総勢40名超がアピール!2020年は40分×3本の練習マッチで締めくくり!
「競争が激しいです。誰が出場してもおかしくありません」(斉藤展士FWコーチ)
試合前のピッチに現れた斉藤FWコーチは、スポーツ観戦アプリ「SpoLive」で中継されたチームスタッフ映像「アークスカメラ」で、激しいチーム内競争について言及しました。
選手が照準を定めるのは来年1月16日(土)開幕の「トップリーグ2021」。NTTコミュニケーションズ シャーニングアークス(以下アークス)は初の4強入りを目指しています。
東京・国立競技場で行われる開幕戦まで、練習マッチは残り3試合。
選手にとっては、そのすべてがプレシーズンの積み重ねをぶつける貴重な機会です。
そして2020年12月19日(土)、静岡・エコパスタジアムで、ヤマハ発動機ジュビロと40分×3本の変則マッチが行われました。
アークスからは総勢40人超が登場し、それぞれが新シーズンに懸ける思いをぶつけました。
※ヤマハ発動機戦の出場メンバーはこちら!
相手となるヤマハ発動機は、強力スクラムを看板とする4強の常連。同じくスクラムを強みのひとつとするアークスにとっては、乗り越えなければならない相手です。
2018年度の順位決定戦1回戦(準々決勝)ではアークス初の4強入りを阻まれましたが、(21-33)、2019年度のカップ戦ではFW戦で互角以上の戦いを繰り広げて勝利を飾りました。(31-19)
迎えた今回の練習マッチでは、アークスでスクラム強化を担当する斉藤FWコーチは、この日もフルタイムLIVE動画を配信したスポーツ観戦アプリ「SpoLive」内で、見どころを語ってくれました。
「スクラムにしっかりチャレンジしたい。モールにも力を入れているので、『FWがモールで前に出られるか』にも注目してほしいです」
冬晴れの静岡・エコパスタジアムに集った観客は2,716名。寒風が厳しいコンディションのなか、アークスの先蹴でキックオフとなりました。
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試合序盤、斉藤コーチが見どころに挙げていた“モール”の場面がいきなり登場!
SHグレイグ・レイドローが蹴ったキックオフを確保し、敵陣の右奥に侵入したアークスは、力強いラインアウトモールを組んで、じりじりと前進!
インゴール目前まで進んだところで、身長185センチのCTB池田悠希が突進。身体を反転させる身のこなしで鮮やかに先制トライ!
スコットランド代表として714得点(同国歴代2位)を挙げているSHレイドローのコンバージョンも成功し、アークスが7点を先取しました。
しかしヤマハ発動機も同じラインアウトモールで攻勢をかけ、前半7分に相手11番がトライ(ゴール成功)。7-7
ここからアークスはラックでの反則(ノット・リリース・ザ・ボール)などがあり後退しますが、攻撃的なディフェンスはアークスの強み。
前半20分には、フランスのLOU(リヨン)から加入のNo.8リアム・ギル、FL金正奎という2人の守備名人が協働してジャッカル成功!見事に攻撃権を奪います。
そして注目のスクラム戦で、この日のアークスは一定の手応え。
前半26分、5度目のスクラム(相手ボール)ではヤマハ発動機からペナルティを奪取!
続く6度目のスクラムでも相手の反則を誘発し、ヤマハ発動機は2連続のペナルティ。近年急激に成長しているアークス・スクラムが威力を発揮しました。
一連のスクラムについて、先発プロップの上田竜太郎は「準備したことを出せば良い結果になる、と信じてやり続けた結果」と振り返りました。
ただラインアウトでのミスもあり、チャンスを得点に変えられず。
双子のアークス戦士であるFL鶴谷昌隆、新加入のHOアナル・ランギは攻守に存在感を示し、対人プレーに強いFB安田卓平はセンス溢れるアタックでチャンスメイク。
前半33分に相手2番が抜け出した大ピンチでは、ハードワーカーのCTBシェーン・ゲイツがいち早く戻って好タックル。
一進一退のなかにもそれぞれが持ち味を発揮すると、最後はスクラム戦にこだわってきたヤマハ発動機のプッシュをしのいで、40分間が終了。
粘り強く戦った1本目(40分間)は7-7の同点となりました。
後半(2本目)のスタートダッシュはヤマハ発動機。
4年目のLO牧野内翔馬らが好ディフェンスを続けますが、右大外で突破を許して失トライ(ゴール成功)。7-14
アークスも途中出場のヴィリー・ブリッツがラインアウトで相手ボールをカットすれば、FL金(共同)キャプテンはノックオンを誘うビッグタックル。
勢いに乗ったアークスは後半6分。
スクラムからの連続攻撃で、2年目のFB安田が相手を弾きながら鮮やかに防御突破。さらにオフロードパス(タックルを受けながらのパス)を決めて、最後はWTB張容興がライン際を疾走!
