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Cohesityとは?機能や導入メリット、活用事例などをわかりやすく紹介

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Cohesity(コヒシティ)は、包括的なデータセキュリティとデータガバナンスの機能を統合した単一プラットフォームです。Cohesityを導入することで、データ管理の効率化やAIによる脅威の可視化、バックアップデータのセキュリティ、迅速な大規模復旧など、さまざまな効果を得られます。

本記事では、Cohesityの機能で実現できること、導入するメリット、主な製品を紹介します。Cohesityの効果的な組み合わせ方や活用事例も解説するので、ぜひ参考にしてください。

1.Cohesityとは

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Cohesity(コヒシティ)は、データセキュリティとデータガバナンスを統合した単一プラットフォームです。Cohesityは、イミュータブル*1なバックアップスナップショット、AIベースの脅威検知、ユーザー行動の監視、高速な大規模復旧など、包括的なデータセキュリティと管理機能により、サイバーセキュリティの脅威から組織を守ります。

Cohesityは、2013年Mohit Aron氏が創業したデータセキュリティとデータ管理のリーダー企業です。現在のCEOは、かつてVMware社のCOOを務めたSanjay Poonen氏です。カリフォルニアのサンノゼに本社があり、日本法人であるCohesity Japanは2019年に設立されました。

Cohesityは、Fortune500をはじめとする大企業、連邦政府機関、NASA、銀行など、4,000社以上の導入実績があります。また、2023年のGartner® エンタプライズ・バックアップ/リカバリ・ソフトウェア・ソリューションのMagic Quadrant™で、4回連続リーダーの1社に位置付けられました。*2 Cohesityのソリューションは、幅広い業界で高く評価されています。

*1 イミュータブル:不変、改ざん不能

*2 Gartner,Magic Quadrant for Enterprise Backup and Recovery Software Solutions, Michael Hoeck et al., 7 August 2023
GARTNERおよびMAGIC QUADRANTは、Gartner Inc.または関連会社の米国およびその他の国における登録商標およびサービスマークであり、同社の許可に基づいて使用しています。All rights reserved.Gartnerは、Gartnerリサーチの発行物に掲載された特定のベンダー、製品またはサービスを推奨するものではありません。また、最高のレーティングまたはその他の評価を得たベンダーのみを選択するようにテクノロジーユーザーに助言するものではありません。Gartnerリサーチの発行物は、Gartnerリサーチの見解を表したものであり、事実を表現したものではありません。Gartnerは、明示または黙示を問わず、本リサーチの商品性や特定目的への適合性を含め、一切の責任を負うものではありません。

2.Cohesityでできること

Cohesityを使うと何が実現するのでしょうか。ここでは、3つを紹介します。

①データ管理の集約

Cohesityは分散したデータを集約して一元管理することができます。企業が管理すべきデータ量は増える一方で、管理業務が複雑化しています。マスデータの断片化(フラグメンテーション)により、データがどこにあるか把握できず、ダークデータ化しているのが現状です。データ量が増加すると、TCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)が膨らむ点も課題です。

Cohesityを採用すると、断片化したデータをクラウド上で管理できるようになります。パブリッククラウドとネイティブクラウドの統合で、バックアップやリカバリも容易に可能です。低コストのクラウドストレージに長期保管できるほか、データの一元管理でTCOの削減も実現します。

また、サイロ化(分散・孤立)したデータを集約することは、攻撃対象領域(アタックサーフェス)の縮小につながります。攻撃対象が限られると、セキュリティ対策や分析を実施しやすくなる点がメリットです。

②データのバックアップとリカバリ

Cohesityは、大容量データのバックアップとリカバリを高速で行えます。例えば、大容量データを自動分割し、複数ノードを使い並列処理を実行することでノード数に応じて時間短縮が行えます。従来型のバックアップ方式と比べて、大幅に時間が短縮される点がメリットです。さらに、ハイドレートされたスナップショットで、リカバリ時間も劇的に短縮しています。

