試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2021年12月18日12時00分 KICK OFFプレシーズン練習試合

シャイニングアークス東京ベイ浦安シャイニングアークス東京ベイ浦安

vs

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪NTTドコモレッドハリケーンズ大阪

28vs17

前半7 - 12

後半21 - 5

これぞダービーマッチ!!
最高強度の肉弾戦と美しきノーサイド。
伝統の一戦「NTTダービー」

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この一戦に懸ける思いは強かった。

「選手もスタッフも、この試合に懸ける想いは違いました」(WTB/ウイング 羽野一志)

「激しいフィジカル・バトルでした。NTTダービーということもあって、すごく緊張感がありました」(FL/フランカーマッケンジー アレキサンダー)

入部8年目のWTB羽野はもちろん、今季加入した日米ハーフのFLアレキサンダーにも伝統の重みは伝わっていた。

12月18日(土)、NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安と、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪の一戦、「NTTダービー」が今年も開催された。

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アークスはプレシーズンマッチ5連勝と勢いに乗っており、2022年1月8日のチーム開幕戦(コベルコ神戸スティーラーズ戦)へ向けて、好敵手を迎えてさらに自信を深めたいところだった。

毎年のようにプレシーズンで対決してきた両軍だが、昨年はNTTドコモレッドハリケーンズ大阪が17-5で勝利。アークスにとっては昨年の雪辱戦となった。

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アークスは先週の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦からスタメンを7人変更(フォワード5人、バックス2人)。

先発に入ったフォワードは、帝京大出身のPR(プロップ)平井将太郎、今季初先発となったHO(フッカー)三浦嶺、NZ出身のLO(ロック)ジミー・トゥポウ。

そして両FLは今季好調の目崎啓志、チームの精神的支柱である金正奎クラブキャプテンが先発となった。

バックスでは高速展開の名手であるSH(スクラムハーフ)湯本睦、昨季はチーム最多の9トライを記録したWTB石井魁がスタメンに入った。

寒波到来により陽向にいても肌寒い、しかし空はすっきりとした冬晴れのコンディションのなか、伝統のダービーマッチがキックオフを迎えた。

※NTTドコモレッドハリケーンズ大阪戦のメンバーはこちら!!

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「前半は風下でやりにくい状況でした」と後半出場のWTB羽野が語った通り、前半のアークスは我慢の時間が続いた。

まずはNTTドコモレッドハリケーンズ大阪が先制の一撃。

アークスのノックオンからスクラムでPK(ペナルティキック)を奪うと、強力なラインアウトモールから前半4分に先制トライ。

しかし5点を追いかけるアークスもすぐに反撃。

ラックでFL金正奎クラブキャプテンが起点となってターンオーバー(攻守交代)。その直後、今季加入のCTB(センター)トゥクフカトネが、ラック脇から防御線を突破!!

来日12年目の元トンガ高校、U20代表が前半8分にトライを決め、NZ出身のSO(スタンドオフ)オテレ・ブラックのコンバージョンキックが成功。

攻守交代からの速攻でトライを取り切り、風下ながら貴重な7点を奪取。2点リード(7-5)の展開とした。

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両軍のコリジョン(衝突)は激しかった。

一触即発の空気のなか、容赦ない激突が繰り返される。ラックでボールを奪うジャッカルが決まれば、チーム全員が雄叫びを上げた。

前半15分過ぎからはスクラム戦。ここでNTTドコモレッドハリケーンズ大阪がPKを奪取し、ふたたびラインアウトモールから2トライ目。

アークスはふたたび5点のビハインド(7-12)を背負ったが、CTBシェーン・ゲイツ新主将のジャッカルなどで失点を防いだ。

「前半に風下でしっかり耐えることができ、後半になってやりたかったラグビーができました。シナリオ通りに行ったと思います」(WTB羽野)

前半をロースコアで折り返せれば、風上の後半で巻き返せる――。逆襲を期し、アークスは7-12で後半へ向かった。

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風上に立った後半で、まずアークスが高い技術から逆転トライを奪う。

アークスは安定感のあるスクラムから後半3分、LOジミー・トゥポウがロングゲイン。連続攻撃から、SOブラックの巧みなショートキックをCTBゲイツ主将が再獲得。頼れる新主将がインゴールへ駆け込み、同点トライ。ゴール成功で14-12と逆転に成功した。

しかしダービーマッチは簡単には終わらない。

後半5分にはNTTドコモレッドハリケーンズ大阪が、武器であるラインアウトモールから再逆転(14-17)。

逆転に次ぐ逆転――。手に汗握るクロスゲームが展開されていく。

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「ハーフタイムで切り替えてピッチに出たあと、選手それぞれがスイッチを変えました。リザーブ選手も良い変化をもたらしてくれました」

