コールセンターのテレワーク導入は難しくない!3つの課題に対する解決策

2022年10月25日

近年、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、さまざまな業界でテレワークの導入が進んでいます。総務省の「令和3年 情報通信白書」(※1)によると、テレワークを実施する企業の割合は2021年3月時点で38.4%と、2020年3月の2倍近くに上昇しました。

しかし、コールセンターに視点を移すと、なかなかテレワーク化が進んでいないのが現状です。その理由としては、セキュリティ上の問題や応対品質低下の懸念などの課題が挙げられます。

こちらの記事では、コールセンターをテレワーク化するメリットや必要性から、課題を解決する導入方法まで詳しく解説します。

もくじ

コールセンターのテレワーク化が必要な理由

コールセンターのテレワーク化が必要な理由

コールセンターにテレワークを導入するには、情報漏洩リスクや応対品質の低下といったさまざまな課題をクリアしなければなりませんが、感染症リスクや人手不足などに対応するためには、テレワーク化の検討が必要だといえます。

ここでは、コールセンターにテレワークを導入する必要性について解説します。

新型コロナウイルスの感染症対策

近年になってコールセンターのテレワーク化に注目が集まっているのは、新型コロナウイルスの感染拡大が予想以上に長引いているのが一つの理由です。

仮にコールセンターでクラスターが発生してしまうと、営業が一時的に停止し、機会損失へとつながります。また、オペレーターの間で「自分もいつか感染するのではないか」という不安が生まれ、モチベーションの低下や離職率の上昇につながってしまう恐れもあるでしょう。

人手不足の解消

月間コールセンタージャパンの調査(※2)によると、コールセンター集積地(事業所が多く集まっているエリア)の有効求人倍率は、2019年12月に東京都で2.08倍を記録してから減少し始め、2020年11月には1.19倍にまで低下しています。また、入社1年以内のオペレーターの離職率が50%を上回る状況は、全体の約4割を占め、2013年から5年間で約20倍に増加しました(※3)。

このような慢性的な人手不足を解消するための方法の一つとして、多様な人材が働きやすい環境を整えることが重要となります。

BCPの必要性

BCPとは「Business Continuity Plan」の略で、日本語で「事業継続計画」を表します。

地球温暖化の影響で台風の大型化や豪雨の激しさが目立つ昨今、交通機関が麻痺することも多く、コールセンターに出勤できない事態が多発することも珍しくありません。このような環境のなかで、何かトラブルが起きたときでも事業継続を実現できるようにするのがBCPの目的です。

コールセンターにテレワークを導入すると、自然災害や感染症などでオフィスに出社することが難しい場合でも、オペレーターが平常通りに勤務できるようになります。

コールセンターをテレワーク化するメリット

コールセンターをテレワーク化するメリット

コールセンターをテレワーク化するメリットは次の通りです。

  • 業務効率化につながる
  • コスト削減につながる可能性がある
  • 人材の確保がしやすくなる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

業務効率化につながる

1つ目のメリットは、業務効率化につながることです。

たとえば、自宅で仕事をすることによって、働く環境を自分好みにカスタマイズしてパフォーマンスを最大化できます。また、オペレーターによっては、上司や管理者から常に監視されているプレッシャーが減ることで、働きやすさにつながる可能性も考えられます。

ただし、あまりにも閉鎖的な空間で業務を行ってしまうと、管理者にとってオペレーターの様子をリアルタイムで把握できず不安になる可能性があります。テレワークを推進する際は、オペレーターの働きやすさと管理者の管理しやすさのバランスがとれたシステムを導入する必要があります。

コスト削減につながる可能性がある

在宅で顧客応対やカスタマーサポートの業務ができるようになれば、たとえば、施設の賃料や備品購入費、水道光熱費のほか、オペレーターの交通費などを削減可能です。コールセンターのランニングコストを最小限に抑えることで、利益率の向上が期待できるでしょう。

