一元管理とは?
DXに欠かせない一元管理が必要とされる背景や
実施する際の注意点を解説!

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進は、2019年ごろから企業の課題として重要視されてきましたが、近年ではテレワークなどの新しい働き方も普及し、喫緊課題の一つとなっています。

そんなDX推進に欠かせない要素が、システムの一元管理です。それは何故か?

この記事では、一元管理についての概要と必要とされる理由、メリットなどについて解説します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に欠かせない要素が、システムの一元管理です。この記事では、一元管理についての概要と必要とされる理由、メリットなどについて解説します。

一元管理とは?一括管理などとの違い

そもそも、一元管理とはどのような状態を表す言葉でしょうか。一元管理はいくつかに分かれているものを一つに統合し、管理・活用できる状態にすることを表します。単純に統合するだけでなく、より活用しやすく最適化されていることが特徴です。

似たような言葉に一括管理や集中管理などがありますが、これらは管理する対象を統合しているだけに過ぎません。一元管理は管理方法まで統一されているため、必要なデータを必要なときにすぐに取り出せます。

近年のICT(情報通信技術)環境は、クラウドの登場により多様化・複雑化しています。クラウド環境へのニーズが多様化するなかで、ICT環境を統合して一元管理できるワンストップソリューション、多くの企業に求められています。

一元管理はさまざまなものに対して適用されます。ここからは、ICTシステムの一元管理について解説します。

ICTシステムの一元管理が必要な理由

近年の企業におけるICTインフラ環境は、オンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドなど、さまざまな環境が存在します。そのような状況のなかで、一元管理が必要とされる理由にはどのようなものが存在するのでしょうか。

効率的なICTシステムの運用のため

いまやICTシステムは単一なものではなく、複数のシステムを組み合わせて利用する場合がほとんどです。また、その環境もオンプレミスやクラウドなどに分けられており、多様化が進んでいます。

その場合に課題となることは、別々に管理することによる効率性の低下です。例えば、オンプレミスとクラウドで別々のシステムを組み合わせて利用している場合、それぞれの環境下で管理・運用を行なわなければなりません。

非効率なシステム管理・運用は、生産性の低下だけでなくコストの増大も課題となります。別々に管理するシステムを統合して管理・活用できる状態にすることで、効率的なシステム運用が実現し、これらの課題を解決できます。

多様化・複雑化するICTシステムのセキュリティ対策として

パブリッククラウド環境もAWS・Azure・GCPなどが存在します。オンプレミスとの組み合わせもあり、ICTインフラ環境は多様化・複雑化しています。

別々の環境下でシステムを管理することの課題は先ほど紹介した項目以外にも、セキュリティの低下が挙げられます。多様化・複雑化したシステムは全体像を把握しづらく、それぞれに適したセキュリティ対策方法も異なるため適切な対策が施しづらいものです。

さらに、近年ではテレワークやBYOD(自分のデバイスを持ち込むこと)によってエンドポイントも膨大となります。そのため、ICTインフラ環境の運用はエンドポイントマネジメントまで考慮すると一元管理されず、非常に煩雑で非効率なものにならざるを得ません。

ICTシステムの一元管理はICTインフラ環境の最適化とともに、エンドポイントマネジメントまで含めたセキュリティ対策としても有効です。

コンプライアンス・内部統制の強化

企業によってさまざまな社内規則が存在しており、遵守すべきコンプライアンスの存在は企業の安定運用のために欠かせない要素です。もしも、コンプライアンスの徹底ができていない場合、意図せずライセンス違反をしてしまうなどのリスクも考えられます。

企業規模が大きくなるほど、コンプライアンスや内部統制の強化は大きな課題となるため、これらに関するリスクの存在は無視できないものになるでしょう。ICTシステムの一元管理は、企業が持つあらゆるICT資産の一元管理にもつながり、コンプライアンスや内部統制の強化も期待できます。

先ほども触れたとおり、近年ではテレワークやBYODによってエンドポイントは増大し続けており、グローバルに事業展開している場合にはグローバル・ガバナンスの確立も欠かせません。

企業運営を盤石なものにするためにも、ICTシステムの一元管理は重要な役割を担っています。

一元管理のメリットと注意点

「一元管理のメリットと注意点」イメージ画像

ここでは、一元管理のメリットと注意点を解説します。

一元管理はDXの第一歩

近年、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。DXとはICTの浸透によって業務や企業文化などを変革し、競争上の優位性を確立するものです。

