【マンガ付きコラム】ネットワーク運用とは?
複雑化するICT環境における課題と解決策

「ネットワーク運用」――やや時代遅れ感漂うこのワードから何が連想されるでしょうか? 文字通りに捉えると「通信網の運用」に相当しますが、仮に「最近考えてみたことがあるか?」と問いかけたとすれば、おそらく大半の人は「ノー」と答えるでしょう。しかし、少なくともクラウドが脚光を浴び始める以前であれば、状況はまったく違ったはずです。データ通信、音声通話に代表されるように、社会や産業基盤を支えるネットワークは100年以上も前から不可欠になっており、そして今もその状況に変わりはないのです。

ハイパーマルチなネットワーク運用に潜む本音:”ネットワーク運用” やや時代遅れ感漂うこのワードから何が連想されるでしょうか?文字通りに捉えると、”通信網の運用”であるが、ためしに、「最近考えてみたことがあるでしょうか?」と問いかけたとすれば、おそらく大半の人は「ノー」と答えるでしょう。 しかし、少なくともクラウドが脚光を浴び始める10年前であれば、状況はちがったはずです。データ通信、音声通話に代表されるように、社会や産業基盤を支えるネットワークは100年以上も前から不可欠になっており、そして今もその状況に変わりはないでしょう。
ねぇぽんちゃんネットの調子が悪いんだけど。え?僕のせい?ネットトワーク運用はぽんちゃんの担当だろう。何もすることがないと思っていたのに…甘い!団子より甘い!!産業基盤を支えるネットワークは100年以上も前から我々の生活には不可欠だし、ネットワークを支える運用の仕事は非常に重要だよ!そうなの?だって自然災害や事故でネットワークがダウンするとパニックになるじゃないか。そういえばそうだね
だから非常事態に備えて多くの企業がマルチキャリアや衛星を活用したりしているんだ。安心だね。ほか人事のように言わないで。ネットワーク運用って想像するよりも奥が深いんだよ。別に疑ってないよ。ネットワーク運用のキーワードを調べてみて。疑ってないから。ほら ネットワーク運用 自動化 課題 保守 大変なんだな…とにかく多くの顧客や従業員がほぼ無意識に利用しているのはマルチベンダー、マルチキャリア、マルチクラウドが当たり前になってきているからなんだ。ビジネスにおいてのネットワークの重要性が高まっていることを感じるね。そんなほか人事みたいな言い方して!
僕はこれからどうしたらいいんだい?ネットワークが停止することのないように全身全霊をかけて運用してくれよ。返事っ!わかった…心配だな…アウトソーシングする?する。早っ。だったらNTTドコモビジネスのマネージドサービス「X Managed®」かな。なんで?
X Managed®ではICT環境に精通したサービスマネージャーを抜擢しているんだ。どういうこと?ICT環境トラブルの未然防止や安定運用ネットワーク最適化などをサポートしてくれるんだよ。やった!じゃあネットワークをトラブルなく使えるんだね。よかった!最近調子わるかったからさ。ぽんちゃんに説明してもムダだったか…
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「ネットワーク運用」――やや時代遅れ感漂うこのワードから、何を連想されるだろう? 額面通りに受け取れば「通信網の運用」という意味になる。しかし、そう言われてもピンとこない方が多いのではないだろうか。「最近、ネットワーク運用について考えたことがあるか」と問われたら、おそらく大半の人が「ノー」と答えるはずだ。いわゆる「クラウド」が脚光を浴び始める以前であれば、状況はまったく違ったかもしれない。データ通信、音声通話に代表されるように、社会や産業基盤を支えるネットワークは100年以上も前から我々の生活や企業活動に不可欠なものとなっていた。そのため、ネットワークを支える運用の仕事は、企業にとって非常に重要なものであったはずだ。

もちろん、現在もそうした状況は本質的には変わっていない。ただ、クラウドのような便利なサービスが、ネットワーク運用の仕事を我々の目の届きにくいところに隠してしまったという現実があるのだ。

ネットワーク運用とは

「ネットワーク運用」とは、組織のネットワークが正常に使用できる環境を維持するために行う日常業務のことを指す。具体的にはリアルタイムでトラフィックやネットワーク機器の状況をモニタリングする「ネットワーク監視」、ネットワークが外部からの攻撃を受けていないかをモニタリングする「セキュリティ管理」、ユーザーからのお問い合わせに対応する「トラブルシューティング」、そしてネットワークの効率を最適化する「パフォーマンスチューニング」などの業務がある。

