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SaaSにおけるセールス・マーケティングモデルとして『THE MODEL』(著:福田康隆)が実践され、浸透してきました。とくに2020年以降は、外部環境・働き方の変化に伴い、多くのSaaS企業が果たすべき役割にも変化が表れ始めています。

3月4日、NTTコミュニケーションズは、Fesaas Growth Webinar「SaaS業界のエキスパートが徹底討論!セールス・マーケティングのNEXT MODEL」を開催。株式会社ヤプリマーケティングスペシャリスト・島袋孝一氏、株式会社ビズリーチHRMOS事業部インサイドセールス部部長・茂野明彦氏、ベルフェイス株式会社イベントマーケティングマネージャー・堀大貴氏の3名が登壇しました。

SaaSセールス・マーケティングモデルは今後、どう変化するのか。また、各社が取り組む「NEXT MODEL」はどのようなものか。
本記事では、当日の様子をダイジェストレポート形式でご紹介します。

  1. 01基本モデルを踏襲しつつ、企業ごとの色を出していく
  2. 02ファネルの発想だけに縛られないことが重要
  3. 03コロナ禍で変化した新しいマーケティングの形
  4. 04デジタル化によってセールスの定説がひっくり返る
  5. 05あらゆる定量・定性データを蓄積し、資産として次に生かす
  6. 06ウェビナーの集客率を意識しすぎてはいけない
  7. 07アンテナを張った情報収集、思考、行動が大事

基本モデルを踏襲しつつ、企業ごとの色を出していく

司会者:SaaS業界におけるセールス・マーケティングモデルとして『THE MODEL』が浸透しています。皆さんは『THE MODEL』をどのように捉えていますか?

島袋孝一(以下、島袋):マーケティング→インサイドセールス→フィールドセールス→CSまでの流れは一緒ですが、ヤプリではさらにPRの要素も入ってきます。

弊社はオフラインでの大規模イベントが得意でした。

1,000名規模のイベントを自社単独で実施したり、モバイルマーケティングを語る会を開催したりして、ヤプリを知っていただく機会を作りました。

また、コロナ禍以降では、オンラインでコミュニティマーケティングも行っています。

教科書どおりの取り組みを行いつつ、ヤプリならではの活動をしているということです。

お二人は『THE MODEL』以外の味付けをしていますか?

茂野明彦(以下、茂野):ビズリーチのSaaSプロダクトである「HRMOS(ハーモス)」では、コミュニティマーケティングを強化しています。

コミュニティマーケティングは私たちではなく、ユーザーであるお客さまが発信し、PRにつなげていただける。これこそが一番信頼度が高い発信です。

堀大貴(以下、堀):今の時代では、ユーザーが自分で情報を調べて購買に至る動きが強いので、ベルフェイスではコンテンツをなるべくたくさん用意して、お客さまに合ったコンテンツを、いつでも手に取っていただける状況にしようとしています。

島袋:なるほど。皆さん『THE MODEL』を読んで理解して、組織と人を充てた結果、会社なりのカラーが自然と出てくるのかなと思います。

ファネルの発想だけに縛られないことが重要

司会者:茂野さん、堀さんが採用しているモデルについて具体的にお伺いします。

茂野:僕がインスパイアされたのは、HubSpot(インバウンドマーケティングツールを提供する米国企業)の「フライホイールモデル」という考え方です。

例えば、リード獲得して、商談にならないお客さまには、ナーチャリングやKeep in touch(連絡を取り続けること)をします。

さらに商談をして、受注にならなかったお客さまにも接触を続ける。お客さまを中心に関わり続けるところがポイントだと思っています。

堀:ベルフェイスも基本は『THE MODEL』型で変わらないのですが、アカウントエグゼクティブという形で、エンタープライズ企業専用の営業をつけています。

担当営業がセールスからカスタマーサクセスまで担っているところが特徴です。また、ベルフェイスではオンラインセールスで売り切ることが基本です。

司会者:皆さん『THE MODEL』型を基本とされています。逆に『THE MODEL』型の弱点はあるのでしょうか。

茂野:『THE MODEL』型は「SMB(中堅・中小企業)×ホリゾンタルSaaS」には有効だと思います。

対象のお客さま数が多い場合は、大規模にマーケティングをおこない、導入を検討いただけそうなお客さまを中心にアプローチしていく方法が合うということです。

ただ、バーティカル(業界特化型)SaaSは、もともとターゲット企業が少ないので、ファネルで絞っていくと、すぐに対象のお客さまがいなくなってしまいます。弱点というわけではありませんが、すべてをファネルで考えてしまうと難しい点もあります。