人材の確保がしやすくなる

コールセンターをテレワーク化すると、従業員満足度の向上につながります。オペレーターからすると、テレワークという就業形態そのものが一つの福利厚生となるからです。

たとえば、長時間の通勤から解放され、プライベートの時間をより多く確保できたり、転居や子育てといったライフステージの変化にも柔軟に対応できたりと、ワークライフバランスの改善が従業員満足度の向上に寄与します。

従業員満足度が向上した結果、リクルーティングの強化に結び付く可能性があります。

コールセンターの在宅化の現状

コールセンターの在宅化の現状

日本コールセンター協会が毎年公表している「コールセンター企業実態調査」(※4)によると、コールセンターのテレワーク化が徐々に進展していることがわかります。

在宅オペレーターの有無に関する質問で、「すでに採用」または「採用する予定がある」と答えた企業は2019年度には20.9%でした。しかし、2021年度になると、「すでに採用」と答えた企業だけでも37%にのぼり、「採用の予定がない」と回答した企業は減少傾向にあります。

コールセンターのテレワーク化はまだまだ進んでいないのが現状ですが、新型コロナウイルスや人手不足の影響が深刻になるにつれて、 前向きな施策を検討する企業が増えてきています。

コールセンターのテレワーク化が難しい・できないと言われる理由

コールセンターのテレワーク化が難しい・できないと言われる理由

前述の「コールセンター企業実態調査」によると、在宅オペレーターを採用しない理由としては、「セキュリティ上の問題」が最も多い結果となりました。そのほかにも、テレワーク化には応対品質の低下やマネジメント業務の煩雑化などの課題が存在します。

ここでは、コールセンターのテレワーク化が難しい理由について詳しく解説します。

セキュリティ整備の課題

コールセンターのテレワーク化を進めるうえで、セキュリティ確保の難しさという課題が壁となります。テレワークを導入すると、セキュリティが各オペレーターの情報管理方法や労働環境に依存してしまうからです。

たとえば、顧客情報を保存した端末の紛失により、個人情報漏洩やデータの不正利用といった大きなトラブルに発展してしまう恐れがあります。また、オペレーターのパソコンに入っているセキュリティソフトに脆弱性があると、外部からのハッキングを受けてしまう可能性もあるでしょう。

このようなトラブルを避けるためには、例えばサーバー側でほとんどの処理を行うシンクライアントを導入するか、暗号化された通信システムを整備する方法などが有効です。

応対品質や通話品質が低下してしまう恐れがある

テレワークを導入すると管理者が現場で直接マネジメントができないため、オペレーターの経験やスキルがそのまま応対品質に影響します。オペレーターが十分なサポートを受けられずに、サービスの品質を低下させてしまう懸念があるでしょう。

また、一般的にテレワークでは、インターネット回線で通話を行うこともあり、通話品質はインターネットの通信環境に強く依存します。テザリングによるモバイル回線や公衆の無料Wi-Fiなど、質の低い通信環境を利用した場合、通話品質が低下してしまう恐れがあります。

労務管理やマネジメントが煩雑になりやすい

コールセンターの環境下であれば、管理者がオペレーターの様子をすぐに把握できますが、遠隔で業務を行うテレワーク下では適切なマネジメントや労務管理を行いづらくなります。また、オペレーターに過度な監視や報告を強制すると、精神的な負担がもとで生産性の低下につながってしまう可能性があります。

コールセンターをテレワーク化する方法

コールセンターをテレワーク化する方法

コールセンターをテレワーク化する方法について、3つの具体策を紹介します。

セキュリティ体制を整備する

コールセンターにテレワークを導入するには、特にセキュリティ面の人的対策が求められます。オペレーターがオフィス以外の場所で勤務する場合、情報漏洩やコンピュータウイルス感染のリスクが高まってしまうためです。