ネットワーク保守との違い

「ネットワーク運用」と似たような言葉に「ネットワーク保守」がある。「ネットワーク運用」も「ネットワーク保守」も、ネットワークの安定稼働を目的とした業務であるが、前者が主に品質維持を目的とした日常業務を指すのに対し、後者は主にトラブル発生時の復旧業務を指す点に違いがある。

具体的には、故障発生時の関係者への周知および復旧対応、機器の定期メンテナンス、システム更新に伴う機器の交換、保守作業に関するマニュアルなどのドキュメント整備などが、「ネットワーク保守」にあたる業務である。

大規模災害とネットワーク

「使えて当たりまえ」であるがゆえに、普段は改めて意識することの少ないネットワーク。しかし、時として不測の災害や事故などでそのネットワークがダウンすると、想像を絶するダメージをもたらし、パニックを引き起こしてしまうこともある。2011年の東日本大震災の際には、約28,000本の電柱が損壊、約150万回線が7週間にわたり影響を受けた。また、記憶に新しいところでは、2018年の西日本豪雨においては、NTT西日本が20回にも及ぶ報道発表を行った。通信ビルの水没などにより、実に12万もの回線に影響が出たためだ。

こうした非常事態に備えているのは、何も国や通信会社だけではない。多くの企業がマルチキャリアや衛星を活用するなどの工夫をしている。

そして昨今では、SD-WAN(Software Defined WAN)のようなネットワーク仮想化が普及しつつあり、インターネットを基盤としてソフトウェアで制御されたWANによる拠点間通信が行われるケースが多くなってきている。拠点追加時などの際にもネットワーク機器に対して手動で複雑な設定を行う必要がないため、構築納期を大幅に短縮することが可能となり、さらにWANに接続されている機器を一元管理することが格段に容易となったためだ。

ネットワーク運用ではマルチベンダー、マルチキャリア、マルチクラウドが当たり前に

これらの状況によりIT運用担当者が抱えるネットワーク保守の負荷は大きく軽減されたようにも思える。まさに救世主、ハッピーエンド、と言いたいところであるが、そう手放しで喜ぶわけにもいかない。ネットワーク運用の仕事は、傍から見て想像するよりもずっと奥深いものであるからだ。

例えば、エンドツーエンドの通信を考えてみよう。先述の大規模自然災害とまではいかなくとも、ICTやネットワークそのものがビジネスと表裏一体である以上、それらが止まればビジネス上の機会損失やリスクに直結することは言うまでもない。

企業ネットワークがある程度の規模に達し、業務へのクリティカル度合いが増してくると、ネットワークを冗長化したり、1系A社、2系B社といった形でマルチキャリアにしたりするのが企業の採る一般的な対応策だ。加えて、それらのネットワークの配下にはオンプレミス環境、そしてその延長線上には、AWS(Amazon Web Services)やAzureに代表されるパブリッククラウドがフル稼働してさまざまなビジネスシーンを支えるという環境がある。現代においてはこうした環境を多くの顧客や従業員がほぼ無意識に利用している。このように、エンドツーエンドの環境ではマルチベンダー、マルチキャリア、マルチクラウドが当たり前になってきているのである。

ネットワーク運用担当者の負担は増加

実際にネットワーク運用に関する業務は年々増加し、担当者の負担は増加の一途を辿っている。

その背景には、まずテレワークの普及などにより、従来「企業ネットワーク」とされてきた範囲が拡大したこと、IoTの普及によりネットワークに接続する機器が多様化したことがある。こうした要因によりネットワークに接続する機器や種類が増え、それに伴い業務負担も増加するという理屈だ。

クラウドサービスの普及も大きな要因だ。現在はSaaS、PaaS、IaaSなど、さまざまな形態のクラウドサービスが業務に使用されている。Googleドライブを始めとするファイル共有ツール、Microsoft Teamsを始めとするコミュニケーションツールなどは、今や業務を遂行する上でなくてはならないものとなっていると言える。こうしたクラウドサービスそれぞれについてセキュリティ管理やパフォーマンス管理が必要となるため、業務負担が増加しているのだ。

そしてクラウド運用担当者にとって一番の負担となっているのがトラブル発生時の対処だ。現在のようにネットワークが複雑化し、トラフィック量も増加した環境は、ただでさえトラブルが発生しやすい。さらにサイバー攻撃を受ける危険性も増加しており、トラブルへの対処が求められる機会は格段に増加した。ところが、IoT機器やクラウドサーバー、セキュリティ対策機器などが複雑に絡み合うネットワークにおいて、トラブルの発生原因を切り分けることは容易ではない。そして運よく原因が特定できたとしても、対処するにはそれぞれの機器やサービスについての専門知識が必要とされる。さらに自社で対処できずエスカレーションする場合には、各機器のベンダー、クラウド事業者、SIerなど異なるお問い合わせ先の中から、適切な連絡先を選択して連絡する必要も生じる。