③ランサムウェアの脅威に対応

Cohesityはランサムウェア攻撃を検知し、攻撃からの保護や迅速な復旧を実現します。ランサムウェアは、不正に暗号化した組織のファイルをもとに戻すことと引き換えに、金銭を要求するマルウェアで、近年その被害件数や被害額は増加傾向です。

Cohesityでは、搭載された機械学習ベースの分析機能でランサムウェアを検出、自動でアラートを通知します。あらゆる通信を信用しない「ゼロトラスト」の考えに基づき構築されているため、サイバーレジリエンスを強化できます。

3.Cohesityを導入するメリット

次に、Cohesityを導入する5つのメリットを紹介します。

①データ管理の効率化

Cohesityはデータ管理を効率化できます。グローバルなデータの可視性により、データ管理の自動化を実現できるからです。また、サードパーティのアプリケーションが保有するデータに直接アクセスできるため、管理の手間を省きます。

Cohesityにはデータの重複排除や圧縮機能が搭載され、重複するデータやサイロを排除。シンプルなデータ運用でインサイトを引き出し、データセントリックなアプリケーションの開発環境が整います。ソフトウェア定義のアーキテクチャにより、どこにでもデプロイできるため効率的なデータ運用が実現します。

②AIによる自動化

CohesityにはAIや機械学習が搭載されていて、サイバー攻撃の兆候を可視化し、アラートやヘルスチェックなどの作業を自動化します。SmartAssistantで手動の作業負担が軽減されるため、IT担当者のリソースの軽減が可能です。

AIによる予測分析で脅威のトレンドを自動評価すると迅速な意思決定を促せるため、高度化する脅威への対策・改善にも効果的です。

③コスト削減

データマネジメントにかかるコストを削減できる点も、Cohesityを使うメリットの一つです。従来の運用方法では、バックアップ、管理サーバー、ストレージサーバー、バックアップソフトなどの異なる製品を使用してデータ管理する必要がありました。

Cohesityはこれらすべての機能を単一プラットフォームに有しています。Cohesityの単一ソリューションにより、シンプルな操作でのデータマネジメントが実現します。これまでの運用方法と比べると、トータルコストの大幅な削減につながります。

④バックアップデータのセキュリティを強化

ランサムウェア攻撃に狙われやすいバックアップデータを保護するために、Cohesityでは多層的な防御機能を備えています。独自のイミュータブルアーキテクチャを活用して、ランサムウェア攻撃によるバックアップデータの削除を防ぎます。

万が一ランサムウェア攻撃を受けた場合は、バックアップデータを保護して迅速に復旧することで、事業の継続性を確保します。

⑤拡張性

Cohesityは拡張性が高く、すでに使用しているサードパーティアプリケーションとのAPI連携が可能です。既存のオンプレミス環境と容易に統合して一元管理できるため、データからインサイトを得やすくなります。Marketplaceからサードパーティアプリケーションを検索でき、複数のサービスへ一括アクセスが可能です。

4.Cohesityの主な製品と機能

データセキュリティとデータ管理を効果的に行うために、Cohesityは単一のプラットフォームで使える複数のサブスクリプションライセンスを提供しています。ここでは、3つの主要製品と機能を紹介します。

①DataProtect

DataProtectは、データ保護対象のオブジェクトをバックアップ・リカバリします。コアやエッジ、パブリッククラウドなどすべてのバックアップとリカバリを、単一のUIでシンプルに管理できます。

単一のUIから全ワークロードとロケーションを対象に、高速グローバル検索ができるため、必要な情報を簡単に探し出せます。また、重複したデータを排除する機能で容量効率を向上でき、攻撃対象領域の縮小が可能です。

②SmartFiles

SmartFilesは、ファイル共有やアーカイブ、ログ、アナリティクスなどの非構造化データが生み出す課題を解決します。非構造化データが増加すると、マスデータの断片化が恒常的になり、管理が複雑化してストレージコストがかかります。SmartFilesは、非構造化データの監視や管理、検索を単一のUIで実施できる点が特長です。

