COLUMN掲載日:2022.09.16 | 更新日:2023.12.28
【2024年1月現在】12月1日よりアルコールチェック義務化開始へ!~罰則は?道路交通法改正の最新情報~
【2024年1月現在】12月1日よりアルコールチェック義務化開始へ!
~罰則は?道路交通法改正の最新情報~
アルコールチェック

2022年4月の道路交通法の改正に伴い、白ナンバーの社用車を使用する事業者にもアルコールチェックが義務化されました。アルコールチェックを行っているものの、今の方法で問題はないだろうかと思っている安全運転管理者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本コラムでは、道路交通法改正に関する最新情報とよくあるご質問をピックアップして解説します。 2023.12.01追記:12月1日から検知器を使用した飲酒検査義務化が開始されました。
2023.08.08追記:※警視庁は8月8日、白ナンバー事業者へのアルコールチェック検知器によるドライバーの飲酒検査を、12月1日から義務化することを正式に発表しました。
2023.06.09追記:※アルコール検知器使用義務化の施行(2023年12月1日開始予定)に向けたパブリックコメントの意見募集が開始されました。(2023年6月8日警察庁の発表より)
2022.09.29追記:※2022年10月開始を予定していた白ナンバー社用車のアルコールチェック義務化が当分の間、適用されないことが正式に決定されました。(2022年9月14日警察庁の発表より)

1. アルコール検知器義務化再開までの流れ

2022年9月にアルコール検知器の供給状況等を踏まえ、当分の間適用しないとされてきた「アルコール検知器を用いた運転前後の酒気帯び確認」等の暫定措置の廃止を内容とする「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」について検討されていることが2023年6月8日警察庁の発表により明らかになりました。

公表された資料によると、アルコール検知器の普及状況等について2022年5月~6月に実施された安全運転管理者に対するアンケートでは「必要台数の全てを入手済」と回答したのは約4割だったのに対し、本年4月にとりまとめたアンケートでは約7割となったことや、半導体不足、コロナ禍の物流停滞が改善され、安定したアルコール検知器の生産・供給が可能な状況となっていること・準備期間をみても、12月からのアルコール検知器の使用義務化規定の適用が実現可能なことがアルコール検知器協議会より確認できたことから、市場における調達が十分に行いうる環境となっていると判断がなされたようです。

2. 12月1日からアルコール検知器利用の義務化が正式決定

7月8日までの間にパブリックコメント(意見公募)を募集していましたが、8月8日には、警視庁から正式に、アルコール検知器による飲酒検査を12月1日から義務化することが発表されました。
公式発表があるまで導入検討を一時控えていた事業者も多かったことと思いますが、これでようやく検討の具体化を進められますね。
なお、アルコールチェックの形骸化抑止のため、警察庁から是正措置命令の基準が通達されています。例えば、必要なアルコール検知器を確保せず、適正な飲酒検査が行われないことによって、ドライバーが酒気帯び運転を行った場合等も是正措置命令の対象となります。
こちらのサイトでは常に、最新情報を掲載していきますので、ぜひご活用いただければと思います。
(※参考サイト:※警察庁丁交企発第202号(2023.8.15/警察庁交通局交通企画課長)

☆これまでの法改正のポイントは、以下の記事をご覧ください。
「【3分でわかる】2022年改正道路交通法のキソを改めて振り返り!」


3.道路交通法改正に関するQ&A 10選

お客様からのお問い合わせが多い内容について解説します。
本コラムは2023年9月時点で公的機関等が公開している情報を元に執筆したものです。今後は変更となる可能性がありますので、ご了承ください。項目の終わりには参照サイトを掲載しています。
また、内容について個別の事案に適用した場合の責任は負いかねます。事案への適用、法律解釈等のご不明点につきましては、管轄の警察署までお問い合わせください。

① 法の適用対象や罰則に関して

安価な半導体式検知器の中には、センサー製造後、品質検査や個体の選定をせずに販売しているものもありますが、例えば、弊社が採用しているアルコール検知器は、時間とコストをかけて精度の安定化に向けた品質管理を徹底しております。

Q1:本店と支店の自動車の合計が5台以上になる場合は安全運転管理者の選任が必要ですか?例えば、本店の所有自動車が3台、支店の所有自動車が2台の場合はどうなりますか。
A1:自動車の台数は、「自動車の使用の本拠(本店、支店、営業所等)」ごとにカウントします。本店、支店のそれぞれで法定台数(5台)未満であれば、 安全運転管理者を選任する必要はありません。
(※参考サイト:山形県ウェブサイト 「安全運転管理者等に関するよくある質問」 https://www.pref.yamagata.jp/documents/5758/r2yokuarusitumon_1.pdf)
Q2:レンタカーやリース車両を業務で使用する際も、アルコールチェックは必要ですか?
A2:レンタカーやリース車両等、自社で所有していない車両を業務で使用する場合も、運転前後のアルコールチェックは必要です。
(※参考サイト:一般社団法人千葉県安全運転管理協会 「アルコールチェックの厳格化について」 http://www.ankan-chiba.or.jp/asset/00032/kaisei/check_gimuka.pdf)
Q3:規定台数に達しても、安全運転管理者等を選任しない場合は処罰されますか。 また、規定台数に足りなくても、安全運転管理者を選任できますか。
A3:安全運転管理者、副安全運転管理者の選任については、道路交通法第74条の3第 1項、第4項に、「自動車の使用者等は、規定の台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、安全運転管理者等を選任しなければならない。」と定められ、選任しなかった場合は、50万円以下の罰金となります。また、規定の台数以下の場合であっても、安全運転管理者を選任することは可能です。選任する場合は、選任届の提出と年度内に1回の法定講習の受講をお願いします。
(※参考サイト:警視庁「安全運転管理者等に関するよくある質問」)

