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コロナ禍で増えるメンタル不調。中小企業はどう対応する?

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従業員の心身の健康を守ることは、企業にとって重要な課題です。コロナ禍でストレスを感じる人も多い今、中小企業が取り組むべき、メンタルヘルスケアについて解説します。

1.コロナ禍で増加する、メンタル不調

仕事や職場での人間関係などによって、強いストレスや悩みを抱えている人は多くいます。厚生労働省の調査(※)によると、職業生活でストレスを感じている労働者の割合は58%(2018年)に上ります。

(※)令和2年版過労死等防止対策白書

同調査によると、強いストレスの原因の1位は「仕事の質・量」で59.4%。ほかにも「仕事の失敗・責任の発生等」(34%)、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」(31.3%)、「役割・地位の変化等(昇進、昇格、配置転換等)」(22.9%)なども原因となっており、職場の問題は多岐にわたっていることがわかります。

さらに、2020年は新型コロナウイルス感染症の流行によってメンタルの不調を訴える人が増加しました。2020年9月に厚生労働省が実施したインターネット調査(※)では、同年の2月から調査時にかけて、半数程度の人が「何らかの不安を感じていた」と答えています。不安の原因として最も多かったのは「自分や家族の感染」ですが、「自粛等による生活の変化」「自分や家族の仕事や収入」などの割合も高くなっています。

(※)厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査の結果概要」

2.多くの企業がメンタルヘルスケアを推進

多くの労働者が不安やストレスを抱えているなか、企業側もただ傍観しているわけではありません。厚生労働省の2018年のデータ(※)によると、メンタルヘルスケアに取り組む事業所の割合は59.2%に上ります。事業所の規模別にみると、100 人以上の従業員を抱える事業所では9割を超えています。0~29人といった小規模の事業所であっても、半数以上はメンタルヘルスケアに取り組んでいることがわかります。

厚生労働省「職場における心の健康づくり」を参考に編集部で作成

(※)厚生労働省「職場における心の健康づくり」を参考に編集部で作成

具体的な取り組みとして最も多いのは「労働者のストレスの状況などについて調査票を用いて調査(ストレスチェック)」です。ほかに、「労働者への教育研修・情報提供」や「事業所内の相談体制の整備」といった取り組みがなされています。

3.中長期的な視点での計画と「4つのケア」が鍵となる

労働者のストレスの状況を改善したいと考えている企業は多くあります。厚生労働省では、そうしたメンタルヘルスケアに取り組もうとする企業に対して、まずは中長期的視点に立った「心の健康づくり計画」の策定を推奨しています。下記の表のような条項を盛り込んだ計画を策定し、体制を整えた上で、実施状況の評価や計画の見直しを継続的に行っていくことを求めています。

厚生労働省「職場における心の健康づくり」を参考に編集部で作成

(※)厚生労働省「職場における心の健康づくり」を参考に編集部で作成

さらに、「心の健康づくり計画」策定後、メンタルヘルスケアを円滑に実施するためには、次の4つの視点からケアを行うことが重要だといいます。

1つは労働者が自らストレスに気づき、対処する「セルフケア」。そのためには、労働者に対して教育研修や情報提供といったサポートが必要になります。2つ目は「ラインによるケア」。これは管理監督者によるケアのことで、部下の現状把握や職場環境の改善などを行います。3つ目は、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」。企業の産業医や保健師、人事労務管理スタッフなどによるサポートです。4つ目が外部からの助言やネットワークづくりなど「事業場外資源によるケア」となります。

これら4つのケアを計画的かつ継続的に実施していくことが求められているのです。

厚生労働省「職場における心の健康づくり」を参考に編集部で作成

(※)厚生労働省「職場における心の健康づくり」を参考に編集部で作成

4.メンタルヘルスケアに公的支援の活用を

メンタルヘルスケアには、従業員自身やその管理者はもちろん、社内外のさまざまな立場からサポートを行う必要があります。教育研修や情報提供、メンタル不調への気付きと対応、職場環境の改善、職場復帰における支援など、取り組むべき事柄も多岐に渡ります。こうした対策が実際にどのように行われているのか、実例を紹介します。

福岡市の西日本ビジネス株式会社(※)は、従業員25名程度の総合印刷会社。2018年10月からメンタルヘルスケアに乗り出し、まずは「心の健康づくり計画」を策定。具体的な対策としては、メンタルヘルス推進委員会や相談窓口の設置に、研修の実施。さらには全社員に対して月に一度のセルフチェックを行っています。最近ではメンタルヘルスに対する社員の意識は向上。その成果か、退職者が少なく、採用なども順調に進んでいるといいます。

(※)厚生労働省「こころの耳」

同社では、公的な支援を受けてこうした取り組みを進めてきました。福岡産業保健総合支援センターのサポートによって「心の健康づくり計画」を策定し、助成金なども活用しています。このように公的支援をうまく活用すれば、メンタルヘルスケアのための人材を確保できない、費用を捻出できないといった悩みを抱える中小企業にとってもハードルが低くなります。

たとえば、独立行政法人労働者健康安全機構では、ストレスチェック実施促進のための助成金事業(※)を行っています。要件を満たせば、従業員50名未満の企業に対して、ストレスチェックの実施費用として1従業員につき 500 円、ストレスチェックに関わる医師の活動費用として1事業場あたり1回の活動につき2万1,500 円が助成されるのです。

(※)独立行政法人労働者健康安全機構「Ⅰストレスチェック実施促進のための助成金の概要」

従業員が心身ともに健康であれば、生産性が上がり、業績の向上にもつながります。自社の持続的な発展のためにも、企業には積極的に従業員の心の健康を守ることが求められているのではないでしょうか。

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