BCP発動の基準とは?|人為・IT・感染症リスクへの備えと運用フローを解説

安否確認の基本
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「もし今、大地震が起きたら」「基幹システムがサイバー攻撃で停止したら」 企業が直面する危機は、自然災害からデジタルリスクまで多様化しています。BCP(事業継続計画)を策定していても、いざという時に「いつ、誰が、何を基準に」発動させるべきか迷いが生じれば、被害は拡大の一途をたどります。

本記事では、BCP発動の定義から、現代のリスクに応じた具体的な判断基準、そして発動から復旧までの実務フローを徹底解説します。

もくじ


BCP発動とは?定義と現代企業が直面するリスクの多様化

BCP発動とは、緊急事態において通常業務を一時中断し、事業継続を最優先する非常時体制へ切り替えるための「公式な宣言」を指します。

かつてのBCPは地震や台風などの自然災害が中心でしたが、現代企業を取り巻くリスクは極めて複雑化しています。現在は、以下の4つのカテゴリーを網羅した構造的な備えが不可欠です。

  • 自然災害:地震、津波、台風、集中豪雨、火山噴火など。
  • 人為災害:大規模な火災、爆発事故、テロ、サプライチェーンを支える主要取引先の倒産。
  • IT災害:サイバー攻撃(ランサムウェア等)、大規模なシステム障害、データセンターの被災。
  • 感染症:新型インフルエンザや未知のウイルス蔓延による出勤制限、集団感染。

これらのリスクは相互に連鎖することもあり、単一のシナリオではなく「どのようなリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)が損なわれたか」という視点でBCP発動を捉える必要があります。


【災害別】BCP発動の具体的な判断基準例

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発動基準が曖昧だと、現場は「空振り」を恐れて判断を先送りにしてしまいます。リスクごとに明確な数値や状態の基準を設けることが重要です。
以下では各事象毎の発動基準の参考例を紹介します。

自然災害(地震・風水害)

  • 地震:一般的には「震度5強」が目安とされますが、自社のリソースに応じた柔軟な設定が肝要です。例えば、精密機器を扱う工場なら「震度5弱」、免震構造のオフィスビルなら「震度6弱」といったように、拠点の脆弱性に合わせた「決め打ちしない」基準作りが求められます。
  • 風水害:自治体による「警戒レベル4(避難指示)」の発令や、主要路線の計画運休、自社拠点の浸水、ライフラインの停止時点。

人為・IT・感染症

  • IT災害:基幹システムの停止が目標復旧時間(RTO)を超える見込みとなった時点や、重大な情報漏洩が発覚し、社会的信頼を維持するために事業を制限すべきと判断した時点。
  • 人為災害:操業に不可欠な設備の損壊や、サプライヤーの供給停止により、代替手段への切り替えが必要になった時点。
  • 感染症:従業員の感染率が一定(例:10%〜30%)を超過し業務継続が困難になった際や、政府による緊急事態宣言、外出自粛要請が出された時点。

BCP運用フロー:発動から復旧までの6つのステップ

発動宣言後、組織は以下の6ステップに沿って動きます。

ステップ1:災害対策本部の設置とBCP発動宣言

発報基準に基づき、意思決定の司令塔となる「災害対策本部」を即座に設置します。このタイミングで本部長が全社に対し「BCP発動」を公式に宣言。平時の組織図から有事の指揮命令系統へと切り替え、情報の集約先と意思決定のルートを一本化します。

ステップ2:初動対応(人命安全と被害状況の把握)

最優先事項は従業員の安否確認と二次災害の防止です。独自の安否確認システム等を活用し、全拠点の「ヒト・モノ・カネ・情報」の被害状況を迅速に集約します。正確な現場情報の把握こそが、その後の復旧戦略を左右する重要な判断材料となります。

ステップ3:意思決定と権限委譲の実行

混乱期における停滞を防ぐため、本部長不在時の代行順位を明確にし、現場が自律的に動けるようあらかじめ定めた範囲で権限を委譲します。経営層が細部まで指示を出すのではなく、現場の即応性を高めることで、復旧スピードを最大化させます。

ステップ4:事業継続・復旧活動の開始

限られた経営リソースを、事前に特定した「中核事業(優先業務)」へ集中的に投入します。被災した拠点の代替として、リモートワークへの切り替えやサテライトオフィスの活用、協力会社への生産委託など、代替手段を具体的に実行に移します。

