静岡で歓喜の雄叫び!ヤマハ発動機との雨中戦でチーム一丸の勝利!
ついにやってきたプールステージの一大決戦。
「トップリーグカップ2019」(以下カップ戦)のプールBで、2勝1敗のNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(以下アークス)。
7月13日(土)の第4節は、静岡・ヤマハスタジアムで、同じく2勝1敗のヤマハ発動機ジュビロ(以下ヤマハ発動機)と激突しました。
6チームずつ4組に分かれたプールステージ。4強トーナメントに進出できるのは、各プール首位の1チームのみ!
プールBに所属するアークスは、現在2位。
4チームが首位争いに絡む大混戦であり、負けた瞬間に優勝が遠のく“重大局面”です。
■【プールB順位表】(第3節終了時) ■
順位 | チーム名 | 勝敗数 |
---|---|---|
1位 | 東芝ブレイブルーパス | 3勝0敗(総勝点13) |
2位 | NTTコミュニケーションズシャイニングアークス | 2勝1敗(総勝点11) |
3位 | ヤマハ発動機ジュビロ | 2勝1敗(総勝点11) |
4位 | NTTドコモレッドハリケーンズ | 2勝1敗(総勝点10) |
5位 | 宗像サニックスブルース | 0勝3敗(総勝点0) |
6位 | 九州電力キューデンヴォルテクス | 0勝3敗(総勝点0) |
決戦の舞台は、敵地のヤマハスタジアム(静岡)
相手となるヤマハ発動機は昨季4強の1角。スクラムを中心とした強力なセットプレー(スクラムやラインアウト等)を強みとしています。
同じくスクラムを武器とするアークスは、昨季夏合宿の練習試合では、スクラムで強烈なプレッシャーをかけるなどして勝利(57-45)。
しかし昨季の大一番、チーム史上初の4強を懸けた一戦(順位決定トーナメント)は、21-33で惜敗。
4強への道を断たれた相手が、ヤマハ発動機でした。
しかし選手は相手ではなく自分たちにフォーカスしていました。
力を出し切りたいアークスのスタメン15人は、まずFW(フォワード)が以下の通り。
FWで4試合連続のスタメンは4人。スクラムの要で成蹊大卒のHO三浦。NZ代表“オールブラックス”を経験しているLOロスアイザック。
不屈のキャプテン・FL金。ハードワーカーのNO8ブリッツです。
【FW】PR庵奥翔太/HO三浦嶺/PR三宮累/LOジミートゥポウ/LOロスアイザック/FL山下弘資/FL金正奎 (キャプテン)/NO8ヴィリー・ブリッツ
バックス(BK)の先発メンバーは以下のとおり。
4試合連続のスタメンは3人。優れたランナーでもある司令塔・小倉。攻守に完成度の高いCTB石橋。日本最高峰のトライゲッター、WTB/FB石井魁です。
【BK】SH鶴田諒/SO小倉順平/WTB石井勇輝/CTB石橋拓也/CTBトロケマイケル/WTB山田章仁/FB石井魁
【Re.】山口達也/齊藤剣/平井将太郎/金嶺志/鶴谷昌隆/湯本睦/池田悠希/張容興
(ヤマハ発動機戦の出場メンバーはこちら!)
霧雨が降り続くなか、午後5時にキックオフ。
重要な「ファーストスクラム」は前半4分。観客席から「ヤマハコール」が起きますが、自軍投入のスクラムで、しっかりプレッシャーをかけます。
待ちに待った先制トライは、前半8分でした。
相手ラインアウトでNO8ブリッツがスティール!敵陣で攻撃を始めると、CTBトロケが力強く粘って数的優位を作り、FB石井魁へパス。
ここでフォローしていたFL金キャプテンへボールが渡り、運動量豊富なスキッパーが先制トライ!
