試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2021年4月25日12時00分 KICK OFFジャパンラグビートップリーグ2021 プレーオフトーナメント

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスNTTコミュニケーションズシャイニングアークス

vs

キヤノンイーグルスキヤノンイーグルス

13vs43

前半6 - 19

後半7 - 24

プレーオフ2回戦で無念のノーサイド。
栄冠は新リーグへ持ち越し

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日本最高峰「トップリーグ2021」で初のトップ4を目指したNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(以下アークス)。

ノックアウト方式のプレーオフ・トーナメント初戦(2回戦)は、4月25日(日)の東京・江戸川区陸上競技場が舞台。

レッドカンファレンス(リーグ戦)で3勝3敗1分けだったアークスは、ホワイトカンファレンスで同じく3勝3敗だったキヤノンイーグルスと激突した。

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アークスは前戦のサントリー戦から、メンバー23人中7人(先発4人、リザーブ3人)を変更した。

大阪・常翔啓光学園高-日大出身であるPR(プロップ)庵奥翔太は今季初先発。LO(ロック)には先発復帰のヴィリー・ブリッツ、FL(フランカー)には好調の鶴谷昌隆が入り、No.8(ナンバーエイト)は2試合ぶりの先発となるリアム・ギル。

リザーブには後半途中出場しデビューを飾った宮崎工業-九州共立大学出身のPR竹内柊平(しゅうへい)。フィジカルも強いベテランSH(スクラムハーフ)鶴田諒、WTB(ウイング)小泉将も、後半から出場を果たした。

※キヤノン戦の出場メンバーはこちら

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2020年夏頃から始まった本格的なプレシーズンでは「昨シーズンとは比べものにならないくらい」(FL金共同キャプテン)走り込み、練習から激しく身体をぶつけてきた。

大きなスペースに仕掛けるスタイル「キープ・アタッキング・ビッグスペース」を信じ、メンバー、ノンメンバー共に入念な準備を重ねて、この日のキックオフを迎えた。

正午に開始された運命の一戦で、先制したのはキヤノンだった。

反則からの速攻で突破を許し、今季初めてCTB(センター)での先発となった石田大河が懸命に戻ったが、オフロードパス(タックルを受けながらのパス)を繋がれてトライを奪われた。

しかし、7点を先制されたアークスだが、スクラムでは優勢に立った。

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前半9分、フロントローにPR庵奥、HO(フッカー)山口達也、PR三宮累を並べた強力スクラムではヒットから優勢となり、相手の反則を誘発。ペナルティをもらい、SHグレイグ・レイドローがPG(ペナルティゴール)で3点を返した。

さらに前半17分には、2021年度の日本代表候補に選ばれたSO(スタンドオフ)前田土芽が、ラックで相手に絡みついてペナルティ(ノット・リリース・ザ・ボール)を誘発。SHレイドローが30m超のPGを成功させて3点を追加し、1点差(6-7)に迫った。

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この日はバックス陣もディフェンスで躍動。タッチライン際のラックでCTB石田が絡めば、WTB(ウイング)石井魁も激しいファイトで反則を誘う。

しかし前半23分、元アークスのNo.8アマナキ・レレイ・マフィがアークス陣内でジャッカルを成功せると、キヤノンが好機を仕留めて2トライ目。

ビハインドが8点(6-14)となるが、FL鶴谷がモールの守備で奮闘するなどして失点を防ぐ。

このまま前半終了かと思われた後半42分、キヤノンはスクラムからの連続攻撃で、相手13番がミスマッチを仕留めて3トライ目。キヤノンの13点リード(19-6)で前半を折り返した。

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後半はキヤノンが4分のPG成功でリードを16点(22-6)に広げたが、リスタート後、アークスは守備から反則を誘い、相手陣地でプレッシャーをかける。

すると後半11分、スクラムからのアタックでSO前田がタックルを受けながらも前進する強さを見せ、この日のチーム初トライ!球際の強さをワンハンドのトライで証明し、SHレイドローのゴール成功で9点差(13-22)に迫った。

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追撃ムードになったアークスだが、以後は無得点となってしまった。一方のキヤノンは後半15、33、38分に連続トライを奪い、突き放した。

「私たち自身もそうですが、ファン、家族のみなさまをガッカリさせてしまい、とても悔しい思いです。シャイニングアークスはアタッキングチームですが、前半はキヤノンさんに攻撃をさせてもらえず、後半もエラーから相手に得点を許しました」(ヒュー・リースエドワードHC)

後半24分には2年目に入ったPR竹内が途中出場してトップリーグデビュー。ファーストプレーでスクラムを組み、自慢のフィジカルを全面に押し出して動き回った。

後半31分にはSO前田のロングパスから左隅のWTB石井がロングゲインするなど、それぞれ魅了を放つ場面も見られたが、13-43でノーサイドを迎えた。

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プレーオフ・トーナメントはノックアウト制で敗者復活はなく、アークスのトップリーグ2021はノーサイドを迎えた。

