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2021.08.19

“真のワークスタイル変革”に必要な、性悪説に基づく経営からの脱却方法とは?


技術発展や新型コロナウイルスの影響でリモートワークを導入する企業が増えたことで「仕事場」という空間の枠組みがなくなり、企業には個々人の働き方に寄り添う仕組みや考え方が一層求められるようになりました。
そして今多くの企業で課題となっているのが、リモート環境によって際立つようになった働く環境の格差や、経費精算にかかる時間と労力の無駄。企業主体で作られた元来のルールが足枷となって起きる問題の改善方法について、NTTコミュニケーションズのスマートワークスタイル推進室の面々がひもときます。

コロナ禍で変化した企業の経営課題とは

2021年4月に実施された東京都テレワーク導入率調査によれば、都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は56.6%。半数以上の企業が、コロナ禍をきっかけに「みんなでオフィスに集まって仕事をする」という働き方から脱却しています。
なかには社員が出勤する機会が減ったことを背景に、定期代の支給を廃止したり、オフィスを縮小したりするケースも多く見られるようになりました。一方、仕組みが整っていない企業では、経費精算の書類を提出するためだけに出社を余儀なくされるケースもまだまだあるのが現状。

また、自宅に仕事部屋がなかったり、インターネット環境が整っていなかったり、はたまた子どもがいて集中して仕事ができなかったりと、社員の労働環境に格差が生まれ、すべての社員のパフォーマンスが最大限に発揮できない状況も生まれています。
こうした課題は、社員だけで改善できるものではありません。企業としてアプローチを仕掛けていく必要があるのです。

自分に最適な働き方を実現できる「Smart Workstyle」

そこでNTTコミュニケーションズが取り組んでいるのが、ワークスタイルにおけるDXソリューション「Smart Workstyle」の提案です。「すべての働く人が最適な働き方を選び活躍できる世界を実現する」というビジョンのもと、企業のワークスタイルにおけるDXを推進する複数のサービスを提供・開発しています。

・経費精算サービス「SmartGo™ Staple

オフィスに通勤する機会が減ったからといってなくならないのが経費精算ですが、申請作業のためだけに出社しては本末転倒。こうした課題を解決するのが「SmartGo™ Staple」です。モバイルSuicaで支払った交通費や法人用プリペイドカードで支払った経費をアプリが自動で取り込んでくれるので、わざわざ経費精算のために出社する必要はありません。

レポートイメージ

サービス立ち上げのきっかけとなったのは、「160円の交通費を精算するときの精算時間に無駄があるのでは」という仮説。社員へのヒアリングを通して、少額の決済であったとしても社内の稟議を通すのに多大な稼働をかけているという実態がわかり、モバイルSuicaとの自動連携によって、交通費精算業務の簡素化を実現する「Smart Go™」を考案。

実現に向かう過程で、自動チャージ可能なモバイルSuica搭載のコーポレートカードの活用も検討することになりました。社員一人ひとりがカードを持つことができれば、交通費はもちろん、他の経費精算も自動で行うことができるようになります。

しかし、ここで障壁となったのが、通常一般社員にはモバイルSuica付きのコーポレートカードがほとんど配布されていないことでした。使用者も管理者も安心安全に使えることを前提にリサーチしたところ、たどり着いたのが、法人用プリペイドカードの存在です。クラウドキャスト株式会社が提供する法人プリペイドカード一体型経費精算サービス「Staple」を組み合わせ、サービス化したのが「SmartGo™ Staple」です。

使用履歴がすべてデータ化されることで、不正利用は実質不可能になり、申請ミスも削減可能に。マネジメント層などの管理者がチェックにかける時間をカットできたり、経理担当が事務処理にかける時間とお金を大きく減らしたりすることも叶えられます。働き方改革を経理部門から全社に広めるべく、NTTコミュニケーションズ社内での導入検討はもちろん、様々な企業への導入も推進しているところです。

・ワークスペースの即時検索・予約サービス「dropin

リモートワークの普及によって特定のオフィスに赴く機会が減る一方、自宅の労働環境が整っていない人や出先で少しだけ働きたい人が一時利用できるワークスペースのニーズが増えています。とはいえ、そのときどきで空いている場所を探すのはなかなか至難の業。1件ずつ足を赴くには労力がかかりすぎ、電話で1件ずつ確認するのも煩わしい。そこで活用できるのが、ワークスペースの即時検索・予約サービス「dropin」です。

レポートイメージ

弊社でも、新型コロナウイルスの感染が拡大する以前から、打ち合わせのための外出やオフィスでの会議室を行ったり来たりする社員がおおく、外出先からオフィスへ戻る交通費や移動時間に非効率さを感じていました。外で仕事できる場所を探そうにも、毎回環境の整った空間を見つけるのは一苦労です。

そんな課題から生まれた「dropin」は、ワークスペースの空き情報だけでなく、モニターやWifiなどの設備状況も検索可能で、自分にとって最適の労働環境を見つけることができます。

また、KNT-CTホールディングス株式会社と協業し、「dropin」で提供する全国のワークスペースに合わせた利用可能な宿泊施設やアクセス情報、現地の見どころやグルメなど観光関連情報も提供する予定です。ワーケーションの需要も見据え、様々な情報を連携していきます。
参照:【C4BASEってどんな人がいるの?】「『旅行』を、人生を豊かにするコンテンツに」安岡 宗秀(KNT-CTホールディングス株式会社)

