教育DXの事例3選!必要とされている背景や役立つツールも紹介

公開日:2024/5/9
近年、オンライン授業やリモート学習などの普及が進み、教育DXの導入が本格的に進んでいます。実際に多くの学校でデジタルデバイスや、ツールなどの導入が進んでいますが、中には何から手を付けたらいいかわからないと悩まれている学校も多いのではないでしょうか。
本記事では、教育DXの概要から必要性について紹介し、これから教育DXに向けて本格的に準備を進める学校向けに、教育DXに役立つツールや技術、実際の事例についても紹介します。
教育DXとは?わかりやすく解説
教育DXとは、教育分野におけるデジタル技術の活用を指しており、これによって教育の手法や手段、教員の業務や組織等を変革させることを言います。
しかし、単なるデジタルデバイスやツールを取り入れることだけが教育DXではありません。あくまでも学習ツールのデジタル化は教育DXの取り組みの一つであり、導入するだけでは教育が変革したとは言えません。
そのため、デジタルデバイスやツールを導入し、これまでにない学習環境を整備することが求められています。
教育DXが必要とされている背景
そもそも教育DXが必要とされている背景は、どのような内容があげられるのでしょうか。大きく分けて2つの内容があげられるので、詳しく解説します。
デジタル社会に対応するため
現代社会ではインターネットやスマートフォンなどのデジタル技術が広く普及しており、学生たちだけではなく世界中の人々の生活や働き方に大きな影響をもたらしています。
このデジタル化の流れは今後も加速することが予想されているため、学校教育においてもデジタル技術を積極的に取り入れることが重要と言われています。
教育DXを進めることで、学生たちに早い段階からデジタル技術に慣れさせることができ、将来社会で活躍できる人材を育成できます。このような背景から、教育現場におけるDX化は必要不可欠であり、早急に導入準備が進められています。
リモート授業の必要性が高まっているため
リモート授業の必要性が高まっていることも、教育DXを進める重要な背景の一つです。
新型コロナウイルスの流行により、世界中の教育機関で対面授業からリモート授業へと移行しました。対面授業に比べて学生や教員の健康を守れると同時に、教育の継続も可能にできたのです。
このような経験から、リモート授業やデジタルツールの活用が教育の柔軟性にもつながることが認識され、教育DXの推進が一層強調されるようになりました。
現在では感染症の影響でリモート授業を行っている学校は少ないですが、いつ流行するかは誰にもわかりません。このような状況がいつ訪れても学習の継続ができるよう、教育機関は今のうちから準備を進めておくことが大切です。
教育DXの導入に役立つ技術とツール
教育DXを進めることは、学生や保護者、学校にとって幅広いメリットがあるため、多くの学校で導入に向けた準備が進められています。しかし、課題としては知識不足があげられます。具体的にはどのようなツールや技術を導入すべきかわからないと悩まれている学校も多いため、ここでは教育DXを進めるにあたって役立つ技術やツールについて紹介します。
クラウドサービス
教育DXを進めるにあたって、なくてはならないものとしてあげられるのがクラウドサービスです。そもそもクラウドサービスとは、インターネットを通じて提供されるサービスの総称です。
クラウドサービスを利用することで、データをオンラインのサーバーに保存したり、アプリケーションを遠隔地から利用できたりします。
その中でも遠隔地から利用できる点については、学生や教員が場所を選ばず、いつでも教材にアクセスができるようになります。これにより、教育の柔軟性を高められ、リモート授業においても役立ちます。
デジタル教科書
教育DXを進めるにあたり、デジタル教科書も役立つツールとして知られています。
デジタル教科書を利用することで、全ての教科の教科書へ簡単にアクセスできますし、場所を選ばず閲覧できるメリットがあります。
また、教員が活用する場合もリアルタイムで教材の更新またはカスタマイズが可能になるため、個々の学生の学習スタイルや進み具合に合わせた教育ができるようになります。
その他にもデジタル教科書ならではのメリットがあり、教育DXの課題として挙げられているコストの削減につながることです。デジタル教科書へ移行することで、紙の教科書が必要なくなるため、学校や保護者の経済的な負担が軽減されます。教育の質を向上させながら、コストも削減できるのは大きなメリットと言えます。
AI・VR技術
AIやVR技術の活用は、教育の手法や手段などを変革させるのに役立つ技術の一つです。
AI技術は、学生の学習パターンや進捗を分析でき、それぞれに合った学習方法を提案してくれます。学生の得意、不得意な科目も瞬時にデータで確認できるため、これまで以上に効率よく学習を進められるメリットがあります。
VR技術は、簡単に説明するとリアルな体験を可能にする技術です。例えば、歴史的な出来事や科学的な実験を、VR技術を使うことで生に近い状態の体験を可能にし、学生の記憶に残りやすい授業の実現ができます。
AIやVR技術を活用すれば、教育DXを進めるうえで求められる「これまでにない学習環境の整備」も実現しやすくなるので、活用できるツールや技術は積極的に取り入れることが大切です。
教育DXの事例3選
最後に、教育DXに取り組む学校の実際に行っている事例を3つご紹介します。
岩手県立花巻北高等学校の事例
岩手県立花巻北高等学校では、教育DXとして「学び方改革」を実施しています。この取り組みでは、生徒が自らの学習計画を立て、日々の進捗をICTツール「Classi」で管理しています。導入したことにより、生徒は毎日の学習を自己管理でき、学習の計画を可視化できるようになっています。
最終的には、生徒が自分自身の人生をデザインする力を身につけることが目標であり、この取り組みにより、生徒はより主体的に学習に取り組み、将来の自立に向けた準備ができるようになったと話されています。
出典:Classi HP 導入事例より(URL:https://classi.jp/case-study/post-3923/)
足立区立西新井小学校の事例
足立区立西新井小学校では、教育DXを進めるにあたり、「Google for Education」や「Chromebook」等の導入をしています。導入したことで、教師と生徒がより効率的にコミュニケーションを取り、教材の共有や授業の進行もスムーズになり、生徒が積極的に学習に参加できる環境が整ったと話されています。
出典:Google for Education HP 導入事例より
(URL:https://services.google.com/fh/files/misc/gfe-cs-nishiarai-es.pdf)
福岡市立東光中学校
福岡市立東光中学校では、AI型教材「Qubena」を導入しています。導入することで個々の生徒に最適な学習環境を提供できるようになったと話されています。また、一人ひとりの能力に合わせた問題を出題することにより、今までにはなかった効果的な学習の実現ができるようになったことを実感しています。
導入を決めた校長先生は、基礎学力の定着、個別最適な学びの実現に向かっているのを感じていると話されています。
出典:COMPASS Inc. 導入事例より(URL:https://qubena.com/cases/jhtoko)
まとめ
今回は、教育DXの概要から必要とされている背景について解説し、実際に教育DXで活用されているツールや技術、事例についても紹介しました。特に教育DXを進めるにあたって、何から始めたらいいかわからない方にとって見ていただきたい内容なので、参考にしながら教育のDX化に役立つツールや技術等の導入を検討してみてください。
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