インタビュー / INTERVIEWS
Newface Interviewニューフェイスインタビュー
2021-2022 SEASON


3種類の楕円球スポーツを経験した世界的スター
17歳で13人制ラグビー最高峰リーグ「NRL」でデビュー後、
オーストラリアン・フットボールを経て、15人制ラグビーに転向
豪代表として73キャップを重ねたユーティリティBKが語る
アークスの魅力、そしてNTTリーグワン2022への決意
ラン、パススキル、
センスどれも一級品。
空中戦では驚異的な強さを
誇る
誰もが認めた
世界最高峰プレーヤー
多様な競技経験。
ハイボール・キャッチの秘訣も披露
まずはご自身のキャリアを振り返ってください。
子供の頃にラグビーリーグ(13人制ラグビー)を始めて、17歳でプロ契約をしました。24歳の時にワラターズ(15人制国際リーグ「スーパーラグビー」の豪チーム)に加入して、その時に人生で初めてラグビーユニオン(15人制ラグビー)をプレーしました。
13人制ラグビーと15人制ラグビーのプレーの違いは?
スキルに共通点はありますが、基本的には別のスポーツだと思っています。13人制はシンプルですが、15人制は戦術などが複雑です。アタックにおいても考えながら走ることが必要とされますね。
13人制でプレーした後、別の楕円球競技である「オーストラリアン・フットボール」に転向しています。高く蹴り上げたボールをキャッチするプレーが多い競技ですね。
21歳から2年間、オージールールズ(オーストラリアン・フットボール)でプレーしました。高く蹴ったボールをキャッチすることが求められるスポーツで、そこで高いボールをオーバーヘッドでキャッチするスキルを磨きました。その経験は15人制ラグビーにとても役に立っています。
「ハイボール・キャッチは世界一」との評価もあります。秘訣は?
答えのひとつはシンプルで「ボールを見続ける」ことです。ハイボールは落ちてくるまで時間があるので、それまでに「タックルを受けたらどうしよう」「着地に失敗したらどうしよう」といった不安に意識を割かれがちです。そこを気にせず、ボールを見続けることが答えではないかと思います。
他にどんなスポーツを経験してきましたか?
友達との遊びの中で、バスケットボールやバレーボールなど、いろいろなスポーツをやりました。真剣にやったわけではありません。アメリカンフットボールはやったことはないですが、アメリカのスポーツは好きなのでやってみたいですね(笑)。
アークス入団も大いなる「挑戦」。
仲間の意見を参考に
2013年、オーストラリアン・フットボールから15人制ラグビーに転向。その理由は?
自分が15人制でも通用するのかを試してみたかったのです。13人制に戻って、ただ時間が過ぎることを待ちたくはありませんでした。
今回の入団についても、日本で新しい挑戦がしたい、ということが理由のひとつでした。過去に来日した時の日本の印象が良く、妻と息子にも日本を経験させてあげたい、と考えたことも理由のひとつです。
また日本にはワラビーズ(15人制豪代表)で一緒に戦った仲間がいました。サム・ケレビ(東京サントリーサンゴリアス)や、クリスチャン(・リアリーファノ/元アークス)です。
入団を決めるにあたり、彼らの意見が参考になりました。彼らの日本ラグビーの評価はとても高く、競争が激しいリーグであると聞いていました。
リアム(・ギル)もワラビーズで一緒に戦ったことがあります。日本に暮らしながらプレーをしている元チームメイトがいることは心強く、ぜひ挑戦してみたいと思ったのです。
11月に合流したアークスの印象はいかがですか?
とてもポジティブな印象です。選手もコーチもスタッフも良い人ばかりです。ラグビー・スタイルも好きですね。
アークスのラグビー・スタイルはどう映っていますか?
非常によく組織されたアタックです。ただし「自分で行ける」と思ったら行っていい、とも言われています。選手にもその意識が浸透していることが、練習から見てとれます。個人の色を出してもよい点は、これまで所属したチームと比べるとかなり強調されているように感じます。
強い印象を受けたアークスの選手を挙げるとすると?
まだ一ヶ月ですが、シェーン(・ゲイツ)はバランス感覚に優れていて、リーダーシップがあります。グレイグ(・レイドロー)も日本をよく理解した上でリーダーシップを発揮していると思います。
才能のある日本人選手もたくさんいますね。同じバックスリー(ウイング、フルバック)ということもありますが、名前を挙げるとするなら(ウイング)石井魁です。彼に限らず、優秀な選手はたくさんいます。
アークスの仲間にもハイボール・キャッチなどの技術を教えているのですか?
練習後、個人練習をやれる選手を捕まえてやっています。和歌山合宿でもやりましたね。ボールを見続けることや、ジャンプのタイミング等を教えながら一緒に練習しています。
「ファンや会社の皆さん、そして家族へ」
良いプレーを見せたい
12月4日の練習試合(リコーブラックラムズ東京戦)でアークス・デビュー。現在のコンディションはいかがですか?(※インタビューは12月中旬実施)
15人制の試合は前回(2019年4月)から遠ざかっていましたが、体の調子は良いです。怪我もないですし、良いコンディションです。あとはゲームのフィットネスですね。これからもどんどん良くなっていくと思っているので、開幕が楽しみです。
2022年1月8日にチーム開幕戦があります。NTTリーグワン2022へ向けて、意気込みをお願いします。
まずチームとして、リーグワンで成功を収めたいです。個人としては、自分のベストのパフォーマンスを一貫して出せるかどうかが大事です。チームを盛り上げ、チームを助けるようなプレーがしたいです。
チームにはすごく良い雰囲気、良いバイブスがあります。本当にこれから始まるシーズンが楽しみです。才能溢れる選手がたくさんいるので、良い結果を残せる可能性がたくさんあると思います。
最後にファンの皆さまへメッセージをお願いします。
ファンの皆様の応援を受けられることを、本当に楽しみにしています。自分たちのスキル、戦術を発揮して、皆さんに誇りに思ってもらえるようなシーズンにしたいです。ファンや会社の皆さん、そして家族に良いプレーを見せられることを楽しみにしています。
今年の意気込みを一言で表すと…
イズラエル・フォラウ
- 生年月日
- 1989/4/3
- 身長/体重
- 194cm / 103kg(インタビュー時)
- 出身地
- オーストラリア
- 略歴
- オーストラリア・ニューサウスウェールズ出身。幼少から始めた13人制ラグビーで、世界最高峰リーグ「NRL」に17歳でプロデビューし、21トライを挙げて年間最優秀新人賞を受賞。翌18年に13人制豪代表“カンガルーズ”に史上最年少の18歳194日でデビュー。
21歳から2年間はオーストラリアン・フットボールでプレー。
2013年、豪ワラターズに入団して15人制転向。
2015年W杯に出場するなど15人制豪代表“ワラビーズ”として73キャップを重ねる。
ニックネームは「Izzy(イジー)」