試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2021年4月11日13時00分 KICK OFFジャパンラグビートップリーグ2021

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスNTTコミュニケーションズシャイニングアークス

vs

サントリーサンゴリアスサントリーサンゴリアス

31vs94

前半24 - 45

後半7 - 49

リーグ戦最終節は大敗。
再起を誓いプレーオフ・トーナメントへ

試合写真

NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(以下アークス)は4月11日(日)、リーグ戦最終節(第7節)で、トップリーグ優勝5回、準優勝4回のサントリーサンゴリアスと相まみえた。

トップリーグ2021で3勝2敗1分けのアークスに対し、サントリーは6勝全勝。対峙した舞台は、快晴に恵まれた東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場。

青空の下に集った観客は8,233人。コロナ感染予防対策に留意して来場してくださったファンの皆さまのお陰で、ラグビーのある穏やかな週末となった。

試合写真

アークスは勝利した前節の宗像サニックスブルース戦から、メンバー23人中8人(先発4人、リザーブ4人)を変更した。

先発では、日本の歴史が好きという“歴史男子”のLO(ロック)ルイス・コンラディが、記念すべきアークス初キャップ。そしてフランカー経験も豊富な慶大卒の栗原大介は、8番を背負って今季初先発を飾った。

ハーフ団は入れ替えとなり、スコットランドの英雄SH(スクラムハーフ)グレイグ・レイドローが2試合ぶりにスタメン復帰し、筑波大卒のSO(スタンドオフ)前田土芽とコンビを組んだ。

4人変更のリザーブでは、元慶大主将の佐藤大樹、そして法大卒の牧野内翔馬が今季初出場。パワフルなウイングであるトロケマイケル、総合力の高いセンターである池田悠希もメンバー入りとなった。

※サントリー戦の出場メンバーはこちら

試合写真

試合写真

「シャイニングアークスはアタッキングなチームですが、ディフェンスから良い流れを作るチームでもあります」(FL(フランカー)金正奎共同キャプテン)

FL金共同キャプテンの言葉通り、前半3分にサントリーの絶妙な接点勝負から先制トライを奪われるものの、その2分後、韓国7人制代表のスターWTB(ウイング)張容興がディフェンスで存在感を発揮する。

自陣から攻めるサントリーに対し、相手センターのロングパスをWTB張がインターセプト!ディフェンスから得点を奪い、すぐに7-7と仕切り直してみせた。

試合写真

ただFL金共同キャプテンが「本当にタフな80分でした」とも振り返ったように、アークスはここから6連続トライを許してしまう。

サントリーは前半7分、ラインアウトモールから移動攻撃をおとりにして相手HO(フッカー)が2トライ目。

アークスも前半8分にSHレイドローがPG(ペナルティゴール)を返すが、リスタート後にキックオフボールをそのまま確保されて失トライ。

さらに前半23分にはラインアウトモールから、同25分にはキックを再獲得されて失点。前半29、33分にもラインアウトからのサインプレーなどでスコアを許す。

しかし、このままワンサイドゲームかと思われた前半38分だった。

試合写真

試合写真

サインプレーでFWユニットの外側に回り込んだSO前田が、快足を活かして防御を突破。フォローしていた2年目FB(フルバック)石田大河にラストパスを通して、華麗にインゴールを奪った。

7点を返して17-45とすると、さらに先制トライを挙げたWTB張がこの日2度目のインターセプト!

2連続トライで劣勢ムードを一気に晴らし、ビハインドを21点差(24-45)に縮めて後半へ向かった。

試合写真

試合写真

さらにアークスは後半にスタートダッシュを決める。

まず後半最初のスクラムでペナルティを奪取し、8人のフォワードが吠えた。

ビッグスクラムで敵陣に入ると、近場でフォワードを当てて真っ向勝負する。

試合写真

そして波状攻撃を仕掛けると後半5分、SHレイドローが右大外のWTB石井魁にロングパス。

大きなパスを受けたWTB石井は数で劣勢だったが、防御裏へショートパント。これを見事に再獲得して、観客も驚く個人技でチーム3連続トライ!個人ではリーグ2位の9トライ目をマークした。

右隅からのコンバージョンも名手レイドローが見事に決め、会場から大きな拍手。14点差(31-45)に詰めた。

試合写真

試合写真

「後半20分以降、ディフェンスで前に出続けられなかったりしたことが、失点を許した原因のひとつだと思います」(FL金共同キャプテン)

後半10分からの30分間は、サントリーの圧倒劇が展開された。

アークスはCTB(センター)シェーン・ゲイツの突破&ビッグゲインなど、個々で見せ場を作ったが、相手のジャッカルに遭うなどして得点を奪えず。

ラインアウトモールやペナルティからの速攻などで後半9、14、23分に3連続トライを許すと、後半22分から途中出場したNZ代表ボーデン・バレットのハットトリックなど、その後さらに計4トライを奪われた。

サントリーは前後半で7トライずつ、計14トライで94得点。ファイナルスコアは31-94となった。

試合写真

試合写真

この試合の収穫を問われたNo.8(ナンバーエイト)栗原は「こうした試合をトーナメント前に経験したことで自分達を振り返ることができます。それが唯一の収穫です」と答えた。

3年4か月ぶりの公式戦先発だったという、慶大卒の熱きタックラーはまた、こんな力強い言葉を残してくれた。

「今日のような試合は二度としないと誓います。今日応援に来てくださった皆さん、画面の前で応援してくださった皆さんに、トーナメントでは良い試合を見せます」(No.8栗原)

