試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2015年10月10日14時00分 KICK OFFジャパンラグビートップリーグ プレシーズン 第5節

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスNTTコミュニケーションズシャイニングアークス

vs

キヤノンイーグルスキヤノンイーグルス

48vs25

前半10 - 18

後半38 - 7

前節同様、前半苦戦するも後半に立て直して逆転勝利。

10月10日土曜日、秩父宮ラグビー場。プレシーズンリーグ・トーナメント2回戦、キヤノンイーグルス戦が行われました。キヤノンはシャイニングアークスよりも2シーズン遅れて2012年にトップリーグ入りを果たし、以降もチーム強化を続け、トップ4を狙うために当面のライバルとも言える相手。練習試合も含めて何度も対戦していますが、トップリーグレギュラーシーズンにおいてはここ2年続けてシャイニングアークスよりも上位に位置しており、現在のチーム力を計る物差しともなります。先週とはうって変わって、秋の深まりを感じさせる肌寒い曇り空の中、ゲームは開始されました。

試合写真

14時、キヤノンボールでキックオフ。

前半2分、自陣35m付近でオフサイドの反則を犯してしまい、相手はショットを選択。これが決まって、0-3と先制されます。

先週のNEC戦と同様に、試合の入りが良くないシャイニングアークス。反則が多く、また正確性を欠いたプレーが目立ち、自分たちの流れを掴めません。

前半19分、10番 エルトン・ヤンチース選手が反則の繰り返しのためシンビンを取られ、10分間の退場。

前半19分、そのエルトン選手の反則にショットを選択したキヤノンのPGが成功。0-6。

前半25分、敵陣でフェーズを重ねて攻め続けますが、肝心のところでミスが出てトライを獲り切れません。逆にターンオーバーされてしまい、一気に自陣まで持っていかれてトライを許してしまいます。G 0-13。

前半30分、選手入替。3番 甲斐尚哉→佐藤勇人。

前半32分、敵陣40m付近での相手の反則にショットを選択。10番 ヤンチース選手がPGを決めて、3-13。

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しかし前半33分、相手ハイパントキックのキャッチミスを付け込まれ、すぐざまトライを奪われてしまいます。G× 3-18。

前半37分、ハーフウェイラインを少し越えたあたりでボールを持った10番 ヤンチース選手が相手ディフェンス陣の裏にショートパントキックを落とし、それを自ら拾って抜け出します。そこから大きく外に展開していき、最後は6番 八藤後裕太がトライ。G 10-18。ここから得点は動かず、前半終了。

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前節の結果からも、チームとして試合の入りが課題になっていたはずですが、この試合でも入りのまずさを露呈してしまいました。ただ、スクラムに関しては前節でスクラムに定評のあるヤマハを破ってきたキヤノンに対して互角に組めていました。


後半開始。

後半2分、ハーフウェイライン付近から5番 ヴィリー・ブリッツ選手が抜け出して左サイドを駆け上がり、サポートしてきた11番 小泉将にパスを渡してトライ。G 17-18

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後半8分、敵陣45m付近でのマイボールラインアウトを起点に左から右へと大きくボールを展開して、最後は2番 三浦嶺がトライ。ゴールも決まり、24-18と逆転。ようやくシャイニングアークスらしい展開ラグビーを見ることができました。

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しかし後半11分、自陣22m内で連続攻撃を受けてトライ。G 24-25.

後半12分、選手入替。6番 八藤後裕太→杉浦直人。

後半14分、敵陣に攻め込み大きく展開。最後は相手ゴール前でしつこく近場を攻め続け、ラックから7番 金正奎がピック&ゴーでトライ。G 31-25。

後半16分、自陣25m付近で相手のショートパントキックをキャッチした10番 ヤンチース選手から速攻を仕掛けて最後は2番 三浦選手がトライ。ゴールも決まり、38-25。
後半になると自分たちのペースを掴み、ストラクチャーからでもアンストラクチャーからでも、手数をかけずに一気にトライまで獲り切るラグビーを見せるシャイニングアークス。

後半21分、選手入替。10番 エルトン・ヤンチース→ブラッキン・カラウリアヘンリー。カラウリアヘンリーが15番に入り、小倉順平が10番にポジションチェンジ。

後半22分、選手入替。2番 三浦嶺→白隆尚。

後半24分、ハーフウェイ手前でボールを持った10番 小倉順平がパスフェイントで相手を交わすと一気に縦に突破。その勢いのまま22m内まで攻め込み落ち着いてフェーズを重ねていきます。最後はゴール前のラックから再び7番 金のピック&ゴーでトライ。10番 小倉のゴールも決まり、45-25。

