インタビュー / INTERVIEWS

羽野一志 Kazushi Hano

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リオデジャネイロ2016オリンピックからオリンピック正式競技となったラグビー※。日本は、男女共に本大会出場を決めています。男子ラグビー本番開催は、現地時間の8月9日(火)~11日(木)。その日本代表チームのコアメンバーとなっているのが羽野一志選手。春合宿中の4月26日に話を訊きました。

※オリンピックでのラグビー競技は7人制です。また、海外の大会では7人制のラグビーを“セブンズ”と称しています。

羽野一志選手写真

リオデジャネイロ2016オリンピックが終わるまでは、7人制ラグビーに専念

――7人制ラグビーと15人制では、例えばサッカーとフットサルぐらい違うものですか。

まず同じフィールドを使いながら、7人制ラグビーは人数が少ないので広いスペースがありますし、展開も非常に速いです。同じラグビーという名前のスポーツでも、まったく違う競技をやっている感覚です。体力的にも14分間に何回スプリントできるかが勝負になってきます。また一日に3試合行いますので、一日に3回ウォーミングアップをしてスウィッチを入れ直して試合に挑まなくてはいけません。メンタル的にもすごく負担がかかります。

――負けた試合の後はメンタルの持っていき方が難しいですか。

やり始めて最初の頃は難しかったのですが、切り替えの仕方を覚えました。次の試合までに2~3時間ぐらい空きますので、その間にしっかり休憩し、前の試合にできなかったことを修正して気持ちを切り替えます。

――7人制ラグビーでは、疲れ方も15人制と違うものですか。

疲れ方は、全然違いますね。心拍数が高い状態でずっと動き続けるので、疲れます。15人制だと役割が分担されていますが、7人制ラグビーでは、一人一人の選手がどんどんいろんな役割をやっていかなくてはいけません。7分間、ずっと動きっぱなしですね。

――選手個人でのその場の判断が多くなるという感じでしょうか。

どこにスペースが空くのか等を一人一人で判断しなくてはいけないのですが、チームとしてどういうラグビーをするのかという共通した絵をもっていないと、いい攻撃はできません。ボールキャリアが判断するのですが、内外のプレーヤーがリンクしていかないといいアタックはできないと思います。

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――4月の香港セブンズにおいて、日本代表チームがワールドシリーズ・コアチームに返り咲きましたが。

トップリーグのシーズンが終わって合宿の回数が増え、メンバーも集まりやすくなりましたので、チームとして成熟していっていると感じます。

――シンガポールセブンズではケニアチームが優勝しましたが、身体能力が違いましたか。

はい、相当高かったです。身体も大きいですし、タックルしても固いし、早いし...。でもパスがうまいというわけでは無かったと思います。個々の選手の能力は高いのですが、調子の波があるチームでもあります。ただ、うまく嵌った時は手に負えないですね。15人制ではあまり名前を聞きませんし、ケニアもラグビーやるんだぐらいの認識でしたが、7人制ラグビーでは強豪ですね。

――フィジーも個人の能力が高いのですか。

子供の頃からみんな砂浜で裸足でラグビーをやってきた環境ですので、個人の能力はもちろん高いです。パスがうまくて、オフロードもすごくきれいですし、面白いチームですね。その上で、監督が代わってチームとしてすごくまとまってきていると思います。

――海外では、7人制ラグビーの大会はすごく盛り上がっていますね。

海外では、大会に参加していない国でもテレビ放映があるくらい人気スポーツですが、日本国内では東京セブンズも無くなってしまい、皆さんが見る機会が少なくて残念ですね。

――トップリーガーとしては、両立が難しいかと思いますが。

はい、本当に難しいですね。トップリーグシーズンが終わったらすぐ7人制ラグビーに合流になりますのでカラダを休める期間がまったくありません。体格も7人制ラグビー用に変えていく必要がありますし。

――オリンピック競技になって、ようやく注目が高まっていますね。

そうですね。競技を観てくれる人も増えると思うので楽しみですし、7人制ラグビーを広める絶好の機会だと思います。終わった後にも7人制ラグビーの人気を維持するために、結果を残したいですね。