DX推進によって業務効率化や生産性の向上などを進めるにあたり、はじめに一元管理によるシステム全体の見える化が必要不可欠です。

なぜなら、システム全体の見える化を完了しなければ、現状を把握し、改善点を見つけ出して対応することが難しいからです。

一元管理は業務の効率性やシステムの運用面で多くのメリットをもたらす一方で、DX推進のための第一歩としての役割も担うのです。この点は、ICTシステムの一元管理を進めるうえでの大きなメリットの一つです。

コストの削減、人手不足解消にも効果あり

一元管理によって業務が効率化されれば、不必要な人的コストやシステムのコストを削減できます。

そもそも、個々に存在するICTシステムを別々に管理している場合、コストの全体像を把握できていない可能性も考えられます。コストの全体像を把握し、不要なコストを削減できる点は、一元管理を実現した際のメリットの一つです。

加えて、システム全体の見える化によってクリティカルな業務実態が把握できれば、自動化の検討も進められるでしょう。より最適な業務の効率化が検討できるようになり、人手不足の解消も期待できます。

人手不足が慢性的に続く日本社会において、人手不足解消も期待できる点は大きなメリットとなっています。

注意点:一元管理する対象の冗長性の確保

一元管理を実現するにあたり、対応するための人的コストがかかる点などはデメリットとして挙げられますが、それ以外にも忘れてはならないものが冗長性の確保です。

ICTシステム、インフラ環境、データ、資産を一元化した場合、管理する対象は単一のままにしないことが重要です。単純に一つにまとめると考えてしまうと、それらが単一化してしまい、トラブル時やデータの消失などの有事の際に対応ができなくなってしまう可能性が考えられます。

そのため、一つにまとめるといってもデータのバックアップやシステム自体の冗長化は欠かせません。

一元管理は“一つにまとめて管理・活用できる状態にすること”です。有事の際のリスクまで想定したうえでまとめてこそ、管理・活用できる状態といえるでしょう。

一元管理を実現するためには

「一元管理を実現するためには」イメージ画像

ICTシステムの一元管理を実現するためには、まずシステム全体の見える化が必要です。厳密にはシステムの見える化によって実現した一元管理のもとで、より最適な業務効率化や生産性の向上が期待できる、と考えたほうがよいでしょう。

システムは利用する人の存在ありきで、利用者にとって使いやすいものでなければなりません。そのためには、システムがどのように利用されているのか、使用感はどのようなものなのか、なども含めた見える化が欠かせません。

システムの見える化は業務の見える化にもつながり、実業務に則した運用方法が実現できるようになります。そのうえで、システムをどのようにまとめると一元管理が実現できるかも見えてくるでしょう。

ICTシステムの一元管理では、システム自体の一元化だけでなく、活用までを考慮して運用面も含めて検討を進める必要があります。

ICTインフラ環境の一元管理ソリューション“MHIS”

ICTシステムの一元管理を実現するためには、企業ごとに抱えるさまざまな課題を解決しなければなりません。例えば、システムごとに標準化が行なわれておらず、バラバラのシステムを統合するコストとリスクの存在などが挙げられます。グローバルな企業ともなれば、このような課題の存在はより大きなものとなるでしょう。

グローバルレベルで事業規模が大きくなると、ICTインフラの全体把握や可視化が難しく、さまざまな問題が発生しやすくなります。

そんな企業におすすめなのが、ICTインフラ環境の一元管理を実現するソリューション“MHIS(Managed Hybrid Infrastructure Solution)”です。

MHISはグローバルトータルマネージドソリューションとして、グローバル特有の課題解決を得意とするソリューションです。NTTコミュニケーションズでは、お客さまのシステム規模にあったICTインフラ環境の最適化に向け、標準化・均一化された運用を可能にし、社内ICTの見える化も実現できます。

グローバルに統一されたサービスレベルの実現に向け、コンサルから運用までを一貫して提供するMHISの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

まとめ

一元管理はいくつかに分かれているものを一つに統合し、管理・活用できる状態にすることです。統合するだけでなく、より活用しやすく最適化されている点が特徴であり、この点が一括管理などとの違いになります。

近年は多様化・複雑化するICTシステムが増え、より効率的な運用やセキュリティ対策、ガバナンス対策としてICTシステムの一元管理は欠かせないものとなっています。多くのメリットをもたらす一元管理は、DX推進のためにも重要な役割を担う存在です。

NTTコミュニケーションズでは、ICTインフラ環境の一元管理をトータルサポートするソリューションを提供しています。ICTシステム、インフラ環境の一元管理にお困りのお客さまは、ぜひ一度お問い合わせください。

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