試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2022年1月8日12時00分 KICK OFFNTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 SEASON リーグ戦

シャイニングアークス東京ベイ浦安シャイニングアークス東京ベイ浦安

vs

コベルコ神戸スティーラーズコベルコ神戸スティーラーズ

24vs23

前半14 - 12

後半10 - 11

幕開けはシャイニングアークスの歴史的1勝!
リーグ開幕戦で11年度以来の神戸戦白星

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84分40秒、神戸の青空にコンバージョンキックが舞った。

楕円球がHポールを反れた瞬間、歴史的なリーグ最初の勝者が決まった。

「NTTリーグワン2022」の初年度、最初の試合で勝利を上げたチームは、NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安。

しかも相手は11年シーズン以来勝利のなかった難敵、誇り高きコベルコ神戸スティーラーズだ。

開幕戦で2度負けている相手からの勝利に、指揮官2期目のロブ・ペニー新監督は試合後、喜びを隠さなかった。

「この上ない喜びです。記憶の限りでは神戸さんからの勝利は初めてです(1期目は2014年度から5季)。神戸さんのようなクオリティの高いチームに勝利でき、嬉しい限りです」

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ホストゲームのアドバンテージがあったわけではない。

会場は兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場だ。しかも観客席は赤いTシャツを着込んだファンで、赤一色に染まっていた。

スタジアム全体がホストチームを後押しする雰囲気のなか、2022年1月8日(土)、ブルーのジャージーに身を包んだ23人の戦士は、リーグ戦で約10年勝利のない強敵に立ち向かった。

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本来のリーグ開幕戦がコロナ禍で開催中止になったことで、カンファレンスA第1節、12時キックオフのこの試合が実質的なリーグ開幕戦となった。

冬晴れの下、新リーグ最初のトライを決めたのは赤いジャージーだった。

コベルコ神戸スティーラーズは前半3分、CTB(センター) リチャード・バックマン選手がアークスDFを中央突破。歓声を浴びて先制トライを決めた。

開始3分で7点を失ったアークス。勢いに呑まれる前に、逆襲に転じたい。ここで3人の新戦力が華麗な連係プレーを見せた。

アークスはSH(スクラムハーフ)湯本睦の的確なキックで翻弄すると、前半12分、キックカウンターから猛攻。

司令塔のSO(スタンドオフ)オテレ・ブラックが、FL(フランカー)ジェームス・ムーアの突破をアシスト。さらに楕円球は、フォローに付いていたFB(フルバック)イズラエル・フォラウへ。

この日アークス初キャップ(公式戦初出場)を獲得した3人の協演により、FBフォラウの豪快なワンハンド・トライが生まれた。

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ここからアークスは猛攻。9年目のHO(フッカー)三浦嶺はセットピース、ボールキャリアーとして大車輪だった。

昨季途中の悔しいケガから復帰したばかりの成蹊大卒のフッカーは、正確なスローイングでラインアウト、スクラム(ともに成功率100%)に貢献。こぼれ球を捕球し、あわや独走トライの快走も見せた。

前半16分にはHO三浦がトライに繋がるラストパスを受けるところを、相手が故意のノックオンによりトライセーブ。ペナルティトライ(7点)が認められ、アークスはこの日初めてのリード(14-7)を奪った。

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アークスはフォワードが粘り強く、激しく戦い続けた。

コベルコ神戸スティーラーズは再三アークス陣に攻め込み、強力FWがモールを組むが、青いジャージーが前進を許さない。

「フォワードが信じられないほど素晴らしい頑張りを見せてくれていました」(FBフォラウ)

前半23、34分にはスクラムで強制PK(ペナルティキック)を奪取。スクラムやモールの攻防で優勢となり、熱戦を演出した。

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コベルコ神戸スティーラーズも華麗なハンドリングから前半39分に2トライ目。アークスは前半を2点リード(14-12)で折り返した。