――いずれは15人制でも羽野選手が日本代表に入って欲しいですね。

シャイニングアークスからは、正奎(※金正奎選手)や石橋(石橋拓也選手)が、ジュニアジャパンでいい活躍をして帰ってきましたし、彼らはフル代表に入れるぐらいの能力はあると思います(※ARC2016では、二人とも日本フル代表初キャップ獲得)。僕としては、リオデジャネイロ2016オリンピックの登録メンバーもまだ固定されていませんので、そこに選ばれるように8月までは7人制ラグビーで頑張ります。今は、15人制のことは考えていません。まずは7人制ラグビーで本番のメンバーに入れるように頑張って、しっかり結果を残して帰ってきたいです。

羽野一志選手写真
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リオデジャネイロ2016オリンピックが終わったら、15人制にシフトしてシャイニングアークスに貢献したい

――シャイニングアークスファンとしては、15人制に早く戻ってきて欲しいですね。

カラダ作りやチームとして合わせるためのプレシーズンの時期に、ほとんどチーム練習に参加できていません。オリンピックが終わったら僕個人としては15人制にシフトしたいと考えています。例えばキック処理に関しても、7人制ラグビーではハイパントキックなど使いませんので、15人制用の準備をしなくてはいけません。

――昨シーズンのシャイニングアークスに関して。後半戦から勝てなくなってしまった原因はなんだと思いますか。

トライを取り切らなくてはいけないところでミスが多かったり、バックスのハンドリングエラーが多かったという印象があります。自分たちのラグビーはワイドに展開するスタイルなので、そういったミスやパスミスが多くては勝てません。それとFWの仕掛けの部分が足りなかったりですとか。攻撃が少しワンパターンになっていってしまったのかもしれません。我々がワイドワイドに展開してくるということが相手チームにもわかられてしまって、強いチームにはそういうところを分析され、単純に外に振っていっても相手に簡単に流されていったりだとか。

――あとは、反則も増えていきましたね。

そうですね、多かったですね。一試合で十何回も反則をしていたら、勝てないですね。なんでだったんでしょうね。若い選手が多いチームですので、メンタルの部分の弱さが出てしまったのかもしれません。後は、レフリーとのコミュニケーションをもっとうまくやっていかなくてはいけませんね。

羽野一志選手写真

――ベテランの馬屋原選手や斉藤選手が引退してしまいましたが。

更に若いチームになっていきますね。若いチームがだめというわけでは無いと思うのですが、そういう経験のあるベテラン勢が、競り合った試合ではチームを落ち着かせてくれる部分はありました。

――ここ2シーズン続けてリーグ8位という成績でした。

今年はロブ(※ロブ・ペニーHC)も3年目ですし、スタッフも強化していただいていますので、優勝を目指します。

――強豪と言われるチームは、リーグ終盤になるほどチーム力を上げていきますね。

僕らは、最後に落ちていってしまいました。疲れは当然溜まっていくのですが、それはどこのチームも一緒ですので言い訳にはなりません。

――リオデジャネイロ2016オリンピックが終わったら、トップリーグ開幕まで時間がありませんが。

はい、疲労がピークの状態で戻ってくると思いますし、チームと合わせる時間がありません。体重も減っているだろうし、掛け持ちは厳しいですね。今は7人制ラグビー用に85kgぐらいの体重にしていますが、15人制に戻ったらどんどんカラダを大きくしていかなくてはいけません。

――最後にファンに向けてメッセージを。

まずはリオデジャネイロ2016オリンピックに向けていい準備をして、日本の皆さまにいい結果報告ができるように頑張ります。帰ってきたらすぐにトップリーグが始まりますので、今年はすごく忙しい一年になります。僕個人としては、トップリーグで悪くともベスト4に入ることを目標にして頑張りますので、応援よろしくお願いします。

※NTTコミュニケーションズはJOCゴールド通信サービスパートナーです。

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