試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2019年7月6日11時30分 KICK OFFジャパンラグビー トップリーグカップ2019 プール戦 第3節

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスNTTコミュニケーションズシャイニングアークス

vs

九州電力キューデンヴォルテクス九州電力キューデンヴォルテクス

67vs14

前半31 - 7

後半36 - 7

W杯会場で決めた今季2勝目!岩手・釜石でArcs Attack炸裂

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6月に火蓋が切られた「トップリーグカップ2019」(以下カップ戦)プールBで、1勝1敗のNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(以下アークス)。

グループ首位4チームによる決勝トーナメントを目指すアークスは、0勝2敗の九州電力キューデンヴォルテクス(以下九州電力)と対戦。

トップリーグ下部のトップチャレンジリーグ所属ながら、猛練習を積んで勢いのあるチームです。

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この日の舞台は、ラグビーW杯2019日本大会の会場である岩手・釜石の鵜住居復興スタジアム。

2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた鵜住居地区に、W杯へ向けて新設された唯一のスタジアムとして誕生。

この日は仮設席を加えた1万6000席の完成直後。大型スクリーンなどは今後整備されますが、おおよその外観が出来上がったタイミングとなりました。

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この日のスタメン15人は、まずFW(フォワード)が以下の通り。屈強で頼りになるLO中島進護が、今季カップ戦で初先発です。

【FW】PR庵奥翔太/HO三浦嶺/PR三宮累/LO中島進護/LOロスアイザック/FL山下弘資/FL金正奎(キャプテン)/NO8ヴィリー・ブリッツ

続いてBK(バックス)。ベテランの技巧派・鶴田諒、強靱なフィジカルを持つWTB池田悠希がカップ戦初先発です。

【BK】SH鶴田諒/SO小倉順平/WTB石井魁/CTB石橋拓也/CTBブラッキン・カラウリアヘンリー/WTB池田悠希/FB張容興

リザーブは以下の通り。

ルーキーの齊藤剣は、この日のメンバーで唯一の東北出身者(秋田・能代工業)。

同じく1年目の前田土芽、安田卓平と共に途中出場し、ルーキー3人がカップ戦に初出場を果たしました。

【Re.】山口達也/齊藤剣/平井将太郎/金嶺志/目崎啓志/湯本睦/前田土芽/安田卓平

(九州電力戦の出場メンバーはこちら!)

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震災で全壊した小中学校の跡地に建てられた鵜住居スタジアムは、ときおり小雨の降るコンディション。

午前11時30分キックオフの試合で、アークスはいきなりキックオフボールを確保。ボールの再獲得を狙うキックを続け、相手インゴールに迫ります。

しかしファーストスクラムでの反則から自陣に後退すると、前半5分、相手ラインアウトでの混戦から一瞬のスキを突かれ、失トライ。7点を先制されます。

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前節にFL金正奎キャプテンが課題として挙げていた「前半のクオリティー」。

今回も先制される形になりましたが、ここからアークスは5連続トライ。完全にペースを掌握し、序盤のつまずきを取り返しました。

前半10分にはWTB池田がインターセプトから独走トライ。

同16分には相手スクラムを完全にドミネート(制圧)。ボールを奪って左展開し、WTB石井魁が快足を飛ばしてチーム2トライ目!

スクラムからトライを生み出す展開で、12-7と逆転に成功します。

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しかしアークスはここから反則が続いて自陣に釘付け。相手が「獲り切ろう」と盛り上がります。

アークスはここで堅守を続け、カップ戦初先発のLO中島進護がラックでボールハントを見せるなどし、ピンチをしのぎ続けます。

すると前半26分、SH鶴田が特大のハイパントを上げると、ラックに殺到して見事なターンオーバー。

すぐに左展開し、SO小倉が裏へグラバーキック。反応していたFB張が押さえてトライ!リードは10点(17-7)に広がります。

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前半29分にはパワフルランナーのFL山下が、左隅に滑り込んで豪快にトライ!24-7

そして前半最大の見せ場はハーフタイム終了間際。

敵陣ゴール前でのマイボール・スクラム。前節の再現となるスクラムトライを奪いたい場面です。

相手も必死の抵抗を見せるなか、完全に優勢となったスクラムで、まずは組み直しのあとでPK奪取。

さらにもう一度スクラムを選択するこだわりを見せ、ここでも強烈なプッシュ!

2度目のPK獲得。ここでレフリーは反則でトライを防いだと見なし、“ペナルティ・トライ"のコール!コーチから「ナイススクラム!」の声が飛ぶなか、31-7で前半を折り返します。

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後半のアークスはロケットスタート。

SH鶴田のショートサイドへの巧みな配球から、フォローの名手であるFL金キャプテンがインゴールへ。

左隅に後半最初のトライを決め、36-7とします。

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【途中入替/後半5分】HO三浦嶺→山口達也/FB張容興→安田卓平
【途中入替/後半10分】PR庵奥翔太→齊藤剣/PR三宮累→平井将太郎

しかしここからハイタックルなどの反則が続き、アークスは一気に自陣へ。

FL金キャプテンが飛び込んでイーブン・ボールを確保するなどしますが、それでもモメンタム(勢い)は九州電力。防戦が続きます。

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【途中入替/後半22分】FL金正奎→目崎啓志/SO小倉順平→前田土芽

すると後半22分、相手新加入の外国人選手に突破を許して失トライ。43-12

立て直したいアークスは、キックオフのミスで迎えたセンタースクラム。

ここで強烈なプレッシャーをかけ、こぼれ球をSH鶴田が敵陣に蹴り込みます。ドリブルしたボールを巧みにインゴールへ転がすと、飛び込みながらグラウンディング成功!

