BEFORE
スピーディかつ親身な事故対応サービスの実現とBCP対策に不可欠なリモート環境が求められていました。
イーデザイン損害保険は、2009年1月に設立された東京海上グループの新しい保険会社。インターネットやモバイルを活用した直販型の自動車保険商品の販売に特化しているのが大きな特徴だ。
インターネットを通じて割安な保険商品を提供するとともに、Webサイトとメールを活用したきめ細かな顧客サービスを展開する保険会社として注目されている。
今回は、イーデザイン損害保険取締役でリモートデスクトップ「Biz Communicator」導入の旗振り役でもある吉信英俊さんと、アシスタントマネージャーの大西陽子さんに、導入の経緯や利用状況などをうかがった。
イーデザイン損害保険取締役
吉信英俊さん(右)
アシスタントマネージャー
大西陽子さん(左)
当社がリモートデスクトップ「Biz Communicator」を導入しようとした背景の一つは、BCP(事業継続計画)対策です。保険業務は24時間365日動いており、パンデミックや大災害などによって社員の出社が困難な状況でも、業務を滞らせないためにコミュニケーションがとれる手段を用意する必要がありました。
もう一つが、事故対応サービスの充実です。お客さまに満足いただける自動車保険の事故対応サービスを考えるとき、当社はお客さまにとって本当に必要なのは担当者のスピーディかつ親身な行動であると考えています。
そのために、出張先などでもオフィスと同じ対応ができる環境を構築したいと考えていました。
現場担当者の声
「セキュアなリモート環境整備が急務でした。」
一方、保険会社にとってセキュリティは最重要事項です。当社ではお客さまの個人情報を保護するために、非常に信頼性の高いデータセンターでシステムを管理するとともに、SSLを利用した暗号化通信の導入、個人情報にアクセスできる環境を極めて限定的に取り扱い、なおかつアクセスした結果は必ずモニタリングするなど、情報漏洩のないセキュアな体制を構築してきました。
このため、社外でもオフィスにいる時と同様の対応が可能な環境を整備するに当たっては、セキュリティ面で当社の目指す高いレベルをクリアすることが必須条件でした。
導入前の環境と課題のまとめ
- 出社が困難な状況でも業務が遂行できるBCP対策のインフラを用意する必要があった。
- 保険金支払部門の担当者が外出先でも事故対応サービスを行うことのできる環境を構築したい。
- リモート環境においても高いセキュリティレベルを確保したい。
AFTER
導入にかかるコストとスピードを重視。
指紋認証タイプがあることも決め手となった
セキュアなリモート環境を構築するため、当社のシステム部門ではシンクライアントやWindowsのターミナルサービスを使った形態なども検討しましたが、機能面や導入コスト、さらには導入のスピードといった観点から、リモートデスクトップ「Biz Communicator」が最も優れていると判断しました。
また、セキュリティ面では当初から生体認証に対応したシステムを導入したいというニーズがあったので、指紋認証タイプのUSBキーを採用しました。その結果、より高いレベルのセキュアな環境を実現することができたと思います。リモートデスクトップ「Biz Communicator」以外に当社のニーズを満たしてくれる製品はありませんでした。
現場担当者の声
「セキュリティはもちろん、操作が簡単なのも嬉しい点ですね。」
現在は、役員を含むBCP対策のメンバーと事故対応サービスを担当する保険金支払部門のメンバーを対象に、リモートデスクトップ「Biz Communicator」を貸与しています。自宅での業務を奨励しているわけではないので、その必要性がない社員には配布しておりません。
導入時に研修を実施しましたが、1人当たり30分程度で操作方法を説明するといった簡単なものです。ログインしてしまえば自分のPCと全く同じ環境ですので、すぐに使い方を覚えてくれました。
とにかくリモート環境を急いで整備しようと考えておりましたので、導入が簡単な点は非常に大きなポイントでした。
効果
セキュアな「どこでもオフィス」環境の実現で 外出先や自宅からでも会社と同じ業務が可能に
リモートデスクトップ「Biz Communicator」を使用する際は、指紋認証タイプのUSBキーとディスクレスの専用ノートPC、それとFOMAの通信カードの3点セットを支給しています。指紋認証USBキーと、使用後もローカルに一切データを残さないディスクレスPCとの組み合わせにより、セキュアな「どこでもオフィス」環境を実現しています。
専用ノートPC、FOMAカード、指紋認証USBキー。この3点で社内PCと同じ環境を実現する。
これにより、保険金支払部門のスタッフが出張などのためにオフィスを離れる場合でも、オフィスと同様の対応を実現し、保険金支払い期間の短縮やコミュニケーションの緊密化を図ることができます。実質的な保険金支払部門の多拠点化を実現したといえます。
まだ事故対応サービスに使用するケースはそれほど多くありませんが、今後件数が増えればそういうシーンも増えてくると考え、先に手を打っておいた形です。
BCP対策の面では、リモートデスクトップ「Biz Communicator」があることで役員が休日でも緊急の連絡などに対応できるようになりました。会社自体は365日動いているので、休暇中に緊急の決裁をするようなケースもあります。そんなとき、いつでも会社と同じようにPCが使えることで安心感が生まれ、また役員が常に部下とコミュニケーションが取れる環境が実現し、仕事をスムーズに進めるという意味でも十分な効果が得られました。
導入の決め手と効果のまとめ
- 導入コストとスピード、セキュリティが導入の決め手。
- 「どこでもオフィス」により、事故対応サービスの実質的な多拠点化を実現。
- いつでも会社と同じ業務ができることが安心感にもつながっている。