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後半25分、選手入替。1番 上田竜太郎→種本直人。

後半27分、選手入替。11番 小泉将→菊池功一郎。

後半29分、敵陣40m付近でのスクラムで相手がコラプシングの反則。10番 小倉がPGを決め、48-25。

後半30分、選手入替。4番 栗原大介→馬屋原誠。12番 石橋拓也→佐藤晴紀。

このまま得点は動かず、試合終了。

終わってみれば、48-25と引き離しての勝利でしたが、試合の入りに関してはまだ改善できていません。プレシーズンリーグを通して、入りが悪い試合が多く、そこから立て直せずに自滅してしまう試合もありました。それに関しては課題として残りましたが、シャイニングアークスらしい大きくボールを動かしてスペースを突いていく「Arcs ATTACK」も見ることができました。

試合写真

なお、この試合でのマン・オブ・ザ・マッチは、80分間ハードワークをし続けた8番 ヴィリー・ブリッツ選手が選出されました。

試合写真

この後、練習試合3試合を行い、11月14日からいよいよトップリーグレギュラーシーズンに入ります。ラグビーワールドカップでのジャパンの熱戦に負けないような戦いぶりを期待します。

グランドで会いましょう。

ロブ・ペニーHCのコメント

ロブ・ペニーHC

――試合の感想を。

今日のゲームは、ここまで8か月の間、チームが努力してきた結果が実ったと思っています。自分たちのやりたいラグビーができたと思います。これからも集中してしっかりと準備をしていけば、自信を持ってトップリーグレギュラーシーズンに臨むことができます。

――ハーフタイムには選手にどんな声をかけて修正しましたか?

とてもポジティブなコメントを与えました。自分たちの二つのミスによって相手のトライに結びついてしまったが、自分たちにも三つか四つトライを獲るチャンスがあったが獲り切れなかったこと。そして、シンプルに攻撃のフェーズを重ねて相手にプレッシャーをかけて自分たちのシステムを築いていけば、チャンスが必ず巡ってくると話し、実際に選手たちがやってくれました。

――10番にヤンチース選手、15番に本来SOの小倉選手を置いて攻撃がとても多彩でしたが、レギュラーシーズンでもこの布陣でやるのですか?

はい、同様の布陣でやっていきたいと思っています。小倉は、若くとも非常に才能のある選手です。SOのポジションには川本や小野(寛智)もおりますし、いい選手が揃っています。ヤンチースとカラウリアヘンリーのBK二人の外国人選手の使い方と併せて考えていきます。

――体格的に小さい小倉選手を15番に置くことで、ハイボールへの不安は無いですか?

体格については全く心配していません。世界的にも、小さいながらも活躍している選手がいます。ハイボールというものは、どれだけ勇敢に挑んでいけるかにかかっていると思います。我々のチームには他にも友井川や菊池など体格に恵まれない選手がいますが、彼らもハイボールには強みを発揮しており、小倉に関しても同じことが言えます。

――2年目の金選手に関して。

能力のある選手です。グランドの上だけでなく、人としても素晴らしい選手です。今シーズンは、ブレイクダウンでもっと強く激しくいくことと、タックルの正確性を上げていくことを彼への課題として与えました。それをしっかりと達成してくれています。日本代表をも狙える選手ですので、ぜひ注目していただきたいと思っています。

――9番に光井選手を起用した理由と今日の試合の評価は?

光井は、直感が働き視野が広い選手です。アタックにプラスをもたらすことのできる選手で、セカンドハーフにその能力を見せつけるができたと思います。今後経験を積んでいけば、もっともっといい選手になっていくと思います。それは、他のルーキーにも言えます。石橋は今日12番でとてもいい活躍をしてくれました。中島進護も本当は今日出場するはずだったのですが、練習中に怪我をしてしまい、試合に出られず残念でした。

金正奎ゲームキャプテンのコメント

金正奎ゲームキャプテン

――試合の感想を。

プレシーズンリーグでの当初の目標は達成できなかったのですが、チームとしてミーティングを重ねていって、シンプルに一戦一戦を戦って行こうとマインドチェンジをすることができました。その結果、前節のNEC戦、今日のキヤノン戦と勝つことができました。レギュラーシーズンに繋がるいい結果になったと思っています。

先週の試合からの課題でもありましたが、また前半の入りが良くありませんでした。ハーフタイムに、修正して後半開始10分で2トライ獲ろうと話していたことを実践できて、勢いに乗れました。 

後半出せた良いプレーを前半から80分間しっかりと出し続けられてこそ、このチーム本来の強さになると思いますで、これからもしっかり努力を重ねていきます。

――更に成長していくためには、何が必要だと思いますか?