試合後にそう語ったのは米国人の父、日本人の母を持つFLアレキサンダーだ。

アークスは後半20分、相手の武器であるラインアウトモールを防いで反則誘発。スクラムでも優位に立つなど、途中出場組がチームにエナジーを与えた。

FL栗原大介が好タックルを見せれば、LO金嶺志は相手に絡みついてターンオーバーを演出。PR上田竜太郎、三宮累が加わったスクラムでは強制PKを奪った。

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アークスの3度目の逆転は後半27分だった。

スクラム戦で優位に立ったアークスは効率的に敵陣へ。波状攻撃からSOブラックを起点としたロングパスがWTB石井魁へ通り、21-17と再々逆転に成功。

そして後半38分には入部10年目、11年目のベテランが躍動。

相手のラインアウトが乱れて敵陣チャンスを得たアークスは、途中出場で11年目のSH鶴田諒が、無人スペースへ技アリのキック!!

これを追っていた慶大卒のタックラー、入部10年目のFL栗原がキックをインゴールで再獲得。歓声のなかでチーム4トライ目を決め、ライバルから11点リード(28-17)を奪った。

最終盤のピンチもこの日80分間出場したNo.8(ナンバーエイト)リアム・ギルが、十八番のジャッカル。猛攻をしのぎ切り、ボールを蹴り出して試合終了。28-17で激闘に終止符が打たれた。

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試合後には激しいバトルを繰り広げていたNo.8ギルと、同ポジションの相手No.8(ナエアタルイ選手)が握手を交わし、お互いに健闘を称え合う姿が。

相手10番で先発した元アークスのSOエルトン・ヤンチースも和やかに談笑。あちこちで所属チームを越えて語らう、美しいノーサイドの光景が広がっていた。

これでアークスは「約1か月半負けなし」となる6連勝。残るプレシーズンマッチは、いよいよ年末の2試合のみだ。

次戦はクリスマス(12月25日)。同じディビジョン1に所属する静岡ブルーレヴスと、静岡エコパスタジアムで激突する。

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FL マッケンジー アレキサンダーの声

FL マッケンジー アレキサンダー選手

――加入1年目、フランカーで後半から途中出場をしました。

激しいフィジカル・バトルでした。NTTダービーということもあって、すごく緊張感がありました。

それぞれが自分の役割をきちんとできました。試合を通して自分たちが何をしなければならないかを学ぶことができ、良い結果になりました。

――最終的にスコアで上回ることができた理由は?

後半がターニングポイントだったと思います。ハーフタイムで切り替えてピッチに出たあと、選手それぞれがスイッチを変えました。リザーブ選手も良い変化をもたらしてくれました。

――ではアークス・ファンの皆さまへメッセージをお願いします!

目標のトップ4へ向けて、トレーニングを続けてもっと良いチームにしていきたいと思います。皆さまへ良い試合を見せられるように頑張りたいです。応援よろしくお願いします。

WTB/FB 羽野一志選手の声

WTB/FB 羽野一志選手

――今日は伝統の「NTTダービー」でした。

選手もスタッフも、この試合に懸ける想いは違いました。普段のゲームの意気込みではありませんでした。

――今日はメンバー発表で特別な演出があったそうですね。

グリーンルーム(室内練習場)の大型スクリーンに選手の名前、写真が映し出されてメンバーが発表されました。公式戦のような演出、雰囲気でした。

――前半を5点ビハインド(7-12)で折り返しましたが、ハーフタイムでどんな話をしましたか?

前半は風下でやりにくい状況でした。ただ結果的には良く耐えることができ、均衡したまま後半を迎えることができました。後半は風上なのでしっかり引き離そう、という話はしていました。

――後半に逆転できた理由は?

前半に風下でしっかり耐えることができ、後半になってやりたかったラグビーができました。シナリオ通りに行ったと思います。

――ラインアウトで乱れたボールを捕球してゴール前に迫るなど、良いプレーが多くあったように見えました。

あの場面、ラインアウトでこぼれ球が来るかな、と予想していたので準備はしていました。後半から出場するということでアップから気持ちを作れていたと思います。

――NTTダービーに勝利しました。最後にファンの皆さまへメッセージをお願いします。

本当に大事なNTTダービーに勝つことができて本当に嬉しいです。皆さんの応援のお陰だと思っています。開幕戦のコベルコ神戸スティーラーズ戦から一戦一戦、大事に勝ちを積み上げていって、最高順位を目指したいと思います。今日は応援ありがとうございました。

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