2025年5月14日

キャリアも私生活も、自分で動機付けをするから納得感を持って生きられる――三BS 池田 真実子さん

池田さん

「どうしたら自分らしいキャリアを築いていけるのか」

多様性が広がり選択肢が増える一方で、そんな悩みを抱えている人は少なくありません。キャリア自律を実践しているNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の社員が、どんなキャリアの壁を感じ、どのように乗り越えようとしたのか、どんなキャリアを形成しようとしているかをご紹介します。

今回お話を伺ったのは、第三ビジネスソリューション部(以下、三BS)で営業職に従事している池田真実子さんです。本業の傍ら、副業でキャリアコンサルタントとしても活躍している池田さんのキャリアストーリーに迫ります。

ライフイベントを経ても営業の仕事を続けてきた

池田さんは現在のお客さま企業の営業担当となって9年目。これまでテーマパークのショーやパレードのシステム、機械警備のプロジェクトなどに携わってきました。現在はチームリーダーとしてメンバーのマネジメントも行っています。そんな彼女のもう一つの顔がキャリアコンサルタントです。2021年にキャリアコンサルタントの資格を取得し、休日などを活用してキャリアに悩む人々の相談に乗っています。

新卒でNTT Comに入社以降、15年間営業一筋で走り続けてきた池田さん。一見順調そのものなキャリアですが、いくつかの転機がありました。そのたびに悩み、考え、決断してきたと当時を振り返ります。1つ目の転機は、入社3年目の大阪転勤でした。

「東京から大阪への転勤を打診された時は、正直抵抗感がありました。自分の中でどこか『このまま東京で働き続けて、結婚して、子どもを産んで……』と将来をぼんやり描いていて、そのストーリーが一気に崩れた感じがしたのです。泣きながら上司に相談した記憶があります(笑)。ただ、実際に転勤してみると、当時大阪にいた先輩や周りのメンバーが心の支えになってくれて、生活面でも仕事でも大きく成長した時期になりました」

現在は2人の娘を育てている

その後、東京に戻り結婚。第1子の出産が2つ目の転機だったと語ります。

「ちょうど妊娠している時に昇格のお話を頂いて。仕事は楽しいし大切なもの、でも私生活もある……。その頃は在宅勤務も普及していなかったので、私は何を取ればいいのかと悩みました。心が定まらないまま昇格面談を受けたので、結果的にうまくいきませんでした。その時にはいったん気持ちを切り替えて、今は自分の体と子どもを優先しようと決めたんです」

無事出産した後も悩みは尽きませんでした。まだ言葉を話せない子どもと2人きりで過ごすごとは想像していた以上に大変で、ママ友と毎日のように交流し、お互いの心を支え合っていたと言います。すぐに「復職したい」と感じ始め、保育園へ応募しますが、民間の保育園には全て落選。しかし、NTTグループの企業主導型保育園サービスを利用し、入園先が決まります。

「家族や職場の皆さんの理解が得られたこともあり、子どもが0歳の時にフルタイムで復職しました。やはり営業の仕事が好きだしやりたかったので、子育てと両立できるか不安ではありましたが、元のポジションに戻ることを希望しました。

時間のやりくりは大変ですが、子育てにおいて『母親である私が絶対にやらなければならないこと』って実はそんなに多くないのでは?と気付いてからは、とても楽になりました。例えば保育園のお迎えなども家族と協力して分担すればいい。少しずつ『べき・ねば思考』を手放せたことで、自分も周りも、やりたいことを諦めずに挑戦できているのだと思います。

実際に復帰してみて、私は社会に出て仕事をしていた方がメンタル的に健康でいられるタイプなんだということを実感しました。人にはさまざまなロールがあると思います。私も、子どもにとっては母親であり、夫といる時は妻であり、仕事中はNTT Comの池田真実子である。その中で、母親というロールを外して自分のために過ごせるのが仕事をしている時間です。社会の中にいる自分を感じられる時間があることにすごく助けられています」

みんなが働きがいを感じられるためには?

