水口 孝則Takanori Mizuguchi
Takanori Mizuguchi
水口 孝則
NTTドコモビジネスのデータマネジメントの取り組みを社外にアピールし、デタマネビジネスの拡大に貢献します。

経歴
福井県鯖江市出身。1993年に日本電信電話株式会社(現 NTT株式会社、以下 NTT) 北陸支社に入社。 1997年 国際部にてグローバルインターネットサービス「GIN」の立ち上げから参画。約10年国際インターネットサービスの発展に貢献。
2006年からNTTコミュニケーションズ株式会社(現 NTTドコモビジネス株式会社、以下 NTTドコモビジネス)R&D組織にてインターネット技術の研究開発に従事し、インターネットサービスの発展に貢献。
2020年デジタル改革推進部立ち上げから、全社のデータ基盤を構築し、さまざまなデータを収集し民主化によるデータ利活用を推進し、NTTドコモビジネスのデータドリブン化を推進中。
趣味は、のんびりガーデニング、猫とのくらし。
活動履歴
主な講演活動 |
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主な執筆活動・論文など |
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過去のメディア対応実績 |
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インタビュー
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01
エバンジェリストとしての得意分野とミッション
専門領域はデータ活用・データマネジメントで、NTTドコモビジネスグループのDX推進を担う、デジタル改革推進部 データドリブンマネジメント推進部門の部門長を務めています。データマネジメントの中でも、私の強みと考えているのが次の2つの分野です。一つは、データ活用の組織の立ち上げです。企業の出退勤データおよび勤務データ、企業情報、財務・収益データ、トラフィック・ネットワーク情報、サービス情報など、社内外の幅広いさまざまなデータを用い、各種のデータ分析のニーズに応えられる会社へ変革するためのデータ活用体制構築、CoE組織の立ち上げができます。
もう一つは、データドリブン企業に変革するための戦略を策定できること。データ基盤構築からデータ整備、人材育成戦略からデータ分析のプロセス化(最初の目標設定と、その目標達成のために必要なデータ選定・活用まで)を一貫してサポートできることです。NTTドコモビジネスでのデジタル改革推進部の立ち上げに関わった際に得た知見を基に、データドリブン企業に変革する方法を一貫してアドバイスできることが自分の武器だと言えます。
これまでデータを扱うさまざまなプロジェクトに携わってきましたが、初めて本格的に触れたデータは、1997年にNTTの国際部で、国際インターネットの構築・運用時に扱ったネットワーク系データでした。ネットワーク機器から送信されるシステムログ・エラーログ運用の高度化、セキュリティ確保のための分析、さらにはトラブルシューティングとしてのルーティング分析、トラフィック分析からこの分野に入りました。
2000年にアメリカのインターネットサービスプロバイダ提供事業者Verio社を買収し、ネットワーク統合した際、国際インターネット事業の立ち上げから設計・構築・運用業務までに携わりました。この時、データドリブンなネットワーク運用に初めて出合い、衝撃的だったことを覚えています。当時のVerioは、十数人のトップエンジニアでTier1のネットワークの構築から運用まで回していました。オペレーターが手動でネットワーク機器の設定を作って流し込み、運用システムで監視するのが一般的だった時代に、Verioはネットワークの構成情報を全てデータベース化し、データベースから設定を自動生成してルーターに流し込み、運用システムに自動登録するフローを展開していたのです。今で言うSDN(Software Defined Networking)の走りです。
その後、NTTドコモビジネスのR&D組織にて、引き続きインターネットの研究開発に従事することに。Verioの経験を基に、ネットワークの一元的なマネジメントを行うシステム(Maiko)と、トラフィックを分析しDDoS攻撃の検知と自動防御を行うシステム(SAMURAI)の開発を行いました。この経験により扱えるデータの範囲が増え、デジタル改革推進部へ異動した後の、全社のデータを活用する今の取り組みにつながっています。
