試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2018年12月15日14時00分 KICK OFFジャパンラグビー トップリーグ 総合順位決定トーナメント戦 3回戦

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスNTTコミュニケーションズシャイニングアークス

vs

パナソニックワイルドナイツパナソニックワイルドナイツ

43vs41

前半22 - 10

後半21 - 31

6季ぶりパナソニック戦勝利は劇的決着!
チーム過去最高位に歓喜の渦。

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後半ロスタイム。ラストワンプレー。

相手のペナルティーゴールが決まった瞬間、敗北が決定する状況。

すると相手の蹴ったキックは、なんとポールに当たって――。

12月15日(土)、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場で行われた5・6位決定戦(ジャパンラグビー トップリーグ総合順位決定トーナメント3回戦)、パナソニック ワイルドナイツ戦(以下パナソニック)は、トップリーグ史上に残る劇的決着で幕を閉じました。

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この日の相手であるパナソニックは、1960年に創部した三洋電機ラグビー部の意志を継ぐ名門チーム。

トップリーグ準優勝5回。優勝は3連覇(13~15年度)を含む4回を誇り、昨季は準優勝に輝いている強豪です。

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日本代表も多く在籍している強豪パナソニックと争ったのは、トップリーグの5位スポット。

我らがNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(以下アークス)は、勝てば2016年度の5位(チーム過去最高位)に並ぶことができます。

しかしアークスはパナソニックに対し、6季前の2012年度から勝利がありませんでした(25-22)

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年内の試合はこれが最後。

平成最後のトップリーグを5位で締めくくり、2018年を笑顔で終わりたいアークス。その出場メンバーはこちら

先週からスターターの変更はなし。FL(フランカー)の金正奎キャプテンがチームを率い、2012年度のパナソニック戦に出場しているFBブラッキン・カラウリアヘンリー、鶴田諒もメンバー23人に入りました。

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快晴の横浜・三ツ沢で、午後2時にキックオフ。

FL金キャプテンはこの日の戦略について、「パナソニックさんは個々のタレントが揃っています。連係しながら強い個々を止め、組織としてアタックしてトライを取りにいくことを意識しました」

個人でプレーせず、徹底的なチームプレーで強敵に挑みました。

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先制は前半5分、パナソニックのペナルティーゴール。3点を奪われ、スクラムでも2連続でコラプシングを取られる悪い流れ。

敵陣での攻撃もブレイクダウン(ボール争奪局面)で圧力を受け、なかなか前進することができません。

すると前半14分に相手9番にインゴールへ潜り込まれ(ゴール成功)、10点のビハインドを背負います。

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さらに攻勢を強めるパナソニックは、接点でもパスをつなぎながら高速アタック。アークスも懸命も守ります。

すると、ふたたび失点のピンチも、自陣ゴール前でターンオーバー。右大外で今季ケガから見事に返り咲いているWTB(ウイング)羽野一志がビッグゲイン。ふたたび敵陣へ。

すると前半26分、相手ノックオンからチャンスメイクして、今度は左大外で日本代表合宿にも参加したWTB石井魁が突破!

ボールをつないで敵陣ゴール前へ進むと、2試合連続でSO(スタンドオフ)を務めている小倉順平が、流石のステップで相手を置き去りに。

この日チーム初トライ(ゴール成功)を決め、7点を返しました。7-10

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【HIA/前半26分→前半36分】HO三浦嶺→白隆尚

ここからアークスの攻撃力が爆発。

相手のキックミスをWTB石井魁が空中で競り合いキャッチすれば、今秋に日本代表候補となったCTB(センター)シェーン・ゲイツは、特別な突破力を見せてビッグゲイン。

すると7度目のスクラムでは、一時的にHO白隆尚の入ったスクラムで、コラプシングを獲得。

ここで今季新加入のCTBルテル・ラウララがPGを決め、前半31分に10-10の同点としました。

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さらにその3分後。

前半33分に自陣でのピンチで、SH(スクラムハーフ)の湯本睦が、相手9番のキックをチャージ。

みずからこぼれ球を捕球し、同い年(24歳)の相手9番とのスピードレースに勝って独走トライ!7点を追加します。

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ラインアウトではFL金キャプテンが相手のスローイングをスティールするなど、主導権を握るアークス。

敵陣でのスクラムから連続攻撃を重ね、ゴール前でフォワードが突進を繰り返します。

するとここで逆サイドへ移動したSO小倉が、左隅のWTB石井魁へラストパス。そして東芝から今季新加入の25歳が左隅にジャンピングトライ!