7人制韓国代表のスターがチーム2トライ目を決め、SHレイドローのゴール成功で同点(14-14)に。
ここから試合は消耗戦に。
後半18分にはCTBゲイツが股下を通すトリッキーなパスを見せ、LO牧野内はジャッカルで堅守に貢献。
しかし、ブレイクダウンのサポートで後手に回り、度々相手のジャッカルで攻撃が寸断。後半25分には相手バックスに中央を突破され、再びリードを許します。14-21
ここからアークスは後半34分、大外へのキックパスで失トライを喫すると、さらに同38分、39、41と3連続トライを奪われました。
後半25分まで14-14だったものの、残りの約15分間で相手が5連続トライ。先発No.8ギルは「相手がボールをキープしてきて、それにより自分たちのタックル数が増えて体力を削られました」と振り返りました。
2本目(後半40分間)を終えてスコアは14-47。練習試合はラストの40分間(3本目)へ向かいました。
後半3本目はLO中島進護(共同)キャプテンをはじめ、メンバーを入れ替えてスタート。
明大卒のSO松尾将太郎のキックオフで開始。序盤ではNZ出身のHOセコナイア・ポレがスローインしたラインアウトから、7人制代表経験のあるベテラン・SH鶴田諒が配球し、No.8山下弘資が突進。
しかし反則もあり自陣に後退した2分、ヤマハ発動機がラインアウトモールから前進し、FW戦から相手6番にトライを奪われます。(ゴール成功で0-7)
アークスはキックオフから日体荏原高(東京)初のトップリーガー、WTB石井勇輝が迫力満点の突進を見せますが、ここはジャッカルにあってチャンス喪失。
しかしアークスも慶大主将だったLO佐藤大樹、脳しんとうから復帰したタックルマン・FL斉田倫輝らの粘り強い守備から反撃。
7人制代表にも招集された双子のCTB鶴谷知憲がタッチライン際を疾走すれば、選手会長のFL目崎啓志は開始10分のジャッカルで存在感。
ルーキーのCTB本郷泰司は高速リロードでタックル数を伸ばし、同じく1年目のFB石田大河もポジション最後尾から防御を統率します。
16分にはSO松尾が低空のランで見せ場をつくり、WTB大芝優泰はフォワードのような強力レッグドライブで、ブレイクダウンで相手を排除。
スクラムでは、ボールキャリーも積極的だったPR齊藤剣、HOポレ、そして韓国の名門・延世大学卒のPR申友城(シン・ウソン)の3人が最前列に立ち、スクラム・バトルを展開。
しかし24分、CTB本郷らが再三のタックルで防御戦に立ち続けましたが、FW戦からインゴールをこじ開けられ、スコアは0-14となりました。
しかしアークスも反撃。
後半34分には相手ボールスクラムを押し込み、途中出場していたSH西橋勇人が技アリのパスカット!
途中出場の選手らがエナジーを与え、新加入が発表されたばかりのSOピリ・パラオネ、近畿大学で主将を務めた3年目のSO喜連航平も出場。
最後は見応えのあるスクラム戦も繰り広げられ、3本目は0-14でノーサイド。総勢40人超が登場した40分×3本の熱戦が終わり、アークスは2020年を締めくくりました。
しばしの休養のあと、アークスは年末年始も動きます。
次戦の練習マッチは新春の1月2日(土)。本拠地のアークス浦安パークで、豊田自動織機シャトルズと相まみえます。