ダービーマッチ勝利!大貢献した圧倒的スクラム。
国内最高峰の戦い「トップリーグカップ2019」(以下カップ戦)。
3連勝中(1敗)のNTTコミュニケーションズ シャーニングアークス(以下アークス)は、いよいよカップ戦のプール最終戦(第5節)へ!
相手はNTTドコモ レッドハリケーンズ(以下NTTドコモ)!
敵地・万博記念競技場(大阪)で、プール最終戦での「NTTダービー」が実現しました!
優勝を争うプレーオフ(4強トーナメント)に進出できるのは、4つあるプールの首位チームのみ。
アークスは第4節終了時点でプールBの2位!1位東芝ブレイブルーパスを勝ち点「3」差で追っていました。
首位争いの結果は、土曜日に福岡で行われる九州電力×東芝の結果次第!
アークスにできることは目の前のNTTドコモ戦に集中し、1試合の最大勝点「5」を積み重ねることです!
【プールB順位表】(第4節終了時)
順位 | チーム名 | 勝敗数 |
---|---|---|
1位 | 東芝ブレイブルーパス | 4勝0敗(総勝点18) |
2位 | NTTコミュニケーションズシャイニングアークス | 3勝1敗(総勝点15) |
3位 | ヤマハ発動機ジュビロ | 2勝2敗(総勝点11) |
4位 | NTTドコモレッドハリケーンズ | 2勝2敗(総勝点10) |
5位 | 宗像サニックスブルース | 0勝4敗(総勝点4) |
6位 | 九州電力キューデンヴォルテクス | 0勝4敗(総勝点1) |
必勝を期するアークスの先発陣は、まずFW(フォワード)が以下の通り。
キャプテンはカップ全試合先発のFL金正奎。ルーキーのHO山口達也は今季初先発となりました。
【FW:8人】PR庵奥翔太/HO山口達也/PR三宮累/LOジミートゥポウ/LOロスアイザック/FL山下弘資/FL金正奎/NO8ヴィリー・ブリッツ
BK(バックス)はルーキーのSO松尾将太郎が、今季初出場で初先発。
PR小野慎介はリザーブから今季初出場を狙いました。
【BK:7人】SH鶴田諒/SO松尾将太郎/WTB石井勇輝/CTB石橋拓也/CTBブラッキン・カラウリアヘンリー/WTB山田章仁/FB石井魁
【Re.:8人】三浦嶺/齊藤剣/小野慎介/金嶺志/鶴谷昌隆/湯本睦/池田悠希/張容興
(NTTドコモ戦の出場メンバーはこちら!)
そしてこの日は、小さなアークス応援団がピッチに登場。
サポーターズ倶楽部有料会員限定で募集して当選した「花道キッズ」が万博記念競技場のピッチへ。選手たちとハイタッチを交わしました。
雨中戦となった午後7時30分キックオフのナイターゲームは、NTTドコモボールでキックオフ。
まずアークスに自陣で反則があり、NTTドコモがPG(ペナルティゴール)で3点を先取。
先制されたアークスですが、この日何度も窮地を救い、展開を激変させたのはアークスの圧倒的なスクラム。
開始早々の「ファースト・スクラム」でも、ルーキーHO山口らを最前線に据えたFW陣は、強烈なプレッシャーで相手スクラムを粉砕!
最初のスクラムで力量差を見せつけます。
ただFL金正奎キャプテンが後半途中までの試合展開について「非常に苦しい時間」と振り返った通り、アークスはミスや反則により、なかなか攻撃を継続できません。
前半16分には自陣ゴール前でアークスに反則(ノットロール・アウェイ)があり、NTTドコモがさらにPG成功で3点追加。0-6となります。
ここで停滞ムードをはねのけたのは、絶対的だったスクラム。
相手投入のスクラムで一気に押しきり、力強くターンオーバー!
敵陣に入ると、CTB石橋らが防御の隙間を突破!相手反則からさらに敵陣深くに侵入し、ラインアウトモールの前進からボールを展開。
ここでCTBカラウリアヘンリーが、左大外へクロスキック!キックを受けたWTB石井勇輝がハイボールを内側へ。これを押さえたのがFB石井魁!
