インタビュー / INTERVIEWS

CloseUp Interviewクローズアップインタビュー

「観客を魅了したい」
指揮官が語る2021年のシャイニングアークス

2021年1月13日

ヒュー・リースエドワードHC

「選手同士がワクワクするようなスタイルのラグビーをして、
観客の皆さんを魅了したいと思っています」

2021年にチーム8年目を迎えるNTTコミュニケーションズ シャイニングアークスの指揮官、
ヒュー・リース エドワードHC(ヘッドコーチ)。
ときおり見せる柔らかい笑顔が印象的な指揮官は、「ラグビーはエンターテイメントの一部」が信条。
勝利を追求することはもちろん、今シーズンも
「観客を魅了するラグビーで勝つ」という果敢なチャレンジをします。

リース エドワードHCは元南アフリカ代表の名フルバック。強豪シャークスで165試合に出場し、
南アフリカ代表としては18試合を経験(テストマッチ認定は3試合)。
南アフリカ代表、シャークスのアシスタントコーチを経て2014年に来日。
アークスのBKコーチを務め、2019年にヘッドコーチへ就任しました。

エンターテイメント性と勝利の両立を追求する指揮官が語る、
2021シーズンのシャイニングアークスとは?

1月16日(土)に開幕する国内最高峰「トップリーグ2021」への意気込み、
チーム状況、そしてファンへの思いを明かしてくれました。

初の共同キャプテン制は「機能している」

――トップリーグ開幕まであと約1か月ですが(インタビューは12月中旬)、チームの雰囲気はいかがでしょうか?

雰囲気はすごく良いですね。現在はチームとして戦い抜くために、お互いへの信頼、結束力を高めているところです。

ただ(新型コロナウイルスの影響で)練習試合がキャンセルになったことを含め、良いスタートを切れたとは言えません。今後はプロセスを改善し、残りの練習試合で結果を出していきたいと思います。

――今シーズンはチーム初の共同キャプテン制を導入しました。

まだシーズンの序盤ですが、今のところはすごく機能していると思います。

ラグビーのキャプテンにはフィールド外での仕事がたくさんあり、キャプテンシーの発揮のために、お互いの負担を軽減することが大事です。こうしたインタビューもそうです。

2人のキャプテン(金正奎と中島進護)は仲が良く、話し合いながら進めてくれています。正奎(金)は天性のキャプテンです。進護(中島)はそうした部分を学びながら、順応し、心地良くキャプテンとして活動していると思います。

ヒュー・リース エドワードHC

ポジション争いが激化。
選手選考の基準は「選手同士の信頼」が第一

――昨シーズンも多彩で華やかな攻撃、力強いFW戦など、エキサイティングなラグビー・スタイルでした。2021シーズンも踏襲するのでしょうか?

アタックのスタイルを多少変更しました。そうした変更は観客の皆さん、そしてプレーしている選手自身にとってもエキサイティングです。

また新しい選手も加わり、ポジション争いが激化している点もエキサイティングです。チームとしてワクワクしながら活動しています。

――ポジション争いが激化しているということですが、どんな基準で選手選考を行うのでしょうか?

私のセレクションポリシーは「15人全員でしっかり戦えるような選手を15人揃えること」です。これがとても重要です。

お互いが信頼をしてプレーをする。私の選手への信頼も大事ですが、選手同士の信頼こそが最も重要です。

また私たちの攻撃スタイルを体現できる選手、ディフェンスではタフで力強いプレーができる選手を選びます。しかしやはり重要なのは、チームの目標を達成するために協力しながら働くことのできる選手です。

ヒュー・リース エドワードHC

過去にFW一辺倒のラグビーと決別。
「ワクワクするようなスタイルを」

――昨年度のインタビューで、勝利のみを追求するのではなく、観客の皆さんに楽しんでもらうことが重要だと話されていました。

スポーツはエンターテイメント・ビジネスの一部だと思っています。ですから観客の皆さんを沸かせるようなスタイルのラグビーをしたい。そのスタイルとは「アタッキング・ラグビー」です。

ただ私たちはディフェンスもかなり向上しており、今シーズンはディフェンスでも観客席を沸かせたいですね。選手同士がワクワクするようなラグビーを行うことで、皆さんを魅了したいと思っています。

――シャイニングアークスはボールを大きく動かしてスペースを攻撃し、皆さんに楽しんでもらおうとしています。難しいですがやりがいのあるチャレンジですね。

南アフリカであれば、大きなフォワードでゴリ押しするようなラグビーもあります。しかし私はそういったラグビーからは最終的に離れていきました。そうした試合は見ていて面白くありません。

私は選手自身がプレーをしていて「楽しい」と思うようなラグビーが良いと思っています。ラグビーというスポーツは結局、身体のサイズに関わらずプレーできることが醍醐味です。そういったところを考えると、自分たちのスタイルは間違っていないと思います。

ヒュー・リース エドワードHC

プロセスを見失わず、アークスらしくトップ4へ

――1か月後に迫った今シーズンの開幕戦(vs.東芝)。舞台は東京・国立競技場です。

素晴らしいチャンスだと思います。光栄なことです。大きなスタジアムでプレーする機会はなかなかありません。経験豊富な外国人選手もいますが、特に若い日本人選手はそうした経験があまりなく、特別な試合になるのではないでしょうか。

自分たちが今までやってきたことをしっかりフィールドで発揮し、その場の状況に順応しながら、自分たちの思うような試合展開ができればと思います。

――2021シーズンはチーム史上初のトップ4を目指します。

今シーズンの目標はトップ4です。もちろんコーチとしても、チームとしても結果は求められています。結果はとても重要です。

ただ、結果に至るまでの自分たちのプロセスを踏んでいなければ無意味です。自分たちのやろうとしていることに挑戦することで、ポジティブな結果が生まれてきます。目指すべき道を辿っていけば、おのずと結果はついてくると思います。

あとは勝ちグセと負けグセがあり、勝つことも負けることも両方クセがつきます。選手たちには勝ちグセをつけて、自信を持ってフィールドに出て行ってほしいですね。

指揮官が抱くファンへの熱い感謝

――では最後に、新シーズンを心待ちにしているファンの皆さまへメッセージをお願いします!

皆さんは私たちにとってすごく重要な存在です。ファンの方々がいなければ誰にもラグビーを見せることができません。皆さまにはものすごく感謝しています。

その想いをプレーで表現します。可能であればフィールドに応援に来て頂けたらと思いますが、こうした時期ですので安全を第一に考えてください。

あとは自分たちのプレースタイルに結果がついてきて、恩返しができればと思っています。今後とも応援をよろしくお願いします。

※上記のコメント後、リース エドワードHCは「最後にもうひとつ」と言葉を紡ぎました。

最後に、私の目線からひとつ、いつも思っていることをお伝えさせてください。

シャイニングアークスのファンの方々はとてもロイヤルティが高く、いつも感謝しています。東京に住んでいる方でも、日本全国の試合会場に応援に来てくれるのです。これは他のどの国でも見られないことだと思っています。皆さんは特別なファンです。それをいつも実感しており、感謝しています。ありがとうございます。

ヒュー・リース エドワードHC