試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2021年4月3日12時00分 KICK OFFジャパンラグビートップリーグ2021

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスNTTコミュニケーションズシャイニングアークス

vs

宗像サニックスブルース宗像サニックスブルース

40vs21

前半28 - 0

後半12 - 21

6年ぶりの高知開催で決めた2連勝!
雨中戦で魅せたディフェンス。!

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幕末に活躍した志士、坂本龍馬の出身地として知られる南国・高知に上陸したNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(以下アークス)。

高知での日本最高峰「トップリーグ」開催は実に6年ぶり。

県内のラグビー少年少女にとっても待望の一戦だった。高知ラグビースクール(RS)に所属する小学生の谷口君は、日本代表ジャージーを着て観戦。5歳上の姉、2歳下の弟もプレイヤーだ。

「前半はNTTコミュニケーションズがリードしていたけど、後半は宗像サニックスが追いかけてきて、楽しかったです」(高知RS・谷口君)

5歳上のお姉さんは「雨なのにミスが少なく、ハンドリングが上手でした。声もよく出ていて迫力があった」と流石のコメント!日本最高峰の熱戦が、高知のユース世代にも刺激を与えたようだ。

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全7試合のリーグ戦も、いよいよ残り2試合。

2勝2敗1分け(総勝ち点12)のアークスは、第5節終了時でレッドカンファレンス4位につける。

リーグ戦の成績が組分けに反映されるプレーオフ(ノックアウト制)は、2週間後の4月17日(土)に迫る。負けられないトーナメントへ向けてギアを上げていきたい状況だった。

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今季3勝目をねらうアークスが、4月3日(土)、高知・春野総合運動公園陸上競技場で対峙したのは、九州・福岡から遠征してきた1勝4敗(総勝ち点5)の宗像サニックスだ。

ボールを大きく動かすことに長けた宗像サニックスに対し、アークスは前節からメンバー23人中6人を変更した。

先発は前節同様、4名の変更となった。スクラムの最前列中央にいるHO(フッカー)に2年目の山口達也。そしてLO(ロック)には身長196㎝のジミー・トゥポウが復帰した。

ハーフ団は2人とも入れ替えとなり、俊敏なSH(スクラムハーフ)湯本睦、開幕戦で高いパフォーマンスを見せたSO(スタンドオフ)フレッチャー・スミスがコンビを組んだ。

リザーブでは、スクラムハーフやウイングもできる今季初登場の鶴田諒、元フランカーの守備力も光るCTB(センター)石橋拓也も入り、2人とも後半途中から出場を果たした。

※宗像サニックスブルース戦のメンバーはこちら

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この試合で、アークスはトライの量産を期していた。

トップリーグでは勝利したチームに勝ち点「4」が与えられる。更に相手に3トライ差以上をつければボーナスポイント「1」が上乗せされるため、1試合の最大勝ち点は「5」となる。

そして、この勝ち点5を獲れば、アークスはレッドカンファレンスの4位が確定する状況だった。

「試合前から『勝ち点5を獲りにいくぞ』という話はしていました」(ヒュー・リースエドワードHC)

ただ試合前になって雨が本降りとなり、後半途中までは雨中戦となった。ハンドリングエラーが起きやすい状況だったが、しかしアークスには攻撃の幅があった。序盤からフォワードが躍動したのだ。

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「今日はモールを組むには完璧な天候でした」(LOトゥポウ)

曇天の下、まずアークスが猛攻を仕掛けた。SH湯本が左右にボールを振りながら近場を攻めたてると、前半5分だった。

宗像サニックスの反則で敵陣右に侵入したアークスは、ラインアウトからモールを組んでパワフルに前進。

最後尾のHO山口が押し込んで先制トライを浴びせ、同14分にはふたたび敵陣右のラインアウトモールから押し込み、2トライ目を奪った。

雨でも武器となるモールで2連続トライを奪い、見事にトレーニングの成果を発揮。幸先良く14点を奪ってみせた。

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フォワードの奮闘に応えるようにバックスも躍動する。

キックオフからWTB(ウイング)張容興が弧を描いて左隅を突破すると、敵陣に入ったアークスはSH湯本が、FB(フルバック)石田大河の移動攻撃に反応。

配球を受けたFB石田が巧みなハンドリングで右隅にパスを通し、WTB石井魁が右タッチラインを疾走!襲い掛かる相手をいなしながらワンハンドでトライ!

