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中小企業が利用できる「ものづくり補助金」とはなにか?
申請のポイントやスケジュールを解説

中小企業が利用できる「ものづくり補助金」とはなにか?申請のポイントやスケジュールを解説

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者などが活用できる代表的な補助金制度のひとつです。革新的な製品やサービスの開発、生産プロセスの改善に必要な設備投資などを国が支援してくれる仕組みで、製造業だけでなく、サービス業や小売業など幅広い業種が対象になっています。一方で、制度は頻繁に見直しが行われており、補助金の枠組みや申請要件、賃上げに関するルールなどは年々変化しています。この記事では、最新の制度内容をもとに、ものづくり補助金の基本的な仕組みから申請時の注意点やスケジュールまで、わかりやすく解説します。

目次

「ものづくり補助金」は、
何のために生まれたのか?

日本の経済を支える中小企業。国や自治体では、中小企業に向けたさまざまな助成金・補助金を用意し、サポートを行っています。

ものづくり補助金もそのひとつです。ものづくり補助金とは、中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施している制度で、中小企業が行う革新的なサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善に必要な設備投資などを支援するための補助金です。正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。支援の対象となるのは中小企業だけでなく、小規模事業者やNPO法人などの特定非営利活動法人、社会福祉法人、個人事業主なども含まれます。

なお、ものづくり補助金という名称から製造業だけが対象と思われがちですが、実際には小売業やサービス業、農業など幅広い業種が対象になっています。

(※)最新情報はものづくり補助金総合サイトで確認できます。
中小企業庁、独立行政法人中小企業基盤整備機構、全国中小企業団体中央会「ものづくり補助金総合サイト」

現在のものづくり補助金(令和6年度補正予算分)は、製品・サービス高付加価値化枠とグローバル枠の2つの枠で構成されています。以前の制度にあった通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠といった枠は整理・統合されて、現在はよりシンプルな仕組みに変わっています。

2026年2月6日に第23次公募の公募要領が公開されており、申請締切は2026年5月8日(金)17時です。

ものづくり補助金 第23次公募の申請枠
事業枠名・概要 補助上限額※1 補助率
製品・サービス
高付加価値化枠
革新的な新製品・新サービス開発の
取組に必要な設備・システム
投資等を支援
従業員数1~5人 750万円
中小企業 1/2
小規模等 2/3
従業員数6~20人 1,000万円
従業員数21~50人 1,500万円
従業員数51人以上 2,500万円
グローバル枠
海外事業を実施し、
国内の生産性を高める取組に
必要な設備・システム投資等を支援
3,000万円
中小企業 1/2
小規模等 2/3
  • 補助下限額はいずれも100万円。
  • 単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必須。
  • 大幅な賃上げに取り組む場合、補助上限額を100万円~1,000万円上乗せ。
  • 一定要件を満たす場合、最低賃金引上げ特例により補助率を2/3へ引上げ(小規模企業・小規模事業者、再生事業者、大幅な賃上げ特例申請者は除く)。
  • 第23次公募:電子申請受付開始 2026年4月3日 17:00/申請締切 2026年5月8日 17:00。

ものづくり補助金には2つの枠がある

現在の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第23次公募)」には、「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つの申請枠が設けられています。

1つ目の製品・サービス高付加価値化枠は、革新的な新製品や新サービスの開発に必要な設備やシステムなどの導入を支援する枠です。補助の対象になる経費は、機械装置やシステムの構築費(必須)のほか、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費などです。

同枠における補助金額の下限は100万円とし、上限額は申請時点の常勤従業員数に応じて以下の通り設定されています。

5人以下で750万円、6~20人で1,000万円、21~50人で1,500万円、51人以上で2,500万円です。

補助率は、中小企業が1/2、小規模事業者や再生事業者は2/3となっています。

2つ目のグローバル枠は、海外事業を通じて国内の生産性を高めるために必要な設備やシステムへの投資を支援する枠です。対象となる海外事業には、海外への直接投資、海外市場開拓(輸出)、インバウンド対応、海外企業との共同事業の4種類があります。補助上限額は従業員数にかかわらず一律で3,000万円、補助率は中小企業が1/2、小規模事業者は2/3です。

賃上げへの取り組みが採択の重要なポイントに

近年のものづくり補助金では、賃上げへの取り組みが申請要件や審査のうえで重要なポイントになっています。

特に直近の第23次公募(2026年2月公開)からは、賃上げ要件の基準が大きく引き上げられているため注意が必要です。

まず、すべての申請者が満たすべき基本要件として、3~5年の事業計画を策定し、以下の目標を設定する必要があります。

  • 事業者全体の付加価値額を年率平均3.0%以上増加させること
  • 従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させること(※要件が大幅に引き上げられました)
  • 事業所内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
  • 従業員21名以上の場合は、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定・公表すること