しかし2022年1月には新リーグが開幕予定。初のトップ4、栄冠は新リーグへ持ち越しとなった。

「今年は本当に残念な結果に終わりました。一年間ずっと支えてくれた家族、サポーター、会社の方々にまず感謝したいです。結果をコミットできるような強いチームをしっかり作っていきたいと思います」(FL金共同キャプテン)

「今シーズンはこれで終わりになりましたが、来シーズンは自分達がどこにいるのかを再認識して、絶対にベスト4以上に行けるようにチームを成長させていきたいと思います」(中島共同キャプテン)

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ヒュー・リースエドワードHCの声

チームとして悔しい思いをしています。私たち自身もそうですが、ファン、家族のみなさまをガッカリさせてしまい、とても悔しい思いです。

シャイニングアークスはアタッキングチームですが、前半はキヤノンさんに攻撃をさせてもらえず、後半もエラーから相手に得点を許しました。トライを取っていく自分達のラグビーができなくなると勝つことは難しくなります。

FL金正奎共同キャプテンの声

本当に悔しい終わり方をしてしまった、というのが率直な気持ちです。あまりそれ以上の言葉は出てきませんが――プレシーズンは本当にハードワークを行い、やってきたことを信じてきましたが、ゲームで出せませんでした。ファンの方、家族、試合に出られないノンメンバー、ずっと支えてくれた方に申し訳ない気持ちですが、感謝もしています。

――プレーオフ初戦の対戦相手(キヤノン)が決まってからの2週間を振り返ってください。

キヤノンさんに勝つための準備をメンバー、ノンメンバー関係なく、しっかりやることができました。ただそれを最終的にグラウンドで体現できなかったところは悔いが残ります。

――来シーズンへ向けての意気込みをお願いします。

今年は本当に残念な結果に終わりました。一年間ずっと支えてくれた家族、サポーター、会社の方々にまず感謝したいです。結果をコミットできるような強いチームをしっかり作っていきたいと思います。

――試合後、元アークスのアマナキ選手との抱擁がありました。

一緒にやってきた時間が長かったので・・・。込み上げるものがあり、二人とも同じ気持ちでした。『おつかれさま』『本当によくやった』と話したくらいです。ただ言葉を交わさなくても、お互いに分かっています。

LO中島進護共同キャプテンの声

――途中から出場した今日の試合を振り返ってください。

キヤノンさんに対して良い準備をしてきました。メンバーもノンメンバーも出し切ってこの結果だと思います。来年、再来年へ向けて、ここからどう上がっていけるかが重要だと思います。

――今シーズンは共同キャプテンとしてチームを率いました。

キャプテンとしてチームのことを第一に考えてきたシーズンでした。悩んだりもしましたが、自分の成長にも繋がりました。家族にはキャプテンとなり大変になった部分をサポートしてもらいました。まずは家族に感謝したいです。一緒に共同キャプテンをしてくれた金正奎さん、リーダーグループのみんなもいてくれたおかげで今の自分があるので、本当に感謝したいです。

――いったん休養を挟んで、また来シーズンへ向けての活動が始まります。

今シーズンはこれで終わりになりましたが、来シーズンは自分達がどこにいるのかを再認識して、絶対にベスト4以上に行けるようにチームを成長させていきたいと思います。

SO前田土芽選手の声

7節にサントリーであのような負け方をして、キヤノン戦に向けて勝つ準備をメンバー、ノンメンバーに関係なくやってきましたが、準備してきたことができませんでした。

スタンドオフとしてゲームメイクしなければならないところですが、ブレイクダウンでプレッシャーをかけられたところを修正できなかったことは課題です。ただチャンスがある時は良いアタックができていました。このシステムを信じた上で自分達がどうコミットするかです。シーズンが思ったよりも早く終わってしまいましたが、良い意味で勉強になりました。

――21年度の日本代表候補にスタンドオフとして選ばれ、キヤノンの10番も同じく候補の田村優選手でした。

まず日本代表候補に選ばれたことは、驚きもありましたが、嬉しい気持ちです。チームがあってこその代表候補だと思うので、スタッフに感謝しています。

相手に田村選手がいましたが自分としては意識せず、準備してきたことを出そうというマインドでした。ただ田村選手のキックの使い方、落ち着いたゲームメイクは見習いたいです。スタンドオフとして成長するためにも良い経験になりました。

PR竹内柊平選手の声

――途中出場からトップリーグ初出場を果たしました。

とても悔しい結果になりました。個人では試合が1年半ぶりで、記憶に残る試合になりました。

自分のデビュー戦で、高校・大学の恩師は自分のことのように喜んでくれました。今回、自分の位置が分かったので、ここから後は挑戦するだけだと感じました。

――通用していた部分は?

強みであるフィジカルの部分は通用したと感じました。ディフェンス、タックル、ボールキャリーなど身体をぶつける部分です。

――試合を通して今後伸ばしていきたいと感じた部分は?

スクラムは途中まで良かったですが、最後は自分の中のルーティンが崩れて押されてしまったので、そこは修正したいです。

――来シーズンへ向けての意気込みをお願いします。

今シーズンは怪我もありましたが、来シーズンは怪我なく全試合スターティングメンバーで出るくらいアピールして、ゆくゆくは日本代表に入ってワールドカップに出たいです。

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