そこで、オペレーターのセキュリティ意識を高めるようなトレーニングや啓蒙活動を行いましょう。具体的な方法としては、定期的なオンライン研修や社内イントラへの情報掲載、社内SNSでの注意勧告などがあります。

品質や生産性を向上できる環境を整える

テレワーク化によって起こり得る品質・生産性低下の課題に対処するには、在宅勤務における環境を整えることが大切です。

通話品質に関しては、自宅のインターネット回線を整えるほか、上司への業務報告やチャットをはじめとするチーム内の連絡手段の仕組みを取り入れることで、各オペレーターの孤独感が薄まり、モチベーションの向上が期待できます。

応対品質を維持・向上させるためには、定期的な研修やレクチャーの場を設けるなどして意識的に各オペレーターと密な連携を取っていくことが重要です。

クラウドCTIサービスを導入する

前述したセキュリティ体制や勤務環境の整備だけでは、コールセンターをテレワーク化するには不十分だといえます。遠隔地でスムーズにコールセンター業務を実施するためには、体制や環境を整備する以外にもクラウドCTIサービスの導入が不可欠です。

クラウドCTIサービスは、以下の図のように、コールセンター業務に必要な機能をクラウド上で利用できる仕組みです。社内にいない状態でもシステムにアクセスできるサービスが多く、テレワーク化を進めるためには欠かせないツールだといえます。

クラウドCTIサービスを導入する

クラウドCTIサービスについて詳しい内容を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

【関連記事】CTIシステムは導入すべき?必要なケースやメリット、費用、事例を徹底解説

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コールセンターをテレワーク化するには「COTOHA Call Center」を

コールセンターをテレワーク化するには課題がある一方で、導入を実現できれば、業務効率化や人手不足の解消といった大きなメリットが生まれます。

最後に紹介したクラウドCTIサービスをお探しなら、ドコモビジネスが提供する「COTOHA Call Center」がおすすめです。

COTOHA Call Centerは、場所を問わず、簡単・手軽に顧客への電話応対が可能になる、小規模コールセンター向けのクラウドCTIサービス。番号1つで複数人が同時に通話でき、通話相手の情報や通話履歴の確認、社内の情報共有をスムーズに行える点に特徴があります。

機器の設置や配線工事がいらず、場所に制限されずに利用できるので、すぐにテレワークでの電話応対が可能になります。「オペレーターの働き方に合わせて柔軟なコールセンターシステムを構築したい」「低コストでテレワーク化をはかりたい」というニーズにぴったり当てはまるサービスです。

また、全ての電話窓口をCOTOHA Call Centerへ置き換えるという使い方だけでなく、一部の電話窓口のみを変えて働き方の改善に繋げるといった活用も可能です。

例えば「カスタマーサポート用のフリーダイヤルをCOTOHA Call Centerに変更してサポート部門の方が会社でも自宅でも電話応答できるようにする」または「注文受付窓口をCOTOHA Call Centerに変更して、AIオペレーター機能で自動的に注文に対応してもらうようにする」といったように、一部の電話受付業務のみを絞った小規模での活用もおすすめしています。

以下のリンクからパンフレットやホワイトペーパーをダウンロードできるため、まずはCOTOHA Call Centerの詳細をご確認ください。

(※1)参照:令和3年版 テレワークの実施状況|総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd123410.html

(※2)参照:2021年2月号 <DATA FILE/今月の就業データ>|月刊コールセンタージャパン
https://callcenter-japan.com/magazine/5057.html

(※3)参照:2019年1月号 <特集>早期離職を防ぐ「最初の90日」の乗り越え方|月刊コールセンタージャパン
https://callcenter-japan.com/magazine/3838.html

(※4)参照:『2021年度 コールセンター企業 実態調査』 報告|一般社団法人日本コールセンター協会(CCAJ) 情報調査委員会
https://ccaj.or.jp/telemarketing/doc/outsourcing_research_2021.pdf

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