2022年10月24日

レースは第4レグへ! シャチに襲われるハプニングも乗り越え好順位で航海中
~世界一周ヨットレース「Globe40」経過レポート~

出発前の今年5月、外洋ヨットレースの過酷さ、それをも上回る魅力を存分にお話しいただいた、NTTコミュニケーションズグループ PHONE APPLIの副社長 中川紘司さんが、Globe40プロローグ・レース、第1レグを無事に終え、一時帰国されました。中川さんのチーム「MILAI」は、今も好成績を保って航海中(来年3月15日レース終了予定)。10月27日には、中川さんが再びレースに加わる第4レグがスタートします。

そこで、まもなく日本をたつ中川さんに、レースの様子や来る第4レグに向けた意気込みを伺いました。参加した2つの区間共に見事トップ通過したものの、途中シャチに襲われるなど、ヒヤリとする場面も…。臨場感溢れる語りをぜひお読みください!

1位通過した第1セグ後(左はプロセーラーでチームメートの鈴木晶友さん、右が中川さん)

万全の備えでレースに挑んだ、チーム「MILAI」

――中川さんはいつごろ現地入りし、レース前までどのように過ごされたのでしょうか?

プロローグ・レースが始まる6日前の6月5日、僕らのチーム「MIALI」のホームポートであり、レースのスタート地点でもあるフランス・ロリアンに到着しました。ウクライナ情勢の影響で、日本からパリまで通常12時間のところが、15時間という長旅となりましたが、これから参加するレースに比べれば誤差の範囲内です。翌日からは大型のレンタカーを借り、出発の準備とロリアンに借りていた家・倉庫の片付けを並行して行いました。

他にはスポンサー様から頂いた新しいセールを受け取り、それを船に搭載したり、大型のバッテリーを交換したり、とにかく毎日力仕事ばかりの忙しい日々を過ごしました。また、外洋レーススタート前には、レース委員会主催で、この先の天候を専門家に分析してもらうセッションや、沿岸警備隊の方からの「海に落ちた後の心得」講座を受けます。この講座は、毎回的確に命を守る方法をレクチャーしてくれるので、ありがたく受講しています。

受講のワンシーン。飛行機から沈みかけの船なんて全然見えないから、とにかく目立つ色を表に出せ、と何度も繰り返されるそう

事故の際、レスキュー依頼する国の一覧(ポルトガルがカバーする面積が広い)

僕ら以外は、ホームポートがロリアンでないチームが多く、アメリカチームなどは大西洋を渡って2週間かけてフランスまで渡航してきていました。彼らと比べれば僕らは随分と余裕のある準備を行うことができました。

また、先ほどフライトでも触れましたが、今回のチャレンジは、コロナ禍やウクライナ戦争など、本当に色々な影響を受けています。ロシアからのチームも予定されていましたが、参加を辞退したようです。

――レース前の雰囲気はどんな感じなのでしょう?

オランダチームとは他のレースでもよく会っていて昔から仲良しなので、お互いの船を見せ合ったり、一緒に食事に行ったり、和気あいあいと交友を深めました。一方、まだまだ他のチームはよそよそしく、どちらかというと港はピリピリとした空気が終始流れていました。特にアメリカの2チームは、「絶対に勝つ!」という気合いがヒシヒシと伝わってきて、雑談をする気分にもなれず、遠巻きに眺めていました。

大きなトラブルに見舞われるも、鋭いコース読みとチームワークでトップフィニッシュ!

――では、プロローグ・レースと第1レグについてお聞かせください。

プロローグ・レース(フランス・ロリアン~モロッコ・タンジェ)

プロローグ・レースは、通常のレグと異なり「何人乗ってもOK」なので、MILAIチームは最後の練習も兼ね、中川、鈴木(日本)、エステル(フランス)、アンドレア(イタリア)の4人で参加しました。僕以外の3人はプロセーラー。それぞれ何度も大西洋を横断しているツワモノ達なので、安心してセーリングできました。ダントツの1位で終えられると思ったのですが、フィニッシュする直前、大きなトラブルに襲われました。

タンジェの入口、ジブラルタル海峡の10km沖合に到着した時に、300mほど遠方にイルカのような集団を発見しました。そこから10秒もせずに、いきなりその集団がMILAIに体当たりを繰り返してきたのです。一瞬何が起きたか全員理解できなかったのですが、MILAIの全長12mと比べて半分弱のそのサイズを見たとき、やっと「シャチだ! シャチに攻撃されている!」と誰もがその状況を理解しました。

実は、ジブラルタル海峡近辺をセーリングするスペインやモロッコ、地中海沿岸各国のセーラーの間で、2年前から突然シャチがセールボートを攻撃するようになった、と話題になっていたんです。この原因はまだ解明されていないのですが、恐らくコロナ禍の影響で、有史以来、初めてジブラルタル海峡に船がほとんど通らない状況となり、その後一気に海運が回復したことから、シャチが縄張りを荒らされていると感じているのでは? という推測があり、もっとも説得力があります。いずれにせよ、MILAIはそのシャチ達の襲撃を受けてしまったのです。

シャチたちは、15分ほどMILAIを攻撃し続け、突然に退散(恐らく彼らの縄張りを抜けたのだと思います)。何事もなかったかのような静かなジブラルタル海峡が戻ってきました。

結果として、船の進行方向を決める上でとても大事な舵をかじりとられてしまいました(思わず“シャチに舵をかじられた!”と、ギャグを思い付きました。その場では言いませんでしたが…)。そこからフィニッシュまであとわずかだったため、トラブルもそれほど影響せずに、MILAIは無事、第1レグのスタート地点タンジェにトップフィニッシュを飾ることができました!

