インタビュー / INTERVIEWS

Newface Interviewニューフェイスインタビュー

ジェームス・ムーア ジェームス・ムーア

日本代表初のW杯8強入りに貢献した「ザ・ハードワーカー」
無尽蔵のスタミナで195センチながらフランカーとしても活躍
オーストラリア出身の28才が新天地アークスで見せる輝き

世界トップレベルを体感してきた
ハードワーカーが
アークスの防御網を支える

NTTリーグワン2022、開幕戦の劇的勝利に貢献!

リーグ開幕戦はフランカーで先発。コベルコ神戸スティーラーズ戦は2011年度ぶりの勝利(24-23)でした!

シーズン最初の試合でもあり、私にとってはチームのデビュー戦でもありました。そんな試合で勝利できたことは素晴らしいです。ミスもありましたが、良いプレーがたくさんあり、私たちが勝利にふさわしかったと思います。才能ある選手、コーチ、マネジメントが揃っているので、2022年は良いシーズンになると感じています。

日本代表ではロックですが、アークスではフランカー(6番)での先発になりました。

それがチームのプランです。フランカーは来日以前も、前の所属チームでもプレーしています。日本代表ではロックが好きですが、リーグワンでは、スペースで仕事ができるフランカーが良いなと思っています。もちろん求められればロックでもプレーする準備はできています。

自身のプレースタイルは?

アタックでスキルを駆使し、ワークレートも発揮する、というスタイルですね。

ジェームス・ムーア

13人制と15人制を経験。スポーツ用品カタログのモデル経験も

ラグビーキャリアについて教えてください。

10歳か11歳の頃、ブリスベンのサウスというチームでスタートしました。キッカケは、たくさんの友達がプレーしていたこと、父が13人制ラグビーの選手だったことですね。父はオーストラリアで13人制のプロリーグが始まる以前の選手でしたが、プロ同様の存在でした。

高校ではその13人制と15人制をプレーし、卒業後の3年間は20才以下の13人制リーグで活動しました。その後はずっと15人制です。

他のスポーツ歴は?

たくさん経験しました。クリケットもやりましたし、バスケットボール、スイミング、あとは水球もやりましたね(笑)。クリケット、水球、水泳では地域を代表してプレーした経験があります。

オーストラリア時代、雑誌モデルの経験があると聞きました(笑)。

それはカンタベリー(スポーツ用品メーカー)のカタログですね。以前所属していたオーストラリアのチームがカンタベリーを着ていたので、「モデルしてもらえもらえませんか」と頼まれたという感じです(笑)。

ジェームス・ムーア

アークス入団の決め手とは

来日のきっかけを教えてください。

プロ選手になる機会があるいう話をもらい、日本に来ました(2016年東芝入り)。オーストラリアでのチャンスが限られていたこともあり、決断自体は簡単でした。

宗像サニックスブルースから新加入。アークスに合流した時の印象は?

すごく組織化された環境で驚きました。選手、コーチ、マネジメントなど、とてもプロ意識の高い人たち、環境だと感じました。現在住んでいる浦安市もとても良いところで、すごく生活しやすいです。

アークス入団の決め手は?

内山さん(浩文GM)と話す機会がありました。そこで内山さんから、シャイニングアークスはこういうビジョンを持っているチームで、今後このようなプランで成長していきたい、という説明を受けました。リーグワンで勝っていくこともそうですが、エンターテイメント性も追求するといった内容でした。そのように熱意をもってビジョンを説明してもらった経験はなく、それが決め手になりました。

2019年W杯の日本代表で大活躍。
アイルランド戦がW杯最良の思い出

合流から日は浅いですが、「リーグワンで勝っていく」という手応えはありますか?

本当に良いチームなので、常に勝つ可能性は十分にあると思います。サンゴリアス(昨季準優勝)やワイルドナイツ(昨季優勝)など良いチームは他にもありますが、こちらにも良いコーチ、選手が揃っています。

ジェームス・ムーア

そうしたチームとのビッグゲームは緊張しますか?

2019年のワールドカップを経てからは、試合前に緊張することはなくなったかもしれません。ワールドカップは本当にものすごいプレッシャー下にありました。全員の集中力が今までにないくらい高い状態でしたね。

南アフリカ代表に敗れた準々決勝までの5試合で、最も思い出深いのは?

アイルランドとの試合(グループステージ第2戦)です。あの試合を経験して「このチームなら決勝にも行けるかもしれない」という感覚になりました。

そのアイルランド戦では両軍最多の24本のタックルをしました。その大きなエナジーはどこから来るのですか?

競争心ですね。競争に勝とうと気持ちがエナジーを出してくれます

言い換えれば「負けず嫌い」でしょうか?

そうですね(笑)。前に所属していた宗像サニックス(ブルース)で、オフの日にみんなでバスケをやる機会がありました。軽い遊びですが、自分としては「絶対に負けたくない」という気持ちになってしまい、自分だけが本気でやっていたこともあります(笑)。

ジェームス・ムーア

「ベスト4へ全力を尽くすのみ」。
無類のハードワーカーの決意

アークスのラグビーについての印象は?

日本代表に近いものを感じます。スペースにアタックする、スピードをもって走り込みをする、高いスキルを駆使する、といった点が似ていますね。今のところとても良い感触です。

印象的なチームメイトは?

カイ(石井魁)とは東芝で一緒にプレーをしてました。シャイニングアークスで4年ぶりに再会して、お互いにラグビーが上達していましたので不思議な気持ちでした。久しぶりに会って、東芝時代に一緒に部員寮に住んでいた頃の話をしたりしました。

ジェームス・ムーア

アークスの強力な武器であるスクラムについての印象は?

とても強いスクラムです。細かい点は今後さらに勉強していきます。日本代表のスクラムとはセットアップの仕方などは違いますが、基本的には一緒だと感じます。ラインアウトについては今後もっとコンビネーションを高めていきたいですね。

NTTリーグワン2022がいよいよ始まりました。

開幕戦に勝ちましたが、いまチームはすごく良い雰囲気ですね。お互いに(開幕戦勝利を)祝福していましたし、出ていない選手も喜んでくれ、メッセージも送ってくれました。チームの絆が深まっています。

最後にアークスファンへのメッセージをお願いします!?

目標であるトップ4に近づくため、チームのために全力を尽くすのみです。そのためには毎週安定したパフォーマンスを発揮して、同時に若手の成長のための手助けもしたいです。自分らしさを保ちつつ、やるべきことを遂行します。試合会場で皆さんに応援してもらえることを楽しみにしています。私は精一杯プレーして、皆さんに楽しんでもらえるような試合ができるように頑張ります。

今年の意気込みを一言で表すと…

今年の一言

ジェームス・ムーア

生年月日
1993/6/11
身長/体重
195cm / 110kg (インタビュー時)
出身地
オーストラリア
略歴
オーストラリア・ブリスベン出身。10歳頃から競技を始め、高校時代は13人制と15人制の二刀流。
卒業後3年は13人制でプレーした後、15人制に本格転向。2016年にトップリーグの東芝、18年に宗像サニックスに移り、21年アークス加入。
日本代表は18年に初招集され19年W杯は全5試合に先発。
父は元13人制選手。2人兄妹の長男。
ニックネームは「ジミー」