1チーム16試合のレギュラーシーズンは始まったばかりだが、後半は両軍に負傷者が。今季はチーム全員の力を結集させる「総力戦」、との選手の言葉がいよいよ現実味を帯びる展開に。

ここで後半10分、さらに同28分にコベルコ神戸スティーラーズがPG(ペナルティゴール)を加え、リードを4点(14-18)に拡大。

しかしアークスは途中出場組も躍動。日本国籍を持つFLマッケンジーアレキサンダーがジャッカルで貢献すれば、齊藤剣、竹内柊平の両PR(プロップ)を入れたスクラムで、アークスFWがPKを奪ってみせる。

残り時間8分(後半32分)、相手のペナルティからSOブラックがPGを決めてビハインドは1点(17-18)に。そして熱戦は佳境を迎えた。

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歓喜の逆転トライは、後半34分、敵陣での自軍投入スクラムから始まった。

約10年前の勝利を味わっている11年目のSH鶴田諒がパスアウト。新キャプテンとして初陣のCTBシェーン・ゲイツが突進、FLムーアのオフロードパスからPR竹内がさらに前進――。

ここで相手に反則と見るや、SH鶴田がすかさずボールを配球。SOブラックが選択したのはインゴールへのショートパントだった。

キックを合わせたのはハイボール・キャッチの世界的名手、FBフォラウ。相手の反則でアドバンテージが出たら、ハイボールでトライを取ろうと話し合っていた。

「オテレ(ブラック)とはここ数週間、チャンスがあればやろうといった話をしていました。今日そのチャンスがやってきて、オテレが良いところにキックを落としてくれて、決めきることができました」(FBフォラウ)

千両役者たちが期待通りの活躍を見せ、殊勲の逆転トライ。残り2分でついに6点リード(24-18)を奪った。

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ところが後半ロスタイム、ホストのコベルコ神戸スティーラーズが意地を見せる。神戸で1928年から歴史を築く伝統チームは、試合終了のホーンが鳴って約4分の猛攻。

アークスも必死に止め続けたが、後半44分に途中出場の中嶋大希選手が左中間にトライ。

スコアは1点差(23-24)。ここで相手SOアーロン・クルーデン選手のコンバージョンが決まれば、コベルコ神戸スティーラーズの勝利。外れれば、アークスの勝利――。

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「特別な瞬間でした。その瞬間をフィールドで戦っていたメンバーだけでなく、影で努力をしてきたすべてのみんなと分かち合いました」(CTBゲイツ主将)

NTTリーグワン2022。アークスは歴史的な最初の勝者となった。

最終スコアは24-23。見事に勝ち切り、公式戦では11年度以来となるコベルコ神戸スティーラーズからの勝利を挙げた。

プレーヤー・オブ・ザ・マッチは2トライを決めたFBフォラウ。試合後のピッチ、ロッカールームは歓喜に溢れていた。

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ロブ・ペニー監督の声

ロブ・ペニー監督

――勝利した開幕戦を振り返ってください。

チームのパフォーマンスに感激しています。ここ数週間、すごく良い準備でした。接戦でしたが素晴らしいファイトを見せてくれて、戦う姿勢を見せてくれました。コーチング・スタッフ一同、彼らのことを誇りに思っています。

――開幕戦で過去2度対戦したコベルコ神戸スティーラーズから初勝利を奪いました。

この上ない喜びです。記憶の限りでは神戸さん(コベルコ神戸スティーラーズ)に勝利したことは初めてです。そうしたクオリティの高いチームに勝利でき、嬉しい限りです。我々が勝ったということはリーグワンのディビジョン1が、競争率の高いリーグであることを物語っていると思います。

――リーグワンの実質的な開幕戦で勝利しました。あらためて感想を。

こうして日本に戻ってきて、自分にとって特別なシャイニングアークスでふたたびコーチングができることは光栄で、幸運なことです。

地域に根ざしたチームの取り組みもあり、浦安を代表し、初戦に良いスタートを切ることができました。コロナ禍の厳しい状況を忘れさせるような素晴らしい一日になりました。テレビの前で見ているサポーターの方々もたくさんいらっしゃったと思います。世界中のファンが注目するグローバルな大会になると思うので、そこに携わることができて光栄です。

