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企業のSaaS導入はマーケティングや人事領域にとどまらず、経理、内部統制、情報セキュリティなどのコーポレート領域にも広く浸透しつつあります。

目的は、個別のSaaS導入によるリスク回避やアナログ対応による人為的ミスの軽減、競争力を高めるための業務効率化などさまざまです。

3月17日、NTTコミュニケーションズはFesaas Growth Webinar「業務SaaSでDX推進!攻めのコーポレート業務改革」を開催。

株式会社イエソド代表取締役・竹内秀行氏、ドキュサイン・ジャパン株式会社マーケティング部ディレクターの土肥渉氏が登壇しました。

DX推進時にコーポレート部門が認識しておくべきリスクや果たすべき役割、企業の成長を加速させるコーポレートの在り方などを語りました。本記事では、当日の様子をダイジェストレポート形式でご紹介します。

  1. 01なぜ、コーポレート部門がDX推進の主役となりうるのか?
  2. 02DX化が進みやすい会社、進みにくい会社
  3. 03SaaSの“スモールスタート”は日本企業に適している
  4. 04各社の電子化への抵抗は薄れつつある
  5. 05SaaSを導入するリスク・導入しないリスク
  6. 06移行期にはネガティブな意見が出るもの

なぜ、コーポレート部門がDX推進の主役となりうるのか?

司会者:企業DXを推進するには、コーポレート部門が主役となり先陣を切る必要があると言われます。なぜでしょうか?

竹内秀行(以下、竹内):コーポレート部門は、企業の下支えをしている部門です。常に会社全体が働きやすくなり、雰囲気が良くなることを考えているので、今、DX化やシステム化が効果的だと考えているのではないかと思います。

土肥渉(以下、土肥):ドキュサインの電子署名をご利用いただくお客さまは、以前は「営業契約を電子化したい」「サプライヤー契約を電子化したい」といった、ポイントでのニーズが大多数でした。

ただ最近は「会社全体をエンドツーエンドで電子化したい」というように、ニーズが変化しています。

「会社全体」について考えていて、社内業務を一番よく知っているのがコーポレート部門です。だからこそ、そこから物事が大きく動いていくのではないかという気がします。

竹内:例えば、契約ひとつとってもいろいろな業務が関わってきます。

契約に至ったら契約書があり、発注書や請求書が発生する。最終的には会計系のシステムに落とした上で、銀行口座へ振り込む作業も必要です。

これら一連の業務を担うのがコーポレートの方なので、その部分を効率化すると会社全体がうまく回っていくと思います。

DX化が進みやすい会社、進みにくい会社

司会者:DX化が進みやすい会社、進みにくい会社に共通する特徴はありますか。

竹内:経営陣と現場の方々の間で意識統一がなされていない会社さんは、なかなかIT導入が難しいケースが多い印象です。

土肥:これは、私個人の意見としてお話しさせていただきますが、今、デジタル化は止められない流れだと思います。

政府も「脱ハンコ」とイニシアチブを取って取り組んでいますし、3年後、5年後にはほとんどの契約書が電子署名になります。5年後に「やっぱり紙とハンコが良かったから郵便でやろうね」とはなりませんよね。

そして企業にとっては、早く導入すれば売上が上がるメリットがある。わかりきっていることなのに、何でやらないのかという疑問はあります。

竹内:いろいろな企業において、とくに予算の考え方が1年単位であることが要因としてあると思います。部署異動があるので、1年で成果を出すことを考えている人も多いのでしょう。

とはいえ、IT投資は5年や10年をかけて回収していくものなので、意識をシフトしていかなければいけません。

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SaaSの“スモールスタート”は日本企業に適している

司会者:企業が今からDX化に取り組むと、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

竹内:未来の自分たち、未来の社員が働きやすくなる環境を作っていけるということです。今は少し苦労するかもしれませんが、システム化することによって5年後、10年後に自分たちの業務が楽になる。そのような考え方が重要です。

土肥:日本企業は、良い言い方をすると100%を求めているのですが、悪い言い方をすると、いつまでも重箱の隅をつついて、(SaaSを)入れない理由を見つけているようにも見えます。

ただ私は、ここがまさにSaaSが活躍できるところだと思っています。

SaaSは初めに無料トライアル版でスモールスタートをして、良さそうだったら広げていくという使い方ができます。そのような意味で、(導入に慎重な)日本企業には合っているのではないでしょうか。

司会者:業務SaaSでとくに取り組みやすい部分があればお聞かせください。

竹内:コーポレート部門で一番重たいものは、ワークフローシステムと、マスタのシステムを入れることです。逆に、それ以外のシステムであれば比較的簡単ですね。

例えば最近では、法務文書のチェックを効率化するシステムや、労務、年末調整などを効率化するシステムなど、簡単に導入できます。このような部分は、SaaSの良い入口になると思います。

土肥:おっしゃる通りですね。あとは企業によって課題はそれぞれなので、できるところ・やりたいところからやるのが一番です。

各社の電子化への抵抗は薄れつつある

司会者:「自社で取り組みたいけれども、取引先が対応していなくてできない」といった場合はどのように対応すべきでしょうか?