これらすべての業務を、ネットワーク運用担当者という限られた人員の中で処理せねばならないのだ。

こうした状況を頭に描きながら、イメージをワールドワイドに広げていただきたい。――「自分がIT部門の担当者ではなくて本当によかった……」と、胸をなでおろしている読者の方々も少なくないのではなかろうか。

社会に遍く微細に広がり、人知れず機能を提供し続けているネットワーク。そのネットワークが停止することのないよう、全身全霊をかけて運用にあたっているのがIT担当者であるが、残念ながらエンドユーザーから「今日もITシステムを動かしていてくれてありがとう」などと感謝されることは滅多にない。逆に、トラブルによりネットワークがほんの数分ストップしようものなら、耳を塞ぎたくなるようなクレームの嵐に晒される。これがネットワーク運用の実際なのである。

多拠点ネットワークでは特有の課題も

多拠点ネットワークを運用する場合には、さらに多拠点管理特有の課題も生じる。

次の図は多店舗・多拠点を有する企業さまの課題について調査した結果だ。

多拠点ネットワークでは特有の課題も

回答数が6と最も多かった「各拠点のセキュリティレベルのばらつき」、回答数2の「店舗ごとにシステムの導入時期によって仕様が異なる」、回答数1の「拠点の新設や廃止、移転といった工事が頻繁に発生」は、まさに多拠点ネットワークならではの課題と言ってよいだろう。事業環境の変化に伴う拠点の新設、統合、廃止などは、避けて通れない事象である。しかし、拠点の新設に伴い新システムを導入すれば、ネットワーク上に更新時期の異なるシステムが混在することとなり、結果として各拠点におけるセキュリティレベルにばらつきが生じる原因ともなりかねない。また、新システムへの移行時には、キャパシティーを超える大規模な更新作業が発生することも考えられる。

同じく回答数が6の「システム要員の不足や離職率が高く入れ替わりが激しい」、回答数4の「各拠点の技術レベルやデジタル成熟度の格差が取り組みの障壁」は、主にIT人材の不足に起因する課題であろう。各拠点に配置する人材の能力にばらつきがあれば、前述のセキュリティレベルのばらつきが生じる。また、各拠点にIT人材を配置できない場合には、限られた人員により遠隔地から中央集約型で管理することとなるが、こちらも運用・管理工程が煩雑化するという弊害が生じる。24時間営業の場合にはなおさらで、運用・管理体制の構築・維持のためのコストが増大するであろう。さらに万一ネットワークにトラブルが発生した場合には、大量のアラートが発生したり、店舗側から一度にクレームが殺到したりすることで、対応が困難になる場合もあるかもしれない。

加え、コア事業への取り組みも困難となる。

回答数1の「各拠点監視などの管理工程が飛躍的に増えている」は、高度化・複雑化するシステム構成によるものと推測される。回答数2の「『守りのIT』が主となり『攻めのIT』への取り組みを阻害」、「DXなどで他社に遅れをとっている」は、これまでに挙げた課題により引き起こされた副次的な課題と言えるだろう。日々ネットワーク運用業務に追われていては、コア事業への取り組みも困難となるのも当然だ。

ネットワーク運用の継続的管理がいかに困難であるかがお分かりいただけただろうか。

X Managedでネットワーク運用をアウトソーシング

ネットワークにまつわる「課題」と日々向き合い、保守・運用やトラブル対応に奔走するIT部門担当者にとって、「自動化したい!」「できれば誰かにアウトソースしたい!」は彼らの嘘偽りないホンネなのではないだろうか。

NTTドコモビジネスのマネージドサービス「X Managed®」は、お客さまIT部門のパートナーとして、広範化・複雑化するICT環境の運用・監視・保守をグローバルにワンストップでサポートするサービスだ。

中でも「ネットワーク監視保守 多店舗ネットワークマネジメント」は100店舗(拠点)以上の多店舗展開するお客さまに特化したサービスで、7万店舗・23万ノードを超える国内最大級の運用実績を有している。さまざまな調整が必要なマルチベンダー・マルチキャリア環境においても運用窓口を一元化し、多拠点の煩雑・複雑な運用業務のアウトソーシングを実現できるサービスだ。

お客さまのICT環境に精通し、お客さまに寄り添い運用保守業務にあたることのできるサービスマネージャー(SM)を配置し、ICT環境のトラブル未然防止や安定運用、ネットワーク最適化など、さまざまな側面からお客さまビジネスの成功を全力で支援するManaged®。

ネットワーク運用の課題解決、負荷軽減を検討している場合には、選択肢の1つに加えてみてはいかがだろうか。

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