インタビュー / INTERVIEWS
Newface Interviewニューフェイスインタビュー
2020-2021 SEASON


大阪桐蔭、帝京大のキャプテンが新加入。
信頼を得てきた質実剛健のフランカー
生真面目な熱き信念。
ラグビーに対する真っすぐな姿勢。
大学恩師の人物評は「令和の高倉健」
実直な帝京大キャプテン。
身体が小さくても大きい相手と戦って勝てる、
というところは証明したい。
前向き思考で仕事にもラグビーにも邁進中。
前向き思考で成長。
-練習分析が新しい習慣
チームの率直な印象はいかがですか?
ラグビーの面では、練習に対する熱量がすごいなと思っています。皆さんONとOFFがしっかりしていて、やる時は集中して100%を出しますが、練習が終わったらスイッチオフにしてリラックスをしたり、体のケアをしたりしています。ONとOFFがしっかりしているので、強度の高い練習が毎日できるのだと思います。
また大学と違って30代の方もいるのですが、そういった皆さんの日々の行動にすごく刺激を受けています。それぞれに練習後のストレッチのルーティンがあったりします。自分の身体をよく分かっているからこそ、30代までラグビーを続けられるのだと思います。
僕は学生時代から怪我が多く、今も大学時代の怪我で練習に参加できていませんが、今は焦らず、しっかり怪我を治すことを大事にしています。グラウンドに戻った時にはこれまで見てきた先輩方の準備、練習後のケアといったところを見習って、自分も常に良いパフォーマンスを出し続けたいと思います。
先輩たちの行動を「見て学んでいる」のですね。
今は練習映像を見直したり、先輩に疑問をぶつけたりしながら、チームの戦略戦術について理解を深めています。
大学時代も分析はしていましたが、シャイニングアークスではスタッフの方が練習後、すぐに映像をアップしてくれて、それをアプリで確認できます。「ミーティングで話していたことが練習にどう反映されたのか」「何が上手くいき何が上手くいなかったのか」などを分析する作業を、新しい習慣にしています。まだラグビーの理解が深まった自信はありませんが、続けていくことが大事だと思っています。
真面目で不器用で熱い想い。
―ラグビーに対する真っすぐな姿勢
ファンに見て欲しいプレーは何ですか?
強みはディフェンスだと思っています。特にタックルやジャッカル(倒れた相手からボールを奪う守備プレー)です。さらに強みにしていきたいです。
高校時代はバックスのセンターでした。あまり器用なタイプではないので、バックスらしいプレーができるか分かりませんが、バックスの考え方が分かるのでポジショニングなどに役立っています。
「器用ではない」という言葉がありましたが、帝京大学の岩出雅之監督が松本選手の人柄を「令和の高倉健」と評していたそうですね。任侠映画で有名な大スターでした。
聞いたことがあります(笑)。たぶん器用ではない、ということが一番の理由だと思います。あとは、目標に対しての想い、熱い部分を評価して頂いていたのかなとも思います。
同期の琉士(藤村/HO)は、僕とは違って明るくて面白いキャラクターです。僕はよく「大阪らしくない」と言われたりします。
小学校時代は空手の近畿チャンピオンだったとか。
小学校3年生から極真空手を始めて、小学校6年生の時に近畿大会でチャンピオンになりました。たまにボクシングトレーニングもありますが、空手の名残りは残ってるかもしれないです。
一つひとつが自分の成長につながっていると捉えることで、その状況を楽しむ
新社会人としての生活はいかがですか?
分からないこと、難しいことがすごく多いのですが、1年目はしっかりと仕事を覚えつつ、分からないことは分からないままにしない、ということは常に意識しています。難しい言葉はまず自分で調べ、それでも分からない場合は同じ部署の方に質問します。皆さん丁寧に教えて頂けるのでありがたいです。
練習後に仕事をする、といった切り替えもありますね。
練習をして午後から働くこともあります。これは大学時代の岩出監督の教えなのですが、何事も楽しむことは大切にしています。たとえばラグビーから仕事への心の切り替えが難しい場合でも、一つひとつが自分の成長につながっていると捉えることで、その状況を楽しむようにしています。
いずれは仕事で信頼される人物になりたいと思っています。この人だったら大丈夫だろうと風に思ってもらい、信頼されて仕事を任せてえるようになりたいです。
面倒くさいことをおざなりにしないことが大事。
-しんどいこと、人がやりたがらないことから目を逸らさずに、自分が率先してやってみる
信頼されて大阪桐蔭高校、帝京大学でもキャプテンを任されたのだと思いますが、どのように信頼を獲得してきましたか?
自分が常にやってきたことは、自分がまずやる、ということです。しんどいこと、人がやりたがらないことから目を逸らさずに、自分が率先してやってきました。ただし信頼されたいからやるのではなく、自分のため、人のためと思ってやることが、一番信頼される上で大事なんじゃないかなと思います。
大阪桐蔭時代は“黙々と掃除を頑張るキャプテン”だったそうですね。
ラグビーは、グラウンドの外での姿勢が、グラウンドの中での姿勢に関わってくると思っています。ラグビーはしんどいこと、面倒くさいことの連続です。それを考えた時、掃除などの面倒くさいことをおざなりにしないことが大事だと考えて、キャプテンとしてまず掃除にフォーカスをしました。
高校では毎日決まった時間に掃除をしていましたが、当時はおざなりになっていました。そこで掃除の時間はまず自分がやる姿勢を見せ、掃除の時間外でもゴミが落ちていたら拾っていました。
仲間に「掃除しようぜ」と声を掛ける前に、まず自分が掃除をする姿を見せ続けていたのですね。
まず自分がやらないと説得力がないと思っていました。それを感じ取ってやってくれる人もいました。
シャイニングアークスでは、高校時代の掃除のような、特に決めてやっていることはありませんが、自分が出したものは自分で片付ける、といった当たり前のこと、自分のことは自分でやることは意識しています。
熱き信念。「小さくても大きい相手に勝てるところを見せたい」
いよいよ2022年1月には新リーグ「リーグワン」が開幕します。
まず試合に出場することが目標で、その先はしっかりスタートで出て活躍したいという目標があります。2019年のワールドカップでラグビーが盛り上がりましたが、リーグワンもたくさんのお客さんに見て頂いて、盛り上がってほしいと思っています。
最後に新シーズンへ向けての意気込みをお願いします。
僕はフォワードとしては身体が小さいです。身体が小さくても大きい相手と戦って勝てる、というところは証明したいという想いがあります。
身体が小さい僕が大きい相手に向かっていき、そこに勝つことで、ファンの皆さんに感動を与えられるような選手になりたいです。
もうひとつは僕だけではなく、スペースにボールを動かすシャイニングアークスのラグビーを観てもらって、ぜひ応援していただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。
今年の意気込みを一言で表すと…
松本健留(まつもと・けんと)
- 生年月日
- 1998/7/11
- 身長/体重
- 176cm / 96kg(インタビュー時)
- 出身地
- 日本
- 略歴
- 大阪府出身。大阪・巽中で競技を始め、主将を務めた大阪桐蔭高ではセンターとして高校日本代表に。帝京大2年でフランカーから転向。4年時はキャプテンを務めた。小学6年で極真空手の近畿チャンピオンになった。ニックネームは「けんと」「まつけん」。