画像クリックで、その他のグラレコ画像含め拡大してご覧いただけます。

コロナ禍で変化した新しいマーケティングの形

司会者:新型コロナウイルスの影響を受け、従来のモデルに変化はありましたか?強化した点・苦戦を強いられた点などがあれば教えてください。

堀:当初課題になったのは、お客さまとの接点数が少なくなってしまったことです。イベントマーケティングとしてのオフラインセミナー、展示会は直に打撃を受けました。

それらをすべてオンライン化して、いつでも誰でも見られるようにしたことによって、今は逆にお客さまとの接点が増えています。ウェビナーを1日1回ではなく、5回開催した日もあります。

そうすることにより、毎日来てくれる方やベルフェイスのファンになってくれる方ができました。自然と商談が進んでいくこともあり、大きな変化でした。

茂野:やはりウェビナー化は大きいです。

今は(お客さまが)ウェビナーに気軽に参加して情報収集できるようになり、集客数も大きく伸びています。

一方、気軽に参加できるからといって、ニーズの高い方だけが増えるわけではありません。

お客さまの状況を捉え、本当に必要な情報を届ける動きは、以前よりも重要になってきていると思います。

司会者:オフラインよりも参加しやすくなったことで、地方のお客さまも増えてきているのではないかと思います。

島袋:おっしゃる通りです。これまでの拠点地域だけではなく、いろいろな地域の新たなお客さまに出会うことは増えました。

ただし、ヤプリの場合、お客さまによって提供できるソリューションが変わってくるので、その辺りの可視化や空気作りはオンラインでは、まだまだ試行錯誤中です。

堀:ベルフェイスでは、「このウェビナーを見た方は、次にこのウェビナーを見ていただくと満足しやすい」などの傾向がわかってきているので、それに応じたご案内をするようにしています。

島袋:また、大人数向けホールのオフラインセミナーでは、物理的に最前列の方と最後列の方がいるのですが、オンラインでは皆さんが最前列になります。そうするとインタラクティブなチャットもできますし、SNSでのフォローもされやすいです。

茂野:オフラインの時には「答えられなかったところはTwitterで答えます」と言っても、質問が来ることはほとんどなかったのですが、オンラインになってからはいただけるようになりました。

デジタル化によってセールスの定説がひっくり返る

司会者:これから先、セールス・マーケティングモデルはどう変わっていくとお考えですか?

島袋:企業によってモデルやステージは違うと思いますが、僕はBtoCの経験が長いので、コミュニティマーケティングやファンマーケティングが好きです。

そして、仲間づくりはBtoBマーケティングでもできると思っています。

今年1年は環境が変わってきた中で、透明性をもって、どこから見られてもいいようなブランディングやマーケティングを戦略的にしていくことで価値を発揮できると思います。

茂野:セールス領域においては、マーケティングのようにデジタル化されてなかったことが、急速にデジタル化されてきました。そうすると、今までの定説がひっくり返ることがあると思っています。

例えばですが「売れる営業は話すより聞いている」とか「価格提示は最後の方がいい」という(定説)は本当かなと思うこともあります。

デジタル化によって「これまで考えていたこととこんなに違うのか」という発見がたくさんあります。

そのように、定説や仮説がどんどん変化していくと思うので、この先5年10年のセールスは面白いと思います。

訪問がデジタル化されて、データドリブンな世界になる。そういうことをできるのが、ベルフェイスさんのツールだと思います。

堀:すごいセンタリングを上げていただいて(笑)。まさしくベルフェイスでは、セールスデータを分析していこうとしています。本当にデータが大事になると思いますし、同時にお客さまの声も大事だと思います。