SH鶴田のトライで、流れを引き寄せます。

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【途中入替/後半26分】SH鶴田諒→湯本睦

さらに後半27分、10番の位置に入ったCTBカラウリアヘンリーが、移動攻撃からNO8ブリッツへ超ロングパス。

これを入団5年目のエイトマンが決め、スコアはついに50点の大台(53-14)。

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【途中入替/後半30分】LOロス アイザック→金嶺志

アークスはPR齊藤の突進、LO中島のハードワークなど個々人が光るプレーを見せ、後半35分には相手ゴール前でラインアウトモール。

ここで最後尾についた山口のパスを受け、鋭くインゴールへ走り込んだのは前田。

ルーキー同士のコンビネーションで5点を奪い、さらにこちらも1年目の安田がコンバージョン成功。

ルーキー3人が得点に絡み、スコアは60―14に。

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【途中交替/後半37分】安田卓平→張容興

終了間際の後半38分にはWTB石井魁がこの日自身2トライ目を決め、67得点の大勝フィニッシュ。

最終盤はターンオーバーが連続する消耗戦となり、アークスは自陣ゴール前まで下がりますが、失点を防いでノーサイド。

W杯日本大会の会場で、ボーナスポイント付きの勝点「5」を獲得する、最高の成果を上げました。

マン・オブ・ザ・マッチには、攻防で激しく身体を当て、後半27分にはトライも奪ったNO8ブリッツが選出されました。

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次戦は難敵のヤマハ発動機ジュビロ。

昨季までトップリーグ4強の一角として存在感を放ち、スクラムなどのセットプレーが武器。

大一番は7月13日(土)、相手の本拠地、静岡・ヤマハスタジアムが舞台。絶対に負けられない一戦。熱い声援をよろしくお願いします!

ヒュー・リースエドワードHCの声

ヒュー・リースエドワードHC

この会場へ来るのに長時間の移動でしたが、来てみたらすごく美しい会場でした。この地域の方々のためにプレーできたことを嬉しく思っています。

試合については、自分たちが求めていた勝点5を取ることができ、新人プレイヤーたちにも試合出場時間を与えることができました。ここからヤマハ発動機戦へ向けてステップアップしてきたいです。

――釜石の印象を教えてください。

大震災の影響がまだ残っています。ここへ来るまでに見た景色も、津波の被害が残っているところもありました。外国人である私の目線から見ても、すごく重大な被害だったのだと思い知らされました。

地域の人たちはそうしたものに勇気をもって対応してきたのだと思います。これからも自分たちのチームを通じ、勇気を与え続けることができたらと思います。

FL金正奎キャプテンの声

池田悠希選手

勝点5を取って勝つことができて、本当に良かったです。

ヤマハ発動機戦にしっかりつながるプレーができたと思います。課題と収穫があったのですが、なにが悪かったのか、なにが良かったのかをしっかり反省して、次につなげてきたいと思います。

個人的には、まだまだ復興が完全ではないと実際に見て思いましたし、心に大きな傷を負った方、そういう人たちに勇気、希望を与えられるようなプレーをできればなと思っていました。

――前半の戦いぶりが前節の課題でしたが、今日はいかがでしたか?

最初のスコアは、相手にやられたというより自分たちのミスでした。

前半の15、20分くらいは少し苦しかったので、これを強いチームにやってしまうと追いかける形になります。そこは改善が必要だと感じています。まだ良かったとは言えないと思います。

――スタジアムの雰囲気はいかがでしたか?

フィールドのコンディションも良かったですし、特に観客と選手がすごく近く試合ができるので、サポーターの力をより近くで感じられます。本当に素晴らしいなと思いました。

CTB前田土芽選手の声 「今後も試合に出られるようにアピールを続けていきたい」

前田土芽選手

――今日の試合を振り返ってください。

今日は「前半40分にこだわってやっていこう」ということでしたが、入りこそミスはありましたが、前半で31点を獲って差をつけられたので、遂行できた部分かなと思います。

今後も前半にこだわってやっていきたいと思います。

――後半26分には切り込んでトライも奪いました。

あれはサインプレーというか、(山口)達也がつないでくれたボールをねじ込むだけという感じでした。

――良いプレーはありましたか?

ひとつタックルからリロードし、ターンオーバーにつなげた場面は良かったと思います。

もっとボールをうまく外に展開するなかで、自分の役割をどう持っていくかを考え、うまく駆け引きしながらやっていけば、もっと上手くやれる感覚はあります。

――最後にファンへ向けてメッセージをお願いします。

今後も試合に出られるようにアピールを続けていくつもりです。そのときは是非チームの勝利に貢献したいと思うので、応援よろしくお願いします。

PR齊藤剣選手の声 「チームのために何ができるかを考えたい」

齊藤剣選手

――今日の試合を振り返ってください。

交替のメンバーで、スクラムでエナジーを与えられたらと思っていました。

結果は点差をつけて勝ちましたが、ディフェンスなど課題が見つかったので、修正したいと思います。

――今日も良いキャリーがありました。

外側が空いていました。もうすこし視野を広くして、成長したいと思います。

――今日の出場メンバーで唯一の東北出身(秋田・能代工業)でした。

W杯で使われるすごくキレイな場所でした。

東北を元気付けられるようなプレーを、と思っていましたが、満足いくプレーができなかったので、また今度ここへ来て頑張りたいです。

――次戦へ向けて意気込みをお願いします。

ヤマハ発動機はすごくスクラムが強いです。今日のスクラムを組んでいてはチームに良い影響を与えられないので、チームのために何ができるかをもう一度考え、来週勝ちたいと思います。

 

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