人間が行うのではなく、コンピューターを利用して翻訳を行うことを機械翻訳と呼びます。
コンピューターを利用した翻訳は古くから行われています。その方法として最初に使われていたのはルールベース機械翻訳と呼ばれるもので、あらかじめ登録されたルールに基づいて翻訳を行うものです。ただ多くのルールを登録する必要があるほか、口語体の翻訳に弱いといった弱点もあります。
その後、統計的機械翻訳と呼ばれる手法が広がります。こちらは大量の原文と訳文の組み合わせを用いて、翻訳の確からしさを評価する翻訳モデルと、生成される単語列の出力言語としての確からしさを評価する言語モデルを学習します。これらのモデルを用い、探索した仮説を評価し、もっとも確からしい解を出力します。
2015年頃からは、深層学習と呼ばれるディープニューラルネットワークの技術を用い、統計的機械翻訳をさらに進化させた機械翻訳が広がります。従来の機械翻訳に比べて精度を大幅に向上させており、さまざまな分野で機械翻訳の実用化が進んでいます。
ディープニューラルネットワークを用いた機械翻訳は検索サイトやWebブラウザなどに組み込まれているほか、企業向けのサービスも数多く登場しています。