健闘実らずプレーオフ敗退…トップリーグ昇格の願いは来季に託す!
NTTコミュニケーションズ
9
セコムラガッツ
16
1月6日、駒沢陸上競技場でトップイーストリーグ11プレーオフが行われ、リーグ3位のNTTコミュニケーションズは2位のセコムラガッツと対戦した。リーグ戦での雪辱を果たし、トップチャレンジシリーズ進出を命題としたNTTコミュニケーションズだったが、セコムの堅いディフェンスの前にノートライに終わり、9-16で敗れた。残念ながらトップチャレンジシリーズへの進出はかなわず、トップリーグ昇格の願いは来季に託すこととなった。
反則とミスで手痛い失点
チーム発足初年度で迎えた大一番に
気合十分の選手たち
リーグ優勝に望みを託した横河電機戦から2週間。年も改まったこの日は、トップチャレンジシリーズ出場枠を賭けた戦いである。対戦相手はトップイーストリーグ11公式戦第9戦で惜敗した、リーグ2位の強豪・セコム。言うまでもなく、セコムに勝てなければ、目標に掲げている今季のトップリーグ昇格の機会を逃すことになる。この日のゲームキャプテンを務めたFL大沼照幸を先頭にグランドに入ってきた選手たちの表情は、心なしか緊張の色が感じられた。そして14時、セコムのキックオフで試合開始。前半3分、先制したのはNTTコミュニケーションズ。敵陣10m付近でセコムがコラプシングを犯し、PKを選択。それをSO君島良夫が難なく成功。しかしその4分後、セコムのHO安藤がラインアウトからピールオフ*、そのままトライを許してしまう。その後は、両チームとも拮抗し、互いに決め手を欠く展開になった。FW戦ではやや分が悪いNTTコミュニケーションズは、SH友井川拓らHB団がパントを多用して敵陣深く切り込むなど攻撃に工夫を凝らしてはいたものの、大きく流れを変えるまでには至らない。またラインアウトにおいてキャッチミス、スローイングミスが目立ち、敵陣ゴール前での折角のチャンスをものにできないという場面が何度も見られた。それでもセコムの追加トライを許すことはなかったが、前半終了間際、NTTコミュニケーションズの自陣10m付近でオフサイドを取られてしまう。セコムのFB長井にPGを決められ、3-8で前半を終えた。点差は1トライで逆転可能の僅差である。だが、大舞台のプレッシャーからだろうか、普段通りのプレーができていない点が気にかかる。
* ラインアウトで投げ入れられたボールをキャッチした選手から直接パスを受けた他の選手が、前進をはかること
公式戦同様、ロスタイムで勝負が決まる
後半28分、SO君島良夫のPGで
2点差までに追い詰める
先に点を取りたい、できればトライを取って勢いに乗りたい後半であったが、3分、NTTコミュニケーションズの反則により、セコムがペナルティゴールを決め3点を追加。応援席のムードも停滞し、このまま一気にセコムに押し込まれるかという不安が頭をよぎった。だが、この失点が起死回生の意味を持ったのだろう、NTTコミュニケーションズはFW、BK一丸となって、じりじりとセコムを追い詰めていく。集中力も高まり、前半と比べて要所でのミスも少なくなっていく。反対にセコムが焦りと苛立ちから反則を続出。16分、28分と続けてNTTコミュニケーションズがPGに成功。この時点で点差はわずか2点。
悔しさをバネに、来季こそトップリーグ昇格を!
そして31分、セコムのオーバー・ザ・トップによって後半4度目のPKの機会を得る。ゴールから約40m。タッチキックではなく残り時間を考え、あえてゴールを狙った。しかし、ボールは低い弾道を描いて外れる。その後も、ドロップゴールを狙うが失敗に終わる。粘り強くボールを展開してトライを狙うものの、セコムの堅いディフェンスに阻まれてしまう。勝負の行方を決めたのは、公式戦での対戦同様、ロスタイムだった。41分、セコムがラックからボールを素早く展開、最後はCTBアンドリュー・ブラウンがディフェンスを掻い潜って独走、試合を決定づける追加点を許し、健闘実らずノーサイド。スコアは9-16。これによって、NTTコミュニケーションズは、今季のトップチャレンジシリーズ進出を絶たれた。
チームの目標としてトップリーグへの昇格を掲げていただけに、今季は不本意な結果ともいえるかもしれない。しかし、最後まで諦めない気持ちを持ち続けて戦った選手・スタッフたちに、応援席からは大きな拍手とエールが贈られた。あと一歩でチャンスを逃した悔しさをバネにして、NTTコミュニケーションズ ラグビー部の今後のさらなる活躍を期待したい。
山本監督のコメント
今日の試合は、選手たちに力を出させることができなかったと反省しています。結果が出ていないことがすべてですね。今後は、私自身の指導力、もちろんチーム全体の技量もレベルアップしていかなければいけないと痛感しています。応援してくださった皆様の期待に応えられなかった部分が多々あるかと思いますが、また次に向かって頑張りたいと思います。これまで応援をいただきまして、誠にありがとうございました。
加藤昭仁キャプテンのコメント
すごく悔しいです。セコムはトップリーグを経験しているチームですが、力の差はほとんど無かったと思っています。ただ、トップリーグへ行くという気持ちが我々よりも強くあったのが今日の結果に出たのではないかと思っています。毎試合、本当にたくさんの方々が応援にいらっしゃってくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。また来季も応援くださいますよう、よろしくお願いします。