一度クボタスピアーズ船橋・東京ベイさんと対戦する機会があるので、前を向いてチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。

先週のラインアウト成功率は100%だったと思いますが、今日は乱れた部分があります。セットプレーからアグレッシブにアタックするところではチャンスも作れていました。あのようなチャンスでトライを取り切る、スコアができるところに繋げられればもっと良いチームになると思うので、今後も小さな積み重ねをして精度を上げていきたいです。

――初のホストゲームの感想はいかがですか?

ブルーのはっぴを着て応援していただけることは力になります。運営の人たちにこうした機会をいただき、集客にも力を入れてくれて出来ている舞台です。だからこそ皆さんの期待に応えたいと思います。

HO藤村琉士選手の声

HO藤村琉士選手

――初出場、初先発だった試合を振り返ってください。

ディフェンスが良かったと思います。課題のスクラムはもっと強くしたいです。またレフェリーとコミュニケーションを取りたいと思います。スクラムは全体的には良かったのですか、何回かペナルティをもらってしまったので修正したいです。

――急遽リザーブからスタメンに繰り上がりました。

開幕戦に出られず、とても悔しい思いをしたので、めちゃくちゃ気合いが入っていました。先発が決まった時は本当に緊張しました。眠れずに心臓がバクバクしている夜もありましたが、その分、試合になると開き直り、思い切ってやろうと決めて頑張りました。

――リーグワンへの抱負、ファンへのメッセージをお願いします!

リーグワンでまずは優勝したいです。そのために自分自身も追い込み、チーム力を上げていけるように頑張ります。ファンの皆様、いつも応援ありがとうございます。これからもタフな試合が続き、見応えのある試合が多くなってくると思いますので、ぜひ注目してください。

CTB本郷泰司選手の声

CTB本郷泰司選手

――初出場、初先発だったクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦を振り返ってください。

アタックではフェーズを重ねれば確実にゲインラインを切れていたので、自分たちの展開ラグビーが通用していたところは良かったです。しかし、継続できず、ノックオンなどによるミスで終わることが多かったので、そこが課題です。

ディンフェスでは全員が前に出て体を張っていてほとんどラインブレイクされることがありませんでした。DFラインも乱れることがなかった点は良かったです。ただ無駄なオフサイドによる相手のスコアがとても勿体なかったので、規律を徹底することが大切だと感じました。

――今シーズン、メンバー入りを掴むまでに昨季から努力を重ねてきたと聞きました。

昨年1試合も試合に出ることができず、本当に悔しい思いをしたので、「今年こそは」と思い誰よりもオフシーズンにトレーニングをしました。オフシーズンは業務がありますが、業務前に西橋さん(勇人)と松尾さん(将太郎)の3人で、パスやキックのスキルの練習をして、業務後には竹内(柊平)と藤村(琉士)と3人で走り込みとウエイト、ボクシングトレーニングをしました。プレシーズンに練習よりハードなことをしていたので、スキルや体力、ウエイトの数値は昨年より格段に上がりました。

――急遽スタメンになることが決まってから、どう過ごし、どんな気持ちで試合を迎えましたか?

過ごし方はいつもと変わらないです。スタメンであってもリザーブであっても自分がベストを出せる準備をするだけでした。ビデオを見て相手を分析し、相手の特徴に合わせたアタック、ディフェンスを考え、試合でのポジティブなイメージを持って挑みました。気持ちの面ではスタメンだからといって気負うことなく、自分ができるベストを出そうと思い、試合を迎えました。

――主将を務めた母校・帝京大学が4季ぶりに優勝しました!

国立競技場で観戦して、優勝する瞬間を生で見ました。一糸乱れぬディフェンスで、気を緩めることなく明治大学さんを圧倒した帝京の選手たちに感動しました。自分もみんなに負けずに頑張ろう、と強く思いました。

――今シーズンの抱負を聞かせてください。

試合で活躍し、チーム初のベスト4に貢献すること、そして日本代表になることです。

試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真

*公式戦フォトギャラリーはこちら