八洲ファシリティサービス株式会社
社員を安全運転へ導くIoT車両運行管理サービスを導入
業務効率化とコスト削減をも実現
八洲ファシリティサービス株式会社
専務取締役
石井 美津夫氏
「今後は社内システムとの連携により、働き方改革も進めていきたいですね」
八洲ファシリティサービス株式会社
業務役員 業務本部副本部長
小沼 正巳氏
「緊急時に車両を特定して、迅速に対処できることにメリットを感じています」
八洲ファシリティサービス株式会社
業務本部 管理部 部長
二ノ宮 利明氏
「日々の運転傾向が把握できるようになり、社員の安全運転への意識は格段に向上しました」
課題
手書きの走行日報だけでは判断しづらかった運転傾向
安全運転の徹底に向けて、運行の「見える化」を検討
八洲ファシリティサービス株式会社は空調設備、産業機器の設計、施工からメンテナンスまでをトータルに手がける総合サービス企業だ。同社専務取締役の石井美津夫氏は、「業績は順調に伸びています。しかし労働人口が減少する中で、新たな人材を確保することは困難な状況となっています。いま以上の業績拡大を目指すには、社員の業務環境を見直し、生産性を向上する手立てが必要になっていました」と、同社の課題について語る。
工事の依頼や故障対応などで頻繁に客先を訪問する同社の事業では、営業車両は必須であり、本社・サービスセンターを含めて35台が稼働している。スピード超過などの交通違反や交通事故は業務遂行の妨げになり、生産性の低下を招くことは言うまでもない。すでに同社ではドライブレコーダーを導入し、一定の成果を得ている。
「当初は監視されることに抵抗を感じる声もありましたが、交通事故が起きた際にドライブレコーダーの映像が証拠となり過失割合が抑えられたことがありました。それを機に、安全運転を行い、社会的責任を果たすことと社員を守るための対策と認識されるようになりました」と石井氏は語る。しかし、ドライブレコーダーは事故後の対策に過ぎず、事故を未然に防ぐ対策が急務になっていた。
従来、同社の車両管理は社員の手書きによる走行日報に頼っていた。同社業務役員業務本部副本部長の小沼正巳氏は振り返る。
「事後報告となる日報では車両の位置や運転の状況をリアルタイムに把握できません。たとえば交通事故を起こしてしまったときに、位置情報で車両やドライバーが特定できれば事実関係が迅速に検証できます。さらにスピード超過や急ブレーキといった危険運転の傾向を見える化した車両管理ができれば、交通事故を未然に防ぐ対策になりえると考えたのです」
そもそも、手書きの走行日報には社員からも不満が出ていたと小沼氏は続ける。
「運転後に走行日報を書くのは負担ですし、しかも記憶に頼って記入するため、あいまいな部分が出てくることも課題でした。日報作成を自動化する対策も必要だったのです」
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対策
低コストのクラウド型IoT車両運行管理サービスを選定
使い勝手や品質を評価して全営業車両に導入
同社はIoTを駆使した車両運行管理サービスの導入にあたり、1つの懸念を抱いていた。大型モニターを設置する大規模なシステムをイメージしていたと語るのは同社業務本部 管理部 部長の二ノ宮利明氏だ。
「検討を進めていくうちにクラウド型のサービスであればパソコンを使って手軽に運行管理ができることを知り、当初の想定よりはるかに低コストで導入できることがわかりました」
コストの障壁がクリアできたことで、同社の車両運行管理プロジェクトは加速する。複数のクラウド型サービスを比較検討し、最も同社にフィットするサービスとして選定されたのがNTTコミュニケーションズのIoT車両運行管理サービス「Vehicle Manager®」だった。これは通信機能やGPS機能を内蔵した小型車載器を営業車両に設置することで、運行日報、運転傾向分析、車両稼働実績などをWebアプリ上で閲覧・管理し、交通事故の減少や作業工数を軽減できるサービスだ。
選定の決め手について、小沼氏は次のように説明する。
「車両の運転者や位置情報、運転状況がリアルタイムに把握でき、法定速度を超過するとすぐにメールが飛んでくる使い勝手のよさを評価しました。さらに導入や運用にかかるコストが抑えられること、電源工事無しで簡単に車両に設置できること、キャリアのサービスである通信品質や信頼性の高さも含めて導入を決断しました」
同社は無料トライアル(※)で手応えをつかみ、検討開始からわずか3カ月で全営業車両への導入を完了。社内でドライブレコーダーの成果が好意的に捉えられており、周知や理解がスムーズに進んだことも導入を後押しした。
※ 無料トライアルの受付は2023年2月現在行っておりません。
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効果
多彩な機能で社員に安全運転の意識が浸透
事故ゼロに加え日報の自動化で業務負荷を軽減
Vehicle Manager®では運転成績表、車両運行日報、車両稼働実績といった多彩な機能がWebアプリとして利用できる。導入後の効果は明らかと小沼氏は評価する。
「運転成績表では個人の運転傾向の成績表をいつでも社員が確認できます。自分の運転傾向に対する気づきが得られ、さらに運転成績ランキングで順位が相対的に把握できるため、安全運転を心がける意識が定着しました」。しかも導入5カ月の時点で前年に比べて約5%のガソリン代を削減する効果も生まれている。
導入から現在まで交通事故件数はゼロ。これが最大の成果だと石井氏は語る。「万一の交通事故を無くし、社員の健康や命を守ることが狙いでしたので非常に満足しています。今後は安全運転への意識が高い社員にインセンティブを付けるなど、さらなる安全運転の定着に向けた取り組みを進めていきたいです」
車両運行日報により走行日報が自動生成されるようなったことも大きいと二ノ宮氏は語る。「従来の走行日報は月に1度、提出する必要があったのですが、期限を過ぎても出てこないことがありました。いまでは、毎日各車両の詳細な運行軌跡が自動生成でき、手軽にPDFでダウンロードできます。これにより管理面での手間も削減できています」。さらに日報の手書き記入が不要になったことで社員の評判もよく、残業時間も減少傾向にあるという。
小沼氏は次なるミッションに言及する。「これからのサービス事業には、さらなる品質の向上、価格の削減、納期の短縮が求められます。顧客管理システムとの連携により、最寄りの社員を現場に向かわせる仕組みを構築できれば、お客さまの期待以上のサービスが提供できると考えています」
八洲ファシリティサービスでは車両運行管理プロジェクトを皮切りに、今後もさらなるサービスレベル向上や働き方改革に向けてITを活用した事業改革を進めていく方針だ。
図 Vehicle Manager®ご利用後の効果
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八洲ファシリティサービス株式会社
事業概要
1976年の設立より空調設備及び産業機器の設計、施工、保守などを行う総合サービス企業。八洲電機株式会社を母体とする八洲電機グループの一員として、「お客さまに満足いただけるクオリティの高いサービスを提供し環境配慮型社会に貢献する」を経営ビジョンに事業を展開している。
URL
https://www.yashima-fa-s.co.jp/
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(掲載内容は2019年1月現在のものです)
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