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起業に!新規事業に!まさかの備えに!
知っておきたい資本性劣後ローンとは

起業に!新規事業に!まさかの備えに!知っておきたい資本性劣後ローンとは

会社の設立、事業拡大などの資金調達、そしてまさかの事態の資金繰りの際に活用したい「資本性劣後ローン」。財務状況を一時的に改善、事業の成長に繋げられる可能性があります。

目次

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1.資金面のリスクが日本の起業率が低さの一因に

日本国内の起業率は欧米諸国に大きく水をあけられている状況です。ここ10年で微増はしているものの、10%前後の欧米諸国に比べると、ほぼ半分程度となっています。これが日本におけるDX推進における障壁のひとつになっているといっても過言ではないでしょう。

起業に関心のある層の多くが資金の問題をリスクにとらえているという調査データもあります。確かに会社に勤務しておけば「安定した収入を失うこと」「借金や個人保証を抱えること」もありませんし、「事業に投下した資金を失うこと」もないでしょう。つまり、資金の問題こそが、日本の起業率を低迷させている大きな理由の1つとなっているのです。

〇起業関心層が考える失敗したときのリスク

起業関心層が考える失敗したときのリスク
出典:日本政策金融公庫「2023年度起業と起業意識に関する調査」

スタートアップ、ベンチャーに限らず、中小企業でも新規事業を立ち上げる際などには資金調達が必要になります。さらには大企業であっても大規模災害や新型感染症といった不測の事態で経営が悪化し、資金繰りが苦しくなることも充分に考えられます。

今回は、そんなときのために知っておきたい「資本性劣後ローン」について解説します。

2.融資だけど、資本として見なされるローンがある

「資本性劣後ローン」とは、同ローンの融資を受けた企業が倒産した場合、他の負債よりも返済の順位が後回しになるローンのことです。こうした性質を持つことから、貸借対照表では通常のローンとは異なり、負債ではなく「資本」と見なされる特長を持っています。

通常のローンを受ける場合、貸借対照表では「負債」として見なされますが、資本性劣後ローンは「自己資本」として見なされるため、金融機関などから融資を受けた場合には「資本が増強され、財務状況が改善された」と評価されます。そのため、金融機関からさらなる借入も期待できます。

資本性劣後ローンの返済は、5~20年後に一括で行われる点も特長です。借入期間中は、一切返済する必要はありません。ただし、回収できなくなる危険性が高いため、金利は高めに設定されるケースが多くなっています。

なお「劣後」とは、「後回し」「遅れを取る」を意味する言葉となります。つまり資本性劣後ローンは、「資本としての性質を持った、返済が後回しのローン」とも言い換えられます。

通常の融資とのちがい

(※)独立行政法人中小企業基盤整備機構J-Net21「新型コロナ対策資本性劣後ローン」を基に編集部で作成

3.資本性劣後ローンが受けられる企業の条件とは?

中小企業向けの資本性劣後ローンは、日本公庫(日本政策金融公庫)と商工中金(商工組合中央金庫)が中心となって展開しています。同ローンの対象となるのはスタートアップ、ベンチャーの大規模自然災害、新型感染症などの影響を受けた法人または個人企業で、かつ以下の1~3に該当する企業となります。

1.J-Startup(※)に選定または中小機構が出資する投資ファンドから出資を受けた事業者
※経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム

2. 再生支援協議会の関与のもとで事業再生を行う事業者

3. 事業計画を策定し、民間金融機関等による協調支援を受ける事業者
返済期間は5年1ヵ月/7年/10年/15年/20年のいずれかで、貸付限度額は15億円。融資後3年間の利率は0.50%で、3年経過後に直近決済で純利益が0円以上あった場合、利率が2.6%以上に上がります。申し込み時の担保・保証人は不要となります。

スタートアップやベンチャー企業では、限られて手持ちの資金を事業に回しながら事業を拡大していくスキームになるため、資金不足に陥りがちです。そこで、資本性劣後ローンにより資金調達をすることで、金融機関などの審査で自己資本として見なされることになり、追加で他金融機関などから融資を受けられるようになるメリットがあります。あるいは、中小企業でも新規事業を立ち上げる際などの資金調達方法として活用することもできます。

さらに、経済産業省では資本性劣後ローンについて大規模自然災害、新型感染症などの影響によりキャッシュフローが不足している企業や一時的に財務状況が悪化している企業に供給することで、民間金融機関や投資家からの円滑な金融支援を促し、事業の成長・継続を支援するとしています。起業や新規事業を立ち上げる際の資金調達はもちろん、思わぬ事態で資金繰りに課題が生じたときには、日本公庫や商工中金に相談してみてはいかがでしょうか。

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