NTTe-Sports高等学院
eスポーツを通して社会に必要なスキルを育む通信制高校サポート校の開校に向け快適にeスポーツをプレイできる安定したネットワーク環境を構築
株式会社NTTe-Sports
担当課長
伊田英正氏
「もともと私はNTT東日本の所属でしたので、あまり技術的なことで相談することはありませんでした。しかし、なんの滞りもなく導入でき、想定以上の成果がでていることが最大の収穫だと思っています」
株式会社NTTe-Sports
チーフ
木村直寛氏
「これまで生徒からインターネット環境に関するクレームや改善要望はまったくありません。出席率の高さが示しているように生徒の反応がすべてです。非常に高い満足度が得られていると感じています」
課題
不登校生徒の増加とデジタル人材不足の解決を目指し
eスポーツ教育に不可欠な安定性の高い通信環境の構築へ
株式会社NTTe-Sportsは、全国の高校に対してeスポーツ部活動の立ち上げ支援やデジタル人材育成カリキュラムの提供など、「地域の未来を担う人材づくり」に焦点を当てた事業を推進してきた。そして2025年4月、これまでの支援から一歩踏み込んだ教育事業として、千葉県千葉市に通信制高校サポート校『NTTe-Sports高等学院』を開校。eスポーツを学生生活の中心に据えた学びを提供することで、楽しみながら社会で必要なスキルを育み、地域で活躍できるデジタル人材を育成し、持続的な地域発展への貢献を目指している。「私たちが解決したい日本の社会課題は2つ。1つは2025年に34万人を超えた小中学生の不登校問題、もう1つは2030年に80万人が不足するといわれるデジタル人材の問題です。eスポーツへの興味関心を原動力に、生徒たちが通い、同じ志の仲間をつくり、デジタル人材を育てる学びの場を目指しています」と担当課長の伊田英正氏(以下、伊田氏)は開校に込めた思いを語る。
しかし、eスポーツを教育の中心に据えるためには、通常の学校とは異なる特殊なデジタル環境の整備が必要だ。eスポーツはオンラインでの競技が前提となるため、とりわけネットワーク環境には高いレベルの通信速度、低遅延、安定性が求められる。「とくに重要になるのは、ゆらぎ※のない安定性です。eスポーツでは通信のゆらぎが原因で勝敗が左右され、ときには試合の途中でログアウトしてしまうこともあります。現在のeスポーツは1度ログアウトすると最初からやり直しです。eスポーツの公式大会でもゆらぎが出た時点で試合は中止・再試合になるため、きわめてシビアな安定性が求められるのです」(伊田氏)
※ データ転送にかかる時間が不安定になる事象
しかし、ネットワークサービスを選定、導入する時間は限られていた。なぜなら、校舎の完成が2月で開校は4月、わずか2ヵ月でテストを経て、導入を終えておく必要があったからだ。「正直、1つでもつまずいていたら4月から生徒を迎えられなくなるため、かなり緊張感を感じていたのも事実です」(伊田氏)
対策
eスポーツに最適なIPoE方式のサービスを導入
圧倒的なパフォーマンスにより2ヵ月で開校準備を完了
ネットワークサービスの選定にあたりNTTe-Sports高等学院の指針となったのは、長年、eスポーツ関連の事業に関わってきた中で得た過去の経験だった。「これまで私たちNTTe-Sportsは、さまざまなISPのサービスを使ってきましたが、通信速度などの条件をクリアできていても、ゆらぎのない安定性を実現できるISPは限られていました。そんな中で、私たちの求める安定性を高いレベルでクリアしていたOCNを選定しました。」と、チーフの木村直寛氏(以下、木村氏)は選定理由を説明する。
通信方式については迷うことなくIPoE方式※を選択した。「現在、ほとんどのeスポーツがIPv6に対応し始めており、大会のネットワーク環境もIPoE方式が主流です。PPPoE方式と比較して速度と安定性で明確な優位性があるIPoE方式はeスポーツに最適な選択といえます」(木村氏)
※ 高速で安定したインターネット規格「IPv6」を利用できる接続方式
同学院が選択した「OCN光 IPoEサービス クロス ワイドプラン」は、動画の視聴などで輻輳の原因となりやすい個人向けインターネット通信のトラフィックを論理的に分離するIPoEサービス。大容量10ギガの高速回線に加えて、低遅延や安定性を重視した大容量設計のもとで、eスポーツを快適にプレイできるネットワーク環境が実現可能だ。24時間365日の充実したサポート体制も強みとなっている。
