試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2021年3月26日18時00分 KICK OFFジャパンラグビートップリーグ2021

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスNTTコミュニケーションズシャイニングアークス

vs

東芝ブレイブルーパス東芝ブレイブルーパス

45vs19

前半31 - 7

後半14 - 12

今季初の金曜ナイターでサクラ咲く!
秩父宮で歓喜の勝利!

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金曜ナイターに集った観客を、鮮やかなラグビー、見事な快勝で魅了した。

「(ボーナスポイント付きの)勝ち点5を取れたことは『満足』という言葉では言い表せません。選手たちは本当によくやってくれました」(ヒュー・リースエドワードHC)

NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(以下アークス)が迎えた「ジャパンラグビートップリーグ2021」の第5節。

全7試合のリーグ戦は、いよいよ残り3試合。

1勝2敗1分け(総勝ち点7)のアークスは3月26日(金)、ファンへ向けて、そして4月中旬に始まるノックアウト制のプレーオフ・トーナメントへ向けて、一戦必勝を期して東京・秩父宮ラグビー場に乗り込んだ。

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トップリーグの金曜ナイター(18時キックオフ)は今季初。場内には桜が咲き、観客は夜桜見物も兼ねることができた。

相手となった1勝3敗(総勝ち点6)の東芝ブレイブルーパスは、順延された前フォーマットで、東京・新国立競技場で対戦するはずだった相手。

激しいプレー、強力なフィジカルで日本の社会人ラグビーを牽引してきた誇り高き伝統チームだ。

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アークスは前節からメンバー23人中6人を変更し、東芝と対峙した。

先発は4名変更となり、長髪がトレードマークのHO(フッカー)アナル・ランギ、攻守に存在感を示すFL(フランカー)鶴谷昌隆がスタメン入り。

そして80分間フル稼働する大黒柱、FL金正奎共同キャプテンが2試合ぶりにゲーム復帰。ルーキーながら存在感を示す石田大河が先発FB(フルバック)を託された。

リザーブは2名変更となり、瞬発力に優れる湯本睦、パワフルなトロケマイケルが入り、共に後半途中から出場を果たした。

※東芝戦のメンバーはこちら

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「東芝戦までの約2週間は、自分達のラグビーと向き合った。」先発LO(ロック)の中島進護共同キャプテンが語った。

「チームとして『自分達のラグビーをやろう』と、全員でスタート地点に戻り、東芝戦に向けて良い準備ができました」

大きなスペースにボールを運び、観客を楽しませるラグビーで勝利する――。そんな志を再確認してリスタートした。

序盤戦は東芝が猛攻。先手を取るべく自慢のフィジカルを前面に出してくるが、アークスも粘り強いディフェンスで対抗。

前半11分にタッチライン際でボールを繋がれ、相手7番に先制トライを奪われるものの、前半の失点はこれ以降なかった。

7点を追いかけるアークスは、ここから前半だけで怒濤の4連続トライを披露した。

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まず前半14分、SH(スクラムハーフ)グレイグ・レイドローがペナルティゴール(PG)で3点を奪取し、3-7とする。

そんなレイドローが「彼のパフォーマンスは素晴らしかった」と讃えたのが、今季からスタンドオフに転向した筑波大卒のSO(スタンドオフ)前田土芽。

チーム初得点から2分後の前半16分、堅守からの速攻で前田が輝いた。

アークスは相手のミスからカウンターを仕掛けると、前田が広い視野から巧みにラン突破。フォローしていたCTB(センター)シェーン・ゲイツの逆転トライを見事に演出し、10-7!