ビデオ判定の結果グラウンディングが認められ、前半23分、“ダブル石井”による連係プレーでアークスが先制トライ!
初出場のSO松尾が、難しい角度のゴールキックも決め、7-6と逆転に成功します。
圧倒的スクラムで相手のコラプシング(故意にスクラムを崩す反則)を再三奪うなど、スクラムで強固な土台を築いたアークス。
ラインアウトでは新加入のトゥポウ、ロスアイザックの両ツインタワーとリフター(持ち上げる選手)が、華麗なスティールを連発!NTTドコモはスクラム、ラインアウトで劣勢となり苦しい展開に。
ただセットピース(スクラムとラインアウト)を制圧しながら、スコアはわずかに1点差(7-6)。もどかしい展開のまま、前半を折り返します。
1点リードで後半を迎えたアークスは、後半最初からスタートダッシュ!
後半相手の反則(ハイタックル)から左奥へ侵入。ラインアウトモールからのフォワード勝負をへて、SH鶴田がディフェンス裏へ技アリのキック。
ここに走り込んだCTB石橋が捕球しながらインゴールへ!
すべり込みながらトライを決め(ゴール成功)、14-6とリードを広げます。
【途中入替/後半12分】HO山口達也→三浦嶺/WTB石井勇輝→張容興
【途中入替/後半14分】PR庵奥翔太→齋藤剣/PR三宮累→小野慎介
【HIA/後半16分】FL金正奎→鶴谷昌隆
スクラムは終始一貫して勝利。相手がフロントロー(FW第1列)を3人交替しても完全にドミネート(制圧)します。
後半16分にはFL金キャプテンが負傷で一時的に退出(のちに復帰)。この場面で相手6番がシンビン(10分間の一時退場)に。
相手が1人少ない14人となり、追加点の期待が高まります。
【途中入替/後半21分】SH鶴田諒→湯本睦/SO松尾将太郎→池田悠希
ゲームは一時展開が停滞気味になりますが、ここでアークスのバックスが魅せます。
途中出場のWTB張がエリア右を突破。オフロードパスをWTB山田につなげて、最後は絶妙なコースでフォローしていたNO8ブリッツへ。
そのまま頼れるエイトマンが、長髪をなびかせて右中間へトライ!相手が14人の間にトライ(ゴール不成功)を決め、スコアを19-6に広げました。
【途中入替/後半27分】LOロスアイザック→金嶺志
60分間の混戦模様を脱し、ここから一気に流れはアークスへ!
キックゲームから敵陣でラックに殺到し、見事に攻撃権を奪取すると、さらに後半30分。
NTTドコモの反則(ノットロール・アウェイ)から、アークスは敵陣でスクラムを選択!
スクラムを押しながらインゴールまで10メートル以上を前進!8人全員で前へと進み、NO8ブリッツが難なく押さえ、狙い通りのスクラム・トライ!
ゴールは不成功も24-6と点差を広げました。
【途中入替/後半36分】FL山下弘資→鶴谷昌隆
さらにアークスは後半37分、敵陣左ラインアウトを起点に、途中出場のSH湯本が左へパスアウト。左展開と見せかけ、内側から途中出場の池田がラインブレイク!
一度は掴まれかけますが突破を続け、パスダミーをまじえて左中間へトライ!31-6
後半ロスタイムにも、タッチに出せば試合終了の場面で、アークスはアタックの継続を選択。
フォワード戦を制して、後半43分、最後は途中出場の鶴谷昌隆がチーム6トライ目!36-6
相手をノートライに抑えるディフェンスも光り、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)には、2トライを挙げたNO8ブリッツが選ばれました。
最終スコアは36-6。
3トライ差以上の勝利によるボーナスポイント1を加えた勝点「5」も獲得。ダービーマッチに勝利し、プール最終戦を終えました。
ただ試合翌日、プールBの1位だった東芝が62-17で九州電力に勝利したため、東芝が5戦全勝(勝点23)で1位通過となりました。
アークスは4勝1敗(勝点20)でのプール2位が決定。
惜しくもプレーオフ進出は逃しましたが、開幕戦での惜敗から4連勝するなど立ち直り、第3節では昨季4強のヤマハ発動機も撃破。
未来を感じさせる戦いを披露して、カップ戦を締めくくりました。