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2020.11.02

ResorTech/Smart World実現の端緒に!
VR技術を使い焼失した正殿を再現
「首里城VRゴー」体験会の現地開催に寄せられる期待

現在、沖縄県の首里城公園で、2019年に焼失した首里城正殿などをVR/ARで鑑賞できるイベント「首里城VRゴー」体験会が行われています。企画したのは、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)のビジネスソリューション本部 西日本営業本部(以下、西営本)とプラットフォームサービス本部 アプリケーションサービス部(以下、APS部)。一般社団法人沖縄美ら島(ちゅらしま)財団と株式会社キャドセンターの協力により実現しました。多くのメディアに取り上げられ、地元沖縄県の皆さんにも好評とのこと。この体験会の概要やVRを活用したビジネスの可能性などについてご紹介します。

在りし日の首里城に思いをはせて

首里城VRゴー」体験会は、首里城公園にある焼失を免れた世誇殿(よほこりでん)で開催されています(2020年11月30日まで)。会場にはVR(仮想現実)ゴーグルとAR(拡張現実)体験用のタブレットが用意され、在りし日の首里城正殿などをフルCGで見ることができます。

首里城ARの映像シーン。再建工事が進む周辺景色の中に在りし日の首里城正殿が浮かび上がります

かつて琉球王国の中心であった首里城は、まさに沖縄のシンボル。その首里城跡は、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の1つとして2000年に世界遺産に登録されました。戦争で被災した建物は約30年かけて2019年1月に復元されましたが、同年10月31日未明の火災により主要な建物が焼失。その後、再建に向けた支援の輪が広がり、NTT Comも沖縄オフィス開設時(2020年1月21日)に寄付金を贈呈し、玉城デニー知事から感謝の言葉を頂きました。

西営本 九州支店の田畑支店長は「首里城復興に向けては、その過程も含めて見てもらうというのが沖縄県の方針です。現在、建物の下に隠れていた正殿基壇の遺構(昔の土台)も見えるようになっていますが、見学者の立場からするとプラスαのコンテンツが欲しいところ。その点で、首里城VRゴーに対して県からも大きな期待を頂いています」と話します。

復興への期待が寄せられる中、首里城をVR技術で再現することへの反響は大きく、テレビや新聞などいろいろなメディアで紹介されました。初日の体験者数は80人で、「昔の首里城を見ることができて温かい気持ちになりました。これをきっかけに沖縄がこれから盛り上がっていったらうれしいですね」などの声が聞かれました。

VRを体験する来場者 VRを体験する来場者
タブレットを動かしARを楽しむ親子 タブレットを動かしARを楽しむ親子

“ResorTech(リゾテック)”の第一歩として実現した「首里城VRゴー」

NTT Comは沖縄県にもオフィスを構えています。営業を開始したのは2020年1月。すでに、地元官公庁庁舎への基幹LAN、TV会議/IP電話システムなどの構築を受注し、行政業務で活用していただいています。現在、特に注力しているのが沖縄振興に寄与するSmart World案件。2020年2月に開催された「ResorTech Okinawa おきなわ国際IT見本市」では、Smart City関連のソリューションを出展しました。

「沖縄県の産業の1位は観光で、2位がITです。その観光とITの強みを組み合わせ(リゾート×IT)、沖縄県のさらなる産業振興を目的に第1回ResorTech Okinawaが開催されました。『ResorTech(リゾテック)』という言葉は、県の情報産業政策のキーワードにもなっています。この展示会で展示していたのが『首里城VRゴー』です」(西営本 九州支店の今江さん)

「首里城VRゴー」は、キャドセンターが制作し仙台城跡でのイベントで提供されていた「仙台城VRゴー」(現在、休止)がモデルになっています。同社と以前から付き合いのあったAPS部の津田主査が中心となり、“首里城版”を制作してResorTech Okinawaに出展しました。

「会場で、沖縄美ら島財団の方が首里城VRゴーに興味を持たれたのが、今回の体験会のきっかけとなりました。当初はゴールデンウィークでの開催を目指す予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で中断。スケジュールの調整に苦労しましたが、9月中旬にようやく実現にこぎつけました」(西営本 九州支店 沖縄オフィスの武富主査)

現地での開催だからこそ、いろいろな気づきが

この間、コンテンツ制作を担当した津田主査とキャドセンターは、CGのバージョンアップに努めました。キャドセンターは業界1、2を争うCG制作のプロフェッショナル。NTT Comも建設機械を安全に操作するための研修用VRコンテンツなどを依頼しています。

「一番大変だったのは、他社の施策と被らないようにし、かつ新たな価値を提供することでした。私たちのコンテンツは、撮影した映像をそのまま使うのではなく、フルCGで構成しています。お客さまの操作(視点を変える)によって映像を動かすというインタラクティブな技術は格段に難しく、大きな差異化ポイントになっています。また、使用するVRゴーグルのライセンス・調達の問題への対応や、スペックを満たすための端末選びなども私たちが担当しました」

