| Vol.5 |

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< その1 >
ICTの普及の中、テクノロジーを駆使して、
社会に役立つ面白いことをやろう!
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ICTが爆発的に普及する中で、中堅中小企業や起業家(アントレプレナー)にも大きな影響を及ぼしている。GoogleやeBay、アマゾンなどはテクノロジーを駆使して、新しいビジネス分野を切り開いている。それに対して、日本のネット企業はアクセス数を増やすために、横並びで同じやり方で事業を進めている。「日本の起業家は、インターネットというツールや新しいテクノロジーを駆使して、ワクワクする、面白いことをやる必要がある」と一橋大学の米倉誠一郎氏は主張する。中堅中小企業や起業家に求められるものは何か、米倉氏に聞いた。
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テクノロジーを駆使する米国のネット企業と日本の違い
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-ICTの爆発的な普及は中堅中小企業や起業家にどんな変化をもたらしているのでしょうか。 |
米倉 |
商圏人口1,000人も満たなかった鹿児島のさつま揚げ屋さんが全国で売れるようになったり、信州伊那谷の卵屋さんが全国的に卵かけご飯をはやらせたり。インターネットを使うことで、中小企業のビジネスが一気に全国に拡大するというケースは出てきています。しかし、ICTにはもっと大きなポテンシャルがあるはずなのに、日本のビジネス界では思ったほどの変化が生まれていないと考えています。例えば、アクセス数を増やすために、同じように、ポータルやブログ、ショッピングサイトを展開しているネット企業が多く見られます。横並びでやっているために、せっかくの可能性も利益率も十分に上げることができないのです。 |
-GoogleやeBay、アマゾンとは違いますか。 |
米倉 |
だいぶ違うように思います。彼らは自分たちの事業ドメインを各々持っています。また、グーグルのようにテクノロジーを駆使して、個人のブログにアフェリエイトを付けて課金する仕組みをつくったり、グーグルアースのような新しいサービスを考えてアクセス数を増やそうとしています。本当に、真剣に、テクノロジーを使って、Win-Winのゲームをやっているのです。これに対し、日本のネット企業には今のところ、それぞれあまり際だった特色がありません。もう一度インターネットの可能性について真剣に考えることで、今後もっと大きな変化が生まれる可能性があると思います。 |
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社会に役に立つ、ワクワクする面白いソリューションを考える
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-日本の起業家には、何が求められているのでしょうか。 |
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米倉 |
テクノロジーを駆使して、面白い、世界中がワクワクすることをやることです。例えば、ネットとエアコンをつなぐと、大変面白い。日本の電力会社はピーク時対応のために設備投資をしてきて、非常に高い品質の電力を提供しています。電力消費のピークは、夏の高校野球決勝直前とか、ほんの一瞬です。そこで、インターネットを使って、ピーク時には自動的にテレビの明るさを落とし、エアコンの温度を上げるようにする。これが1,000万世帯ともなれば、ピーク時の電力使用量は大きく下がります。これは地球温暖化につながる温室効果ガスの削減に大きく貢献します。 |
-ネットでお金を儲けるというのとは違いますね。 |
米倉 |
もちろん資本主義ですから、儲けていいのです。問題は儲け方です。Googleは設立趣意書の中で、「皆が使わずにいられないような便利なサービスを提供する、Better Worldにする」といっています。それに対して、日本では利益だけを優先する企業が目立つように思います。せっかくインターネットという全く新しいツールを手にしたのに、そんな古めかしいことを考えていたのではどうしようもありません。新しくて、ワクワクし、社会に役に立つソリューションを考えることが必要なのです。 |
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 米倉 誠一郎 氏
一橋大学 イノベーション研究センター 教授
1953年東京生まれ。81年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。90年ハーバード大学歴史学博士号取得。95年一橋大学商学部産業経営研究所教授、97年より現職。アーク都市塾塾長、『一橋ビジネスレビュー』編集委員長。 |
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