インタビュー / INTERVIEWS
Newface Interviewニューフェイスインタビュー
2020-2021 SEASON


スコットランドの英雄がアークス・ファミリーに!
戦術眼とスキルを武器にスコットランド代表で76キャップを重ね、
ワールドカップは2大会(2015、2019年)に出場。
代表39試合での主将経験はスコットランドで歴代1位。
正確な右足で重ねた714得点は同国歴代2位を誇る。
2017年は英愛選抜チーム「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」に参加。
世界からリスペクトされるリーダーに、これまでの歩みと新生活、
来たるトップリーグでの抱負を伺った。
(インタビュー日:2020年11月中旬)
スコットランドの生ける伝説。
世界最高峰の技術、リーダーシップでアタックを統率
プライベートでは二児の父。
「家族と過ごす時間は大事に」
しばらく蓄えていたヒゲをきれいに剃られたんですね。
妻や子供達に電話をしたら、「長すぎる」と言われたので剃りました(笑)。
ご自身のご家族は何人でしょうか?
妻と2人の息子(6歳と4歳)です。家族はこれから来日する予定です。
息子は2人ともラグビーをしていて、特に長男(6歳)はラグビーが大好きです。
ただ将来はいろんなスポーツを経験させてあげたいと思っています。
まだ子供が小さいこともあり、家族と過ごす時間は大事にしています。
現在お住まいの浦安市の印象はいかがですか?
静かな街で、すごく良いですね。
私は大都市に住むことに慣れていないので快適です。
スコットランドのご出身ですが、育った街はどこでしょうか?
(スコットランド南部の)ジェドベラ(jedburgh)という小さな街です。
日本での暮らしはこれまでと違った経験になると思いますが、そこもチャレンジの一部だと考えています。
父親と叔父2人もスクラムハーフ。
ラグビー一家に育った
ラグビーを始めたきっかけを教えてください。
きっかけは家族ですね。
父がラグビーのコーチでしたので、6、7歳から始めました。
ジェドベラはラグビーがコミュニティの大きな部分を占める街で、そこで楽しみながらプレーをしていました。
ご家族や親戚にスクラムハーフの方が多いですね。
父もスクラムハーフでした。
2人の叔父もスクラムハーフで、叔父のひとり(ロイ・レイドロー)は、元スコットランド代表のキャプテンです。
彼はライオンズ(ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ。4年に1度結成される英愛選抜チーム)のキャプテンも務めたことがあります。
ポジションを訊ねられたら「9番か10番」
幼少期はどんなスポーツをしていましたか?
サッカーが好きで、サッカーとラグビーのどちらを続けるべきか迷ったこともありました。テニスやゴルフもやっていましたね。
ラグビーキャリアを教えてください。
最初は(地元ジェドベラの)ジェド・フォレストでラグビーを始め、U18(18歳以下チーム)でジェド・セシルに所属しました。
シニアになってからはジェド・フォレストに戻ってプレーして、その後はエジンバラ(スコットランド)です。
エジンバラの後はグロスター(イングランド)、クレルモン(フランス)に所属して現在に至ります。ポジションはずっとスクラムハーフですか?
ほとんどがスクラムハーフです。
ただスコットランド代表やエジンバラ、グロスターでも何試合か10番(スタンドオフ)で出場したことがあります。
「ポジションはどこですか?」と訊ねられたら「9番か10番です」と答えます。
クラブと国代表。それぞれの思い出
さまざまなクラブで大舞台を経験していますが、思い出の試合は?
どの試合も思い出深いですが、最も感情が昂ぶったのは(クレルモン時代の)TOP14のファイナルです(2018年度/仏国内1部リーグ)。
あの時の感動を思い出すと今でも胸が熱くなります。
あとは同じくクレルモンで、チャレンジカップで優勝した時ですね(2018年度/欧州クラブ王者決定戦「チャンピオンズカップ」の下部大会)。
スコットランド代表としての試合についてはいかがでしょうか?
