自治体もAIの導入必須。事例3選と導入手順

自治体もAIの導入必須。事例3選と導入手順

「なぜAI化が必要なのか?」
「自治体でAIはどのように活用されているのか?」
「自治体でAIツールを導入する方法は?」

このように思っている自治体従事者の方に向けて、AIツールによる業務効率化とコストダウンの方法を、自治体におけるAIの活用事例を交えながら紹介します。

AI技術の発展はめざましく、さまざまなデジタルツールに活用されています。AIは既存のデジタルツールと異なり、人間の知的活動に近い働きができることから、業務効率化に貢献することが可能です。

自治体に適したAIツールを導入すれば、自治体が抱える課題の解決するための、力強いサポーターとして機能します。
この記事では、自治体の導入事例と具体的なAIツールを紹介しながら、AIがもたらすメリットについて解説します。

AIとは何か

AIとは人工知能のことです。人間の知的な振る舞いの一部をソフトウェアで人工的に再現しています。
具体的には次のような特徴があります。

  • 自律性
  • 適応性

自律性とは、人間が逐一指示をせずともAIが自発的に判断して、必要な作業を自動で実行することです。
適応性とは、経験から学習して能力を向上させることを意味します。人間が経験しながら学習し、スキルを伸ばす過程を再現したデジタルツールがAIです。

さらにAIには、次の3つの機能があります。

  • 識別
  • 予測
  • 実行

2022年時点でのAI技術は、実行機能が最も発展しており、識別や予測といった機能は開発段階です。今後は識別と予測機能の制度が大幅に向上し、適用分野が広がると予想されています。

自治体におけるAIの導入事例

すでにAIを実用化している自治体は、どのようなシーンでどういったAIツールを活用しているのでしょうか。実際のAI活用事例をご紹介します。

ボイスボット(AI電話自動応答)

ボイスボット(AI電話自動応答)を実験的に導入している自治体の事例です。
ボイスボットとは、AIが音声によって電話の向こうの相手とやり取りする仕組みです。電話の相手が発話した内容をAIが聴取、解析し、最適な回答を音声で返します。

まるで人間と対話するように自然に電話越しのやり取りができること、また定型のやり取りであればAIだけで対応を完了させられることから、幅広い分野で導入、活用されています。

事例1:高齢者みまもり/健康観察

継続的な見守りが必要な高齢者の安否確認や、健康状態の経過観察にAI電話を導入している事例です。AI電話サービスでは既存システムとの連携が可能で、このケースでは、RPAとよばれるシステムをAI電話に連携させて活用しています。

※RPAはロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)の略語です。

このケースでは、見守りのために架電する高齢者宅の連絡先データをRPAでリスト化し、リストに基づいてAI電話が自動的に電話する仕組みを構築しました。
電話で確認した高齢者の体調や安否はRPAによって記録され、必要に応じてCSVファイルで出力することも可能です。
抜本的な業務プロセスの改革に挑戦している事例と言えます。

自治体への導入事例:NTTドコモのAI電話サービスの詳細はこちら →

事例2:ワクチンの予約受付

新型コロナウイルスの感染拡大防止のほか、さまざまなワクチン接種のための予約受付にボイスボット(AI電話自動応答)を活用している事例もあります。

NTTドコモが提供するAI電話サービスの自治体向けパッケージのプランには、ワクチン接種の予約受付用シナリオも用意されています。AI電話が住民と会話しながら予約受付を完了させることが可能です。

またAI電話サービスと顧客管理システムであるCRMを連携させることで、予約受付状況の確認や管理や可視化も容易にできます。

事例3:総合問合せ

自治体内のヘルプデスク業務にAI電話を導入した事例です。
多岐にわたる電話が集中する総合受付やヘルプデスクにAI電話を導入すれば、入電時の初期対応と担当部署への電話の振り分けをAI電話が行います。電話が集中しても受電が可能で、住民を長時間待たせることがありません。

またAI電話なら24時間365日受電対応できます。定型化できる簡単な対応はAI電話だけで完了できるため、地域の住民の利便性を高めることも可能です。

このように、さまざまな自治体が課題解決の取り組みの一つとしてAI電話を導入し、実証実験を進めています。

チャットボット

チャットボットとは、AIを活用した自動会話プログラムのことです。ボイスボットは音声でやり取りしますが、チャットボットはテキストを使ってインターネット上でやり取りします。

事例1:ごみ分別案内のチャットボット

東京都墨田区での導入事例です。ごみの分別や収集に関する問い合わせ対応に特化させたチャットボットを、活用しています。
各地区別のごみの収集日はもちろんのこと、ごみの分別方法も細かく案内してもらえます。

事例2:医療相談のチャットボット

コロナ禍になって以来、ワクチン接種や、発熱に関する問い合わせが急増。医療機関や各種自治体は、日々電話対応に追われています。そんな中で、電話回線の混雑により、緊急対応が必要な案件への遅れる事態を回避する策として導入されたのがチャットボットです。

医療相談窓口の一次対応をチャットボットが担うことで、限られた有人の問い合わせ窓口を効率的に活用することができるようになりました。業務効率化を促進すると同時に、緊急事態が発生した際も、素早い対応が可能な環境の整備が実現した事例です。

事例3:観光案内・PRチャットボット

観光案内・PRチャットボットは、訪日外国人に向けた観光情報を多言語で発信することができるチャットボットです。また位置情報と連動することによって、旅先での急な医療機関の検索にも活用できます。