これらの要件のうち、賃上げや最低賃金に関する目標が未達成の場合は、補助金の一部返還を求められることがありますので注意が必要です。

さらに、積極的な賃上げに取り組む事業者を後押しするための特例も設けられています。

1つ目は大幅賃上げ特例です。第23次公募要領にある、「2.5.1基本要件②:賃金の増加要件」の1人あたり給与支給総額基準値に加え、更に年平均成長率+2.5%(合計で年平均成長率+6.0%)以上の目標値(以下「特例1人あたり給与支給総額目標値」という。)を申請者自身で設定し、交付申請時までに従業員等に対して表明のうえ、事業計画期間最終年度において当該特例1人あたり給与支給総額目標値を達成するという高い目標を設定した事業者は、従業員規模に応じて補助上限額が100万円~1,000万円上乗せされます。ただし、目標が未達の場合は上乗せ分の返還が求められます。

2つ目は最低賃金引上げ特例です。一定の賃金水準にある事業者が事業所内最低賃金の引上げに取り組む場合、補助率が2/3に引き上げられます。

なお、以前のものづくり補助金にあった収益納付の制度(補助事業で一定の収益が出た場合に一部を返納する仕組み)は、第19次公募から不要になっています。

申請前に押さえておきたい注意点

ものづくり補助金を申請する際には、いくつか事前に確認しておきたいポイントがあります。

GビズIDプライムアカウントの取得

申請は電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」を通じて行うため、GビズIDプライムアカウントが必要です。GビズIDとは、1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システムで、一度取得しておけば他の行政手続きにもオンラインで対応できるようになります。マイナンバーカードとスマートフォンを利用したオンライン申請であれば、最短即日でアカウント発行が可能ですが、印鑑証明書等を郵送する原則的な申請方法の場合は発行までに2~3週間程度かかります。申請の直前に手続きを始めると締切に間に合わないおそれがあるため、早めに準備しておくことをおすすめします。

事業計画書はWEBフォームで入力

第19次公募以降、事業計画書はWEBフォーム形式で入力する方式に変わっています。長い文章を直接フォームに入力するのは大変なので、あらかじめWordファイルなどで事業計画書を作成しておき、完成後にWEBフォームへコピー&ペーストするとスムーズに進められます。ものづくり補助金総合サイトの公募要領ページには参考様式もダウンロードできるようになっていますので、活用するとよいでしょう。

従業員が1名以上いることが要件

第21次公募以降は、応募申請時に給与を支給している従業員が最低1名以上いることが要件になっています。従業員が0名の場合は応募できませんのでご注意ください。

採択率は30%台前半で推移

直近の採択率は30%台前半で推移しており、3社に1社程度しか採択されない厳しい状況が続いています。審査を通過するためには、自社の強みや市場のニーズを客観的なデータで裏付けた、説得力のある事業計画書を作成することが大切です。

不正受給に関する罰則規定

不正受給に関する罰則規定も設けられています。虚偽の申請による不正受給や、補助金の目的外利用といった行為が判明した場合は、交付の決定が取り消しになります。補助金が交付済みの場合には加算金を課した上で返還が求められるほか、不正内容が公表されることもあります。さらに補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の第29条に基づいて、5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性もあります。

申請を行う際は、記載内容に誤りがないかをしっかり確認し、適正な利用を心がけてください。

今後も最新情報のチェックを

現在の第23次公募の申請締切は2026年5月8日(金)17時です。ものづくり補助金は年に複数回の公募が行われていますので、今回の締切に間に合わない場合でも、次回以降の公募に向けて準備を進めておくことが大切です。次回以降の公募については制度が大きく変わる見込みである点に注意が必要です。

また、2026年度(令和8年度)以降については、ものづくり補助金と新事業進出補助金を統合した新事業進出・ものづくり補助金(仮称)として制度が再編される方針が示されています。

中小企業庁が公表している令和7年度補正予算の関連資料にもその旨が記載されており、今後の公募要領の発表に注目しておくとよいでしょう。

補助金制度は見直しが頻繁に行われるため、申請を検討されている方は、ものづくり補助金総合サイトや中小企業庁のホームページで最新情報を確認されることをおすすめします。

※本記事は2026年2月時点の情報をもとに作成しています。補助金・助成金の申請にあたっては、必ず公式の公募要領をご確認ください。

(※)最新情報(2026年2月時点)は以下で確認できます。
第23次公募要領

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