2025年7月より、NTTコミュニケーションズは
NTTドコモビジネスに社名を変更しました
NTTドコモビジネス株式会社

2025年11月5日

NTTドコモビジネス株式会社

「2025年度人工知能学会全国大会」において、優秀賞を受賞

NTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、以下 NTTドコモビジネス)が発表した論文※1「非線形な相関係数にもとづく時系列予測Transformerモデル※2」(以下 本論文)は、2025年5月に開催された「2025年度人工知能学会 全国大会」において全国大会優秀賞を受賞しました。本論文は、時間とともに変化するデータ(時系列データ※3)が持っている、複雑な動きのパターンを効果的に見つけだし、AIにて未来をより正確に予測できる新しい手法に関する論文です。

なお、本論文は国立大学法人京都大学 鹿島久嗣教授との共同研究の成果によるものです。

1.賞の概要

「人工知能学会 全国大会」は、AIに関する国内最大規模の学会である人工知能学会が主催する大会で、今年で39回を迎えます。優秀賞は、全国大会に投稿された論文の中から特に優秀なものを、大会委員会による厳正な審査によって選出し、表彰するものです。

2.受賞論文

タイトル: 「非線形な相関係数にもとづく時系列予測Transformerモデル」

著者: 木村大地, 泉谷知範, 鹿島久嗣

3.本論文の概要

近年、製造業の設備保全、小売業の需要予測、金融市場のリスク管理など、時系列データの解析は企業のDX推進に不可欠な要素となっています。しかしながら、実際の時系列データは、その時間経過にともなう変動の仕方や、異なるデータ項目間の関係性が、単純な比例関係では説明できない複雑な特性(非線形性※4)を持っています。このため、データに潜む隠れたパターンを正確に読み解き、解析することは非常に難しいとされてきました。

今回開発した手法は、TransformerモデルにおけるAttention機構※5を拡張し、複雑なパターン(非線形性のパターン)を明示的にとらえるものです。従来手法ではとらえきれなかった複雑なパターンを解析可能にし、より高精度な時系列予測ができるようになります。

4.今後について

今後、本論文をノーコードAI開発ツール「Node-AI※6」の機能の1つとして本手法を実装し、お客さまとの検証を進めていく予定です。あわせて、今回開発した手法を、異常検知や補完といった現場で頻出するさまざまな課題への適用をめざします。

NTTグループは、日本の企業DXを支える高性能・高セキュア・低コストな純国産・特化型LLMで更なる進化を遂げた「tsuzumi2」など、AI時代に対応した先進的な取り組みを加速していきます。

NTTドコモビジネスは、軽量かつ高性能なNTT版LLM「tsuzumi2」の社会実装を推進するとともに、本論文のような特定のデータに関する課題解決に特化した特化型AIの研究開発にも注力しています。「tsuzumi2」などの汎用型AIと特化型AIを適材適所で組み合わせ、お客さまの高度なデータ利活用とDX推進を支援します。


「NTTコミュニケーションズ株式会社」は2025年7月1日に社名を「NTTドコモビジネス株式会社」に変更しました。私たちは、企業と地域が持続的に成長できる自律・分散・協調型社会を支える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として、新たな価値を生み出し、豊かな社会の実現をめざします。

※1︓詳細な論文情報は、以下をご参照ください。
https://doi.org/10.11517/pjsai.JSAI2025.0_2Win507

※2︓Transformerモデルは、NTTグループが開発した「tsuzumi2」をはじめとする大規模言語モデル(LLM)を中心として広く用いられているニューラルネットワークの構造です。

※3︓時系列データとは、時間の推移とともに記録されるデータのことです。代表的な例として、株価の推移やセンサーデータがあげられます。

※4︓非線形性とは、原因と結果が単純な比例関係(一方が2倍になると、もう一方も2倍になる関係)にならず、複雑で予測しにくい関係性を持つことです。

※5︓Attention機構とは、Transformerモデルの内部構造として利用される、入力された情報の「特に注目すべき重要な部分」を自動で見つけ出し、情報の関連性を判断する仕組みです。

※6︓「Node-AI」とは、NTTドコモビジネスが提供するノーコードでAIモデルを開発できるツールです。時系列データ分析を中心に、予測・異常検知・因果分析などのモデルをドラッグ&ドロップ操作で直感的に構築することができます。詳細は以下をご参照ください。
https://nodeai.io/

本件に関するお問い合わせ先

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本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

経営企画部 広報室

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