ビデオ判定の結果トライが認められ、さらに5点を追加。前半を12点リード(22-10)で折り返します。

後半も序盤はアークスペース。

立ち上がりから連続攻撃&相手反則で攻勢。スクラムから左展開し、SH湯本がギャップを突いて敵陣ゴール前へ。

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そして後半5分、FL鶴谷昌隆がトライラインの先へ押し込んで後半最初のトライ!ゴール成功でリードは19点(29-10)に。

早く点差を詰めたいパナソニック。

しかし後半8分にCTBゲイツがスペシャルなプレー。相手へのタックルから、強烈な腕力でボールをもぎとります。

相手の攻撃中に一瞬にしてボールを奪ったため、相手陣は無人。そのまま独走して左隅にトライ!

CTBラウララも難しい角度のトライ後のゴールキックを成功させ、点差は実に26点(36-10)となりました。

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【選手入替/後半19分】PR庵奥翔太→上田竜太郎
【出血/後半23分→後半31分】WTB羽野一志→石井勇輝
【選手入替/後半25分】FL鶴谷昌隆→ロバート・クルーガー/FBブラッキン・カラウリアヘンリー→鶴田諒
【選手入替/後半27分】HO三浦嶺→白隆尚
【選手入替/後半31分】PRレイルアマーフィー→平井将太郎/SH湯本睦→石井勇輝

しかしパナソニックは、ここからなんと5連続トライを記録します。

敵将であるパナソニックのロビー・ディーンズ監督は試合後、後半の巻き返しについてこう語りました。

「終盤はスイッチを入れて良いラグビーを見せることができました。経験豊かな田中(史朗/SH)の経験値と、将来を担う福井(翔大)のような選手が融合して良い反応を見せてくれました」

パナソニックは前半のようにはキックを蹴らず、徹底的にボールを保持。相手9番の巧みな配球から、次々とゲインを許してしまいました。

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【選手入替/後半33分】FL金正奎→山下弘資
【選手入替/後半35分】SOルテル・ラウララ→石橋拓也

後半15,18、24、30分と4連続トライを許して、さらに同32分にパナソニックが逆転トライ。

26点あったリードは一転、5点のビハインド(36-41)に。

残り8分で、5点差を逆転しなければならない展開となりました。

しかし失トライ後のキックオフで、アークスは見事にボールをキープ。

敵陣で攻撃を始め、相手が反則を重ねたこともあって、後半38分、敵陣ゴール前スクラムの大チャンスを迎えました。

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そして生まれた後半38分のトライを、ロブ・ペニーHC(ヘッドコーチ)は試合後に「美しいトライ」と振り返りました。

NO8(ナンバーエイト)アマナキ・レレイ・マフィから途中出場の鶴田諒、ボールはSO小倉へとつながり、さらに内返しのパスから途中出場のルーキーWTB石井勇輝が、殊勲の同点トライ!

アークス応援団が総立ちとなるなか、SO小倉が大事なゴールキックを冷静に決め、ついに逆転!

スコアはアークスの2点リード(43-41)となって、残り時間は約2分となりました。

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直後の大事なキックオフは確保。

ここでフォワードをあててフルタイムのホーンが鳴れば、ボールをタッチへ蹴り出して試合終了――。

でしたが、河野哲彦レフリーがノット・リリース・ザ・ボールの笛。

相手にペナルティが与えられ、パナソニックは3点が入るPGを選択します。

ここでフルタイムのホーン。

決まればその瞬間、敗北が決まる状況となりました。

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しかし相手キッカーの蹴ったボールは、Hポールに当たって外れ――。

このボールをすばやく捕球したSO小倉が、ボールを外へ蹴り出しました。主審がノーサイドの笛。

運命の女神はアークスに微笑みました。選手・スタッフは歓喜し、チーム8年目のLOロスアイザックは崩れ落ちて涙。

ファイナルスコアは43-41で、強豪パナソニックから2012年以来6年ぶりの勝利。

稀に見る劇的勝利で、チーム史上最高位の5位を確定させた2018年度のアークス。

年内最終戦を見事に締めくくりました。

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ロブ・ペニーHCの声

ロブ・ペニーHC

パナソニックさんは歴史のある良いチームです。そんなパナソニックさんに良いパフォーマンスをすることが今日のチャレンジでした。

私たちはここ数年で成長を遂げてきたチームで、だからこそ今日の良いパフォーマンスができたと思います。それが報われて、パナソニックという素晴らしいチームを相手に勝利を収めることができました。