土肥:電子署名に限ってお話しすると、やはりみなさん、コロナ前はその懸念を持っていらっしゃいました。ですが、今はこういう世の中になり、積極的に電子署名を入れるようになっているので、あまり心配はいらないのではないかと思います。

むしろ導入企業が取引先から、「うちもちょうど入れたいと思っていたので、御社とのやり取りで試しに使うことができて良かったです」と言われるケースもあります。

自分たちも相手も楽になることなので、それを丁寧に説明していく。泥臭い話になりますが、そうすれば必ずわかっていただけると考えています。

竹内:ドキュサインさんのサービスは、使ってみると本当に便利さがわかります。一度導入してみるのは有効ですね。とくに複数社間で契約するとき、同時に契約書を回せるのですごく便利です。

司会者:例えば4社になると、契約書も4冊作らないといけない、どの順番で回そうかといった煩雑な場面がありますね。

竹内:はい。例えば、ベンチャーキャピタルから投資を受けるときには、エンジェル投資家を含めて30人ほどの契約者が並んでいることがあります。そのために30部刷って、全部にハンコを押す作業って本当に辛いんです。

それがドキュサインでは1回押すだけで全部終わる。これはすごくいい体験でした。

また、いろいろな人が確認したことを追える証跡の部分は、IT化する一番のメリットだなと思っています。

SaaSを導入するリスク・導入しないリスク

司会者:競争力のある企業として成長していくために、回避しなければならないリスクはどのような点でしょうか?

竹内:コーポレート業務を扱うSaaSは、真面目に使い始めると30や40に増えていきます。そうなったときに、導入した30〜40のサービスをしっかり管理できるか、というリスクがあります。

例えば、このSaaSでは退職者のアカウント権限がきちんと剥奪されているけれども、このSaaSにはまだ残っているということがある。これらを管理できる仕組みを整えていかないといけません。

土肥:もちろんリスクはあると思いますが、SaaSの方がむしろリスクは少ないと思っています。個人情報を扱うときも、SaaSの方がはるかに安全です。

SaaSで管理するのと、エクセルでローカルにダウンロードして、オンプレミスで管理するのとでは、貸金庫とタンス預金くらい安全性に違いがあります。

また、SaaSはアプリケーションのアップデートをする必要もなく、常に最新のバージョンを使えるので、良いことしかないと思います。

竹内:昔は閉じたネットワークだけで保守すれば良かったのですが、今は常にインターネットがつながっているので、どこから攻撃を受けるかわからない状態です。

それを保守し続けるのはなかなか厳しくなってきていますし、SaaSを導入するコストよりも、保守し続けるコストの方が圧倒的に高くなっていく。そのあたりも含めてどう導入していくかを考えていただけるといいと思います。

司会者:コロナ前後でコーポレート部門の取り組みに変化はありましたか?その上で、今求められているものは何でしょうか?

竹内:業務の標準化は重要です。社内に閉じた話ではなく、まさにドキュサインさんが取り組まれていることですが、各々の会社が同じサービスを使ってやり取りができるようになる。

そうなっていくと、逆に「導入しないと会社として置いていかれる」という考え方を持った方が良いかもしれません。

土肥:少し趣旨と外れますが、何度か転職してきた中でいうと、どこの会社も使っているアプリケーションは決まっています。そうすると、すぐに馴染むことができるんです。

人材が流動化すると、企業の競争力はアップしていくという考え方があります。それは業務の標準化につながる話だと思います。

移行期にはネガティブな意見が出るもの

司会者:ここからはいただいている質問をしていきます。「経営陣にSaaS導入の意思はあるけれども、社内業務の変化に積極的ではない方々がいる場合、どのようにDXを進めていけばいいでしょうか?」

竹内:非常に難しい問題ですね。僕自身もシステムを作っていて「これまでこの作業をしていた人たちの仕事を奪ってしまうのではないか」と思うことがあります。

一方、システム化することで、その人たちが本当にしたいことや、もっと創造性のある仕事ができるようになる。この考え方を持っていただくのが重要だと思います。

土肥:過去を振り返ってみると、私が最初にインターネットに触れたとき、インターネットがインフラになるなんて考えてもいませんでした。

今ではもう、会社でインターネットが落ちると大騒ぎです。AmazonやGoogleをはじめ、インターネットなしでは過ごせないですよね。

SaaSを含めて、テクノロジー全般的にそういうものだと思います。ぼやぼやしているとあっという間に取り残されるし、化石化していくということを考えていただきたいなと思います。

司会者:「旧来のシステムから新しいものに入れ替える期間が不便だなと感じたり、もっといいものが出てこないかを見極めてから導入したいのですが……」

竹内:確かに移行は大変ですが、きちんと音頭を取って、新しい良いものにちゃんと乗り換えようと言える人を社内につくっていく、あるいは見つけていくことは重要です。

あとは、データを簡単に乗せ換えられる仕組みを持っておくといいですね。

土肥:良い方向だったらどんどん変わっていいと思います。私たちも昨年、クラウドストレージを変えたのですが、社内では不満を漏らす人もいました。

移行期には必ずネガティブな意見は出ますが、使い始めて本当に良いものだったら馴染んでいくので、恐れずに常に良いものを求めて進化・変化していくのが大切だと思います。

・・・

SaaS導入によってなくなる業務がある一方、それを進化と捉えて、未来の従業員が働きやすい環境づくりをしていくことが求められています。

当日はこのほか「マーケティングやセールスといったフロントオフィスだけでなく、バックオフィスにこそDXが必要な理由」、「テクノロジーの進化と浸透の歴史」などについて、深い議論が交わされました。

レポート記事では紹介しきれなかった部分も多数ありますので、ぜひともアーカイブ動画をご覧ください。

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