バージョンアップするにあたっては、CGの凸凹をより鮮明にしたり、色を忠実に再現できるよう調整するなどして高精細に仕上げました。これにより、建物の奥行なども立体的に再現され、臨場感が味わえます。また、首里城周辺は再建工事をしており、VRゴーグルをかけて歩き回れるスペースがないことから、タブレットで見られるARコンテンツを追加。首里城の焼失跡にタブレットをかざすと正殿などがディスプレイに映り、周辺の景色と一体的に楽しめる工夫もしました(本文冒頭の写真)。

首里城VRゴーのイメージ映像。これは自動再生の動画ですが、実際は首を上下左右に自由に動かして、建物が目の前にあるかのように見ることができます
MOVIE

田畑九州支店長は現地開催の意義をこう強調します。

「VRやARのイベントはどこでもできるのが売りですが、体験会を現地で開催することにしたのは、建物の焼失前と後を重ねて見ることができるからです。沖縄の子どもたちもいろいろな気づきを得られると思いますし、今はGo Toトラベルキャンペーンに東京も加わったので、より多くの人が首里城に来て、VR/ARで在りし日の首里城に思いをはせていただければと思います」

「バーチャル空間ですべての業務を実現する」を目指して

NTT Comでは、「首里城VRゴー」以外でもさまざまなVR活用支援ソリューションに取り組んでいます。

野村万作氏のVR映像は、昨年開催したNTT Com Forum 2019で公開されました

人間国宝の狂言師・野村万作氏の能の演技を360度から撮影したVR映像や、同志社中学校の協力で実施した「英会話におけるVR学習の有効性に関する実証実験」などのほか、最近では、企業の研修用や、大学との共同で看護士育成に向けたVRコンテンツの研究など、お客さまの課題を解決する「仮想現実(xR)ソリューション(VR、AR、MRなど)」の開発・提供に注力しています。

また今後は、NTT Com独自の「バーチャルイベントプラットフォーム」を開発し、商用モデルとして展開していくことにしています。

「コロナ禍において、リモートワークで業務を行うには、ビデオ通話システムだけでは十分ではありません。VR技術を使って、バーチャル空間での会議や店舗運営、イベントの開催などをできるようにすることが重要になってきます。こうしたニーズに応えるために、私たちは『バーチャル空間ですべての業務を実現する』という戦略の下、『デジタルツインワーキングプラットフォーム』の開発を進めています」(津田主査)

VRやARは昔からあった技術ですが、市場としては立ち上がり始めたばかり。先述した一連の取り組みにより、4月ころから研修用VRコンテンツなどの問い合わせが急増しているとのこと。

今後の展開について尋ねると、「NTTグループがIOWN構想などを実現するためにはVRが重要になってくると思います。また、先ほど話した看護士育成や英会話教育といった社会的課題の解決にVRは有効です。今後もVR活用支援ソリューションを拡充し、当社のプレゼンス向上につなげていきたいですね」と津田主査は話します。

さらに、西営本 九州支店 沖縄オフィスの藤原所長も、次のように熱く語ってくれました。

「今回の首里城VRゴーは、県が掲げるResorTechや、NTT/NTT Comグループが標榜するSmart World推進の端緒になると思っています。沖縄県民の皆さんから頂いた高い評価を足がかりにして、観光立県沖縄のデジタルトランスフォーメーション(DX)をけん引し、沖縄発の地域、産業(観光)、教育×ICTにおけるSDPFモデルで日本を元気にするべく、メンバー一丸となって推進していきます」

お話を伺った皆さん。(上段左から)西営本 九州支店:田畑好崇支店長、今江真矢さん
(下段左から)九州支店 沖縄オフィス:藤原寛所長、園田浩主査、APS部:津田勇気主査
(画面には映っていませんが、沖縄オフィスメンバーの武富崇主査、松尾好泰主査、赤坂重嘉主査もインタビューに参加)

なお、「ResorTech Okinawa 2020」が10月29~11月1日に沖縄コンベンションセンターで開催されました(オンラインでも同時開催)。NTT Comからは、「首里城VRゴー」の他、データ利活用により新たな街の魅力を引き出すソリューション「FUN COMPASS」(10月14日から提供開始)を出展。現地ではオンラインワークスペース「NeWork™」を活用した遠隔での商材説明も取り入れ、好評を博しました。なお、会期中の10月31日が首里城焼失から1年という節目であったこともあり、多くの方がNTT Comブースを訪れ首里城ARを体験されました。

社員メッセンジャー

NTTコミュニケーションズ西日本営業本部

藤原 寛

九州支店 沖縄オフィス所長として2020年10月に着任し、沖縄県の地域/産業(観光等)/教育等振興にICTを通じて貢献したいという熱い思いで日々活動しています。沖縄大好き。沖縄の皆さんへ、またこの地で働く機会を貰ったわが社への「感謝と恩返し」を実現させたいです。人生一度きり、やるからには後世に残る仕事を!