私が経験してきた、NTTドコモビジネスグループ内でのデータ利活用の紆余(うよ)曲折は、データ活用組織の立ち上げや、これからデータ利活用プロジェクトを考えている組織の一助となると思っています。エバンジェリストとして積極的に情報発信し、皆さまのデータ活用の参考にしていただき、そしてNTTドコモビジネスのブランディング・認知度向上に貢献していきます。
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02
これまでの活動を代表するプロジェクト
今までに携わったプロジェクトの中で特に印象に残っているのが次の3つです。
1つ目は、国際インターネット関連プロジェクト。1997年のグローバルインターネットサービス立ち上げプロジェクトでの日米亜にまたがるネットワークの構築に携わりました。2000年のVerio社とNTTのArcstar Global IP Serviceのネットワーク統合プロジェクトにおいて、2つのネットワーク「AS7515:Arcstar」「AS2914:Verio」の顧客影響を最小限に考えたネットワーク統合・巻き取りを実施。ネットワークエンジニアとしてプロジェクトの成功に大きく貢献することができました。
2つ目は、R&D関連プロジェクトです。2007年~2014年、インターネットトラフィック分析システム開発プロジェクトでのシステムの開発から、NTTグループの主要ネットワークであるOCN、東西フレッツ網への導入、サービス網のトラフィック分析とセキュリティ対策を実現。ネットワーク運用経験とシステム開発経験を活用し、コンサルタントとして本プロジェクトを推進しました。
3つ目は、2019年にNTTドコモビジネスのCDO(Chief Digital Officer)配下でスタートした、データドリブン推進プロジェクトです。PoCを実施し、全社課題の抽出、組織化検討を経て、2020年のコロナ禍で、データサイエンス分野のCoE新組織であるデータドリブンマネジメント推進部門を立ち上げました。このプロジェクトにてリーダー・部門長としてデータ活用組織(データサイエンスのCoE組織)の立ち上げに尽力しました。
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03
NTTドコモビジネスと共に描く未来
今や、データ活用を考えていない組織・サービス・アプリは無いと言っても過言ではありません。社内のデータ活用は、CX・EXの向上に大きな効果を発揮し、企業の組織構造を変える企業DXを促進します。さらに社会全体のDXという観点では、例えば皆さん一人ひとりがスマートフォンのアプリを利用して自治体や企業とつながり、地域の必要な情報を取得したり企業の情報を利用したりすることは、利便性だけでなく生活の質の向上にもつながります。
このように社会的インパクトも大きいデータ利活用は、“料理”と似ていると考えています。まず、具材(さまざまなデータ)を集めて料理できる状態に加工し、調理道具としてのデータ利活用(可視化・分析)環境を用意する。DX人材の育成は料理人のスキル研さんにあたり、データ活用を効果的に行うためのレシピ(プロセス)開発も必要です。これら4つ(データ、基盤、人材、プロセス)を推進することで、各組織でこれからもどんどんおいしい料理が作れる(=会社を変えるような良いデータ活用案件が生まれる)状態にすることに注力していきます。
データ利活用推進の取り組みを進めることで、5~10年後には、幹部から社員まで組織の全メンバーがデータを共通言語として認識し、データで会話できる環境をつくりたいと展望しています。幹部会議で見るような重要な指標をリアルタイムでダッシュボード化し、みんながそのデータを見て議論できる世界を実現したいのです。
これからは、NTTドコモビジネスグループでのデータ利活用の取り組みをショーケース化し、お客さまのデータ利活用やDX推進のお役に立ちたいと考えています。私たちは、docomo business RINK®を利用したプライベート接続など、安心・安全にデータを活用するインフラも提供可能です。それに加え、社内で培ったデータ利活用の経験、特にセキュリティポリシー、個人情報・通信の秘密を遵守する秘匿化・匿名化技術など、データマネジメントの重要な要素であるデータセキュリティを担保できます。このアセットを生かして安心・安全なデータ活用の促進を図り、社会に大きく貢献することができると確信しています。
※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職などは取材時点のものを掲載しております。