ゲームに関しては、前後半でしっかりと落ち着いてプレーし、後半ではプレッシャーが掛かっている場面で、セットピースから美しいトライがありました。そこがとても良い結果につながったと思います。

――ここ5年間でチームが成長した部分は?

第一にフィジカル面での成長が大きいです。そこはS&C(ストレングス&コンディショニング)スタッフの貢献が大きいです。

5年前のS&Cコーチのジュンペイさん(奥野純平元S&Cコーチ)から始まって、新田さん(博昭/ハイパフォーマンスマネージャー)と坂田さん(貴宏/ヘッドS&Cコーチ)がそれを引き継ぎました。強い相手にもフィジカルバトルで戦っていける状態を作れたことは大きいです。

第二には、メンタル面でのタフさが育ちました。試合中に乗り越えなければならない壁、難しい状況でファイトを続け、ポジティブなマインドをもって乗り越えることができるようになっています。若い選手が乗り越えていく姿を見ることについてはとても満足しています。

金正奎キャプテンの声

金正奎選手

本当に勝てたことが良かったです。80分間を通して、瞬間瞬間にベストを尽くしましょう、ということを言い続けていました。良いところも悪いところもありましたが、それが結果につながったことが本当に素晴らしかったなと思います。

自分たちとしては、この1年間はずっと良いプロセスを踏んでいるという実感があったので、最後の決定戦で、完璧とはいきませんでしたが――、パナソニックさんという誇り高いチームに勝てました。この5位に対しては胸を張ってよいのではないかなと思います。

――今日はどのような戦略でパナソニックと戦いましたか?

パナソニックさんは個々のタレントが揃っています。その選手を好き勝手させると良くないということで、とにかく連係しながら、強い個々を止めて、組織としてアタックしてトライを取りにいくことを意識しました。

――この5年間でチームが成長した部分は?

この5年間で僕が一番感じるのはリーダーの成長です。

それまでは、ベテランの選手に頼るといった傾向があったのですが、いま若い選手も育っています。

一人ひとりがリーダーとしての自覚をもって、グラウンドの内外でも連係をとっています。今年はロブ(・ペニーHC)とコネクションを強くできたこともチームとして機能した大きな要因だったと思います。

WTB 石井勇輝選手の声

石井勇輝選選手

――後半37分、チームの5位をたぐり寄せる同点トライを記録しました。試合を振り返ってください。

今日はリザーブでした。前半は良い感じでいつもの形が出ていましたが、後半に入ったら『強いチームは違うな』と。

最後の最後にチャンスが回ってきて、「絶対決めなきゃな」と思っていました。そうしたら周りのおかげでトライを取れたという感じです。(同点トライのシーンは)あれはサインプレーで、“必殺サイン”みたいな感じです。

――入団1年目にして、チームの順位に関わるトライを決めることになりました。

周りの選手やスタッフの方にも「もっているな」と言われたんですけど、自分としては、みんなのおかげで取れたトライだと思っています。

最後にたまたま自分がグラウンディングしただけです。15人全員、リザーブ、ノンメンバー、あとスタッフ全員のおかげで勝てたと思っています。

――コーチからはどんな声を掛けられますか?

「インパクトプレーヤー」という感じです。とりあえず出たら大きな声を出すのがモットーです。スタートで出ることができたらベストですが、性格的にリザーブとしての役割も合っているのかなと思ったりします。

――最後にファンの皆さまへ向けてメッセージをお願いします。

今日も声援を送って頂いてありがとうございます。本当はトップ4に入って優勝まで目指していきたかったのですが、ヤマハ発動機に負けたあとも「次は5位を目指そう」とやってきました。今日勝ってチーム史上最高位の5位になることができたので、すごく良かったと思います。

トップリーグの順位決定戦は終わりましたが、これからカップ戦もあります。ぜひ応援に来て頂ければと思います。

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