さらに、データの重複排除や圧縮を通じて、ストレージの容量効率を向上できます。実際、グローバルな重複排除と圧縮によって、従来のアプローチと比較して96倍以上のデータ削減を実現しています。

③DataHawk

DataHawkは、ランサムウェアなどのサイバー攻撃に対する管理と対応を一元管理して、サイバーレジリエンスを強化します。AIと機械学習を活用して脅威を検知し、攻撃発生時に機密情報の漏えいが発生していないか確認します。さらに、機械学習ベースのデータ分類により、正確なデータ分類やサイバー攻撃の迅速な評価を行います。

5.クラウドストレージを組み合わせることで
低コストかつ高セキュリティのバックアップを実現

従来のように、すべてのデータを単一のローカルディスクやクラウドに保管していては、バックアップのコストを最適化できません。ストレージ製品の組み合わせが重要です。

Cohesityのデータストレージ製品と、Wasabi社のクラウドストレージを組み合わせた「Wasabi Tiering for Cohesity」は、コスト削減に有効です。Cohesityの製品であるDataProtectとSmartFilesの機能と、Wasabiのクラウドストレージの連携により、コストを抑えながらセキュリティを強固にできます。

一般的にデータには、頻繁に使用されるホットデータと、利用頻度が低いコールドデータが存在します。Wasabiのクラウドストレージは、大容量のコールドデータを安価に保存可能です。クラウドストレージで大量のコールドデータを保管し、Cohesityではホットデータと連携させることで、低コストであってもサイバーレジリエンスを高められます。

「Wasabi Tiering for Cohesity」の導入で、ランサムウェア攻撃からの迅速な修復や大規模復旧が実現するなど、多くの実績があります。

6.Cohesityの活用事例

NTTコミュニケーションズでは、Wasabiクラウドストレージと連携したソリューションを提供しています。ここでは、NTTコミュニケーションズが導入支援したCohesityの活用事例を紹介します。

①製造業A社|ランサムウェア対策とBCPソリューション

①製造業A社|ランサムウェア対策とBCPソリューション

国内外に拠点を持つ製造業A社は、突然起こりうるランサムウェア攻撃や地震などの脅威からバックアップデータを保護してBCP対策を取るために、Cohesityを導入しました。

ランサムウェア対策として、CohesityのWORMバックアップ機能(DataLock)を活用。DataLockは保護したバックアップデータの削除を禁止する機能で、ランサムウェアによるバックアップシステムへの攻撃を防ぎ、バックアップデータを保護します。データの長期保管自体にはWasabiのクラウドストレージを活用し、低コストを実現しました。

さらにBCP対策として、BCP拠点のNexcenterとCohesityを連携。災害時には、迅速にSDPF(Smart Data Platform)のクラウド環境へ復旧します。これら複数の製品を組み合わせることで、ランサムウェア対策とBCPソリューションの構築が可能になりました。

②製造業B社|ストレージコストの削減とランサムウェア対策

②製造業B社|ストレージコストの削減とランサムウェア対策

製造業B社は、DX推進によるファイルサーバー上のデータ肥大化と管理コストの上昇に課題を抱えていました。また、機密情報を保管するファイルサーバーにランサムウェア対策の実装も検討が必要でした。

まずは攻撃の予防や検知、データ復旧を含むランサムウェア対策として、CohesityとWasabiを導入し、Cohesityファイルサーバーに保管したデータの安全性を確保。さらに、利用頻度の低いコールドデータをWasabiに格納することで、既存オンプレミスのストレージを増設するためのコスト削減を実現しました。

7.まとめ

Cohesityは、DX推進により増加するデータを脅威から保護し、管理や運用をシンプルにするために効果を発揮する、最新のデータセキュリティとデータ管理ソリューションです。データのバックアップとリカバリを高速に実行でき、ランサムウェアの脅威に対応できます。さらに、APIでさまざまなアプリケーションと連携でき、データの一元管理を実現します。

NTTコミュニケーションズは、これまで培った実績を基に、Cohesity とWasabiの組み合わせだけではなく、他のソリューションとも組み合わせた柔軟な提案が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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