SOスミスが難しい右隅からのキックも成功させ、21-0と大きくリードを拡げた。

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アークスは激しいディフェンスでも魅せた。

「ディフェンスはプレシーズンから準備しているもので、サニックスさんのために大きく変えたことはありませんでした」(WTB石井)

自陣でのピンチではFL鶴谷昌隆が相手のスクラムハーフにプレッシャーをかけ、ルーズボールをPR三宮累が飛び込んで確保。

No.8リアム・ギルらの的確なタックルなどで肉体的、心理的に圧力をかけると前半37分、WTB張がインターセプト!

好守備からWTB張が今季3本目のインターセプトを決め、約70mを独走してチーム4トライ目。4連続トライという一方的な展開で、28-0で後半へ向かった。

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「今日は後半の入りで細かいミス、ペナルティが多く、点数を与えてしまったことは課題です」(中島進護共同キャプテン)

後半のスタートは、戦況がぐるりと反転したようだった。

宗像サニックスの初トライは後半3分、敵陣チャンスで相手12番の中央突破。トライを許した上、No.8ギルが危険なタックルによりシンビン(10分間の一時退場)となってしまう。

その後、SOスミスが抜けてきた相手を一発で仕留めるなど、随所に好タックルを見せるが、14人のアークスはさらに1トライを奪われ、リードを14点(28-14)に縮められてしまう。

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後半14分にNo.8ギルが戻って15対15になると、アークスはラインアウトの守備でLOトゥポウが再三プレッシャーをかける。

さらに後半25分、序盤から優勢だったスクラムで、途中出場組のフロントロー(庵奥翔太、平井将太郎、セコナイア・ポレ)を最前列に据えたアークスが、ペナルティを奪取!

そんな粘り強いファイトが奏功したのが後半28分。

スキルフル名CTBシルヴィアン・マフーザの鋭い守備から、相手がボールロスト。蹴り返したボールをWTB石井が俊足で追いかけ、デッドライン直前でグラウンディングするスーパープレー!

トライゲッターとして最高の仕事をしたWTB石井は、この日のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に輝いた。ゴールは不成功も33-14となった。

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ところがチャンスの後にはピンチがやってくる。

宗像サニックスは途中出場のカーン・ヘスケス選手が再三の突破。15年W杯の南アフリカ戦で逆転トライを決めた強力なウイングだ。

そのヘスケス選手に後半33分にトライを奪われ、トライ差は「2」に。このままでは目標の勝ち点5は手に入らない――。

しかし後半34分、アークスはLOトゥポウらの激しいコンタクトなどで守備ラインを押し上げると、SOスミスが値千金のインターセプト!

トライ後のゴールも成功させて40-21に。土壇場でトライ差を「3」に戻した。

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ピンチは最終盤にも訪れ、ゴールラインを背にした局面でNo.8ギルが球際に飛び込んでボールを確保。泥臭いセービングで、相手の攻撃を寸断した。

その後はボールをキープして、途中出場の鶴田が蹴り出してノーサイド。目指していた勝ち点5を見事に奪取した。

40-21で今季3勝目を挙げたアークスは、レッドカンファレンスの4位が確定。終盤は雨も上がり、明るくなった春野のピッチに拍手が降り注いだ。

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ヒュー・リースエドワードHCの声

週連続で勝ち点5を獲れたことに満足しています。来週のビッグゲーム(サントリー戦)に向かうにあたり、必要な結果でした。

後半での決定力に欠けた部分、さらにスコアで引き離すようなアタックができなかった部分は課題です。ただ最終的に選手が頑張り続けてくれたことに関しては満足です。

――序盤から3点が獲れるペナルティゴールを狙いませんでした。

試合前から「勝ち点5を獲りにいくぞ」という話はしていました。そうした姿勢を見せることができたと思います。

――劣勢になった後半、自分たちや相手にどんな変化を感じましたか?

