トレーニングマッチ初黒星。リーグ開幕前に課題実感。
来年1月12日(日)にリーグ開幕戦を控えるNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(以下「アークス」)。
開幕前のトレーニングマッチは残り2試合!
ここまで練習試合で2連勝のアークスは、12月21日(土)、群馬・太田市で、パナソニック ワイルドナイツ(以下パナソニック)と対戦しました。
パナソニックは昨季ラストマッチの相手。
順位決定戦で激突し、ラストプレーのコンバージョンキックが外れてアークスが劇的勝利(43-41)を収め、その結果アークスが5位、パナソニックが6位となりました。
ただ三洋電機ラグビー部の意志を継ぐパナソニックは、トップリーグ優勝4回、準優勝5回の強豪。
今回は再起に懸ける強豪チームと、アウェーでの難しい戦いとなりました。
舞台となったパナソニックグラウンドには、ラグビー人気もあり多数の来場者。
ピッチレベルで眺めるトップゲームの迫力に驚きの声が上がっていました。
そしてアークスはこの日、先々週に続き、ピンク色の特別ジャージーを着用。
アークスはスポーツ界として初めて、がんを治せる病気にするプロジェクト「deleteC(デリート・シー)」に参画。そのプロジェクトカラーを採用した特製ジャージーで臨みました。
練習試合ということもあり、アークスのリザーブメンバーは通常より5人多い13人。
お互いに大きくメンバーを入れ替えながら、リーグ開幕へ向けて実戦を積みました。
(※パナソニック戦に出場したメンバーはこちら!)
序盤のアークスは、ハイテンポかつ強力なアタック。NO8アマナキ・レレイ・マフィの突進などを交え、猛攻を仕掛けます。
しかし相手にパスをインターセプトされ、前半4分、そのまま独走トライ(ゴール成功)を許しました。0-7
ただトライ後にアシスタントのジョー・バラカット コーチが「グッドスタート」と声を掛けるなど、攻撃には手応え。リスタートから挽回を狙います。
しかし、ここからパナソニックが3連続トライ。
前半10分にはラインアウトモールから、左隅にいた相手HO(フッカー)がトライ。0-12
相手の好タックルを浴びて劣勢のアークスは、前半12分、ワールドカップ日本代表の福岡堅樹にもインターセプトを許して0-19。
さらに前半15分には、相手CTB(センター)で南アフリカ代表のダミアン・デアリエンディに中央を突破され、オフロードパスがつながり失トライ。主導権を奪い返せません。0-26
失点が続いたアークスも反撃。
相手にたびたびジャッカル(密集戦でボールを奪うプレー)を許しますが、前半24分、WTB(ウイング)の小泉将が好タックル。
ここから相手のミスを誘い、左ゴール前ラインアウトのチャンス到来。ここでゲーム主将を務めたSH(スクラムハーフ)の鶴田諒が、防御裏へ技アリのグラバーキック(パントキックのひとつであり、楕円形と特殊な形状であるラグビーボールの特徴を活かして地面を前にゴロゴロ転がるように蹴るキック)。
チェイスしていたルーキーのCTB前田土芽が見事に捕球し、チーム初トライ!
SO(スタンドオフ)のクリスチャン・リアリーファノのゴールキックも成功。7点を返しました。7-26
アークスは劣勢だったディフェンスでも反撃。
LO(ロック)ロス アイザックが相手をねじ上げて、モール・アンプレイアブルの反則を誘う十八番プレーを披露。
ところが前半31分には、キックカウンターからビッグゲインを許し、キックパスから失トライ。
前半は1対1の攻防やブレイクダウン(ボール争奪局面)、キックゲームなどでプレッシャーを受けて、7-33で後半へ向かいました。
しかし前半ラストプレーでは、相手ボールスクラムを猛プッシュするなど、強力スクラムから反撃ムードが高まります。
後半も先制トライはパナソニック。反則から自陣へ下がり、ディフェンダーの間を突破されてトライを許します。7-40
アークスはゴール前の攻防戦でたびたびジャッカルされて、ボールロスト。しかし後半22分でした。
キックカウンターから鶴田が突破。ここから湯本睦→金嶺志→鶴谷昌隆とパスがつながり、最後はルーキーのFB(フルバック)安田卓平が中央へトライ!
オフロードパスも交えた怒濤の波状攻撃で、7点を返しました。14-40
テンポアップするアークスは、途中出場の鶴谷昌隆がジャッカルで対抗。
こちらも途中出場の光井勇人がショートキックから、巧みなドリブルで敵陣へ。トライはなりませんでしたが、後半31分でした。
今季新加入のHOセコナイア・ポールが見事なインターセプト。
「相手のスタンドオフがパスをするということは分かっていました」(HOポール)
そのまま独走して、右隅に加入後の初トライ!5点を返して、スコアは19-40になりました。
パナソニックは後半34分に1トライを追加し、ゲームは19-47で地元パナソニックに軍配。
ただ登録した28人の選手全員が、トップリーグ開幕前に実戦を積むことができました。
HO セコナイア・ポール選手の声

――今日はどんな試合でしたか?
プレシーズンマッチ2試合目の出場でしたが、良かったと思います。ただ試合中にだいぶ疲れてしまうなど、成長しなければならない課題もあります。
――インターセプトからアークスでの初トライを記録しました!
自分たちのDFのラインスピードが速かったです。相手のスタンドオフが、フォワードにパスするということは分かっていました。
――見てほしい自身のプレーを教えて下さい。
特にアタックでのボールキャリーです。あとはセットピース(スクラムとラインアウト)です。
――簡単な自己紹介と、ファンの皆さまへのメッセージをお願いします。
こんにちは。私の名前はセコナイア・ポールです。
トンガ出身で、ニックネームは「スコーンズ」です。ギターを弾くのが好きです。歌が好きなので、皆さんが近くにいる時、もし私がギターを持っていたら一緒に歌いましょう!
FL 鶴谷昌隆選手の声

――今日の試合を振り返ってください。
パナソニックの強さが出た試合でした。
ディフェンスでプレッシャーを与えていきたいところでしたが、逆に相手のプレッシャーを受けてしまいました。
後半はこちらが少しずつディフェンスでプレッシャーをかけました。改善できたところは良かったと思います。
――今日のチームとしての課題は?
タックルと、組織的なディフェンスですね。そこは課題が残っていると思うので、フィードバックして直していきたいと思います。
――ご自身のプレーはどうでしたか?ジャッカルもありました。
FWコーチからはそこ(ジャッカル)を行け、と言われていたので、自分の中では意識していました。
良いパフォーマンスを出せたので良かったですが、チームとしては残念なところが多かったので、修正して次のリコーさんとの練習試合(1月3日/アークス浦安パーク)へ向かいたいと思います。
――今日は多くの観客が詰めかけましたね。
ワールドカップ効果ですね。ちょっとビックリしました。
いまラグビーできることはすごく幸せなことなので、個人的にも最高のパフォーマンスを出せるように準備していきたいです。
――最後にファンへメッセージをお願いします。
今年はワールドカップもあって盛り上がりましたが、トップリーグもいよいよ始まります。トップリーグもよろしくお願い致します!