災害時に必要な防災備蓄品リスト|必要量・用意する際のポイント

地震、台風、大雨など、自然災害はいつどこで発生するかわからず、私たちの生活や行動に大きな影響を与えることがあります。そんな時に備えて、家庭や会社でも事前に防災備蓄品を用意しておくことは非常に重要です。ここでは、災害時に必要な防災備蓄品とその必要量、さらに用意する際のポイントについて詳しく解説します。これを参考に、万が一の時に備えてしっかりと準備を整えましょう。
もくじ
防災備蓄の必要性

近年、地震や台風などによる自然災害が頻発しています。災害が発生した際には、電気やガス、水道などのライフラインが途絶えること、物流の混乱により食料や水、生活用品が手に入らなくなることも考えられ、家庭や会社での防災備蓄は非常に重要です。
実際、東日本大震災では、電気の復旧に1週間以上、水道の復旧に10日以上かかった地域もあったと報告されています。
また、道路、鉄道、橋梁などの破損により、交通網が寸断され物流が停滞することで、食料が現地に到着するまで3日以上を要した地域もありました。
この背景には、災害直後に人々がパニック状態で食料を買い占めることがあった場合、店頭在庫が急速に減少することも要因としてあげられます。
これらの経験から、災害時に避難する家族や帰宅困難となる従業員の安全と安心を守るために最低でも3日分、できれば1週間分の防災備蓄をするのが好ましいとされています。
企業では、業務中に災害が起きた場合、公共交通機関が復旧する見通しが立つまで一時的に会社に留まらなければなりません。そのため、従業員の安全を守るための防災備蓄が求められます。
いざという時に備えて、必要な備蓄品をリストアップし、定期的な見直しと管理を行い、いつでも万全の状態で備えておきましょう。
備えておくべき防災備蓄品一覧

災害時に備えておくべき防災備蓄品は多岐にわたりますが、日頃から計画的に準備しておくことで、いざという時に安心して対応することができます。
防災備蓄品としては、大きく分けると、食料、生活用品、衛生用品の3種類を基本に準備しておくことが重要です。
ここでは、防災備蓄品リスト、必要量、用意する際のポイントについて詳しく解説します。家族や会社内の担当者によって、定期的な見直しと共有を心がけていざという時に備えましょう。
食料
災害時に社内で三日間過ごす場合には、以下の食料備蓄品の確保が必要です。
- 保存水:1人あたり9L(3L×3日分)
- 主食:1人あたり9食分(3食×3日分)
- 米:1kg
- カップ麺:1~2個
- 乾麺(例:うどん、そうめん、パスタ):1袋
- パックご飯:1~2個
- 主菜
- 缶詰:1人あたり5缶
- レトルト食品:1人あたり2パック
- 豆腐:1人あたり1食分
- ロングライフ牛乳:1人あたり1本
- インスタント味噌汁:適量
- 即席スープ:適量
- 野菜ジュース:適量
- 日持ちする野菜(例:玉ねぎ、じゃがいも):適量
- 調味料:適量
- お菓子(例:アメ、チョコレート):適量
企業が事務所内に備蓄品として食料を用意する場合は、従業員の数を考慮して用意しましょう。
生活用品
災害時には、避難生活を維持するための生活用品の備えも必要です。
- カセットコンロ:1台
- ボンベ:3本
- ラップ:1本
- 使い捨ての紙皿・食器:1人9セット
- 毛布:1人1枚
- 携帯ラジオ:1台
- 懐中電灯:1灯
- 乾電池: 1パック
- レインコート:1人1枚
- 新聞紙:適量
また、勤務中に災害が発生するリスクに備え、法人向けの救助道具セットを揃えておくのも一つの選択肢です。
法人向け救助道具セットに入っている主な救助用具は以下の通りです。
- パール
- のこざり
- ジャッキ
- つるはし
- スコップ
- ハンマー
- 救助ロープ
- 軍手
救助道具は取り出しやすいところに保管し、あらかじめ使い方を学んでおきましょう。
衛生用品
防災備蓄品には衛生用品も欠かせません。特に、トイレなど衛生環境の悪化は災害時の精神的負担になりやすく、体調不良にもつながりやすいため、しっかりと備えておきましょう。
- ウェットティッシュ:1人1パック
- 簡易トイレ:1人15回分
- 歯ブラシ:1人1本
- 口内洗浄液:1人1本
- マスク:1人3枚
- タオル:1人1枚
- 生理用品:適量
ウェットティッシュは手や身体を拭いたり、身の回りを清潔に整えたりと様々なことに使えます。多めに備えておくと、いざという時に役に立ちます。
また、女性が多い場合には生理用品を多めに用意するなど、自社の人員構成に応じた備蓄品の用意も重要です。年齢や性別、地域の特性を踏まえ、不足のないよう備えましょう。
また、従業員がケガしたときに備えて、以下の備品をまとめた「応急手当セット」をしておくのも安心につながります。
- 絆創膏
- 消青液
- ピンセット
- 包帯
- ガーゼ
- 三角巾
- サージカルテープ
- 体温計
- マスク
使用人数に合わせて、十分な数を準備しましょう。
備防災備蓄品を用意する際のポイント