今の自分にはまだまだ満足していません。ロブから与えられた、タックルの正確性やブレイクダウンの激しさといった課題に対してまだまだ成長できると思っています。それに限らず、今シーズンのシャイニングアークスは更なる展開ラグビーを目指していますが、ロブから自分には「コンティニュテイ(継続)」という言葉をもらっています。ゲームを継続させるリングプレーヤーとしてバックスのようなプレーもできるフォワードを目指しています。 それができれば他のプレーヤーとは違う自分の強みになっていくと思います。それとリーダーシップをどんどん発揮していくことが、自分にとってもチームにとってもプラスになっていくと思います。

栗原大介選手のコメント

栗原大介選手

――試合の感想を。

後半の入りは良く自分たちのゲームができましたが、前節のNEC戦同様に前半からそれが出せずにいるようでは、これからトップリーグ上位で戦っていくことはできないと思います。試合の入りから自分たちのラグビーを出していくことがこれからの課題です。でも、勝てたことは良かったです。

――2試合続けて、ゲームの入りが悪かった原因は何か考えられますか?

前半からセットプレーも安定していましたし、パフォーマンス自体はそんなに悪くは無かったと思うのですが。横に展開しすぎて、前に進めず、バランスが悪くなってしまいました。途中から選手たちに前に出る意識が出てきて良くなっていきました。チームのプレーを優先しすぎずに、選手皆が自分で前に行く気持ちを最初から持たなくてはいけません。もっと我を出してやってもいいのかなと思います。

――セットプレーは改善されてきたと思いますか?

前節でセットプレーの強いヤマハを押していたキヤノンを、今日の試合では安定して押せましたので自分たちの自信にもつながっています。ノブジさん(斉藤展士選手)がいなくてもしっかりとしたスクラムが組めたのは、かなり収穫だったなと思います。

――怪我の影響は大丈夫ですか?

怪我した箇所はもう大丈夫なのですが、ゲーム体力がまだ追いついていません。前半で結構バテました(笑)。そこは、練習と試合に出ることで要修正です!

――ワールドカップでラグビーが盛り上がってきましたが、ファンの皆さんにメッセージを。

ナキ(マフィ選手)が帰って来ますし、興味のきっかけは五郎丸選手のお祈りのポーズでも構いませんので、まずグランドに足を運んでいただけたらと思います。選手同士がぶつかる音を聞いてもらって、その迫力や面白さを感じてもらいたいと思います。グランドで会いましょう。

ヴィリー・ブリッツ選手のコメント(本日のマン・オブ・ザ・マッチ)

ヴィリー・ブリッツ選手

――試合の感想を。

チームメイトたちを誇りに思っています。前半の40分は、すごくハードなバトルでした。後半は、自分たちのラグビーをすべて出し切ることができました。いい形でチームがまとまることができたと思います。ボールをうまく回すことができた初めての試合だったと思います。

――マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた自分のプレーに関して。

本当に幸せです。ただそれは、選手やコーチ、チーム全員のハードワークのおかげです。ハードワークして疲れましたが、相手の方が更に疲れていたと思います。

――チーム内のコミュニケーションは慣れてきましたか?

日本語のレッスンを受けていますが、すごく楽しんでやっています。フィールド内外で使う日本語もいくつか覚えました。

――実際にプレーしてみて日本のラグビーに関してどのように感じましたか?

ゲームの質はとても高いと思います。早くて正確性が高く、何人かサイズの大きい選手もいますし、とても楽しんでいますし、素晴らしいラグビーだと思います。

――シャイニングアークスファンの皆さまにメッセージを。

プレシーズンの間、サポートしていただいてありがとうございます。皆さまに誇りに思っていただけるようなゲームをこれからも続けていきたいと思っています。レギュラーシーズンでも素晴らしいパフォーマンスを見せていきますので、ぜひグランドにお越しください。グランドで会いましょう。

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*試合写真は、公式facebookページにも多数掲載しています。