そしてFL金共同キャプテンは、試合後に再起を誓った。

「ここで、こうした経験ができたことが大きい。これをどうトーナメント戦に繋げるかが重要です。チャレンジャーの気持ちを持ち続けてやっていきます」

アークスのプレーオフ初戦は4月25日(日)、東京・江戸川区陸上競技場。

12時キックオフの一発勝負で、ホワイトカンファレンスで5位だったキヤノンイーグルスと激突する。

ヒュー・リースエドワードHCの声

サントリーさんは素晴らしいパフォーマンスでした。学びがたくさんありました。ここからどう挽回するかが重要です。

――トーナメントへ向けての意気込みは。

とにかく勝利が重要です。キヤノンさんとの対戦になると思いますが、勝つことにこだわりたい。とにかく集中してトーナメントまで取り組みたいです。

FL金正奎共同キャプテンの声

本当にタフな80分でした。トーナメントは待ってくれないので、2週間後に向けてもう一度良い準備をして、このチームで一日でも長くラグビーができるようにしたい。そこをしっかり目指して頑張りたいです。

――リーグ戦7試合を終えて。

どういう相手であれ、プレシーズンに積み重ねてきたことを発揮することに取り組んできました。

まず開幕戦でHonda HEATにしっかり勝ち、クボタスピアーズ、トヨタ自動車ヴェルブリッツと自分達のラグビーができず、もう一回自分達を見つめ直す時間ができて、そこから東芝ブレイブルーパス、宗像サニックスブルースに良い形で勝つことができました。そして、ここでもう一度学びの多い試合ができました。

こうした経験ができたことが大きい。これをどうトーナメントに繋げるかが重要です。チャレンジャーの気持ちを持ち続けてやっていきます。

――前半終盤から後半にかけて3連続トライした理由と、その後の展開については如何ですか?

シャイニングアークスはアタッキングなチームですが、ディフェンスから良い流れを作るチームでもあります。とにかくディフェンスにアグレッシブに前に出続けようというコミュニケーションができて、それが結果としてインターセプトなどに繋がりました。

後半20分以降、ディフェンスで前に出続けられなかったりしたことが失点を許した原因だと思います。ディフェンスの精度をもっと高めていければ、今日のような失点には繋がらないだろうと思っています。

No.8栗原大介選手の声

――試合を振り返って率直な感想は?

結果の通り大差をつけられました。個人的には思い入れの強い試合で、3年4か月ぶりのスタメン出場でした。あとはノンメンバーの選手も多い中で、僕が出場して活躍することでチームのスタンダードを知ってもらう良い機会だと思っていました。その中で結果がこうなったことは残念に思います。

――No.8(ナンバーエイト)での先発出場になりました。

僕もいつぶりだったか振り返ろうと思ったのですが、昔すぎて出来なかったですね。シャイニングアークスでのファースト・キャップもNo.8でしたし、3年目くらいまでは経験があったので問題なくプレーできました。

――どんな役割を期待されていたのでしょうか?

良いフィジカリティと、自分の想いを出してもらいたい、と言われていて、自分ではその通りやることができました。

――大敗になりましたが、収穫を挙げるとすると?

こうした試合をトーナメント前に経験したことで、自分達を振り返ることができます。それが唯一の収穫だと思います。

――2週間後にトーナメントの初戦を迎えます。

まず、今までの試合、練習で出来ていたことがなぜ出来なかったのか、そこが一番重要だと思います。試合を振り返るプロセスをしっかり踏みたいと思います。

――弟でリコー所属の栗原由太選手も今季のトップリーグに出場していますね。

彼はプレシーズンから良いプレーをしていて、「お互いに頑張ろう」と言っていた中で、お互い今季のトップリーグに先発できました。昨日も彼は先発して勝っていましたね。励まし合いながらやっています。

――いよいよ始まるトーナメントに期待しているファンの皆様へメッセージをお願いします。

今日のような試合は二度としないと誓います。今日応援に来てくださった皆さん、画面の前で応援してくださった皆さんに、トーナメントでは良い試合を見せます。応援よろしくお願いします。

CTBシェーン・ゲイツ選手の声

――今日の試合を振り返ってください。

サントリーは良いチームなので全力を出し切らなければならない、と分かっていました。ラグビーの良いところは挽回のチャンスが与えられることです。トーナメントへ向けて良い準備をして、勝ちにいきたいです。

――自身のプレーについては如何ですか?

このような結果の後に個人のプレーについて話すのはとても難しいです。チームとして求めていた結果を得られなかったことが残念です。

――ピンチでは全速力で自陣に返り、タックルで相手のトライを防ぐシーンがありました。

諦めない精神はあります。自分が確実にコントロールできることは、フィールド上での努力です。その部分はいつでも自分は見せていこうと思っています。

――今日のような大敗の後、負ければ敗退のトーナメントを迎えます。

個人的にこうした大敗の後、勝利した経験があります。自分は大きく変える必要はないと思っています。今までやってきたことの精度を高め、今まで通り試合に向けて準備をするのみです。

――プレーオフに期待しているファンの皆様へメッセージをお願いします。

チームとしてスタンダードを高く保ち、ファンの皆さんに誇りに思ってもらえるように全力を出し切ります。応援よろしくお願いします。

試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真
試合写真

*公式戦フォトギャラリーはこちら