SO小倉のゴールキックも成功!7点を先制します。
ヤマハ発動機は3点を狙える場面でPKを獲得しても、迷わずスクラムを選択してくる“スクラム・チーム”。
そんなヤマハ発動機は、アークスに対してもスクラム勝負。しかしアークスFWは8人一体のスクラムで、強みを出し続けます。
スクラムバトルを真っ向から受け止めたアークス。ヤマハ発動機はアタックでミスを犯し、前半26分、WTB山田のキックでようやく自陣脱出に成功します。
この日は雨の影響か、両軍にノックオンが多発。
1試合に10本前後と言われるスクラムが、前半30分の時点で10本超える展開。
すると前半35分には、FL金キャプテンが十八番のボールハント!ラックで絡みついて攻撃権を奪うと、PKから敵陣へ侵入。
ここで相手が反則を犯し、SO小倉がショット成功!FL金キャプテンのボール奪取から始まった攻撃で、確実に3点をもぎ取りました。10-0
しかしホームで負けられないヤマハ発動機は、前半終了間際に猛攻。
ピッチ幅いっぱいのアタックでトライを狙いますが、ここでこの日獅子奮迅だったLOロスアイザックが、剛腕で相手をねじ上げ、モール・アンプレイアブルの反則を奪取!
これまで課題だった「前半のクオリティ」を見事に克服。相手を完封する堅守も見せ、後半へ向かいました。
後半はアークスが電光石火のファースト・トライ。
高速展開で相手ディフェンスが後手に回り、相手防御網に次々と穴が。LOロスアイザックらがボールキャリーを重ね、SH鶴田が強気なリード。
最後は手薄なラックサイドをSH鶴田が攻略し、フォローしていたHO三浦へパス!そのままインゴールへ駆け込んでグラウンディング!
SO小倉のゴール成功で、17―0とさらにリードを広げます。
アークスは80分間、一貫性をもった激しいディフェンスを披露。
NO8ブリッツらが激しく身体を張って、防御時もディフェンスラインを逆に押し上げていきます。
スクラムでもコラプシングを奪取するなど、アークスは充実の試合展開。
スクラム勝利からCTBトロケがビッグゲイン。さらにWTB石井勇輝が内へ切れ込んでインゴール目前へ!
ノックオンがありトライはなりませんが、見せ場の連続に観客席が沸きます。
【後半21分/途中交替】PR三宮累→平井将太郎
【後半23分/途中入替】HO三浦嶺→山口達也/FL山下弘資→鶴谷昌隆/WTB石井勇輝→池田悠希
アークスは一時自陣に後退しましたが、ピンチを見事に脱すると、後半24分。
ここでヤマハ発動機のスクラムをターンオーバー!FW3人が入れ替わったスクラムでも成果を出し、連続攻撃からSH鶴田がサイド攻撃。
そしてフォローしていたLOロスアイザックがジャンピング・トライ!ゴール成功で24-0となります。
【後半25分/途中入替】LOロスアイザック→金嶺志
【後半28分/途中入替】SH鶴田諒→湯本睦
しかしアークスはここで反則を犯し、相手がラインアウトモール。
最後はフォワード攻撃にこだわったヤマハ発動機が、この日のチーム初トライ。スコアはゴール成功で24-7に。
さらに攻勢をかけるヤマハ発動機。
相手ランナーが自陣エリア左からDFを弾き飛ばし、アークス陣へ侵入。ここでCTB石橋が懸命に戻ってトライセービング・タックル。
さらにSH湯本が戻って、相手のグラウンディングを許さないスーパー・プレー!防御でも勝利への執念を見せます。
【後半30分/途中入替】CTBトロケマイケル→張容興
しかしヤマハ発動機は直後のスクラムから、相手9番がスキを突いてグラウンディングに成功し、アークスのリードは10点(24-14)に縮まります。
【後半33分/途中入替】PR庵奥翔太→齊藤剣
残り時間8分で、リードはわずか10点。
失2連続トライの流れを断ち切りたいアークスは、後半37分。
SH湯本の配球からFL金キャプラン、CTB石橋らが次々に走り込むと、残り5分でFW勝負。
相手が嫌がるスマートな戦い方で、時間を稼ぎながらじりじりとインゴールへ。
バックスにも果敢に展開しながら、最後はNO8ブリッツが殊勲のトライ!
勝負を決定づけるトライ&ゴール成功で、スコアは31-14に!
アークスは最後までディフェンスでプレッシャーをかけ、ヤマハ発動機の攻撃を食い止めます。
最後は防御裏へのキックパスから相手WTBが見事に押さえてトライを奪われますが、時計はすでに後半ロスタイム。
最後の相手のキックは外れ、スコアは31―19で見事な勝利!マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)には小倉選手が選ばれました。
「確実に成長している過程に身を置いている」
試合後の金キャプテンの声には、充実感が漲っていました。
アークスのプールステージ最後の戦いは、7月19日(金)、大阪・万博記念競技場で行われる“NTTダービー”! NTTドコモ レッドハリケーンズ戦!
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