サービスが決まり、テストを経ていよいよ本格的な導入フェイズに突入。わずか2ヵ月という短期決戦の構築準備では「OCN光 IPoEサービス クロス ワイドプラン」が充分すぎる実力を発揮した。「準備期間中、ネットワークに関する問題はいっさいありませんでした。たとえば、各種eスポーツタイトルをセットアップした際、サーバーからのダウンロード速度が格段に違いました。スタッフ全員が『これは速い!』という印象を持ち、生徒を迎えるにあたっての不安は完全に払拭されましたね」(伊田氏)
こうして、同学院には「OCN光 IPoEサービス クロス ワイドプラン」2回線が無事に導入され、当初の予定通り4月に開校を迎えることになる。そして、想定以上の効果が生まれたのだった。
効果
「家より校舎で!」という生徒の反応が証明する安定性
高い出席率という成果を携え横軸・縦軸の事業展開へ
すでに開校から半年が経過し、同学院のネットワーク環境は生徒たちから圧倒的な高評価を得ている。「よく生徒から『家でeスポーツをプレイすると下手になる』という言葉を聞きます。校舎では負けない相手に家だと負けてしまう。だから校舎に来てやりたいという生徒が本当に多いのです。夏休み期間中でも『家でeスポーツをプレイするより圧倒的に校舎でプレイする方がいい』と、ほぼ毎日登校してくる生徒がいたほどです」(木村氏)。この安定したネットワーク環境が、他の通信制高校サポート校と比較して「格段に高い出席率」という成果の一因となっている。
運用の観点でも、通信環境の安定性は期待を上回るものだった。開校以来、ネットワークに関するクレームや改善要望はいっさいなく、むしろ理論値やベンチマークよりも生徒たちの敏感な反応がすぐれた環境を物語っている。「家でもインターネットはつながるので、そこまで変わらないのではと内心では思っていました。しかし、生徒たちの反応はまったく違います。私には気づけない些細な差かもしれませんが、eスポーツプレイヤーだけにわかる環境の違いが高い満足度につながっているのです」(伊田氏)
全国500校を超える高校にeスポーツ部が存在する中、生徒にとって満足のいく環境を構築できているケースはわずかしかないと伊田氏は続ける。「たとえば、eスポーツの部室と教室のインターネット環境をシェアしている学校も多く、通信が不安定な環境を『こういうものなんだ』と諦めているケースが少なくありません。長年、eスポーツ事業に携わってきて断言できるのは『通信環境の違いは比較しないとわからない』ということです。しっかりISPやサービスを選んでローカルの環境を見直せば、ここまでの環境が構築できることを私たちは証明しました。これは実際にみなさんにも体感してほしいと思います」
今後、NTTe-Sportsではeスポーツを学生生活の中心に据えた学びの水平展開に加え、中学生向けのフリースクール事業も計画している。「1期生を迎え入れた感触から、社会課題を解決しうる受け皿になる自負が生まれつつあります。全国展開の横軸はもちろん、もっとも不登校率が高い義務教育世代への縦軸のサポートにも注力していきます。これからeスポーツはオリンピックの競技採用も見込まれ、日本でも本格的な取り組みが動き出ています。そこで私たちはNTTドコモビジネスと一緒に、eスポーツに最適化した新たなネットワークサービスを開発する取り組みも進めていきたいと考えています」(伊田氏)
導入サービス
法人専用設計、従来サービスから6倍(標準プランの3倍)の大容量設計を実現した法人向けインターネットサービス。Windows Updateによる通信をその他の業務用通信から分離し、つねに安定した通信が利用可能です。
本導入事例では、フレッツ 光クロス回線を利用。
NTTe-Sports高等学院
事業概要
2025年4月には千葉市に開校。eスポーツを学生生活の中心に据えた学びを提供することで、不登校生徒の居場所づくりとデジタル人材育成という2つの社会課題の解決を目指している
URL
https://www.ntte-sports.co.jp
(PDF形式/850 KB)
(掲載内容は2025年10月現在のものです)
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