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「外側にスペースがあることはチームとして共通認識がありました」

そう語ったのは前半19分、センタースクラムからの一次攻撃でトライを奪ったWTB(ウイング)石井魁だ。

アークス自慢のスクラムが供給した安定したボールは、SHレイドロー→CTBゲイツ→そしてFB石田へ。

ここで日体大の元主将が一瞬の加速でスピードに乗り、華麗にクリーンブレイク!WTB石井魁へと繋ぎ、快足トライゲッターが歓喜のチーム2トライ目を奪った。

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10点リード(17-7)としたアークスはさらに前半24分、「チャン」ことWTB張容興の突破から、最後はWTB石井がフィニッシュ。チーム3連続トライを決め、24-7とリードを拡大する。

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「NTTコミュニケーションズはすべてのチャンスを活かした印象。特にブレイクダウン(ボール争奪局面)の圧力が良かった」

試合後にそうコメントしたのは、東芝の指揮官トッド・ブラックアダーHC(ヘッドコーチ)だ。

そのブレイクダウンでジャッカル役を務め、序盤から攻守交代を起こしていたのがNo.8リアム・ギル(豪州代表15キャップ)。

するとNo.8ギルは前半36分、攻撃でもパスを受けてライン突破。

さらに片手のオフロードパス(タックルを受けながらのパス)をSHレイドローへ繋げると、ボールは南アフリカ出身の万能選手、CTBシルヴィアン・マフーザに繋がった。

2本のオフロードパスから前半最後のトライが生まれ、31-7で前半を折り返した。

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「ブレイクダウンの圧力は今シーズン取り組んできた部分。そこが試合に出たことが勝因のひとつになったと思います」(FL鶴谷昌隆)

相手指揮官が讃えたブレイクダウンの圧力は、後半も効果てきめん。

アークスは後半のスタートからラックに殺到し、見事に東芝のノックオンを誘う。

すると直後、スクラムからのボールを受けたCTBゲイツが相手を弾きつつ、強烈なレッグドライブでさらに前進!

そのまま相手を引きずるようにして右中間に豪快なトライ!右隅からのSHレイドローのゴールキックも成功し、38-7とした。

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攻撃の手を緩めないアークスは後半10分にも攻守交代からカウンター。

No.8ギルの絶妙なグラバー(ゴロ)キックを再獲得したWTB石井が、自身今季初のハットトリック達成。石井はこの日のマン・オブ・ザ・マッチに輝き、点差を45-7に広げる。

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アークスはフォワード陣がモール・ディフェンスでも力を発揮。

さらに、後半17分に相手1番がレイトタックルで退場(レッドカード)となり、追加点が期待されたが、14人の東芝に後半30、36分に連続トライを許した。

「1試合を通して僕たちがやりたいラグビーができました。ただ後半最後に 、劣勢に立たされてしまったところが次の課題だと思います」(FL鶴谷)

しかし、アークスのラグビーに手応えは掴んだ。

FL金共同キャプテンは最後まで運動量豊富にファイトし、最終盤に相手の反則を引き出した。最後はボールを保持して45-19でノーサイド。

計6トライを挙げ、3トライ差以上のボーナスポイントが付いた最大勝ち点「5」も獲得。

夜桜も見事な秩父宮の金曜ナイターで、待望の今季2勝目をファンと共に味わった。試合後のロッカールームには歓喜のチームソングが響いていた。

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ヒュー・リースエドワードHCの声

勝ち点5を取れたことは「満足」という言葉では言い表せません。選手達は本当によくやってくれました。今シーズンで成功を収めるために必要な5点でした。最後は東芝さんのファイティング・スピリットが素晴らしかったです。

LO中島進護キャプテンの声

メンバー、ノンメンバーの良い準備があり、チーム全員の力で勝てた試合でした。自分達のパフォーマンスが良かったことに満足はしていますが、最後の20分間で東芝さんの良いプレッシャーを受けました。ただ自分達のラグビーには満足しています。

――ブレイクダウンでのプレッシャーについて、チームで意識していたことは?

ディフェンスではしっかり1対1のタックルを決めて、内側からのジャッカルを決める。そうしたシンプルなことを、全員がしっかりとしたコネクションをもってやり切ることができました。

――ここまでの2週間で何に取り組みましたか?

開幕からの4試合は、ミスから自分達のラグビーができていませんでした。チームとして「自分達のラグビーをやろう」と、全員でスタート地点に戻って、東芝戦に向けて良い準備ができました。

自分達が得意としているビッグスペースにボールを運んで、しっかりシェイプを作っていくアタッキングラグビーを体現できました。これが今後もできれば、全員の自信になると思います。

SHグレイグ・レイドロー選手の声

東芝さんのようなタフな相手に勝つことができて満足しています。勝てた理由はボールをキープしてプレッシャーをかけられたこと、自陣からの脱出を簡単にできたことです。それを通じてスコアを重ね、スコアボードでのプレッシャーも与えられたと思います。

――キックが風で押し戻される場面もありましたが、自陣脱出においてどう対処しましたか?