CTBシェーン・ゲイツ キャプテンの声

CTBシェーン・ゲイツ キャプテン

――キャプテンとして初陣だった開幕戦を振り返ってください。

明けましておめでとうございます。特別な瞬間でした。その瞬間をフィールドで戦っていたメンバーだけでなく、影で努力しいてきたすべてのみんなと分かち合いました。ポジティブなスタートを切ることができました。NTTリーグワン2022はクオリティの高いチームが勢揃いしているので、毎週厳しい戦いになると思いますが、毎週良い準備していきたいと思います。

――開幕戦の中止により、この試合が実質的な開幕戦になりました。

正直に言うと、この試合がリーグワンの開幕戦だったことは知りませんでした。ロブ(ペニー監督)も言っていましたが、私もチームに来てから(2016年加入)神戸さんに勝利したことはなかったです。皆さんに接戦を楽しんで頂けたかと思います。こうした接戦でプレーすることはスポーツマンとしてこの上ない喜びです。

SO オテレ・ブラック選手の声

SO オテレ・ブラック選手

――先発した今日の試合を振り返ってください。

スペシャルプレーもいくつか用意していましたが、機能しない部分もあり対応力が求められました。そこで上手く対応でき、相手のフォワードを動かす展開ラグビーができたかなと思います。最初のイジー(FBフォラウ)のトライは、練習してきたフォワードのランニングラインが上手くハマりました。個人としては、ディフェンスラインに仕掛けていく動きは、何回か良いボールタッチがありました。

――コベルコ神戸スティーラーズからの勝利は10季ぶりでした。

すごく嬉しいです。フィールド上の選手達も感情を出していました。クオリティの高いチームを相手に自分たちの力を試すことができ、本当に良かったです。

――リーグワン初勝利、開幕戦勝利を喜んでいるアークスのファンへメッセージをお願いします!

長いシーズンになるので、ファンの皆さんの力が必要です。皆さんの誇りになれるよう頑張るので、引き続き応援よろしくお願いします。

FB イズラエル・フォラウ選手の声

FB イズラエル・フォラウ選手

――先発した今日の試合を振り返ってください。

チームを誇りに思っています。キャラクターが試される試合でしたが、キャラクターの強さを見せることができました。この素晴らしいチームの一員になれたことを誇りに思っています。

――今日はフォラウ選手含めてディフェンスが素晴らしい印象でした。

良い部分もありましたが改善できる部分はしっかり見直したいです。チームとして良いファイトを見せられていて、特に終盤の自陣でのディフェンスでは向上が見られました。これからも向上を続けたいです。

個人としてディフェンスはすごく好きです。カバーディフェンスからのタックル、ラインブレイクからの最終ラインとしてのトライラインを守り切ることは、15番として大きい仕事なので、そこはこれからも向上していきたいです。

――終盤、得意のハイボールキャッチでのトライがありました。

トライを決められて最高の気持ちでした。いつもああいったチャンスは窺っていて、特にアドバンテージが出た時はチャンスが生まれます。オテレ(SOブラック)とはここ数週間、チャンスがあればやろうといった話をしていました。今日そのチャンスがやってきて、オテレが良いところにキックを落としてくれて決めきることができました。

――今日はフォワードが奮闘していました。

フォワードが信じられないほど素晴らしい頑張りを見せてくれていました。特にバックスリーの選手として、フォワードが前に出られているかどうかで大きな差があります。あまり気付かれませんが、今日は素晴らしいフォワードの努力が見られたと思います。

――最後に勝利を喜んでいるアークスのファンへメッセージをお願いします!

今日はアウェーにもかかわらずサポートして頂いてありがとうございます。来週はホームゲームです。皆さんの盛大な応援を待っています。

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