土地勘のない観光地での訪日外国人の「不安」に寄り添う観光案内・PRチャットボットは、利用者が増えるほど対応への案内精度が向上します。

自治体へAIを導入するなら知っておきたいこと2つ

自治体へAIツールを導入する際には、障壁が発生することもあります。
障害を適切に対処し、スムーズに現場で活用するために、あらかじめ知っておきたい点は次の2点です。

  1. 予算を確保する
  2. 導入後もPDCAサイクルを回し続ける

①予算の確保が必要

AIツールの導入にあたっては、まとまった初期費用の捻出が欠かせません。そこで予算の確保に成功するためのポイントをご紹介します。
AIツール導入費用と、それによって削減できる電話応対に当たる人員の人件費、採用費といった費用対効果の資料など、AIツールの方がコストを抑えられると可視化できれば、上長の承認を得られ、AIツールの導入予算を確保できる確率が高くなります
AIツールの費用対効果に対する不安感が強い傾向がある日本では、先進国に比べてAIツールの投資水準が低いです。
その一因は、自治体の管理職クラスにデジタル人材が少なく、未知の領域であるデジタルツールやAIに対する抵抗感が根強い点です。

AIツールの費用対効果への懸念が思い込みであることを数字で証明し、自治体へのAIツール導入や活用に向けて大きく前進させましょう。

②導入”後”が肝心

AIツールを導入した際は、課題解決のためにフル活用しましょう。
導入直後は既存の業務スタイルを抜本的に変革しなければならないことも多く、一時的に業務が増える可能性があります。しかし業務プロセスを見直し、改革しながら試行錯誤を続けるうちに、既存の業務課題にAIツールをどう活用するべきかがわかってきます。

AIツールを含めた業務プロセスが確立されれば、業務負担軽減による職員のモチベーション向上、働き方改革への貢献、住民へのサービスの質の向上、といった効果も期待できます。

AIツールを導入したことが、すぐに劇的に業務効率に変革をもたらす場面ばかりではありません。しかし、AIという新しい仕組みを活用しながら職場に最適な業務プロセスを構築していくことが、将来的な業務効率アップ、費用対効果につながります

自治体にAIを導入するメリット3つ

自治体にAIを導入すると、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。
3つのメリットをご紹介します。

  1. コスト削減になる
  2. 繁忙期に合わせた人員の調整が不要になる
  3. 顧客満足度の向上

①コスト削減になる

AIは導入コストがかかりますが、軌道に乗れば職員が行っていた業務を代行できるようになります。例えば電話受付業務の場合、臨時職員や外部のコールセンターへ業務委託をしているなら、AI電話を導入することでコストの削減が可能です。

人を雇用すれば、教育や福利厚生のコストがかかります。またコストをかけて教育しても、退職すればスキルやノウハウも職員と一緒に消失します。
これは業務委託も同様で、委託費がかかるほか、スキルやノウハウといった知的財産は残りません。
しかしAIなら、経験や学びが資産として蓄積されるので、差は歴然です。

②繁忙期に合わせた人員の調整が不要になる

AIなら、需要に応じて業務量の増減を調整することが容易です。
例えば新たなワクチン接種の申し込みがスタートした直後は、受電が爆発的に増加することが予測されるため、対応する職員の数を増員しなければなりません。

しかし短い期間だけ勤務する職員を募集しても、思うように人が集まらない可能性があります。また、勤務期間が短い職員でも教育しなければならないのでコストがかかります。
このように、人を採用するとなれば膨大な労力やコストを要します。

AIツールであれば、繁忙期や閑散期を懸念する必要はありません
突発的な問い合わせ集中にも柔軟に対応できます。

③顧客満足度の向上

AIツールを導入すれば、ユーザビリティの向上が期待できます。

AI電話なら、入電が集中したタイミングでも、住民を待たせることなく応答できます。
初期対応の段階で電話内容の概要を理解し、担当者に引き継ぐべき要件か判断して適切に引き継ぐほか、簡単なやり取りであればAI電話だけで対応を完了させることも可能です。

人が対応すると接遇スキルや繁忙状況といった条件次第で、一定レベルを維持した対応ができないケースも少なくありません。しかしAI電話なら、常に高い品質のサービスを提供できるので、顧客満足度をさらに向上させることができます。

またAI電話なら24時間365日対応が可能になります。コストや人員確保の問題で対応しきれない夜間帯や土日祝日でも、住民が自身の都合の良いタイミングで架電できるので、ユーザビリティはますます高まるでしょう。

まとめ(自治体へのAI導入)

AIツールは、自治体にも導入され始めています。特に同じような内容の電話対応、総合受付からの電話を振り分けといった業務は定型化しやすく、AIツールで十分に代用可能です。

NTTドコモ「AI電話サービス」では、全国の自治体の皆さまに広くお使いいただけるようAI電話サービスの自治体向けパッケージをご用意しています。

AI電話サービスの自治体パッケージは、特に地方自治体で必要とされる「予防接種の電話予約」と「高齢者みまもり」のユースケースでご利用いただけるように、シナリオがすでに取り込まれているのが特徴です。一からシナリオを構築する必要がないため、低コストで、導入後、速やかに現場で活用することができます。

AIツールも各種開発されていますが、業種毎のニーズに対応できるツールを選択することが大切です。自治体の業務は多岐にわたりますが、AI電話サービスなら「まず電話応対の一席からAIツールに置き換えてみたい」といったニーズにも対応しています。

自治体の業務でAIツールの推進を検討されているなら、信頼と実績のNTTドコモのAI電話サービスにぜひご相談ください。

ドコモ提供:「AI電話サービス」

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