デジタルツインの仕組みと、注目されている理由
デジタルツインの仕組みはとてもシンプルです。まず、工場の機械や建物などにIoTセンサー(モノに取り付けてデータを集める小さな装置)を設置して、温度や振動、稼働状況といったデータをリアルタイムに集めます。次に、そのデータをAI(人工知能)が分析し、コンピューター上の仮想空間に現実とそっくりな環境を作り出します。この仮想空間上でシミュレーションを行うことで、現実に手を加えなくてもさまざまな検証ができるようになります。
こうした技術が注目されるようになった理由は、企業へのIoTセンサー導入が拡大したことと、AIの分析精度が大きく向上したことにあります。
たとえば製造業の場合、生産ラインをデジタルツインで再現すれば、機械の配置を変えたときに作業効率がどう変わるかを、実際に手を加える前にシミュレーションで確認できます。実物で試すと何日もかかる検証が、コンピューター上なら数時間で終わることもあります。
建設業でも活用が進んでおり、建物の設計段階からデジタルツインを作っておくことで、完成した後のメンテナンスの計画まで含めてシミュレーションできるようになっています。
NTTグループでは、デジタルツインの技術をさらに発展させたデジタルツインコンピューティングの研究開発を進めています。デジタルツインコンピューティングとは、個別の分野ごとに作られたデジタルツインを産業の枠を超えて連携させ、より大きな規模でシミュレーションを行えるようにする取り組みです。次世代の通信基盤であるIOWN(アイオン)と組み合わせることで、より高精度なシミュレーションの実現を目指しています。