ステップ5:社員支援と財務対策の実施

事業継続の基盤となる「ヒト」と「カネ」の維持に注力します。

社員支援:食料・仮住居の提供といった物理的支援に加え、被災による不安を和らげるメンタルケアや特別休暇の付与など、従業員が安心して復旧作業に臨める環境を整えます。

財務対策:早期にキャッシュフローを予測し、復旧資金の算出、金融機関への融資申請、保険金請求の準備を進めます。運転資金の枯渇を防ぐことが、長期的な事業存続の鍵となります。

ステップ6:顧客・取引先への対応と対外広報

自社の復旧と並行し、ステークホルダー(顧客・取引先・株主などの利害関係者)への迅速な対応を行います。供給網(サプライチェーン)を維持するため、仕入れ先の被災状況把握や納期調整を優先し、代替ルートの確保を急ぎます。

また、公式サイト等を通じて被災状況や復旧の見込みを誠実かつ正確に発信(対外広報)することで、有事における社会的信用の失墜を防ぎ、復旧後のスムーズな取引再開へと繋げます。


事前準備の徹底:社内共有と訓練

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BCPは作成しただけでは機能しません。計画を「絵に描いた餅」にしないためには、日常的な教育と訓練によるアップデートが不可欠です。

社内共有と意識改革

全従業員が「なぜBCPが必要なのか」「自分の役割は何か」を理解している必要があります。発動基準をカード化して携帯させたり、社内ポータルで周知したりするなど、意識の定着を図りましょう。

実効性を高める訓練(演習)

形式的な訓練ではなく、現実的なシナリオに基づいた訓練を定期的(年1〜2回)に行います。

  • 安否確認抜き打ち訓練:勤務時間外の連絡となるため従業員との事前合意が必要ですが、休日や深夜に発信し、回答率と速度を測定。
  • 机上演習(デスクトップ演習):特定のシナリオ(例:ランサムウェア感染)に対し、各部署の責任者がどう動くかを議論。
  • 代替拠点移動訓練:本社被災を想定し、サテライトオフィスや自宅でのリモートワーク体制が即座に構築できるか検証。
  • サプライヤー連携訓練:重要部材の調達が止まった際の代替ルート確認。

これらの訓練を通じて見つかった課題を計画にフィードバックする「PDCAサイクル」こそが、真に強い組織を作ります。

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迅速なBCP発動と初動を支える!安否確認サービス

BCP発動における最大の壁は「情報の空白」です。被害状況がわからないままでは、本部長は発動の決断を下せません。迅速な発動は、時として「空振り」に終わる可能性もありますが、被害を最小限に抑えるためには、躊躇せず迅速に動くことが鉄則です。

この迅速な判断を支えるのが、デジタルツールの活用です。

迅速なBCP発動と初動を支える「Biz安否確認/一斉通報」

BCPの実効性を左右するのは、発災直後の「正確な情報集約」です。特に地震においては、予測不可能な事態の中で管理者が冷静に指示を出すことは困難です。NTTドコモビジネスの「Biz安否確認/一斉通報」は、気象庁の速報と連動し、自動で安否確認を開始することで、対策本部の立ち上げを劇的にスピードアップさせます。

【震度設定の最新実態データ(2026年1月現在)】

「Biz安否確認/一斉通報」のユーザーが、自動発報のトリガーとして設定している震度基準の割合は以下の通りです。

設定震度 割合
震度4 12.20%
震度5弱 16.90%
震度5強 61.80%
震度6弱 8.50%
震度6強 0.50%
震度7 0.10%

データが示す通り、6割以上の企業が「震度5強」を人命安全と事業継続の境界線として設定していますが、精密機器を扱う工場では「震度4」、堅牢なオフィスビルでは「震度6弱」といったように、自社の物的・人的リソースに合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。

また、本サービスは地震だけでなく、スケジュール機能を用いた「感染症対策の検温アンケート」や、手動配信による「台風・豪雨の注意喚起」「IT障害時の緊急連絡」など、あらゆるリスクシーンでご活用いただけます。

震度7にも耐えうる堅牢なデータセンターで運用され、スマホアプリ・メール・電話の3つの連絡手段で確実に通知。貴社のBCPを「機能する計画」へと進化させます。

【詳細情報】Biz安否確認/一斉通報


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