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データ利活用によりお客さまのビジネスのデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を推進し、社会的課題の解決を通じたSmart Worldの実現を目指しているNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)。2019年度からは、社内に7分野(City/Factory/Education/Healthcare/Workstyle/Customer Experience/Mobility)のSmart Worldプロジェクトを発足させ、お客さまと共にさまざまな取り組みを進めています。ここでは、主に製造業のお客さまと連携しDXやSmart Worldの実現に向けて取り組んでいる3人に、ローカル5Gに関する取り組みについて話を聞きました。
――まずNTT Comとしてローカル5Gに取り組む理由を教えてください。
前田:NTT Comは「DX Enabler®」として、事業創造や競争力の強化につながるDXをお客さまと共創していくことを目指しています。DXを実現する上で重要となるのがデータ利活用。そのためのプラットフォームとして、昨年、「Smart Data Platform」を発表しました。
Smart Data Platformは、データの収集や蓄積、管理、分析などに必要となるさまざまな機能をラインアップしています。その中で、ローカル5Gは、データ収集を実現する複数ある手段の中の強力な無線通信の1つという位置付けです。
われわれは、ローカル5Gをはじめとする技術を用いて、安全なデータ収集と蓄積のための環境を整え、さらにデータ統合や分析、利活用のための仕組みをワンストップで提供することで、お客さまのビジネス価値の創出に貢献することを目指しています。
――従来の無線通信と比べて、ローカル5Gにはどういったメリットがあるのでしょうか。
柿元:ローカル5Gは、高速大容量かつ低遅延で通信できること、多数の端末を接続可能であることなど、さまざまな特徴があります。その中でも特にお客さまから期待をいただいているのが、移動する物体との高速通信が可能なことです。
電車や自動車、ドローン、ロボットといった移動体から大容量データをリアルタイムに取得することは、Wi-Fiなど従来の無線通信技術では難しい面がありました。しかし、ローカル5Gを用いれば、映像などの大容量データを迅速に取得することが可能となり、データ利活用の幅が広がります。
セキュリティも期待されている部分です。モバイルキャリアが提供するパブリック5Gと同様、ローカル5GでもSIMを利用した認証を行うことになるため、セキュアな無線通信環境を構築することが可能です。
例えば各種製造装置の入出力データは極めて機密性が高く、セキュリティにも十分に配慮しなければなりません。ローカル5G環境でSIMを使った認証ができれば、なりすましや盗聴などのリスクを大幅に低減することができ、従来の無線通信技術ではやり取りすることが難しかったデータも送受信できるようになります。
――どういったユースケースが考えられているのでしょうか。
柿元:ロボットが人間と協調して作業するといった場面において、ローカル5Gの活用が考えられています。ロボットが収集したデータをリアルタイムに取り込む、あるいはロボットを遠隔で制御するといった用途です。
これについては、現在、DMG森精機株式会社(以下、DMG森精機)様との実証実験が進んでいますが、製造業以外の領域でも用途が広がる可能性を秘めています。ロボットを用いて施設内の警備を行う、あるいはドローンを使って設備を点検するといったことなどにも応用できるのではと期待しています。
若林:移動体との通信にとどまらず、製造ライン全体の最適化にもローカル5Gは有効です。
現在は多品種少量生産が一般的であり、1つの製造現場の中でさまざまなモノを生産することが求められています。それに対応するには、工場内のレイアウト変更も頻繁に行わなければなりません。一方、工場内には、有線LANで接続された機械が多く、製造ラインの組み換えには大変な期間・稼働・費用がかかります。無線通信に切り替えようとしても、Wi-Fiでは生産現場における電波干渉の影響で実用に耐えるのは難しいのが実情です。
ローカル5Gであれば、ケーブルの配線、電波の干渉も気にせず機械を柔軟に移動させることができるため、生産効率を向上させることが期待できます。
――ローカル5Gを提供する上で、NTT Comにはどういった強みがあるのでしょうか。
柿元:NTT Comの強みは、ローカル5G環境を構築するだけでなく、エッジやクラウドに接続するネットワーク、さらにはアプリケーションまで含めて全体最適な通信品質をコーディネートしワンストップでご提供できることです。
私たちが提供しているSmart Data Platformには、データ利活用に必要なあらゆる機能がそろっています。お客さまは、ローカル5Gと連携させるネットワークサービス(通信回線、エッジ、クラウドなど)や各種アプリケーションなど、必要な機能を選択し組み合せることで、ローカル5Gによるデータ収集と利活用が実現できます。
前田:柔軟にソリューションをご提案できることも、NTT Comならではのメリットです。ローカル5Gを構築する際には、お客さまの課題に合致する最適な機器・サービスを選定することが可能です。
また、エッジコンピューティングを活用することで、取得したデータをローカル、あるいはクラウドよりも手前のネットワーク上に置いたMEC(Multi-Access Edge Computing)というエッジで処理し、低遅延やリアルタイム性を追求することができます。データを長期間保存する必要があるのであれば、別途クラウドに転送すればよいのです。このように、用途に合わせてクラウドやエッジの配置を選択し、多段利用することも可能です。
さらに言えば、無線通信においてローカル5Gだけにこだわっているわけではありません。お客さまの課題を伺い、プライベートLTEやWi-Fiが最適というケースもあります。お客さまの課題解決にとってベストなソリューションを柔軟にご提案させていただきます。
――先ほど話しに出てきたDMG森精機様との共同実験では、どのようなことを検証されているのでしょうか。
前田:ローカル5Gを活用し、無人搬送車に人協働ロボットを搭載した自律走行車「AGV」の遠隔操作などの実現可能性を検証しています。AGVに搭載されているセンサーを使って周辺環境の立体図を生成するスピードを、Wi-Fiとローカル5Gで比較したところ、ローカル5GはWi-Fiよりも高速に生成できることが確認できました(図参照)。このような検証を重ねて、工作機器などにおけるローカル5Gの適用についても、知見やノウハウを蓄積しています。
今回の実証実験によって、自動走行の精度や安全性の向上、エッジコンピューティングを利用することによる車体の軽量化など、AGVのさらなる高性能化が期待されています。
――最後に、ローカル5Gの提供に向けた意気込みを聞かせてください。
若林:まずは、お客さまとスクラムを組んで、ユースケースを深掘りしていくことが重要だと考えています。われわれが持つ技術的な知見を提供しながら、ローカル5Gに対する理解を含めてもらい、いち早くソリューションを提供できるように準備を進めていきたいと思います。
柿元:ローカル5Gは、Wi-Fiや有線LANなど既存の手段では実現が難しかったことを解決できる技術であり、それによって切り拓かれる市場は少なくありません。その新たな市場でお客さまと共にビジネスを展開できるよう、全力で取り組みを進めていきたいと思います。
前田:ローカル5Gは新しいワイヤレステクノロジーではありますが、その土台にあるのは、われわれが長年培ってきたネットワーク技術にほかなりません。これまでの蓄積を生かしつつ、新たなローカル5Gソリューションを創出し、お客さまの事業創造や競争力強化につながるよう、一緒に走り続けていきたいと思います。
※「NTT Comが描くローカル5Gの世界 4.7GHz帯の電波特性や、データ伝送時の柔軟な経路選択手法を検証」も合わせてご覧ください。
NTTコミュニケーションズソリューションサービス部
柿元 宏晃
2019年末に国内で制度化された「ローカル5G」について、導入に向けたご提案やコンサルティングを担当しています。各業界で注目を集めるローカル5Gはどんなシーンで使えるのか、また、ローカル5Gに関わるNTT Comの組り組みをご紹介していきます!
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