私たちはサニックスのスタイルを理解していました。彼らはボールを動かし、活かすプレーが多いので、私たちはボールをキープして近場を攻撃していくことを考えていました。

前半はそれがよく出来ていて、後半も同じことをやろうとしましたが、相手の向かってくる姿勢が強く、苦戦しました。サニックスさんを讃えたいです。しかし私たちは重要な局面でトライを獲ることができ、そこで試合が決まったと思います。

LO中島進護共同キャプテンの声

先週に続いて勝ち点5を獲れたことは良かったです。しかし今日は後半の入りのところで細かいミス、ペナルティが多く、点数を与えてしまったことは課題です。

――2連勝ですが、チームとしての意志統一が高まっているのでしょうか。

先週の勝利(東芝戦)で、自分達のラグビーをすれば点数を獲れる、という自信がつきました。セットピース(スクラムやラインアウト等)も含めて、外にボールを回せばトライを獲れるという自信が、今日の結果に繋がりました。

PR齊藤剣選手の声

――スクラム戦の手応えはいかがでしたか?

サニックスさんはスクラムが良いチームです。こちらは低く固まるスクラムを意識していました。

ただ良い球出しができなかったスクラムもあったので、そこは修正して、サントリー戦ではインパクトのあるスクラムを組みたいです。

WTB石井魁選手の声

――後半28分のトライは、苦しい状況でのディフェンスの切り返しから生まれました。

アークスのディフェンスをする中で、チームとして良いプレッシャーをかけることができていました。それが最終的にあのような結果に繋がったと思います。

――今日はインターセプトなど、ディフェンスから生まれたトライが多かったですね。

ディフェンスはプレシーズンから準備しているもので、サニックスさんのために変えたことはありません。チームが意志統一してディフェンスできている結果だと思います。

LOジミー・トゥポウ選手の声

――今日の試合を振り返ってください。

前半は雨という天候もあって、しっかりボールをキープして、ディフェンスでもプレッシャーをかけることができました。

後半は自分達でプレッシャーをかけてしまったところがありました。しかし最終的には勢いを取り戻すことができて良かったです。

――前半はラインアウトモールで2トライしました。

今週はモールで攻めていくチャンスがあると思っていたので、重点的に練習してきました。今日はモールを組むには完璧な天候でした。

モールは全員が自分の仕事をしなければスコアできません。みんなが頑張ってくれたおかげだと思います。

――ラインアウトでは相手ボールを奪ったり、ディフェンスも素晴らしかったですね。

ラインアウトのディフェンスは試合の大部分で良かったです。選手全員が分析を行ってきているので、準備が奏功しました。重要な局面でターンオーバー(攻守交代)を起こしたり、相手のスローイングを乱したりすることができました。

SH湯本睦選手の声

――今日の試合を振り返ってください。

前半は自分達のラグビーで得点を重ねることができて良かったです。

――今日は今季初先発でしたね。

持ち味であるスピーディーな部分は意識しつつ、前半はしんどい時間帯が続いたので9、10番でエリアを取っていこう、その中で自分の持ち味を出そう、という意識でした。

――試合直前から雨が降り始めたことでプランに影響はありましたか?

多少ありましたが、今日はアグレッシブにアタックすることがテーマで、前半から仕掛けていこう、という意識に変わりはありませんでした。

――相手の指揮官が試合後に「前半はシャイニングアークスのゲームコントロールが良かった」と語っていました。

フレッチャー(SOスミス)からエリアを取りに行った結果、敵陣で長い間戦うことができたことが良かったと思います。

――最後にファンへメッセージをお願いします。

勝利することができて良かったです。来週はサントリー戦というビッグゲームなので、チーム一丸で絶対に勝利したいです。応援ありがとうございました。

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