前半は風下だったのでボールの滞空時間が長く、難しい状況でしたが、自陣を脱出するためにはそれ(スクラムハーフからのハイパント)が最善策だったので実行しました。チームとしての良いチェイス(キック後のDFの押し上げ)があったので結果に繋がりました。

――以前の試合よりボールを展開する頻度が増えたと思います。

フォワードが良いボールキャリーをしてくれました。それによって9番が速いパスワークをすることが可能になります。そこはフォワードの貢献度が高く感謝したいです。この経験を今後のプレーオフでも活かしたいです。

――強風の中で隅からコンバージョンキックを決めていました。

コンバージョンキックは強風の時は難しく、今日はそのような日でした。前半終了間際のキックがあったのですが、感触的にはポールの真ん中を通ると思っていたのに、顔を上げたらボールが右に反れていました。

強風の日は、自分のフォーム、テクニックに集中し、積み上げてきたものに自信をもってやり抜くだけです。今日はそれが出来ており、自分のパフォーマンスには満足しています。

――スタンドオフの前田土芽選手をどう見ていますか?

彼とはゲームマネジメントの部分を課題として、一緒に克服しようと練習してきました。たとえば今日は「自陣を簡単に脱出する機会があればそうしよう」と話していました。彼のパフォーマンスは素晴らしかった。彼の成長の第一歩になったと思います。

WTB石井魁選手の声

チームが勝利したことを嬉しく思います。その要因としては東芝さんという素晴らしい相手に良い準備ができ、それをグラウンドで表現できたことです。

――スクラムからの一次攻撃でトライをしました。

外側にスペースがあることはチームとして共通認識があり、東芝さんのプレッシャーがあるディフェンスの中でも外にボールを運ぶことができました。

PR齊藤剣選手の声

――先発出場した今日の試合を振り返ってください。

今日は東芝さんにジュニア・ジャパン(準日本代表に相当)時代に一緒にプレーしたリスペクトする先輩達(HO橋本大吾、リザーブの知念雄、小瀧尚弘)がいて、正直不安でした(笑)。ただ勝ちきることができて良かったです。

――勝利の味はいかがでしたか?

やっぱり勝利の後に歌うチームソングは、本当に雰囲気が良くなります。今後も勝ってたくさん歌いたいです。

――スクラム戦はいかがでしたか?

低くまとまって組むスクラムを意識していました。終始プレッシャーをかけたかったですが、東芝さんが良いスクラムを組み、何回か押しきれないスクラムがありました。修正して宗像サニックスブルース戦を迎えたいです。

――どのような理由から今季2勝目を勝ち取れたのでしょうか?

この試合は一人ひとりの役割が明確で、それを実行してトライに繋がるシーンが多かったです。「仲間を信頼する」という点が勝利に繋がったと感じています。

FL鶴谷昌隆選手の声

――先発した今日の試合を振り返ってください。

1試合を通して僕たちがやりたいラグビーができました。ただ後半最後に東芝さんに劣勢に立たされてしまったところが次の課題だと思います。

――1試合を通してやりたいラグビーができた理由は?

前節の引き分け、敗戦から選手全員が同じ方向性を向いて練習ができたことだと思います。

――この2週間で取り組んだことは?

まずディフェンスに課題が残ったので、修正しました。今日の試合は成果が出ていたと思います。

――東芝の指揮官が「特にブレイクダウンの圧力が良かった」と讃えていました。

ブレイクダウンの圧力は今シーズン取り組んできた部分でした。そこを試合に出せたことが勝因のひとつになったと思います。

――ご自身のプレーはいかがでしたか?

100点ではないですが、自分の仕事はできたと思います。課題も見えているので、また来週から練習に取り組みたいです。

――最後にファンの皆様へメッセージをお願いします!

久しぶりの勝利になりましたが、これから自分達のラグビーをやっていけるように、練習からしっかり取り組み、試合で結果を出していきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします。

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