タンジェでは、まず体を1日休め、翌日からは、かじられた舵の修復を行いました。ホームポートであるロリアンであれば思うように進む修理作業も、初めて滞在するモロッコではそうはいかず…。船をあげるクレーンの予約、フランスからのパーツの運搬・修理などなど…、いろいろ困難がありました。しかし、いつも通り「焦らず、諦めず、いつも笑顔で」をモットーにニコニコしていると、なんとか周囲のサポートも得られ、素晴らしい修理を行うことができました。

第1レグ(モロッコ・タンジェ~カーボベルデ共和国・サンビセンテ島)

そして、ついに正式なレーススタートを迎えました。

モロッコのスタートの様子

第1レグはタンジェから、カーボベルデ共和国までの約3500kmのコースとなります。途中、マデイラ諸島、カナリア諸島を通過し、アフリカ沿岸を南下し、カーボベルデ共和国へ。7日と2時間25分のレースとなりました。

途中、標高1861mのマデイラ諸島を通過する際は、その山陰の無風地帯をどのように抜けるかで、大きくレース結果が左右されました。事前の分析でも、この島の南側の無風地帯は、島影の影響を50km~最大100km程度受けることが分かっていたため、MILAIチームは島から大きく離れたコース取りを行いました(他チームは小回り)。その結果、小回りしたチームは軒並み島影の影響を受け大きくスピードをロス。僕らは距離こそ遠回りしたものの、良い風を受け続けることに成功し、2位以下に大きく距離を離して1位に躍り出ました。以降、そこで得たアドバンテージを守り切り、第1レグもトップでフィニッシュすることができました!

2週間にわたる航海をリアルタイムで応援しよう!

――日本に一時帰国し、ご家族や社内の皆さんの反応はいかがでしたか?

意外と社員みんながリアルタイムの居場所を見てくれていたようで、“少しでもヨットに興味を持ってくれる人が増えたんだな”とうれしくなりました。あとは、実に淡々と、帰国した翌日から仕事を再開させてもらえたので、一瞬で日常に戻ることができました。家族も同じく、「あ、おかえり」という感じです。

――第2レグ、第3レグの状況はどうでしょうか?

第2レグは、このレースの中でも最長の14000kmのレグです。レースとしては残念ながら、途中MILAIに大きなトラブルが発生したため、南アフリカ・ケープタウンに緊急入港し、4位でのフィニッシュとなりました。詳細はぜひ以下の記事をご覧ください。

第3レグは、本日10月10日現在もレースが続いております。恐らく10月15日ごろにフィニッシュできる予定です。

――第4レグに向けての意気込み、皆さんへメッセージをお願いします。

航海中、つかの間の休息

10月27日の第4レグスタート(ニュージーランド・オークランド~タヒチ・パペーテ)に向けて、まもなく日本を出発します。今回は、私の中で最長の5000kmを超えるレグとなります。レース期間もそれに準じて2週間程度となりますが、今までの練習の成果を結集して、無事にタヒチまで安全かつ早く到着したいと思います(11月9日ごろ到着予定)。

レース期間中は、Facebookなどで常に情報発信いたします。リアルタイムの位置情報をご覧いただけるサイトもありますので、フォロー・応援いただけるとうれしいです。

また、ご家族・ご友人、同僚の方などに、「こんなチャレンジをしている人がいるんだよ!」と一言言っていただけるだけで、僕たちにとってはとても力になりますので、ぜひよろしくお願いします!

PHONE APPLIのご紹介

中川さんが副社長を務めるPHONE APPLIは、ウェルビーイング経営に力を入れており、中川さんの今回の挑戦も社内の皆さんで応援しています。少しご紹介しますと…。

PHONE APPLIでは、組織のコミュニケーションを活性化するアプリ 「PHONE APPLI PEOPLE/THANKS」を展開しています。スマホやパソコン上でアプリを立ち上げると、連絡を取りたい人の状況が一目で分かり、電話やメール、チャットなどのツールから選んで連絡することができ、現在約3000社に利用されています。

アプリ内の「マイプロフィール」というサービスでは、熱中されていること、好きな映画などなど、他の方が「おっ!」と思うようなプロフィールを開示でき、お互いを知ることができます。また、仲間に“ありがとう”を送るサービス「PHONE APPLI THANKS」など、社内の信頼関係を深め、ウェルビーイングにつながるサービスに力を入れている企業です。

この記事をきっかけに、ぜひPHONE APPLIにも興味を持っていただけましたら幸いです。

社員メッセンジャー

株式会社PHONE APPLI取締役副社長

中川 紘司

昔からの夢を実現したいと思ったときに、素直に相談できる環境が自分の前にあったこと、とても幸せなことだと感じています。多くの人たちが夢を実現できるように、少しでもその参考になればと紹介させていただきます。

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