② 酒気帯びの有無の確認に関して(2022年4月1日から施行)

Q4:道路交通法施行規則の「運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者」とは、どういう意味ですか?
A4:「運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者」における「運転」とは、一連の業務としての運転を指します。つまり、個々の運転の前後にアルコールチェックを行ったり、緑ナンバー事業者のような中間点呼を行ったりする必要はなく、運転を含む業務の開始前と終了後に行えばいいということです。(図1参照)

図1

(※画像出典:一般社団法人千葉県安全運転管理協会「アルコールチェックの義務化と記録について」4-(2)図1 http://www.ankan-chiba.or.jp/asset/00032/kaisei/check_gimuka01.pdf

(※参考サイト:一般社団法人千葉県安全運転管理協会「アルコールチェックの義務化と記録について」 http://www.ankan-chiba.or.jp/asset/00032/kaisei/check_gimuka01.pdf

Q5:「当該運転者の状態を目視等で確認」とありますが、具体的にどうやって確認すればいいですか?
A5:「目視等で確認」とは、原則として対面で、運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子などを確認することです。ただし、対面での確認が困難な場合は、例えば、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させるなどした上で、カメラ、モニター、携帯電話、業務無線等の直接対話できる方法によって、安全運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させる方法を用いて飲酒検査をすればよいとされています。
(※参考サイト:警察庁丁交企発第202号(2023.8.15/警察庁交通局交通企画課長) https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kouki/20230815katyoutuutatu.pdf)
Q6:安全運転管理者が出張や休暇で事業所にいない場合、アルコールチェックは誰が行えばいいですか?
A6:チェック対象者が多い場合や安全運転管理者が不在の場合は、副安全運転管理者または安全運転管理者の業務を補助する者が行っても問題ありません。
(※参考サイト:岩手県警察「安全運転管理者によるアルコールチェックの義務化」 https://www.pref.iwate.jp/kenkei/oshirase/kotsu/3001168.html)

③ 記録の保存に関して(2022年4月1日から施行)

Q7:「記録を一年間保存」とありますが、保存の形式は決められていますか?
A7:確認結果の記録は1年間保存すると規定されていますが、法律で定められた書類様式はありません。また、専用のパソコンファイルや、クラウドでの管理が必要といった規定もありません。記録が義務付けられている項目を網羅できるよう、各事業所の業務内容に応じて最適な手段を選びましょう。
(※参考サイト:島根県「安全運転管理者の業務の拡充に関するQ&A」 https://www.pref.shimane.lg.jp/police/05_application_and_procedures/safe_driving_admin/index.data/annkanQ_A.pdf
Q8:アルコールチェック結果の記録は、役所等に提出しなければいけませんか?
A8:確認結果の記録について、提出の義務は定められていません。ただし、道路交通法第75条の2の2で、公安委員会が必要だと認めるときは、自動車の使用者や安全運転管理者に対して必要な資料の提出を求めることができると規定されています。そのため、万が一、業務運転中に事故が起こった場合等は、 警察から記録の提出を求められる可能性があります。
(※参考サイト:一般社団法人千葉県安全運転管理協会 「アルコールチェック義務化に関するQ&A」 http://www.ankan-chiba.or.jp/asset/00032/kaisei/check_gimuka_qa.pdf)

④ アルコール検知器の使用について(2022年10月1日施行予定 → 延期)

Q9:「国家公安委員会が定めるアルコール検知器」とは何ですか?
A9:呼気中のアルコールを検知して、アルコールの有無や濃度を音、色、数値等により示すことができる機器のことです。性能について特別な要件はありません。
(※参考サイト:島根県「安全運転管理者の業務の拡充に関するQ&A」 https://www.pref.shimane.lg.jp/police/05_application_and_procedures/safe_driving_admin/index.data/annkanQ_A.pdf
Q10:「アルコール検知器を常時有効に保持すること」とは、どういう意味ですか?
A10:アルコール検知器に故障がなく、正常に作動する状態で保っておくことです。アルコールチェックには、故障がない検知器を使用しなければなりません。取扱説明書に基づいて適切に使用し、管理・メンテナンスするとともに、故障していないか定期的に確認しましょう。
(※出典:2022年9月時点 警察庁HP「安全運転管理者の業務の拡充について」広報啓発用リーフレット https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/insyu/img/ankanleaflet.pdf)

4. まとめ

2023年12月からアルコール検知器を使用した飲酒検査の義務化が正式決定されました。ぜひ、アルコール検知器の入手について早めにご検討のうえ、スムーズに本番運用へ移行できるように準備されることをおすすめします。