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BBCのディレクターが語る
「ネットがニュースメディアに与えた影響」


ニュースメディアにおける編集判断とソーシャル機能


David: ニュースメディアの編集的判断を、私たちはどのように活用できるでしょうか? おっしゃるように、特に私たちがより党派的な判断をするようになっていくとしたら。ニュースメディア、特にBBCは党派的ではないですよね。

そうであることで、BBCは私たちの助けになってくれるでしょうか?
Richard: そうですね、それが人々の望みなら、私たちは無党派であるように努めましょう。メディアの多くの要素が党派色を強めている世界にあって、実際、無党派である事が私たちをより大きく差別化するでしょう。それが多くの意味で私たちのプラスになると、考えています。

私は、技術が情報へのアクセスを広げ、情報の伝わり方を変え、情報をどこにでもあるものに拡散させたと考えます。しかし、情報を驚くほど系統的に整理する技術は、まだできていないのです。

情報の系統化は、その大部分が今も、従来のメディアやニュース機関によって行なわれています。非常に興味深いベンチャー企業と足並みをそろえることもありますが、この点についてはあとでお話ししましょう。

しかし、BBCや『CNN』『The New York Times』『The Guardian』などは、それぞれの視聴者や読者の求めに従う形で選別し、整理し、判断することに関しての歴史があり、それがそれぞれのDNAに組み込まれています。

そして、BBCでは確かに、当社の視聴者がどのように働き、何を欲し、何に興味を持っているのかを理解するためにたくさんの時間を費やしています。そしてその情報をふるいにかけて、私たちの判断に生かしているのです。
David: では、私たちは、自分で判断するために必要なソーシャルな機能を提供してくれる場所として、ニュースメディアサイトに期待していいのでしょうか?
(「ソーシャルな機能」とは、ユーザーたちがコンテンツに評価などを加えていくことで、新たなコンテンツを生成していく過程を共有できる仕組み)

たとえば、『USA Today』にはソーシャル・ニュースサイトの『Digg』によく似た、推奨の意思表示をする機能があります。ユーザーが、記事に対し賛成あるいは反対票を投じることによって、新しいフロントページのいわばプレイリスト的なものを、上昇させたり下降させたりするわけです。

こうした機能は、ニュースメディアサイト以外で求めるべきものなのでしょうか? こうしたことはニュースサイトですでに行なわれているのですか? あるいは、ニュースサイトではこうした機能を使うべきで、使う計画があるのでしょうか?
Richard: 私は、ニュースサイトがこうした機能を使い始めるだろうと確信しています。現時点では、こういったソーシャルな機能は、主にベンチャー企業や新しいサイトから出てきています。Diggなどは明白な例ですが、ほかにも非常に成功しているところが出てきています。たとえば『Newsvine』は面白いですね。そういったサイトはたくさんあり、その気があれば、私たちはどこのサイトでも見ることができます。

そして、このような機能は、従来のメディアにも取り入れられていくだろうと思います。本当に価値のある機能だからです。

結局のところ、ここでいう判断とは、単に「格好いいか?」あるいは「理論的に面白いか?」ということではなく、本当の価値を視聴者や読者に提供しているかどうかについてのものです。この基準に基づいて、従来型メディアはこの機能を取り入れると思うのです。
David: それでは、従来のメディアがこうしたソーシャルな機能を取り入れたとき、たとえばBBCの場合、私たちは自分たちのソーシャルグループや興味によってまとめられた形でニュースを見るのでしょうか? それとも、BBC編集者の判断で推奨されたニュースを見ることになるのでしょうか?

その場合、ソーシャル的に編集されながら、BBCによる編集的判断が競合する形で1つ増えるだけ、ということに過ぎないのでしょうか?
Richard: そういったものではないと思います。BBCのサイトを訪れれば、それはある程度お分かりでしょう。しかし、それだけではありません。サイトを訪れれば、BBCによる評価や判断、分析に触れると同時に、BBCサイトを見ている人たちのコミュニティー感覚や、その判断、興味がどんなものかも感じとることでしょう。

記事や特定のページに寄せられる、従来からある形式でのコメントからも、その一部を感じとることができます。現在私たちは、ユーザー登録をした人のコメントのみ受け付ける方法をとっています。これには問題がないではないのですが、それでも、多数の人々が登録しています。登録ユーザーは互いのコメントを推薦できるので、こうした人々からなるコミュニティーが何に興味を持っているのか、どんな意見を持っているのかという感覚がつかめます。

ただ、この件に関しては、BBCは現在かなり遅れをとっているというのが私の個人的意見です。しかし、私たちは早く挽回しようと懸命に取り組んでいます。コミュニティー感覚やコメント、参加意識は急速に発展すると思います。

しかし、それはBBCの編集判断とは別物です。BBCのコンテンツと読者のコンテンツは、見れば違いがわかるはずです。しかし、どちらもサイトに掲載されるだけの理由があるコンテンツです。
BBCのディレクターが語る「ネットがニュースメディアに与えた影響」

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