3つ目の転機は、キャリアコンサルタントとしての活動を始めたことです。自身が働く中で感じたモヤモヤをきっかけに「自分らしい働き方」を考えるようになります。

「営業職にとって売り上げは非常に重要な指標です。数十億円の仕事を受注することはとても素晴らしい。それは間違いないと思います。ただ、その実績を評価する時に『生産性』の観点が抜け落ちているのではないかと感じたことがありました。残業無しで20億円を売り上げた人と、長時間残業をして多額の経費も使った上で20億円を売り上げた人、どちらが素晴らしいと思いますか? 私は前者の方が評価されるべきだと思うのですが、生産性はなかなか見えにくいポイントなのが実状です。

だからこそ、優秀な時短勤務の社員が評価されにくいといったことが起きてしまいかねないのです。ここを何とかしたいと考えましたが、評価制度などの仕組みを変えたいというよりは、一人ひとりが自分らしく働きがいを感じられる状態にしていきたいと思いました。そこで目を向けたのがキャリアコンサルタントでした」

実は池田さん、教員免許を持っていて、入社当時から人材育成などの人事分野に関心を持っていました。そんな池田さんだからこその視点で、自分にできること、やりたいことを考えたのです。

中立的な立場で寄り添えるキャリアコンサルタントに

キャリアコンサルタントとしての活動は、自分自身のキャリアを見直すきっかけにもなったと池田さん

2人目の妊娠・出産のタイミングと重なりながらも、キャリアコンサルタントの勉強を進め、資格を取得した池田さん。今では多くの働く人や学生を支援しています。

「キャリアコンサルタントは、仕事や人生に関して『このままでいいのかな?』『自分には何ができるのだろう?』といったモヤモヤを抱えている方に対し、半年間、毎月1回の面談を行って伴走していきます。誰しも本来は自分の中に『答え』を持っているので、問いかけを通してそれを自分自身で見つけに行くようなプロセスを取ります。

企業内キャリアコンサルタントとはまた別の視点から、さまざまな前提を取っ払った上でピュアに一人ひとりのキャリアを考えていきたいという思いを持って、3人の仲間と共に独立した法人として活動しています」

キャリアコンサルタントの学びと実践を重ねる中で本業への向き合い方も変わったと話してくれました。

「チームメンバーがどんな思いを持って仕事に取り組んでいるのか、今モヤモヤしていることは何かなどを『聴く』ことを重視するようになりました。聴く力はお客さま対応にも生かせている部分が多く、よりやりがいを感じながら仕事ができています」

自分を知り、自分で決めていける力が付くと働き方は変わる

営業の仕事にやりがいを感じながらも、今後はかねてより興味を持っていた人材育成にチャレンジしたいと意気込む池田さん。一人ひとりが働きやすく、働きがいを感じながら仕事に取り組める状態をめざしていきたいと語ります。

「皆さん少なからず、いろいろなモヤモヤや不安を抱えながら働いていると思います。その不安そのものや、働く上で感じている思いを棚卸し、次にどう動こうかと主体的に考えられるようになると働き方は変わります。

キャリアコンサルタントの面談は、自分自身の変わらないものと変わっていくものを見定めながら、軸となるものを見つめ、この先の人生を都度考えていくプロセスです。この『自分を知る』ができるようになると、本当に納得感を持って生きられるようになることを、私は当事者として感じています。

自分で動機付けをして動いているからこそ、周りから何を言われても揺らぐことはなく、幸福感を感じながら仕事に取り組め、充実した私生活を送ることができるのです。私はその手助けになれるような仕事がしたいなと思っています」

10分だけでも自分に矢印を向ける時間を!

今キャリアに悩んでいる人へのおすすめのアクションとして「自分に矢印を向けてあげる時間をつくることが第一歩」と話します。

「通勤時間や、ちょっとした隙間の時間など、10分でも自分のことを考える時間があると全然違うと思います。何のために働いているのか、なぜこの会社に入ったのか、どんなことがしたかったのか、初心に立ち返ってみてください。そして、成し遂げたいこと、ありたい姿を少しだけでも描けると、働き方も生き方も変わってきます。

ありがたいことに、NTT Comにはキャリア自律の手助けとなる多くの制度やツールが用意されています。外部で利用しようとするとかなりお金がかかるツールを自己負担無しで使える環境があるのなら、むしろ使わないのは損! ぜひ活用して自分と向き合う時間をつくってほしいと思います」

社員メッセンジャー

NTTコミュニケーションズビジネスソリューション本部 第三ビジネスソリューション部

池田 真実子

アカウント営業としてお客さまに伴走し、兼務でエンタメPTにも所属。新しいことへチャレンジし続け、次の世界を創り出していきます。

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