防災備蓄品を用意することは、災害時に自分や家族、従業員の安全を守るためにとても重要です。
常温でも日持ちする食品を選び、防災用のセット品を活用し、家族や従業員の人数分より少し多めに用意すること、取り出しやすい場所に保管すること、そしてローリングストック法を活用することがポイントです。これらのポイントを押さえて、万が一の時に備えましょう。
常温で日持ちする食品を選ぶ
災害時には、電気やガス、水道などのライフラインが停止することが考えられるため、コンロや電子レンジが使えないので調理も難しくなる可能性があります。
また、冷蔵庫や冷凍庫も使用できないため、食料品を常温で保管しなければなりません。普段から口にしている食品の多くは、常温保存や長期保存を前提として製造されておらず、いざ口にしようとしたときに賞味期限が切れていることも考えられます。
そのため、防災備蓄用の食料としては、常温で長期間保存できる食品を選ぶことが重要です。
例えば、缶詰、レトルト食品、乾燥食品などは調理が不要で、そのまま食べられるものが多いため、防災備蓄に適しています。
常温での保存が可能か、調理が不要かなどを確認し、防災に適しているかをチェックしたうえで備蓄品の用意を進めましょう。
何を買うか迷ったらセット品を買う
防災備蓄品を一から揃えるのは大変です。何を買うか迷った場合は、あらかじめ必要なものがセットになっている防災セットを購入すると良いでしょう。
セット品には、食品、水、医薬品、衛生用品などが含まれており、手軽に必要なものを揃えることができます。食料の組み合わせに悩む必要もなく、栄養バランスも考慮されているので、非常時の備えとして安心です。
防災備蓄セットには、一般家庭向けのものだけでなく、法人向けのものもあります。
主に通販サイトで販売されており、50人が3日間過ごせる量が入っていたり、必要な備蓄品がリュックサックにまとめられていたりと、さまざまな工夫がされています。
カバーできる人数や日数を確認のうえ、購入しましょう。
全従業員分より少し多めに用意する
企業が防災備蓄品を用意する場合には、全従業員分よりも少し多めに用意しておくことが重要です。取引先の方や訪問しているお客様など、偶然社内にいた方が被災する可能性もあるためです。
目安として、「事業所にいる従業員の人数×3日分+予備として10%増分」を備えておくのがよいでしょう。
また、近年ではリモートワークによる在宅勤務者も増えています。防災用品を従業員の自宅へ送付したり、在宅勤務手当のなかに防災用品の購入費を追加したりするなどの柔軟な対応を検討しましょう。
取り出しやすい場所に保管する
防災備蓄品は、いざという時にすぐに取り出せる場所に保管しておくことが重要です。例えば、一般家庭であれば、玄関やリビング近く、オフィスであれば各従業員のデスクや休憩室、または出入口付近などの避難経路に近い場所が適しています。
しかしながら、会社などでは、業務に支障が出る、お客さんの目に付くなどの理由から、倉庫など会社内の奥へ置いてしまいがちです。裏口があるなら裏口付近、スペースが確保できるなら戸棚などを設置して見えないようにするなどして、すぐに持ち出せるように工夫しましょう。
また、取り出しやすい場所に保管しておくと、定期的に備蓄品の場所を確認し、必要に応じて備蓄品を見直すことも容易にしやすくなります。
ローリングストック法を活用する
防災備蓄品として、食品を備える際の課題は、いざ使うとなった時に期限切れで食べられないという状況をいかに避けるかでしょう。
そこでおすすめなのが、ローリングストック法です。ローリングストック法とは、日常的に消費する食品や日用品を防災備蓄品として捉えて、少し多めに購入しておき、平常時から備蓄品を期限切れ前に都度消費し、消費した分を補充するという循環を繰り返しながら備蓄する方法です。
ローリングストック法を活用することで、常に新しい備蓄品を保つことができ、賞味期限切れを防ぐことができます。また、日常生活の中で自然に備蓄を行うことができるため、無理なく備蓄品の管理を続けられます。
防災備蓄とともに準備しておきたい!安否確認サービス

防災備蓄は、家庭であっても会社であっても災害時における生命線となる重要な準備です。食料や飲料水、衛生用品、医療用品、防災用具などを適切に備蓄し、定期的に点検・更新することで災害時に備えることができます。
さらに災害時の家族や従業員の安否確認も重要な要素です。安否確認サービスを利用することで、迅速に連絡を取り合うことができます。スマートフォンアプリや専用のサービスを活用して、災害時の連絡手段を確保しておきましょう。防災備蓄と安否確認は、日頃からの備えによって、いざという時に大きな差を生むことを忘れずに、しっかりと準備することをおすすめします。