「かかりつけ医などからの紹介状がないが受診できるか」、「初診だが予約できるのか」、「予約したい」あるいは「予約をキャンセルしたい」、「駐車場はあるのか」など、病院にはさまざまな問い合わせの電話がかかってきます。こうした電話に対応するのは医療事務担当者であることが一般的ですが、人員や回線数に限りがあることから、業務のピーク時間帯などで手がふさがっているため、即座に対応できないといったケースもあるでしょう。このような背景から、患者さまが電話をかけても待ち時間が長い、あるいはお話中が多くつながらないといった不満を抱くケースは少なくありません。
また総合病院などの場合、総合案内に予約受付、検診結果の回答など問い合わせ内容に応じて複数の電話番号を用意しているケースがあります。これによって代表番号に電話が集中することを回避できるほか、電話を担当者に転送する手間を省けるメリットがありますが、一方で患者さま側から考えると、どこに電話をかければよいのかわからないといった不満につながりかねません。
医療事務担当者にとっては、患者さまの受付や案内、会計、レセプト(診療報酬明細書)の作成や送付など数多くの業務があり、電話での問い合わせへの応対が負担となっていることも事実でしょう。また一般的な問い合わせ電話に、診療予約や緊急受け入れなどといった重要な電話が紛れてしまい、電話を受け損ねてしまうといったリスクも無視できません。しかしコスト面を考えると、そのために人員や回線を増強することも容易ではないでしょう。
このような医療機関の電話環境における課題の解決策として「ナビダイヤル」があります。ここでは、「患者さまの不満増加」と「受付業務稼働の増加」という2つの課題に対し、ナビダイヤルがどのように活用できるのかを詳しく解説していきます。

病院業界の「電話受付」のポイント1 患者さまの満足度維持/向上
お話中のときに状況を伝えて不安を解消

患者さまが病院へ電話した際、病院側が別の電話に出ていて応対できないと、通常の電話回線ではお話し中の無機質な「プーッ・プーッ」という話中音が流れる場合があります。その場合、患者さまは状況が分からないため不安になったり、場合によってはイライラしてしまうことも……。しかし、ナビダイヤルを導入すれば、病院側が電話が受けられない状況であっても「担当の窓口へ順次おつなぎします」といったガイダンスを流すことが可能であり、患者さまのストレスの軽減に有効です。
「どこにかけてよいかわからない」を解決
問い合わせの内容に応じて電話番号を分けている場合、患者さまがどの電話番号にかけるべきかで迷い、間違った電話番号にかけてしまうといったことも十分に考えられるでしょう。もし患者さまが本来とは異なる電話番号にかけてしまうと、再度かけなおしていただいたり、あるいは病院側で電話を転送する間お待ちいただくことになってしまうため、患者さまが不満を覚えてしまう可能性があります。

ナビダイヤルであれば電話番号を1つに統一しつつ、「初診の方は『1』を」などといった音声ガイダンスに合わせて電話機のボタンを押していただくことで、患者さまの目的に応じた受付先へ電話をつなぐことが可能です。
病院業界の「電話受付」のポイント2 業務効率化
問い合わせ応対の一部を自動化
診療時間の確認や病院へのアクセス方法、あるいは駐車場の有無など、定型的な問い合わせもすべて医療事務担当者が受けていることが多く、それによって重要な問い合わせを取りこぼしてしまうことは大きな問題です。

そこで活用したいのがナビダイヤルです。音声ガイダンスに合わせてプッシュボタンを押す「入力指示ルーティング」を利用し、定型的な問い合わせについては自動でガイダンスを再生して対応します。これによって定型的な問い合わせに対応する負担が軽減すれば、重要な電話を取り逃してしまう不安の解消につながるでしょう。
まとめ
病院にとって電話は患者さまとの重要な接点ですが、一方で患者さまの不満や医療機関における電話応対の負担など、さまざまな課題があるのも事実です。そこで活用したいのが“ナビダイヤル”であり、これによって定型的な問い合わせは自動で応答し、重要な電話には有人で対応することにより業務効率化を図れます。