あらゆる定量・定性データを蓄積し、資産として次に生かす

司会者:チャットから質問が来ています。「セールス・マーケティングにおいて、お客さまとの接点はどう変わっていくのでしょうか」。

茂野:セールスとマーケティングで扱う情報の価値が等しくなっていくと思います。「なぜ問い合わせをしてくださったのか」という情報と「商談につながる」という結果の情報の価値がフラットになっていく。

意識していただきたいのは、そのような情報をストックし、シェアできるような体制です。また、その意識が高い人がどれだけ社内にいるかということです。

堀:茂野さんがおっしゃるように、蓄積していくことは本当に大事です。

例えば僕は、昨年ウェビナーを350回やりました。とりあえず走ってみた感じなので、すべて成功だったとは言えませんが、失敗も失敗として、ベルフェイスの資産として残します。

それがメンバーに蓄積されて、また新しい取り組みをしていける土台になる。自分の経験値としても、トライ&エラーと蓄積が本当に大事です。

司会者:堀さんはウェビナーを相当数開催していらっしゃいます。数字で見る他に、定性的なところも気をつけていらっしゃるのでしょうか。

堀:もちろんです。定量の奥に定性があるとは思いますが、そこに次のヒントがつまっているので、定性の方も毎回重視して振り返っています。

茂野:改善がしやすくなってきたので、ウェビナーのアンケートはすごく大事です。お客さまからしても、書くことで自身が見るコンテンツが良くなるので、ぜひたくさんフィードバックいただきたいと思います。

ウェビナーの集客率を意識しすぎてはいけない

司会者:「集客はできるが商談につながらないという課題があります。業種・業界や知名度・信頼度によっても幅は出ると思うのですが、セミナーから商談につながる確率は肌感覚的にどれくらいでしょうか?」

茂野:確率だけで語るのは難しいと思っています。集客目標が500社、商談を50件創出したい思ったときに、100社しか集客できなかったら50件商談獲得で50%です。

しかしながら、1,000社集客できたら50件で5%になりますよね。商談化率だけで考えない方が良いと思っています。

「ウェビナーから商談につながらない」という課題にストレートにお答えするなら、ウェビナーの内容を見直すことが必要でしょう。

島袋:ヤプリの場合は、毎週水曜日の5時から、決まった曜日・決まった時間にウェビナーを開催しています。かつ、毎週週替りゲストに登壇いただいています。そして、自社のプロダクト・サービスだけを案内するセミナーは1つもありません。

マーケティングの大きなテーマから実務ベースのテーマまで「粒度を変える」ことをしていくと、インサイドセールスへのパスの精度も高くなってくるので、率への寄与になっているかなと感じています。

アンテナを張った情報収集、思考、行動が大事

司会者:SaaS企業の従事者、または関心のある若手に対して取り組んで欲しいこと・チャレンジして欲しいことなどアドバイスをお願いします。

堀:常に市場は変わり、新しいツールが出てきます。新しいSNSが出てくると思わなかったところにclubhouseが出てきたりするので、それらを使いこなしていかないといけません。

僕自身がまだ28歳なので、偉そうに言えることはないですが、アンテナを張って情報を得ていくことが大事だと思います。

島袋:無理に発信しなければいけないものではありません。口コミを拾うだけでも価値があると思うので、その手段として使うのも1つだと思います。

茂野:今は、情報が多くて臆してしまうところもあると思います「思考」と「行動」を切り替えていくことが、これからの若い方には重要ではないでしょうか。

・・・

スペシャリストたちのトークによって、2020年に大きく変革したセールス・マーケティングのリアルな現状が浮かびあがりました。

視聴者からの質問も多く寄せられており、「ウェビナー集客のコツ」「コミュニティマーケティングの要点」「これからのオフラインセミナーの価値」など、レポート記事で紹介しきれなかった部分も多数あります。

ぜひアーカイブ動画をご覧いただき、エキスパートの取り組み事例や深い思考に触れてみてはいかがでしょうか。

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