気分を変えて集中したいときや、オフィス・在宅勤務中にリフレッシュときにも最適なdropin。現在、新規登録2,000円割引クーポンや鎌倉市提携で鎌倉市にある店舗が利用料50%OFFなど、お得なキャンペーンも実施中(記事掲載日時点)です。今後も利用者の需要に合わせ、提携するワークスペースを拡大していく予定のため、WebやSNSで感想やご要望をお寄せください。

・デジタル社員証「Smart Me®

これまで当たり前のように使われていたICカードタイプの社員証ですが、リモートワークが通常化したことで使用頻度は大きく減少しました。また、物理的に発行するコストや発送の手間のことを考えると決して効率的だとは言えません。ほとんど出社しないにも関わらず、短期間だけ働く業務委託先やアルバイトスタッフにICカードを発行して郵送し、退職後の対応に追われるというケースも。コロナ禍においては衛生面の不安もあるでしょう。こうした課題を解決するためのスマートフォンアプリが「Smart Me®」です。

レポートイメージ

社員証をデジタル化することで、物理カードの発行や管理にかかるコストを低減。社員証を紛失した際も遠隔で失効することができ、複数のオフィスを行き来する際にも便利です。それだけでなく、来訪者に対してもデジタルに来館証を発行できるため、紙のゲストカード発行や受付対応が不要になります。将来的には、デジタルに会社の所属を証明できる、身分証明機能なども搭載される予定です。

5年後、10年後には物理的な社員証が無くなり、個人のアイデンティティをデジタルに表現するような世界が必ず来るでしょう。私たちは様々な業種、業態の企業の方々と、そんな世界を一緒に実現していきたいと考えています。未来をつくっていくために、デジタル社員証を実際に使っていただける方や、他のサービスと連携をして双方の活用の幅を広げるような共創ができる方を探しています。

これらのサービスは、現在それぞれ単独で様々な企業へ導入が進められていますが、将来的にはデータを連携していく予定です。たとえば、「dropin」に登録されているワークスペースであれば「Smart Me®」を使って利用できたり、「SmartGo™ Staple」と「Smart Me®」を連携させて、特定の会社に社員割引を適用したり。また、それぞれに蓄積されたデータをユーザー自身が保有することで、働く会社が変わっても、自分が何者であるのか、どこで何をしてきたのかを証明できる仕組みもつくることができるでしょう。さまざまなことがシームレスにつながることで、個人にとっても、企業にとっても、そして社会にとっても、シナジーが大きくなっていきます。

性悪説ではなく、性善説に基づいた経営へ

こうしたサービスの導入を各社へ提供するときに併せて検討したいのが、性悪説に基づいた社内ルールの是正です。多くの日本企業では、リスクを低減するために性悪説に基づいて社員の“管理”が行われていますが、管理者からすれば、問題が起こってから対処するのでは遅いと考えるのは当然のこと。どうしても厳しいルールを設けがちですが、それによって増加しているのが、業務の不便さや非効率性ではないでしょうか。

確かにルールは必要ですが、利便性が二の次にされている状況は、スピード感を求められる現代のビジネスシーンでは適切ではありません。本来取り組むべき仕事に十分な時間を割けないことで、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまう可能性もあります。
しかも、リモートワークが進み、社員が自分の好きな場所で働けるスタイルが浸透してくると、統一のルールでは測りきれない事象も発生します。だからこそ、ルールによって社員の行動を制限するのではなく、デジタルの力で問題が起きない仕組みを作る必要があるわけです。

そうした改革が必要なのは、私たちNTTコミュニケーションズも例外ではありません。社内でも「SmartGo™ Staple」「dropin」「Smart Me®」を導入を検討しており、従業員5,000人規模の日本企業として、業務の不便さや非効率性の削減に取り組んでいます。実際、導入にあたって超えるべき壁は多くあります。しかし、経費精算の手間がなくなって本来の業務に向き合う時間が増えたり、いつでも好きな場所で働くことができたりと、ポジティブな変化がいくつも起きることで、顧客と相対する社員にも、マネジメント層や経理、総務といった管理部門にもサービスの有効性を感じてもらうことができています。

「Smart Workstyle」は、企業のワークスタイルDXを推進するためのソリューションであると同時に、自律した人材の創出や、イノベーション経営にも活用できると考えます。そして、導入企業数が増えれば増えるほど、ネットワークを活用して実現できることが広がっていきます。
既存のルールを変えることは痛みを伴う場面も多く、困難を恐れない勇気と大胆な決断が必要になりますが、新型コロナウイルスによって人々の働き方への意識が変わっている今だからこそ、企業改革に取り組むべきではないでしょうか。

サービスを実際に使ってみたい、他のサービスと掛け合わせてこんな取り組みがしたい、というご要望はこちらからお問い合わせください。ワークスタイル改革を実践する方とご一緒できることを楽しみにしています。

SmartWorkstyle推進室 サービス・プロモーション担当
SGS/Dropin:伊藤崇樹
dropin:森下朋晴、大澤樹希
Smart Me;福井みなみ、菊池徹次

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