ファーストキャップを獲得した試合はもちろん記憶に残る試合です(2010年11月13日/vs.ニュージーランド/3●49)。
そしてマレーフィールドで勝利した50キャップ目の試合(2016年3月13日/vs.フランス戦/29○18)。
あとはカルカッタカップ(イングランド代表との定期戦)ですね。
チーム合流後に抱いた好印象
―「練習への意識が高い」
シャイニングアークスへの入団を決めた理由を教えてください。
ラグビーのキャリアが終わりに近づいてきているなかで、NTTコミュニケーションズは新しいチャレンジとして良い選択だと考えました。
チームの価値観、ビジョンが私にフィットしていると感じましたし、そこで自分が力になれたらと思い、入団させていただきました。
すでに練習に参加していますが、チームの印象はいかがですか?
好印象を受けました。
選手たちは練習への意識がとても高いですし、シャイニングアークスのシステムにフィットすることが良いチャレンジだなと思っています。
世界最高峰の施設が揃っている点も素晴らしいと思います。
シャイニングアークスは、選手たちが主体的に地元・浦安市への地域密着に取り組んでいるチームでもあります。
特に若い選手がそういったコミュニティに根づいた活動をしていることは素晴らしいことだと思います。
新型コロナウイルスの影響でポジティブなニュースがない中、地域の皆さんにポジティブなニュースを届けられたら、と思います。
強い印象を受けたアークスの選手はいますか?
特に凄いなと思った選手はカイ(石井魁/ウイング)ですね。
意識が高いですし、ゲームについての理解もあります。
あとはスクラムハーフの全員です。
私がチームにフィットすることを助けてくれているので、スクラムハーフのみんなと一緒にプレーすることを日々楽しんでいます。
初参戦のトップリーグ。
「特にキックで貢献したい」
2021年1月開幕のトップリーグではどんなプレーを見せたいですか?
分のコンディションをしっかり保ち、一貫性をもったパフォーマンスをすることで、チームを勝利に導くことが重要です。
チームスポーツなので、個人のスキルを見せたいというよりは、チームとして勝つところを皆さんに見せたいですね。
トップリーグで対戦したい選手はいますか?
トップリーグはクオリティの高い選手がたくさんいるので全員との対戦が楽しみですが、その中でも友人であるトム・マーシャル(NTTドコモ/フルバック/元グロスター)、トム・サベッジ(サントリー/ロック/元グロスター)との対戦は楽しみです。
シャイニングアークスが初の4強入りを果たすために付け加えたいことはありますか?
トップ4に入る上ですべての局面で貢献したいですが、特に言うとすれば、私はキックが得意なので、キックで貢献したいですね。
いまのラグビーはキックが重要になっています。
「なぜ蹴るのか、いつ蹴るのか」の判断と共に、良いキックがあった上でのディフェンスも重要です。
では、最後にファンの皆さまへメッセージをお願いします。
できるだけ多くのファンの方々に試合に来ていただけたらと思っています。
チームはものすごく練習を頑張っています。
その頑張りを皆さんに共有することができればと思います。
今日はありがとうございました!
(日本語で)アリガトウ。
今年の意気込みを一言で表すと…
グレイグ・レイドロー
- 生年月日
- 1985/10/12
- 身長/体重
- 176cm / 80kg(インタビュー時)
- 出身地
- スコットランド
- 略歴
- スコットランド南部のジェドベラ出身。父と叔父2人もスクラムハーフというラグビー一家に育った。
地元ジェド・フォレストでシニアキャリアを始め、エジンバラ(スコットランド)-グロスター(イングランド)-クレルモン(フランス)と渡り歩き、2020年にアークス入団。
スコットランド代表76キャップのうち39試合で主将を務め(同国歴代1位)、精確無比なキックで同代表歴代2位の714得点を記録。2017年は英国とアイルランドから選抜されるドリームチーム「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」に参加した。